コンサートレポート
管理人の視点から書き残したコンサートの記録です。
2010.11.28 サンシティマーゴ 夢広場にて
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今日はBear's Bandでの2度目の本番、関のショッピングセンター「サンシティマーゴ」でのライヴ。当初は11:00〜、14:00〜、16:00〜の3回公演だったのが店側の都合で14:00〜の1回のみに・・・せめて2回はできるとよかったのに。でもきっと、今日の演奏を聴いてそう思っているのは店側の方じゃないだろうか?(笑)。
午後からの1回だけになった事で、午前中練習してから会場へ向かう余裕ができた。「今回は近い会場だから助かる」と思っていたのだけど、午前中練習の為に可児の松栄堂まで行かなくちゃならなくなって・・・でも文句言っちゃいけない。金管のメンバーは昨日も可児市内のショッピングセンター「Patio」で2回公演の本番だったのだから。しかしみんなすごい体力。この体力だけは彼らには敵わない(苦笑)。可児の松栄堂の場所を知らなかったので、一応少し早めに家を出だのだけど、近くまで来てやっぱり迷ってちょっと遅刻してしまった。
松栄堂でのリハ中ドラムの緑山氏が「まるでプロのサウンドみたい」だと。経験豊富で耳の肥えた彼からのこの言葉はすごく嬉しい。その言葉通り、このバンドも回数を重ねる度にサウンドがまとまってきて、今日は前回の長島よりずっといい感じ。私も吹いていて気持ちいいし。ただ、狭い部屋だと全体のサウンドがうるさくて、どんなに吹いても自分の音が聴こえない。長島でサックスの音が周囲の金管のサウンドに押されて隠れてしまっていた点が最も私が気にしている問題点、これは本番会場のサウンドチェックで確認するしかない。
昨日Patioでアンコールがかかり、苦し紛れに歯抜け状態で今日演奏予定の「愛が全て」と吹いたとか。その教訓から今日は一応アンコールを準備しておこうと、愛するデュークを短くして使う事にした。最後をハデに終われるし、短くしても不自然じゃないこの曲って結構便利かも。
10時から始めたリハは11時半に終わり、マーゴヘ移動。途中少し寄り道したら道を間違えて、皆より15分ほど遅れてしまった。私の車のナビはなかなか最短コースで案内してくれなくて、近道しようとしてかえって遠回りしてしまう事もしばしば・・・。
会場でサウンドチェックを開始したのが1時頃。サウンドチェックには今日のプログラムに入っていない曲を使おうと、随分前に試しに1回だけサラっと合わせてみただけの「Bitter Sweet Samba」をいきなり吹く事に! いくらサウンドチェックとはいえ、人前でいきなり練習していない曲をやるか?普通(苦笑)・・・と思ったけど、細部はともかく崩壊する事なく最後まで一応聴かせられるレベルで演奏できてしまうこのバンドって怖い(笑)。サックスにアドリブソロのあるこの曲、今回全くノーマークで、皆で合わせてみた時以来自宅でも全く吹いていなくて内心焦っていた私だけど、このバンドの勢いに押されて、ごまかしながらも楽しく吹いちゃった。できるもんだ!(驚) このサウンドチェックで近くにいたお客様が大勢集まってきた。長島と同様のいい手応え。心配だった音量バランスも、サウンドチェックの録音を聴くと今日は自分の音がよく聴こえる。だんだんバランスもよくなってきていい感じ。
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マーゴに着いてから何か食べるつもりが結局昼食を食べそこねて、皆空腹のまま迎えた本番。でも演奏を始めると空腹感など吹き飛んでしまった。多少の事故は各自それぞれあったものの、終始勢いが弱まる事なく、パワフルに楽しく演奏できた。私個人的に幻想はやっぱり本番で吹くには怖い。いろんなテンポ設定で、暗譜できるぐらい吹き込んであるのに・・・。長いアドリブソロがあるI Got Rhythmも、今日いきなり練習もせず吹いたBitter Sweet Sambaも怖くなかったのに、なぜこの曲だけ本番はこんなに怖いんだろう? 失敗こそしなかったけど、あの余裕のなさは反省点。でもこの曲が終わって、次の「愛が全て」ではステキなトランペットの下で精神的な休憩ができて(体力的にはキツイ曲だけど‥・苦笑)、以降の曲はいつもの調子で楽しく吹けた。会場の響き加減が私好みだったせいか、自分の音がいい感じで響いて聴こえたので、吹いていて気持ちよかった。後で録音を聴くのが楽しみ。最後の曲の前にメンバー紹介。