種名 ヒヨドリ(鵯)
分類 スズメ目ヒヨドリ科
大きさ ハトよりずっと細い
主な観察時期 一年中
主な生息環境 農地、街の中、ちょっとした森
主な食べ物 虫やトカゲから木の芽、パン、くだものまで、かなり雑食だが…
守ろう 狩猟鳥獣、ただし狩猟免許が必要(鳥獣保護法)
雑記帳 ●♪ヒーヨ、ピイ〜ヨ、とけたたましく態度もでかく、庭先にエサ台を置く“愛鳥家”から嫌われる。
 くだものや野菜を、狙い撃ちで食い荒らすことがあるので、農家からも嫌われる…
●まさに今日出荷予定、というくだものを、目ざとく食べる能力には舌を巻く。
 鳥類の網膜は、人間のそれよりはるかに、色を感じる細胞の種類や密度が上回っているそうだ。もしかしたら、ヒヨドリには植物の「今日が完熟です」という色素のサインが見えるのかも、と想像する。
●一年中同じところで暮らしているように思えるヒヨドリだが、秋には大群の渡りがある。群れは冬場にコマツナやキャベツなどの畑を丸裸にすることもある。
 研究により、山で木の実などのエサ資源が乏しい年は、畑に現れやすくなることが分かっている。大事な作物をやられて腹が立っても、駆除では解決しにくいだろう。
●嫌われがちなヒヨドリだが、世界レベルでは、日本とその周辺の島(台湾など)でしか観察できない、とっても珍しい鳥。
 また日本でも、1960年代には都市鳥でなく、奥山の森林の鳥とみなされていたそうだ。
●管理人は落鳥を拾ったことがある。胸の羽毛は先細りの槍の穂先形で、白とシックな灰黒色が市松模様のようで大変美しかった。近くで見られるチャンスがあれば、ぜひ目を凝らしてほしい。
 また春の渡り時期、トカラ列島で、全身(翼も)ほとんど(頬部分と同じ)赤レンガ色の南方系個体を観察し、これは何だと物凄く悩んだことがある。南の亜種ほど羽色は濃くなり、沖縄周辺では、赤褐色が強いタイプが現れるようだ。
●管理人は1990年代の冬、集団でユズリハの木の葉を食べる様子を観察したことがある。
 後に知ったが、ユズリハは有毒。(大学農学部実習用林園なので、木には看板がついていた。判別間違いの可能性は低い。)一体どんな理由だったのか今も不思議。