剪定鋏でぶどうを接木
![]() |
![]() |
![]() |
| はさみ・穂木・台木 | 斜めに切る | 割り込み |
![]() |
![]() |
![]() |
| 接合 | ゴム巻き | テープ巻き |
『初めての人でもケガをしないで接木が出来る』
巨峰は少しくらい品質が悪くても作れば売れていたがブドウの王様時代は
終わりが見えて来た。
近年の市場取引で巨峰は安値つづきで採算割れした農家も出ている。
これからは良品質の巨峰を作るか!巨峰に代わる品種を選び直す必要が
あると思います。
特に消費者が好むぶどうは食味が良く、無核で大粒しかも皮ごと食べられる
品種に代える必要性があると思います。
色々な特徴を持つ品種がある中で、大量に購入する苗木の費用も馬鹿に
ならない様です。
栽培方法や植栽間隔によって異なるが接木苗50~60本位/10a(発育不良
苗木を除く)の準備が必要と思われます。
剪定鋏を使って経済的に望む品種の接木をしてみませんか?特に花木類や
果樹類の硬い枝木の接木に最適です。
ブドウは接木をしないとフィロキセラ(根アブラ虫)に対する抵抗性がない
事や土地の条件に対する適応性がせまい事で根群の発育が劣った場合、
果粒の肥大は望めないようです。
今日まで機械で接ぐ以外の接木は技術的にむずかしいものと考えられて
来ました、接木講習で1〜2人は、接木ナイフでケガをしている、この事から
熟練が必要とされていたが、接木ナイフを剪定鋏に変えて使ってみると、
婦女子や初めて接木をした人でもケガも無く安全でした。
『活着の条件さえ満たせば』剪定鋏で行っても目的を果たす事が出来ます、
従来の方法と比較しても発芽・癒合・発根は良い結果を得ることができました。
接木の目的は系統の良い穂木に台木を結合させ根張りの良い丈夫な苗が
出来るのでより安定した良品質の生産が望めます。
〔接木に必要な主な用具・資材類〕
ア) 剪定鋏18cm(刃先より2cmの所に油性マジックで線を入れる、
新品が良く切れる、軽くて使いやすい)。
イ) 接木テープ又は電気絶縁テープ色別(2cm幅の1/2、)。
ウ) 定温箱(サーモスタット付き)。
エ) 生蝋一式(鍋、筆、ガスコンロ、温度計等)。
オ) ラベル、細字油性ペン、ラベル用鉛筆、(品種名を書く)。
カ) 水苔(植え込み材)。
キ) 輪ゴム(紐、接木テープの代わり)。
ク) 15cmビニ帯(ラベル取り付け)。
ケ)その他、ア〜クまで代用品でも良い。
〔接木の準備と諸注意〕
ア)ウイルスや病害虫の付いていると思われる穂木や台木は使わない。
イ)鋏は新品が良く切れるので古い鋏は出来るだけ使わない(古い鋏は砥石で
よく研いで使いますが薄い紙が切 れる程度まで研いで下さい)。
ウ)接木部が癒合しやすいように2cm幅の電気テープを1cm幅に縦に切って
準備する(穂木と台木の形成層を合わせて巻きつける為)。
エ)接木する前に蝋液の温度調節を行ってください。(接木部や接穂を溶かした
蝋液に漬けるが温度が高いときは、接ぎ穂を瞬時に引きあげないと芽が
煮える事があります。
又蝋付けの温度が低いと蝋が付き過ぎて後でヒビ割れが入り、
芽や接木部が乾燥することが有ります。
〔台木・穂木〕
ぶどうの自根は、フィロキセラに対する抵抗力がない事や乾燥・湿地に弱い、
細根も少なく広がりも少ないようです。
フイロキセラに加害された樹は、葉にその症状がでて根に発育不良を起こし、
養分の吸収がおとろえ樹勢も落ち被害がでる、果粒の肥大は望めなく、
やがて根にコブが出来て石ぶどうやゴマシオブドウが出きる事もありますので
自園 に合った穂木や台木を選んで下さい。
![]() |
![]() |
温度計と雨除け笠 |
サーモスタットと電球 |
(1)【接木の条件と特質】
ア)活着の条件さえ満たせば少し雑に取り扱っても着くようです。
@ 特に床の温20〜30℃の温度を任意にセットできること、
床の温度を30℃以上の35℃の限界を越えないこと。
A 枝が休眠から覚めていること(休眠中の枝は眠り病をまねくことが
あります)。
B 床の湿度は65〜95%確保できる事。
イ) 接木は良系統の穂木に根張りの良い台木を結合させるので丈夫な苗が出
来て、安定した良品質の生産ができる、又肥料代も少なくて済みます。
ウ) 親樹と同じ特性の遺伝子を引き継ぐことができます。
エ) 取り木や挿し木などでは困難な根の出にくい品種を接木で解消できます。
オ) 樹の特性を接木異変や接木交雑により樹の性質を変えることができます。
カ) 矮性台から喬性台等で樹液の流れを変え樹の勢いを代えることができます。
