コンサートレポート
管理人の視点から書き残したコンサートの記録です。
2009.5.2〜4 博物館明治村 聖ザビエル天主堂にて
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一昨年B.B.Q.でトリエンナーレに出演し、それが好評だった事が縁でいただいた、今回のGW天主堂コンサートの依頼。今年の1月にこの話をいただいた時、本当は「B.B.Q.で・・・」という明治村からの依頼だったのが、B.B.Q.メンバーに相談してみたところ、ベース担当は仕事が忙しくてムリだと言い、ドラム担当はアメリカ人と結婚したばかりで、近日中に渡米するからムリとの事。メンバー4人揃っての活動が難しくなってきていたので、一年近く前から「2人での活動も開始しよう」と、ピアニストの智子さんと相談していた・・・そんな時に舞い込んだ、今回の依頼だった。天主堂では是非また演奏したいと強く願っていた中、せっかくの今回の話を、こんな事で断りたくなかった為、B.B.Q.創始者だったベース担当に、他メンバーを探してでも今回の話を受けたい旨了解を得て、明治村にこの状況を説明したところ「最悪2人でもいいから・・・」とのありがたい返事。
ベース&ドラムにアテが全くないわけではなかったものの、2〜3日もの間拘束する事はさすがに難しく、また練習日程を組む事・その予定を合わせる事も難しく、実力が確かでも、慣れていない相手を信頼して本番をこなす事がいかに困難で怖い事かも経験上知っているので「2人でもいい」という明治村の言葉に甘えて、今回2人で受けさせていただく事にした。そしてこれを機に、名前を「La
Vie en Rose」と改め、これまでなかなか具体化しなかった2人での活動を本格的に始動する事ができた。このタイミングで、しかも「2人でも構わない」と我々に大仕事を任せてくださった明治村には、大いに感謝したい。
ゴールデンウィーク2日〜6日の、5日間のうち「前半か後半、2日間か3日間、都合のいい日程を選んでください」との、これまた有難い明治村からの申し出。智子さんが、2日の夕方お嬢さんの本番を名古屋へ聴きに行きたいとの事だったので当初は後半を選び、「3日もの間同じコンサートを行うと、自分達がどういう状態になるのか試してみたい」という挑戦のつもりで、3日間引き受ける事にした。正直、後半だと休み明けの会社での仕事が辛いので、個人的には前半の方が良かったのだけど・・・それが、これまた幸運な事に、明治村側の手違いで我々の日程が前半の3日間に変更となって、結果的に智子さんは2日の本番を終えた後、お嬢さんの本番にも間に合い、後半2日間が雨天だったのに対し、前半3日間は天候にも恵まれ、幸運だらけの今回のコンサートだった。
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今回このコンサートを引き受けるに当たって一番心配だったのは、4人で・・・という依頼だったのに2人で引き受ける事になって、その為に聴き劣りする、つまらないなどと思われないか・・・という事。音色や音楽に磨きをかけて本当にいい演奏をすれば、人数は最小限の方が本来の持ち味を出せる。でも、演奏の質を上げられなければ・・・たとえ質の高い演奏ができたとしても、普段音楽に触れる機会のない一般の人達にとっては、人数が多い方が聴き栄えするもの。そんな中、明治村スタッフをはじめ、聴いてくださる方々に満足してもらえるコンサートができるだろうか・・・これが心配でたまらなかった。しかも、我々2人だけでのコンサートは経験がなく、これまでB.B.Q.で使ってきたレパートリーはほとんど使えない。静かな曲やバラードならいくらでも準備できるけど、そんな曲ばかりではお客様を退屈させてしまうし、かといって聴き栄えする華やかな曲となると難度が高くなり、智子さんは10月に控えた自身のピアノ教室発表会の準備にこの時期から追われていた為、彼女に大きな負担をかけられない。とにかくポイントは、そんな中での「聴き栄えする華やかな曲」の選曲。そこで、私自身が過去に演奏した経験がある中から、ピアノの負担が軽い「チャルダッシュ」を1部・2部のプログラム最後に持ってきて、リズムのしっかりした伴奏譜がついていて、去年私が個人で出演したTea Time Concertで使って好評だった「サマータイム」と、B.B.Q.