コンサートレポート
管理人の視点から書き残したコンサートの記録です。
2010.8.6 萩原町一番街駐車場にて
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今日は下呂ミュージックフェスティバル出演。金曜日だった為会社の方は夏休みを取っておいた。場所は萩原駅近くの駐車場。この付近は昔車で通り過ぎる程度だったが、母の実家が萩原なので子供の頃度々訪れた記憶があり、ここ数年は萩原もご無沙汰していたのだけど、そういう場所で本番というのも不思議な気分。
今日の本番は「萩原ふるさと夏まつり」が3日間に渡って行われる中の1日目のイベントで、萩原ふるさと夏まつり自体はもう40回目だけどミュージックフェスティバルは今回で3回目。地元のロックバンドが中心に参加し、参加団体は年々増えているという。屋外で演奏する事もPAを使う事もほとんど経験がない私。それでもPAを使って演奏する事は楽しみだったけど、暑い中屋外で演奏する事にはやや抵抗があった。でもとりあえず今回の出演は夜。夜なら幾分涼しいだろう・・・などと考えながら会場へ向かった。少し早めに出たものの、関市街を出たあたりから平成の道の駅あたりまで、時速30kmぐらいでトロトロ走る迷惑な車に前を走られて、間に合わないかと冷や汗をかいたけど、なんとか約束した時間の少し前に到着。
飛騨まで来ても昼間は暑い。日頃エアコンが十分効いた場所に一日中いて殆ど外に出ない為、たとえ1時間程度でも暑い外にいる事は私には辛い。しかもロックバンドたちがすごい音量でサウンドチェックしている・・・今後はこういう状況にも慣れていかなくてはならないのだろうけど・・・
最後に緑山軽音楽部のサウンドチェック。マイクにベルを近づけ過ぎると聴くに耐えない音になってしまう事から尾西の楽団でPA付でソロを吹く際は少しマイクから距離を置いて吹いていたけど、ここでそんな事をしたらサックスの音は全く聞こえなくなる。ドラムにまでマイクが当てられているし、ベースがすごい音量だったし、自分で吹いていて自分の音が全く聞こえなかった。そこで私に向けられたモニターにサックスの音を返してもらうと、今度は凄まじく耳障りな音に変化した自分の音が襲いかかる・・・PAでどんな風になるのか楽しみにしていたけど、これではちょっと・・・(--;)と思うばかりでサウンドチェックは終わってしまった。ベースも「ドラムが聞こえない」と困っていた様子。私の耳には自分の音が全く聴こえなくなるほどドラムもベースも大音量で聞こえてくるのに。やっぱり演奏するなら生音がいい・・・と、本番を前に暗い気分に・・・。
サウンドチェックを終えてフェスティバルが4時半から開始され、9時本番予定まで時間があったので、食事の前に地元では有名なカフェ「緑の館」へ。ここへは子供の頃連れられてきた以来。昔は普通の喫茶店だったけど、今はアンティークの時計が並び、BGMにはジャズが流れ、店内にはピアノが置いてあって時々プロによる生演奏が行われるという、素敵な雰囲気の店に変わっていた。そう変わっていた事は知っていたけど来たのは初めて。コーヒーもおいしいし、こういう店がうちの近くにもほしい。サウンドチェック時は良く晴れて暑かったのに、緑の館へ移動中ポツポツと雨が降り出し、お店に入った頃から土砂降り! 後から「警報が出ていた」と聞いた。屋外の本番で一番心配なのが天気。雨天決行だと楽器を濡らすわけにはいかないから非常に困る。屋外用にアルトだけでも古い楽器を使おうかとも思ったのだけど、水戸野さくらまつりと違って曲が難しいから古い楽器ではコントロールが利かない。夕立のような雨だったので、我々が出演する前までにやんでくれるのを祈るばかりだった。
食事を済ませ、会場へ・・・まだ雨はやまない。でも雨の中にもかかわらず、会場ではロックバンドたちの熱い演奏が続いていた。こういう活動を行う団体って結構あるんだなぁ・・・と。しかしすごい音、すごい音量!。鼓膜がどうかなってしまいそう。こういう音楽に耳慣れない私は、とても長時間聴いていられず車の中へ。この音量やサウンドに今後耳を慣らす事は、私にはちょっと厳しいかも・・・。ただ、このミュージックフェスティバルでは、夜遅くまで演奏が続く為近隣への配慮から、サウンドの激しいロックバンドを全て前半に集め、後半は落ち着いた演奏が続いたので、後半は私でも楽しく聴く事ができた。後半はフォークが多かったが、ニンテンドーDSを伴奏に使う等して終始一人で弾き語りする人がいたり、警察官たちの小芝居を交えた面白いパフォーマンスがあったり・・・楽しいステージが続いた。ちなみに全てのバンドがボーカル入り。ボーカルがないのはうちだけだった。