キ) 台木等により早熟の樹に代えられる又数多くの実をならす事が可能です。
ク) 高接ぎは生育期間を短くすることができますが緑枝の高接ぎはウイルスが
刃物から伝染する事があるので注意を要します。
(2)【特接木の方法】
一般農家に栽培しているブドウの木は
矮性台や喬性台木により樹勢がコントロール
(3)【接木の時期】
接木は3月〜4月で外気温が20℃以上になる頃から逆算します、
西日本と東日本や地区によっては1ヶ月くらいの差があります。
貯蔵した穂木の高接ぎや緑枝接ぎは九州では5月5日頃です、(樹液が切り口
から落ちてくる時は早過ぎで、自然に止まる頃まで待った方が安全です)。
秋接ぎは9月〜10月頃で遅くなると接ぎ枝の癒合が遅れて冬の寒さに
耐えることが出来ないので冬期に加温が必要となりますので土に埋めて防寒し
来春掘りし植えつけますが成長が1年遅れるが温度管理をしなくて済みます。
(4)【台木の選び方】
根無し台木を含む根付き台木は2〜3年生の若い木を選び根が多く
病害虫の付いてないものを選びます。
(5)【接ぎ穂と台木の関係】
台木と接ぎ穂は系質が近いものほど接いだ後の癒合がよく、両方の質が
遠い程癒合は悪くなります。
接ぎ穂に対して台木の性質が強いと台勝ちになり逆に台木の性質が弱いと
接ぎ穂が肥大して接木部分が小さくなり台負けができます。
接ぎ穂の強さにあった樹勢で、親和性の良い台木を選ぶ事が良品質の
きめてになる様です。
(6)【挿し木台と実生台木】
ア) 挿し木台は根の発育が良く細根が多い、成育の早い物は1年で
台木として使えます。
イ) 実生台木は直根が多く樹勢は挿し木台木より強いが移植に弱いので、
一度堀上げ直根を3分1位切り捨て細根を発生させ次年度の台木に
使用します。
ウ)台木の 芽は接ぎ木前にハサミ又はナイフで削りとる。
(7)【穂木の選び方】
ア) 貯蔵養分の多い(切り口の緑色が濃い枝)病害虫の被害を受けて
いない穂木で、丸くて鉛筆大位のズイの小さい枝から接ぎ穂を選びます。
イ) 日当たりの良い場所で育った節が短い穂木を選びます。
ウ) 実をつけた節の枝やふところ枝は接ぎ穂として不適当だから避けます。
(8)【接ぎ穂の採取時期】
ア) 枝接ぎは一般的には春接ぎで12月〜2月頃で寒くなってから貯蔵
養分が枝から根に移動する前に採取した方がよい。
イ) 緑枝接ぎは5〜6月の緑枝が固まりかけている頃(展葉10枚前後)で
開花期の物を選ぶ。
ウ) 秋接ぎは9〜10月頃の本年生の生育のよい穂枝を選びます。
(9)【接ぎ穂の保存は】
ア) 地上の外気温の影響を受けない30cmくらいの深さの穴で水はけのよい
乾燥した土に逆さに埋めて保存します(3月下旬には地温が上り出す。
ので放置すると土の中で芽を出すことが有るので北斜面の冷たい場所を
選びます)。
イ) 接ぎ穂や台木を水苔や濡れた新聞紙で包み乾燥しないようにビニールか
ポリ袋に入れて家庭用冷蔵庫で保存できますが一般家庭の冷蔵庫は
3〜5℃にセットされていますので1〜3℃に再調節すると長期間の
保存が可能です。
ウ) 接ぎ穂や台木を保存する前にサイトカイニン(カイネチン)やインドール
酢酸の希釈液を充分吸わせて保存すると発根や癒合が促進されます。
(10)【接木時の諸注意】
ア) タバコを吸う人はウイルスの危険性があるので手を洗って接木をして下さい。
イ) 接木ナイフや剪定ハサミは砥石でよく研いで使用します。
(11)【接木のあとの管理】
ア) 接苗は乾燥しない様にタオルをしぼり接木苗を覆う、またおがくず等の
植え付け材料を敷き苗をはさみ込むが植え込み材の水苔又はおがくずは
水に漬けて両手で搾り指の隙間から水が落ちない状態にする。
イ) 接木苗は最初の1週間は25℃から徐々に温度を上げて28〜30℃の
4週間で発根、癒合、発芽を同時に進行 させ、後の1週間位を25℃位の
温度で外気に慣らす。
ウ) 根つきの苗も接木が終れば根が乾燥しないように早く植え床に植え付ける。
12)【接木苗の植え付け】
接木苗の発根・癒合・発芽には3方法あります
ア) 水苔を利用する方法として育苗床の底に水苔を3cmくらい敷きその上に
接いだ苗木を水苔のだんご状の挿し木苗を並べて植える後で穂木の
芽が隠れるまで水苔をかける。
イ) 鹿沼土やノコ屑を利用する方法は接木苗をそのまま3cm置きに用土と
苗をトースト型にはさみ込み、活着するまでまつ。
ウ) 直接苗床に5~10cm間隔に定植し温熱を入れて育苗する。
13)【接木苗の箱だし】
接木後40日で床植えとなるが晩霜の心配が無くなってから植え付けした
方が無難です。
kateidebudou.htmlへのリンク