での定番レパートリーでどこで演奏しても好評だった、2人でも演奏可能な「リベルタンゴ」を「聴き栄えする曲」として設定し、あとはソプラノ・アルト・テナー・ピアニカと、色んな楽器を使って変化をつける事で、退屈させないプログラムを精一杯工夫した。・・・本当は智子さんから「バッハのインベンションを2台のピアニカでやりたい」との意見が出て、確かに天主堂で演奏するならピアニカでのバッハはうってつけだろうけど、鍵盤楽器の苦手な私には、とても難しくて対応できない。お客様の前で見苦しい演奏はできないので、「ウケ狙いで『ポニョ』はどう?」と提案してみたところ快く賛成してくれたので、アンコールに「崖の上のポニョ」を設定。智子さんが器用に両手で弾く技術を持ってくれているお陰で、楽しい演奏に仕上げる事ができた。・・・でも、ピアニカで一度に多く鍵盤を押さえると息が多く必要で大変との事。今後は私もこの「両手弾き」を少しでもマスターして、少しでも彼女の負担を軽くしなければ・・・
さて、GW天主堂コンサート初日。
B.B.Q.時代のようにベースやドラムのような大荷物はなかったものの、サックス3本に、譜面台に衣装に・・・と、2人で運ぶにはムリな量の荷物だったので、初日は開村前に車で天主堂前に乗り込む事に。自分の車で明治村内を走る・・・こんな事は滅多に経験できる事じゃない。村内の速度規制が厳しいのか、明治村スタッフが先導する車は人がジョギングするよりちょっと速い程度のスピード。なので、運転しながらも村内をキョロキョロ見渡す余裕があった。天気もよく、窓を開けると空気が心地よく、気分はすっかりピクニック。明治村スタッフもこの日は矢絣の着物に袴姿で、とてもいい雰囲気。何をしに来たのか忘れそうなほどいい気分だった(笑)。天主堂で荷物を降ろし、一旦車を正門近くの事務所へ戻し、そこから歩いて天主堂へ・・・地図上では結構距離がありそうだけど、近道をせっせと歩けば15分程度。意外に近い。
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天主堂に到着し、10時少し過ぎ頃からリハーサル開始。前回出演時と違ってGW中はお客様が多く、リハから大勢のお客様の前で演奏する事になった。もうコンサートが始まったかのような雰囲気で、客席に座ってじっくり聴かれるお客様が結構多く、1曲演奏する毎に拍手も起き、本番さながらのリハーサルだった。こういうリハーサルだと、本番の雰囲気に慣れるので緊張が幾分やわらぐ。アリオーソのみ、稲沢で練習していた時からテンポキープに苦労していた曲だったので、何度か合わせたものの、あとの曲は1回通す程度で、1時間ちょっと程度でリハーサルを終了した。
・・・B.B.Q.の時は、メンバーの都合で十分な練習が事前にできず、本番直前にもかかわらず確認する事が多かった為リハに2時間以上かかったが、2人だとその点とてもやりやすい。
それにしても、天主堂の響きは素晴らしい。ソプラノなどは本当に気持ち良く響き、特にSAKURAは苦手な音の多い、自分で選んでおきながら実は結構イヤな曲なのだけど、その苦手意識を忘れて気持ち良く演奏できてしまう。
そして本番。
トリエンナーレ出演時とは比べ物にならない、立ち見も大勢のお客さま。ピクニック気分で訪れても、本番さながらのリハで雰囲気をつかんでも、やっぱり本番は緊張する。練習は十分できているのに・・・ここが、何度本番を経験しても、なかなか進歩しない点。でも、最初の吹き始めまではすごく怖くても、音が出て少し曲が進んで楽器が鳴ってくると、ほぼ普段通り演奏できる・・・この点は少しずつ進歩しているのかな? 心配だった「羽を忘れた天使」のピアノも失敗なくうまくいって、他にたいしたミスもなく、準備したMCも落ち着いてできたし、1日目1部は無事終了。終わったら、なんとサインを求められてしまった(^^;)。 時々あるのだけど、プロでもないのにサインを求められて、すごく恥ずかしいのに断るわけにもいかず、いつも困る場面・・・でも、実はちょっと嬉しい(笑)。私が所属する吹奏楽団、ソロイスツの仲間が来てくれて、明治村スタッフのカメラで記念撮影・・・それが明治村HPに掲載されることに。「カッコよかった」の一言に元気をもらった。事前に知り合いが来るとわかっていると緊張するけど、終わった後ああやって声を掛けてもらえる事はとても嬉しいもの。仲間って本当にありがたい。2部は、私自身は苦手なピアノを1部で無事終わらせ、特別不安なく臨んだ。