スウェーデン旅行記/惜別編(4/7)

4.ドゥンドレット4日目

 ノルウェー方面の道をドライブした。
運転にもだいぶ慣れたのか、最速120km/h(もちろん一般道。郊外だと110km/hの標識はごく普通。(^^;)出ていた。
こちらの車って240km/hくらいまで目盛りがあるのが信じられない。


こんな感じ。いい加減危ないので撮るのをやめた。

踏み切り。但し冬季運休中。

 途中、道の上に黒い固まりが並んでいるのに気付いた。
冗談半分で「トナカイじゃないの?」などと言っていたのだが、近付いて見ると本当にトナカイが数頭群れていた。

げっ、なんでこんなところにいるわけ?

車を降りて近寄ると道の脇の雪の中へ逃げたが、こちらを伺っている。
どうやらこの辺りは放牧地になっているらしい。
でも、今の時期ってトナカイを小さな囲いへ集めているんじゃなかったっけ?
放牧地といっても、それっぽいもの(柵)は見当たらなかった。


トナカイが通る
 その後、また左側に黒いものを見付けた。
「トナカイだ!」と言って、車をバックさせたのだが、

「違うぞ!?」

牛のように大きくて、黒っぽい茶色の動物が2頭いた。
角が変なところ(耳の下に広がって見えた)に生えていて、変てこな顔をしている。
野性のヘラジカだった。
一頭だけ角が生えていた(雄?)が、デジカメを構えるとさっさと茂みの中へ入って行ってしまった。
雌(?)がこちらを伺っていた。

ヘラジカ。遠目にこちらを伺う。
 右側に長い柵が続いた。どちらが柵の中なのかは分からないが。
ここらでは道端に小さな木を植えて、雪に埋まった道路の端が分かるようにしてある。
トナカイを見た手前辺りから、ところどころに黒いビニールのようなものが下げられていた。
怪しい宗教か!?などと訝しんでいたのだが、トナカイ(ヘラジカ)注意の意味があるようだ。(真相は定かではない)

柵の門らしき場所を通り抜けると長い柵は無くなったが、その外にもトナカイが1頭いて、白いお尻をフリフリ逃げて行った。

トナカイ。気持ち良さそうなお尻

 やがて、大きな湖に出た。
この辺りは夏の間キャンプ地になっているようだ。
周りには氷河で削られたような特徴ある形の山が増えて来た。
国境が近いはずだが、この道は国境へは続いていない。
だいぶ遠くまで来てしまったので、そろそろ引き帰すことにした。


出来たての飛行機雲


山々。相棒にはチキンの丸焼きが横たわっているように見えたらしい
(左から尻−背、右端が頭。画面外に嘴もあった)

氷河に削られたような山肌

 帰りの道中も、

トナカイ3頭− 若めのトナカイが小用を足した後、ゆっくり逃げて行った。 お尻がふさふさで気持ち良さそうだ。
トナカイ3頭− 路上にいて、車が寄ると車の前を走って逃げた。横にそれればいいのに、しばらく路上を走っていた。
こちらも徐行運転するしかなく追い掛けて行く形になってしまう。いじめているわけじゃないのに。(^^;
なぜか1頭だけ車の後ろにいて、他の2頭を追い掛けていた。
皆、一生懸命走っているらしいのだが、足が遅い上走り方が変だった。雪道が滑るのか、後ろ足が開いて不恰好だ。
この生き物、ホントにサンタクロースを乗せて軽やかに走れるのだろうか?
トナカイ1頭− 左土手(といっても雪)の上で雪をモグモグ。
トナカイ1頭− 左の脇で雪をモグモグ。
対向車はほとんどない(往復で1台しか見なかった)道だが、とりあえずトナカイ達に注意しながら帰った。
(トナカイを引くと多大な損害賠償をしなければならないらしい)


 夕方仮眠して起きると、霞みが掛かっていた。微妙。

 食器用洗剤でしゃぼん玉実験をした。
−30℃くらいの寒さだと、空中で表面に結晶が出来るのが面白い。
ピシピシピシッと凍るのだ。
落ちたら割れて風船のゴムのようになった。
洗剤の粘度を上げたら、重くなってしまった。
なかなか調合するのが難しい。やはりしゃぼん液を買うべきだったな。
雪のすぐ上で吹き、雪の上に変な物質を量産した。

 9時頃、少し晴れ北に緑の筋が出た。
だが、期待虚しくあまり大きくはならず。
満足気にオーロラを眺めている人達もいたが、どうなのだろう?
2時頃まで粘って、ついに諦めた。

雪上の不審物