コンサートレポート
管理人の視点から書き残したコンサートの記録です。
2007.10.14 稲沢市民会館小ホールにて
![]() |
|
今日はB.B.Q.ピアニスト智子さんがピアノ・エレクトーンを教えている生徒さんたちの発表会。我々B.B.Q.はゲストとして出演させてもらった。発表会にもいろんなスタイルがあるが、通常は生徒に1〜2曲ずつ、ただ演奏させて終わり、先生自らは模範演奏すらしないというものが多い中、ソロのみならず様々なスタイルのアンサンブルがあり、また先生の智子さん自らも何度も衣装を替え、華やかな演奏を聴かせるという、コンサートとしても十分に楽しめるものだった。そんなコンサートに花を添えさせてもらえた事がとても嬉しい。
この9月〜10月は、相変わらず各メンバーがそれぞれ別の本番を抱えていたり、忙しかったりで練習になかなか集まれず、この本番向けの練習として集まったのは1週間前に1度だけ。加えてドラムの智ちゃんが当日まで全く参加できないという状況だった為、8月にアンジェロで演奏したばかりの曲を中心に、演奏し慣れたムリのない選曲に今回は気を配った。来月には明治村の本番を控えており、明治村向け練習もあまり回数多く集まれない事から、余計な練習を省く為今回演奏した曲をそのまま全て明治村に持っていけるようにも配慮した。一旦は「パントマイム」を候補に上げたが、明治村からは「マイナーな曲はできるだけ避けてほしい」という注文が出ている為、明治村のメインには「ラテン・フィエスタ」を考えており、それに加えて難曲の「パントマイム」に取り組むのは負担が大きいと判断し今回は見送り。また、当HPのBGMにも設定してある「ミッドナイトラヴァー」について、智子さんは自身のエレクトーン演奏にするべきかどうか迷っていたが、エレクトーン演奏バージョンはHPでいつでも聴いてもらえるけど、こういう場を機会に生の演奏を楽しんでほしいと思ったのと、このステキな曲を多くの人に聴いてもらう為に明治村でも是非演奏したいという私の希望で、今日のプログラムに加わった。そういった検討があっての今回の選曲だった。
智ちゃんには、世界的に有名なブラス・エンターテイメント「ブラスト」のチューバ奏者、ケネス・オドム氏というすごい彼氏がいる。今回そのKenが不破家に滞在中だった事もあり、楽器の搬入・搬出、及びセッティングを手伝ってもらえた上に、我々の演奏を聴いてもらえるという、ブラストファンなら卒倒しそうな、通常では考えられない状況がプラスされ、思わぬところで我々もKenとお近づきになるという幸運を得た。・・・智ちゃん自身はその為に相当緊張したみたいだが・・・。Kenは一流のプロ奏者でありながら、優しく気さくで気配りに長け、とても感じのいい人という印象。英語力があれば直接もっとお話したかったのだけど・・・でも休憩時間にブラストの裏話など、色々と楽しい話を聞かせてもらった。
智子さんは生徒一人一人のリハーサルの面倒を見て、自身の演奏リハーサルもあり、朝から目の回る忙しさだった。そのせいか、B.B.Q.のリハーサル時は智子さんらしからぬ焦りがあった。ピアノ教室の先生も大変だ。
異常なまでに緊張し、すっかり自分を見失い悲惨な結果に終わった前回アンジェロ。今回は選曲にムリがなかったのもあるが、前回の教訓により私は個人的に十分な練習の上本番に臨んだ為、ほとんど緊張する事なく普段通り演奏する事ができた。それでも全く緊張しないというわけにはいかず、若干リキみが入り「青春の輝き」はイマイチだったのが残念。この曲には2年前の万博で当時ひどい不調の余り思うように演奏できない事に思い悩み、非常に苦しい目に遭っている。スランプからほぼ脱し、普段の練習では随分いい感じに演奏できるようになってきたが、まだ2年前のトラウマから完全に抜け出ていないみたい。ただ、今回はアガらなかった事で本番中の自分自身を冷静に分析する余裕があり、緊張するとどのようにリキむのか、そしてリキんだ結果どういう演奏になってしまうかを見定める事ができた。