リハでテンポに手こずったアリオーソは、本番直前舞台裏で智子さんと一緒に旋律を歌ってテンポを確認。これで問題なく演奏できる事がわかったので、今後この曲を使う時は、プログラムの最初に設定して、本番直前に一緒に歌ってから臨もう!(笑) この2部で唯一ちょっと失敗したのがチャルダッシュのテンポ。1部で上手くいった事で調子に乗って、後半テンポを速くし過ぎた。で、途中少しブレーキをかけようと余計な事を考えたら途端に指がこんがらがって1か所失敗。こんな時の為にテンポの幅は持たせて練習しておいたのだけど、やはり冷静に対処できるテンポを守らなければ。
1部、2部と終えてみて、まず明治村スタッフの好反応に一安心。所長さんがダニーボーイを褒めてくれていたと聞いて、とても嬉しかった。お客様の反応も良く、退屈・つまらないと思われる事はなかったと確信。一番の心配は解消された。
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リハでちょっと頑張り過ぎたせいか、まだ1日目が終わっただけなのにドっと疲れた。楽器を吹く以外にも、緊張する事が結構体力を消耗する。これがまだ2日も続くのか・・・と、さすがに3日間は長いと痛感。でも、とりあえず1日目を無事終わらせ、智子さんはお嬢さんの本番を聴きに行く為に一足先に帰り、私は貴重品の楽器を置いていくわけにいかないので、楽器3本を一人でかつぎ、てくてく歩いて事務所へ・・・さすがに1人で3本かついで長距離を歩くのはつらい。途中ソフトクリームやたませんんを食べつつ、休憩しながらゆっくり移動した。楽器さえなければ楽しい明治村内散策だっただろうに・・・ソフトクリームを食べながら一休みしていたところを、さっきまで我々の世話役を務めてくれていた明治村スタッフが忙しそうに走りまわっているのを目撃。広い村内を袴姿であちこち走りまわって本当に大変そう。どんな仕事も大変なんだなぁ・・・と。
・・・一人で楽器を3本持って歩いたのが祟ったか次の日はひどい腰痛。「ちょっとヤバいかも・・・」と焦ったけど、動いているうちに多少やわらいで、本番に影響するほどではなかったのが幸い。もう若くないのだから、ムリは禁物と痛感。(-o-;)
2日目。
ひどく渋滞すると聞いていたので「10時に到着するつもりで、渋滞で10時半に事務所について、そこから歩いて天主堂に11時頃・・・」と言っていたのに全く渋滞なく、9時半ちょっと過ぎに事務所に到着。そこから智子さんに1本楽器を持ってもらい、歩いて天主堂へ・・・前の日に一人で2本持って歩いたのに比べれば随分楽だったけど、やっぱり楽器を持って長距離歩いて移動するのはキツい。それに、そんな事をピアニストにさせたのは私の大きな判断ミスだった。智子さんには申し訳ない事を・・・1日で終わる本番であれば、こんな事はないのだけど、同じ場所で何日か続く本番の際、楽器の運搬方法は今後の課題。1日目にしっかりリハーサルし、つつがなく本番を終えたので、2日目はリハーサルなしで本番に臨んだが、これも間違いだったと反省。私の方は心配だったピアノで1か所失敗し、智子さんの方もこの日はミスが多かった。全曲やらなくても、心配な箇所だけでもリハーサルはやっておかないと、ぶっつけ本番と同じような精神状態で本番に臨む事になる。だから2日目は1日目以上に緊張した。これも連日行う本番ならではの失敗。最大のミスは、1部のサマータイムで使うシェイカーを忘れた事。なくても演奏は可能だけど、あるのとないのとでは、ピアノソロのノリが違ってくる。2日目だからと、決して気を抜いたつもりはなかったのだけど・・・これが「中だるみ」というヤツか? ・・・でも、そう何もかも悪かったわけじゃない。1日目リードの調子がイマイチだったアルトだけど、リハーサルの代わりにリード選びに時間をかけて、この日のリードはバッチリだったし、ダニーボーイは私と智子さん共に過去最高の出来! とても気持ちよく演奏できたし、1日目2部で調子に乗って1か所ミスしたチャルダッシュも、この日は1部・2部共冷静に演奏できてミスなく終了。失敗した事はちゃんと学習して全て対応できた。今回初めての試みが多かった本番なのだから、失敗もこうやって次につないでいけばいい。