今回私に振られた質問は「サックスって何種類?」。7種類の楽器を挙げただけで拍手をもらっちゃって、聴きに来てくれた妹に「あれくらいで拍手を受けるなんて」と呆れられた(笑)。そして今日は遠慮せず私にも音出しを振ってきたので、無難にNew Cinema Paradiseを・・・油断して一つ音を間違えちゃったけど(苦笑)。でも、こういうお祭り騒ぎの中で、音を外しても間違えても、その場でいきなり吹かされる「無茶振り」って聴く側には結構面白いみたい。時間と気持ちの余裕が許すなら、この「無茶振り」をなるべく全ての楽器に回せるといいかも。そして最後の曲「Sing Sing Sing」では元々8小節のドラムソロを延々と繰り返し、他のメンバーは客席で休憩・・・中には自販機でジュースを買うメンバーも。そういえば去年12月に客として聴きに行ったシンパティコバンドでもやっていたこの演出、まさか1年も経たないうちに自分がその中に入るなんて・・・客として見ていた時も楽しかっだけど、自分で参加する方がもっと楽しい(笑)。
用意しておいたアンコールもムダにならず、大盛況の中で終了。皆来てくれた知人・家族と話していたり、片付け始めている中で「もう一度」という声が・・・なんと、マーゴの社長さんからの要望で、散らばったお客様をアナウンスで呼び戻し、ルパンとポニョをもう一度演奏する事になった。こういう形でライヴが延長になったのは、私自身も経験上初めて。その上社長さんからいろんなサービス券、割引券を頂いた上にスターバックスのコーヒーまでご馳走になってしまった。よほど気に入っていただけたのか? 担当者と名刺交換をしていた様子だったから、今後先方から依頼があるかもしれない。
長島でもすごく楽しかったけど、練習も本番中もこれほど楽しい時間を過ごせるバンドを私は他に知らない。我々の楽しそうに演奏する様子がまたよかったと私の家族も言っていた。これまで色んなスタイルであちこちでコンサートをやってきて、私の家族はほぼ全て聴きに来てくれているけど、このバンドが一番楽しく聴けたみたい。何が楽しいのか? 扱う曲がステキなアレンジで思わず血が騒ぐ楽しさの曲ばかりというのもあるけれど・・・
通常アマチュア同士で組むグループだと、必ず何人かモチベーションが低くて足を引っ張る人がいるもので、私は常にお尻を引っぱたく役目に回って嫌われてきたのだけど、ここでは全くその必要がない。むしろ熱心さは私以上かも・・・だから私は、若い人たちの熱意に任せて、できる協力はしながらも、自分の演奏をきちんと作って活動に参加さえしていればいいので、これだけの演奏をさせてもらいながら、ウソみたいに気が楽。逆にハイアマチュア同士のグループだと、やる気は十分でも各自のこだわりやプライドが強過ぎて、意見がぶつかり合ったり、やりたい事が食い違ったり、時には妬み合って足の引っ張り合いも発生したりするものだけど、ここのメンバーは皆同じ方向を向いているし、各自プライドを持って自分の演奏に取り組んではいるけど、お互いのプレイヤーとしての魅力を認め合って応援し合っているから醜い争いも起きない。本番で失敗しても、失敗した本人は悔しいかもしれないけど、その失敗すら笑い飛ばして楽しい音楽のエッセンスにしてしまう・・・実に理想的なグループ。互いの間に信頼があるからこそできる事だと思う。こういうバンド活動やアンサンブル活動を続ける上で一番大切なのは、もちろん個人の技量も重要だけど、それ以上に重要なのがメンバー同士の信頼関係と各自の意欲。そして、それらを全て兼ね備えたメンバーばかりを揃える事が何より難しい。Bear's Bandとしてはまだ結成したばかりだし、私もまだ彼らと知り合って2年ぐらいだけど、ソロイスツの人たちにとってはきっと何年もかけてようやくたどり着いた形。そして私にとっても、何年もかけてようやく巡り会えたグループ。そんな中に入れてもらえた事を本当に嬉しく思う。
マーゴの社長さんにご馳走になったスターバックスで、早くも来年の予定を計画。まずはメンバーの結婚披露宴が3月にあって、3月末か4月頭に、去年緑山で出た水戸野さくらまつりも予定している様子。そして7月には新潟ジャズストリート参加もある。レパートリーも増やす予定。「Mission
Impossible」を追加予定との事だし、今日のサウンドチェックで使った「Bitter
Sweet Samba」や、トランペットのハイトーンがかっこいい「ロッキーのテーマ」にも取り組んでいくだろう。今後が益々楽しみ。その前に2週間後に控えたソロイスツの演奏会。幻想を恐れず演奏できるように、もう一頑張り!