某音楽雑誌で須川展也氏が「本番で緊張する事を止めることは不可能。ムリに緊張しない事を考えるのではなく、緊張してしまう自分を認め、緊張した場合にどう対処するかを工夫する事が大切」とあったが正にその通りだと思った。本番を無傷で終わらせようなどと頑張り過ぎず、大怪我がスリ傷程度で済むよう、本番緊張した場合に起こり得る様々な状況を普段から想定し、実際に本番で対処できるような工夫が日頃の練習に必要だという事を、前回アンジェロ、そして今回の本番で身をもって知った。その点で今回上手くいった点はそのままに、上手くいかなかった点は次回明治村に向け、またじっくり研究しようと思う。「青春の輝き」以外の曲は普段の練習通り・・・若干スリ傷程度のミスはあったが(^^;ヾ)・・・いい調子で演奏できたと自分では思う。特に「ミッドナイトラヴァー」は、我ながら実に気分よく演奏できた。
B.B.Q.全体としても良い演奏ができたと思う。リハでは不安定だったテンポも本番はバッチリ「応援団がいてくれる安心感があった」と後で言っていた智子さんは、本番ではいつも通りの安定したピアノを聴かせてくれた。当日リハのみで本番に臨んでくれた智ちゃんもプレッシャーに負けず安定した演奏をしてくれた。Bassの音量バランスが若干大きかったそうだけど、一緒に演奏する分にはほとんど気にならず、聴いてくれたKenも「問題なかった」との事。バランスチェックは、リハを録音して空き時間中に聴くべきだったと反省。次回明治村は準備していかなければ。
発表会終了後は、市民会館内の喫茶店でちょっとした打ち上げ。その場でKenが最高の賛辞を私のSAXにくれた。通訳を介さず直接私に言ってくれた事も嬉しかった。乏しい英語力でもどうにか理解できた中「バスコ」という言葉の意味だけは分からず、その部分だけ智ちゃんに解説してもらったところ、それはタバスコのバスコであり、タバスコの強烈な辛さと「すごい」という意味をからめた造語で、賛辞としては最高の言葉だそう。そんな言葉をブラストのケネス・オドム氏に言ってもらえた事は、ここ最近本番で本来の調子が出せず、失いかけていた私の自信を取り戻してくれた。特に「ミッドナイトラヴァー」の演奏が素晴らしかったと言われたのも嬉しい事。「3曲目は素晴らしい曲だが、聴いた事がない」というKenの言葉に「これはメンバーの溝口さんのオリジナルだ」と説明したら驚いたという。世界中でこの曲を演奏しているのは我々だけ。その演奏が、そして曲が一番良かったと言われた事はB.B.Q.としても非常に喜ばしい事。さらにリベルタンゴで使ったソプラノも「ピュアな音」との賛辞を得た。ひどい不調から脱したものの、ソプラノの調子だけは今一つだったのが、今回リベルタンゴと、次回明治村でのラテン・フィエスタで使う為集中して練習した事が功を奏したか? 自分でもいい手応えを感じていた中でのKenの言葉は本当に嬉しかった。以前はアルトより楽しく吹き、小串先生からもよく誉めてもらっていたソプラノ。不調から脱しきれない為ソプラノをメインに使う曲はここ数年敬遠してきたが、明治村での本番が終わったら改めてじっくりと練習し、B.B.Q.でのソプラノのレパートリーを積極的に増やしていく事も考えていきたい。
生徒さんたちの保護者、ご家族の皆さんからの評判も良かった。中にはわざわざ電話で「良かった」と言ってくれた人もいたという。特に「青春の輝き」と「千の風になって」では泣いている人が何人もいらっしゃったとの事で、その話を聞いて我々一同大感激だった。この調子で明治村でもいい演奏をしたいものだ。その為にも、じっくり歌い方を研究したい。そして、我々の音楽を心底楽しんで聴いてもらえたのなら、今後もこういう機会を積極的に作っていきたいねとメンバー内で話した。(但し、ムリは禁物!が前提)
・・・今回私は個人的にいろんな意味で、今後の活動への取り組み方を確信でき、さらに前向きな気持ちを取り戻す事ができた、いい本番だった。