そして予定時間を大幅に遅れて我々の出番。結局雨はやまず、一時小雨になったのに、我々が出演する頃にまた降り出した。楽器を濡らさないよう、どう準備しようか・・・ステージへケースのまま上がって組み立てるしかなかったけど、それをまともにやっていたら時間がかかり過ぎるので、楽器の準備で一番時間がかかる部分・・・マウスピースにリードを装着して、何度か吹いて音や吹奏感を確認しながら微調整するところまでを車の中で済ませておき、ステージの上では本体にネックを差し込むだけにしておいた。そうやって楽器の準備時間を最短にしても、他に譜面台・スタンドの位置調整、マイクの位置調整などやるべき準備が多く、時間が押していた為に準備不十分なままバタバタと演奏が始まってしまい、Make Up in the Morning最初のソプラノはなんとか問題なく演奏できたけど、持ち替えた後のアルトはネックがしっかり差し込まれておらずネジも締まっておらず、ピッチは低いしネックはぐらぐら動くし・・・短いフレーズの後に休みの小節があって良かった。
サウンドチェック時は自分の音は聴こえないわ、モニターから聴こえる自分の音は悲惨だわ・・・等でまともに吹けなかったのだけど、PAさんが「ベルをマイクぎりぎりに近づけてくれれば、後はこちらで調整するから」とアドバイスしてくれたので、本番は言われた通りにして楽に吹こうと思って臨んだ。アタックが強いとモロにマイクが拾ってしまうので、タンギングもややソフトにして・・・PA使用時に今後気をつけなきゃいけないポイント。ベルをマイクの前から動かせず直立不動で吹かなきゃならなかったのが辛かったけど、気をつけた事が上手くいったのか自分の音はサウンドチェック時よりいい感じで聴こえてきたので安心して演奏できた。PAを使う演奏も経験が必要だな・・・と痛感。いや、まずはピンマイクを買わなきゃ! 演奏時の体の動きも演奏の一部なのに、Spainのような激しい曲も直立不動で吹かなきゃならないなんて、あれじゃ折角の爽快なSpainなのに吹いた気がしない(苦笑)。
バタバタと慌しく、雨の中最悪のコンディションではあったけれど、風が心地よく流れていたのでステージ上でも涼しく、明治村のような湿気でよどんだ空気に苦しめられる事はなく、緑山のメンバーの安定した演奏に支えられて何の不安もなく、動けない事がストレスだった事を除けば、いい調子で演奏できたと思う。雨降り時の湿気も、空気が流れていたら大丈夫なんだな・・・と。ピアニストのMCもいい調子でステージを楽しく盛り上げ、演奏自体は前回のダイヤモンドでのライヴより楽しくできたかもしれない。雨のせいで聴衆は若干少なかったものの、楽しく聴いてくれている様子は伝わってきたし、これで雨さえ降らなければもっと盛り上がった中で演奏できただろう・・・と思うと、苦手意識を持っていた屋外での演奏も悪くないと思った。堅苦しいホールでの演奏よりも、大勢の人たちに一層楽しく聴いてもらえるのは屋外の方だろう。
PAを通した自分の音がどんなだか聴きたくて、今日も密かに録音しておいた。ベルをマイクにできるだけ近付けたつもりだったけど、ベルにマイクがぶつかる事が気になってギリギリまでは近付けられず、そのせいか若干サックスの音量が小さい。でも音色は思っていたより良かった。ソプラノの音はKENNY Gみたいに聴こえるし(笑)、アルトの音もフュージョンっぽく聴こえた。私の音でもフュージョンいけるじゃん!(笑)フュージョンの音ってこうやって作られるんだな・・・と。(本当はそうじゃないのかもしれないけど) 面白いものだと思った。生音にこだわりたいと言うリーダーだけど、こういうサウンドで演奏するのも面白いから、演奏する場所に応じて両方に対応できる演奏作りを今後していけたらいいと思う。