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1日目の本番終了後は2人の行動がそれぞれ分かれてしまったけど、2日目は共に時間があったので「せっかく明治村に来たのだから」と、散策を楽しんだ。一昨年トリエンナーレ出演時も多少散策の時間はあったけど、11月と12月で閉村が4時半と早かった為、ゆっくり楽しむほどの時間はなく、事務所と天主堂の間、そしてそこから少し足を延ばして帝国ホテルの周辺を歩く程度だった。今回この期間中は6時半までの延長開村だったから、本番終了後も存分に散策を楽しむ事ができ、1丁目・3丁目を初めて歩いた。聖ヨハネ聖堂では古いオルガンを見たり、西郷従道邸では家具に座ったり、現在のYAMAHAの前身、NIPPON
GAKKI時代の古いピアノに触れたり、通常立ち入り禁止の2階に上がったり、夏目漱石・森鴎外住宅では、なんと薩摩琵琶を間近で聴くという貴重な経験も! 毎週日曜日にボランティアで来ておられるという琵琶弾きの方がいて、平家物語の弾き語りを目の前で聴かせてくれた上に、琵琶に触らせてもらえた。琵琶ってマンドリンのように後ろがもっと丸くなっているのかと思っていたけど意外に厚みはなく、でもただの板ではなくてちゃんと共鳴箱になっていて、小さな穴が空いている。フレットにあたる部分は3本程度だけど、とても深く、押さえる強さでも音程を変えていた。弦は細くて硬く、柔らかい指先では痛くてとても押さえられない。最初にチューナーを使って調弦していて、何の音で調弦しているかと聞いてみたけど「自分が出せる一番高い声に合わせて」としか説明してもらえなかった。絶対音感がなくて、調弦時の音が何だったのか聞きとれず・・・楽器に触らせてもらった時に全部の弦を鳴らしてみたけど、やっぱり音程がよくわからなかった。実際何の為にチューナーを使っていたかは謎かも・・・(苦笑)。 でも、同じ演奏家でも私たちとは全く違う世界の人・・・「1人でも多くの人に薩摩琵琶の魅力を知ってほしい」と、穏やかな口調で語り、まるで悟りを開いたような様子に、本番の度に寿命が縮むかと思うほどの緊張に毎回振り回されている自分たちは「まだまだ青い・・・」と痛感。「・・・そういえばあの人、今朝会ったわよ」と智子さんに言われ、事務所の駐車場で挨拶した事を思い出した。これもきっと何かの縁だったのだろう。思いがけずいい経験ができた。
明治村グルメも楽しまねば! とカレーパンを買った。初めて食べたけどこれが結構おいしかった! これはオススメ。コロッケも食べたかったのだけど、閉村間際で我々の直前に売り切れ!・・・残念。本当はもうちょっと早く天主堂に戻って、自分たちで荷物を運んで戻ろうと思っていたのだけど、閉村ギリギリまで散策を楽しんでしまったので、明治村スタッフに面倒をかけ、閉村してから車を乗り入れて搬出する事に。忙しい中余計な仕事を増やしてごめんなさいm(_
_)m。 でも、初めて明治村を堪能できて、とても楽しかった。
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そして最終日。
2日目はうっかり通り過ぎて忘れてしまったのだけど、1日目と3日目は明治村に向かう途中神社でコンサート成功祈願。(これを忘れたから2日目は失敗が多かったか?) 2日目と同じ時間に明治村に到着。ただ、この日は無料乗り物券を発行してもらい、バスで天主堂まで移動した。こんな方法があるのなら、2日目もそうすればよかった。何事も大抵終わる頃に要領を得るもの。次回がまたあるのなら、絶対この方法を利用しよう! そういえば、明治村内で乗り物に乗ったのは初めて。バスはすごくゆっくりで、歩いた方が速いようなスピードだったけど、通る建物を丁寧にガイドしてくれるのを聞きながらゆったりバスに乗るのも悪くない。楽器ケースを持っていたから、明治村スタッフから「頑張ってください」との応援の声。バスを降りる時にも運転手さんに「頑張ってね」と言ってもらって、明るい気分で天主堂に向かった。
・・・で、前日の反省を生かし、心配なポイントだけリハーサル。リハーサルを聴くお客様は1日目より多く、1曲毎に起こる拍手も本番さながら。いい雰囲気・いい手ごたえでリハーサルを行う事ができた。ただ・・・リハを録音しようとして、録音機のメモリーが一杯になっている事に気づき愕然! 6時間は録れるハズと、油断してパソコンにセーブしなかった。これまでの録音のどれかを消さないと、この日の録音ができない・・・これも連日の本番ならではの失敗。でも「プロならこういう仕事は専門のスタッフがやるところを、私達は全部自分でやって、その上で演奏もするんだから、ある意味プロよりすごい事をしているのよ」と智子さんに言われて慰められた。本当に残したいのは本番での演奏なのだから、最終日の演奏を精一杯頑張って、いい録音を残そうという事で、1日目のリハーサルを消去・・・。
