出会い

犬を飼うこと

わたしと娘二人は犬が大好きです
前から犬が飼いたいと言っていましたが、夫があまり動物が好きではありませんでした
夫は犬の話をすると常に「動物が居る部屋でメシなんて食えない」と言いました
動物嫌いな人が居る家庭に犬を迎えても犬がかわいそうだし
わたし一人で、子どもだけでなく犬の世話まですることに不安もありました
それでしばらくは犬のことは見送っていました

そのうち長女が成長して家の手伝いなどもよくしてくれるようになり
小さかった次女も小学生になりました
田舎の親戚たちはたいがいのお宅で犬を飼っていて
遊びに行った時には、長女が犬を散歩させたり世話をさせてもらっていました
また行くときには、各お宅の犬にお洋服のおみやげを
自分のおこづかいで買ってあげたりして・・・
そんな様子を夫は見ていたのだと思います
犬を飼うことについて、強く反対しなくなりました


犬が来るかも??

わたしと同じ年で仲良しのイトコ「ちゃこちゃん」がミニチュアダックスを飼い始めました
「あいちゃん」という名前のレッドの女の子です
愛想がよくてかわいくて、いつもしっぽをピンピン振っている子なんです
夫も、イトコのお宅であいちゃんを抱っこさせてもらったり
かわいらしい様子を見たりしてなごんでいました

そんな時、あいちゃんが1歳になったので、赤ちゃんを産ませることになりました
数週間後に妊娠したことが判り
「もし生まれたら、えりちゃんちに赤ちゃんあげるね」
と約束してくれました
わたしは、念願の犬を飼うことができるかもと思い
夫と子どもに仔犬の話をしてみたところ、夫はもう反対しませんでした
子どもたちは大変喜びましたが、犬を迎えるに当たっての約束をさせました
犬はなんでもかじるからそのへんに自分のものを放りっぱなしにしておかないこと
部屋をいつもきれいに片付ける、散歩やウンチの世話もする…などです
そして夫も「家族の一員になるのだから、うんとかわいがってあげなくちゃね」などと言って
飼う気満々になっていました
ちゃこちゃんは「お金はいらないよ」と言っていましたが、そうもいきません
出産予定日までまだ数ヶ月あったので、お金を準備したり飼い方を調べたりしました


悲しい出来事

出産予定だった2月になり、あいちゃんのお腹の赤ちゃんも大きくなってきました
わたしも夫も子どもたちも、仔犬が来ることを楽しみにしていましたが…
あいちゃんは無事でしたが、仔犬たちは残念な結果になってしまいました
ちゃこちゃんも、ちゃこちゃんの息子たちもとても落ち込んでいました
犬の出産はラクだと誤解していて、もう仔犬が来るものだとばかり思っていたので
期待していたぶんだけわたしたちも残念でしたが
ちゃこちゃん一家の悲しみはより深かったと思います
彼女の息子は学校に泣きながら登校して、彼女自身も電話口で泣き声でした

今まで何年も犬を飼わずに我慢してきたし、また来年トライするとちゃこちゃんが言うので
もう一年待とうと思い娘たちに言うと、納得してくれました



シェルティの赤ちゃん

その年の10月のある日、ちゃこちゃんから
「お散歩でよく会うシェルティのお宅で赤ちゃんが生まれたらしいけど見てみる?」
とメールがありました
ハナが長い犬種が好きで、飼うならシェルティがいいなと言ったことをちゃこちゃんが覚えていてくれたようです
トライとブルーマールの仔犬が四頭居て、全員女の子だとか
わたしは麻呂まゆげのトライが好きだったので、カラーを聞いて心が動きました
また、お父さんもお母さんもそこのお宅の子らしいので、仔犬だけでなく両親が見られるとのことでした
両親の大きさを見れば、将来仔犬がどれくらいの大きさになるかの見当になるし
ちゃこちゃんちに遊びに行くついでに、ちょっと見てみるだけならいいかと
軽い気持ちでそのお宅にお邪魔したはずが
・・・やられました・・・
・・・・かわいいのです
仔犬って、なぜあんなに必要以上にかわいいんでしょう!
このまま連れて帰りたいと思うのはわたしだけではないはず!!
わたしはずっとハナにブレーズが入った、トライの子を抱っこしていました
知らない人に抱かれて、キョトンとしています ありえないほどかわいい顔です!
でも・・・この子を幸せにしてあげられる準備が今できるのかしら?
わたしはパートに出ていて昼間留守番することも多いし
もしかしてここに居たほうが幸せなのではないかしら?

いろいろ考えましたが、お友達の
「子どもが大きくなりすぎないうちに迎えたほうが子どものためにもなるし、今がいい機会だよ」
という言葉で、気持ちが決まりました
ずっと抱っこしていた仔犬を、家族に迎えることにしました
子ども達はあいちゃんのことがあったので、また期待を裏切られると思っているのか
犬が来るよと言っても全く信用していませんでした(^^;


プリシラが来た

仔犬が家に来たからといって、さほど生活が変わった印象はありません
たまたまプリシラが手のかからないいい子だったせいでしょうか??
けれどまだ仔犬なので、これから成長するにつれ少しづつ生活も変わってくるのだと思います
掃除機は一日8回くらいかけるようにはなりましたが
仔犬の時点じゃ掃除機が吸う毛はわたしや娘達の髪が圧倒的に多いです(笑)
夫は最初
「この子は大きくなるんじゃないのか?どのくらいまで大きくなるんだ?」
と心配していましたが
プリシラを受け入れ、世話も長女と一緒に協力してくれています
あれだけ動物を嫌がっていたのに、プリシラをとてもかわいがっており
他の飼い主と同じように
「プリ〜〜〜♪ うんこたれだね〜〜オマエはぁ〜♪」
などと笑顔で言ながら、うんちまで拾ってくれます

わたしも犬が大好きで、プリシラは大切な存在だけれど
人間と同じように扱うことには実際抵抗があるのです
わたしたちがゴハンを食べる時はプリシラはケージに入れているし
洗濯物に毛がつかないようにプリシラは居間以外は行かせないことにしています
また、同じ食器を使うことも同じ布団で寝ることも絶対にしません
家族の一員ではあるけれど、人間ではないのです だから自ずと扱いも変わってくるはずです
そのへんのけじめが、夫を納得させているのだと思います



プリシラが来たことで、わたしたち家族の絆もより深まったような気がします
みんながプリシラのマニアですから!


あいちゃん
迎えて翌日のプリシラ