スウェーデン旅行記/惜別編(7/7)

7.ドゥンドレット7日目〜帰国

 早朝の3時半出発。
レセプションで朝食のボックスミールをもらい、サンドイッチとたっぷりのヨーグルトをパクついていると運転手の女性がやって来た。
食べ掛けのサンドイッチと丸ごとのりんごと洋ナシを袋に詰めて出掛けた。
その朝帰る日本人は我々だけだったので、バスではなく普通車のタクシーだった。

 徹夜明けだったので(寝てしまうと起きられなくなる危険があるので)、タクシーの中でウトウトしていた。
突然急ブレーキが掛かり運転手の声がして目が覚めた。

「オーゥ!」

見ると路上にヘラジカがいた。
茶色くずっしりしていて、後ろ足が妙に長く白くなっていて、変な曲がり方をしている。
車が止まると、慌てて横断して左の雪の中に逃げて行った。

 また、しばらくするとキツネが横断して行って、ふわふわした尻尾をもたげながら道路の左側からこちらを伺っていた。

 キルナ空港に着くと、まだドアが閉まっていた。
5時のopenまではまだ少しだけ時間があった。
車で待っているように言われたが、OKと言って車を降りた。
服装はオーロラ観測仕様ではないので、ちょっと(かなり?)寒かったが。(^^;

 滑走路は吹雪いていた。
一度滑走しようとしてエンジンを掛けたが、なぜかトーンダウンした。
それを2度くらい繰り返した後、機長のアナウンスがあった。
よく聞き取れなかったが、アナザートライという言葉が耳に残った。


空港からキルナの町を見下ろす

大丈夫かなぁ?(^^;

こんな時、ヒアリングが出来ないと不安極まりない。
離陸するのは好きなのだが、まじで怖かった。(^^#

 でも、ウーメオ経由でなんなくストックホルムに着いた。
ストックホルムは晴れていた。

 ストックホルムではほとんど時間がなかったのだが、やっぱりヘラジカを買っておくべきだったかなぁ?

我が家には現在大小合わせてぬいぐるみが4匹(頭?)いる。
ずっとトナカイだと思っていたのに、どうやら、後の2匹はヘラジカであることが判明した。
色といい、間抜けな顔といい、広がった角といい、長い後ろ足といい、どう見てもヘラジカじゃん!(^^;
最初にあの2頭を見た時、こいつらのことを思い出したのだ。そっくりだ。

トナカイ達(前)と偽トナカイ達(後)

 コペンハーゲンは少し吹雪いていてやや視界が悪かったが、どうにか予定通りに出発することが出来た。
さすがに足止めを食ったと思われる日本人客の姿はなかったが、日本人が大勢いた。

相棒にホラーだと言われ騙されて見ていた映画は、家庭内問題をテーマとした映画のようだった。
すごく眠かったが、ロシア上空の北極圏を通るまで我慢していた。

 期待通り窓から緑の光が見えた。
やがてドレープになり、明るいところでは激しく動いているようだった。
窓のないところで見たかったなぁ。

 成田に近付いた頃には、ほとんど朦朧としていて、気付いたら地面に着いていた。
あぁ、景色を見損なったな。
外は日本晴れ。それに明るい。
機内放送で生の果物を持ち込むなというアナウンスがあったので、もらったりんごと洋ナシを2個ずつ残して降りた。
(そんなに食べられないし。持ち込めないものを持たせないで欲しい。(^^;)

 成田空港に着くと早々にリムジンバスに乗り、家路へ向かった。
途中、何度か落ち、気付くとフリースの胸の辺りがべちょべちょになっていた。(^^;


 今回のツアーでオーロラは見えたのだろうか?
そこそこ大きいものはもちろん、薄いのや帯オーロラ、機中で見たものを含めれば、7晩全て見えたことになる。
薄いものでも満足していた人や、盛んにカメラを向けていた人もいた。
あまり期待していなかった写真は意外なまでに綺麗に撮れていて、撮った本人(相棒)もびっくりしている。(これでいて一番大きかった時は撮り損ねたのだが)

どうなのだろう?

1999年にサーリセルカで見たオーロラが強烈に印象付いているせいで、どうしても物足りなく思えてしまう。(去年もかなり大きかったのだが、あの時の印象には敵わない。)
ああいうのは滅多に見られないものなのかな?
もしかすると、すごく運が良かったのかもしれない。
やっぱりとてつもなく大きいやつが見たいな。

大きくて速くて明るいやつがいい。

太陽活動は弱まりつつあるけど、まだ間に合うだろうか?
どうやら、まだまだ惜別出来なさそうである。

おしまい。



おまけ。魂が抜かれたわけではありません