1日目と2日目は昼食を持参したが、最終日は手早くリハを終え、外へ食べに出かけた。屋台が多く出ていたので食べ歩いてもいいかと思っていたけど、通りかかった「食堂楽のカフェ」の「お米のオムレツバーガー」がおいしそうで、店内もすいていたので、ここで食べていく事に。オムレツ・・・というよりは、お米の入ったお好み焼きの生地で、ハンバーグを挟んでいるという感じ。モスバーガーにちょっと似ていたかな? おいしかったけど食べにくい。たませんも結構食べにくかった。明治村グルメはおいしいけれど上品には食べられない(笑)。たませんを食べる為にお腹に余裕を持たせておいたのだけど、すごい行列で時間がかかりそうだったので、諦めて天主堂近くで売っていた串カツに変更。せっかくこういうテーマパークに来ているのだから、コンビニなんかで昼食を買っていくのはもったいない・・・ただ、1日しかなければリハに時間がかかるので、こういう楽しみ方は連日行う状態でないとできないけど。ちなみに2日目に食べ損ねたコロッケは1部が終わってから帝国ホテル近くの店へ買いに行き、たませんについては、私は1日目に食べたので、智子さんには全ての本番が終わった後、私が自分の荷物を片付けている間に食べに行ってもらって、二人共食べたかった明治村グルメはほぼ堪能できた(笑)。
この日は家族が聴きに来る予定で、他にも事前に来ると聞いていた人たちが集中する予定で、さらに前日少し失敗した事もあり、3日間の中で3日目1部が一番緊張したかもしれない。同じ本番を3日も続ければ、3日目には慣れて余裕が出るかと思っていたのに、全然進歩がなかった。場数を踏めばいいってものじゃない。これも連日の本番を経験してみないとわからない事。でも、さすが3日目はそれまで失敗した事が全て生かされ、改善されて一番いい出来だった。本番直前まで緊張に震えていたけど、最初の曲を吹き始めて、楽器が鳴ってくるうちに普段の調子が戻って落ち着いて演奏できた。午前中のリハのおかげかピアノも堂々と弾けたし、ピアノのない2部は緊張も少なく、最後の本番を思いっきり楽しむ事ができた。最後のチャルダッシュやアンコールのポニョ演奏中は「あと少しで終われる」という思いと「もう終わってしまうのか」という名残り惜しい気持ちの入り混じった複雑な心境だった。チャルダッシュは回を重ねる毎に2人の息が合っていくのが感じられて、最後は本当に気持ち良く楽しく演奏できた。最終日のお客様の反応が一番良かったかもしれない。1曲終わる毎にどよめきが聞こえ、拍手も大きかった気がする。またまたソロイスツの仲間が聴きに来てくれた事も嬉しかった。最後の演奏を、いい手ごたえで終わる事ができた。
・・・こうして3日間に渡るコンサートが無事終わった。
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3日間続けて行う事、2人だけで行う事、私もピアニカを吹く事、そして大勢のお客様の前では初めてだったMCも含め、初挑戦ばかりだった今回のコンサート。さらにジャズ中心だったB.B.Q.から、今回はレパートリー未開拓だった為クラシカルナンバー中心で、智子さんとの本番としてはこれまでと全くスタイルを変えた今回のコンサートだったけど、事故なく無事済んで、そして皆さんに満足していただく形でやり遂げる事ができて、本当によかった。智子さんは自身のピアノ教室発表会の準備に、そして私は本業の仕事が連日遅くまでの残業で忙しく、正直辛い日々もあったけど、そんな中で頑張ってやり遂げる事ができて、自分に自信が持てるようになった気がする。多少のミスはあったけど、この達成感にはとても満足。帰り際に通りすがりのお客さまから声をかけられ「素晴らしかった。稲沢の方も是非聴きにいく」とのお言葉をいただき、明治村スタッフの方々からも「またよろしくお願いします」と言われ、その場を後にした。本当にまた次があるのなら・・・その時までに、もっと上達して、もっとレパートリーを増やして、精神的にももっと強くならなければ!
・・・充実した、とてもいい3日間だった。