1年走行後インプレッション

2002-3-29(金)[クラッチつながり具合]
ターボのクラッチはパワーアシストのせいかリニアにつながるのではなく、かなりくせが
あるように感じます。自分で感じたクラッチのつながり具合を下図に示します。
つながる位置はかなり奥の方で、半クラッチ領域は決して狭くはないのですが、つながり
方が階段状になっているように感じます。Aの領域は少しつながっている状態で、アクセ
ルを踏み込んでもエンジンが空回りしスピードが出ません。Bの領域は通常発進する時に
使う半クラッチ領域で、この領域からクラッチペダルを急激に上げるとクラッチが完全に
つながるショックがあります。スムーズな発進にはクラッチを徐々に上げながらアクセル
を踏み込むタイミングを合わせる必要があります。坂道発進時は更にサイドブレーキ解除
のタイミングが加わるので少し難しくなります。いずれにしろクラッチペダルからは何の
感触の変化も感じられないので、エンジンの音,回転数や車の動きからクラッチ操作の判
断をしなければなりません。
尚、クラッチが完全につながってから上のストロークが長く、余分な足の力を使わされて
しまいます。



2002-2-10(日)[スターター作動時間]
ターボは全ての点火プラグにそれぞれ個別に点火コイルを配置した静高電圧配電回路にな
っていて、モトロニックが電子制御しているのですが、エンジンスタート時スターターを
作動している時間が少し長いように感じます。2秒位かかっているような気がします。今
までの電子制御エンジンの車だと1秒もかからずにエンジンがかかっていました。これは
スターターの作動がエンジンがかかると自動的にオフになる機構があるので、キーをスタ
ーター作動の位置にエンジンがかかるまで回しているせいもあるでしょう。
後、キーを挿し込んだだけでインストルメントパネル等に電流が流れるようになっている
のは、整備に出した時キーを挿しっ放しにされると消費電流が心配になります。

2002-2-9(土)[電装系不具合]
故障というほどのことはないのですが、今までの電装系の不具合をまとめてみました。
・操作ボタンの照明不点灯
 運転席左サイドシル部にあるフロントトランクリッドオープナーの照明が点灯しない。
 新車時にこの現象が出ていましたが、ディーラーでは再現せずその後自然に直ってしま
 いました。これは夜車に乗らないと分からないところです。
・電動ミラー調節スイッチ接触不良気味
 ミラーを上下左右に動かすスイッチですが、普通に押しても動かず、かなり強く押さな
 いと動きません。
・フロントトランクリッドリモコンオープナー不作動
 メンテナンスのページに書いたように、リモコンでフロントトランクリッドが開けられ
 ませんでした。これもディーラーで再現せず現在は正常に開くようになりました。
・エンスト
 電子制御に関係しているかもしれませんが、赤信号で止まる時クラッチを切ってブレー
 キを踏むとそのままストンとエンジンが止まってしまいます。通常エンジン回転がアイ
 ドリングより下がるとエンジン回転を自動的に上げるような電子制御が働くのですが、
 それがありませんでした。新車時数度ありましたが、今は起こらなくなりました。やは
 りエンジンにあたりがつく前で、クラッチよりブレーキのタイミングが早く、回転落ち
 してエンストしたのでしょう。

2001-12-23(日)[CDチェンジャーリセット]
寒くなってから数度エンジンをかけた後CDチェンジャーがリセットされて、前回停止時の
状態ではなく1枚目の1曲目から再生することがありました。セルモーターを回す時にバ
ッテリー電圧が低下してCDチェンジャーがリセットされたのでしょう。それにしても車載
用として電圧低下に敏感すぎるような気がします。
寒くなってバッテリーの能力が低下したこともありますが、バッテリーの蓄電量の減少も
影響しているのでしょう。

2001-12-22(土)[エンジンスタート時の白煙]
今まで十数回に1回位の頻度でエンジンをかけた時、マフラーからもうもうとオイルの燃
える紫がかった白煙が出ることがあります。通常出る白煙は水蒸気ですぐ消えるのですが
その紫がかった白煙は消えずにかたまりになって漂っていきます。2000年7月の1年点検
で左バンクのタービンフィッティングオイル漏れ修理をしましたが、その後も同じ位の頻
度で白煙が出るのでそれが原因ではなかったようです。
これはシリンダーが水平方向にレイアウトされている、水平対向エンジンの構造に起因す
る特有の問題があるのかもしれません。
いずれにしても、白煙が出るのはオイルが燃えているということなので、オイル消費の多
さの一因になっているものと思われます。

2001-11-11(日)[エアコン]
普段、車に乗る時はエアコンをオフにしていますが、夏場はエアコンで冷房しなければと
ても乗っていられません。ターボのエンジン制御はエアコンのオン/オフを感知しアイド
リング回転数を一定に保つようにしています。この為エアコンをオンにするとアイドリン
グ時の燃料消費が増え、走行中もエアコンの負荷が加わることにより燃費が悪くなります。
エアコンのオン/オフを感知しない車に比べてより燃費への影響が大きく、燃費は1Km/l
以上は悪くなるように思います。当然エアコンの負荷により低速トルクが減り、吹け上が
りにも影響があります。
後、オルタネータ発電電圧にも大きな影響があります。エアコンオフで14V位あるのがエア
コンをオンにすると13.6V位に低下します。
エンジンの負荷としてはウォーターポンプもあり、ターボではリアのエンジンからフロン
トラジエター迄冷却水を循環させています。これもかなりの負荷になると思われ、空冷エ
ンジンの吹け上がりが異常にいいと言われるのも、ウォーターポンプの負荷がないせいか
も知れません。

2001-8-12(日)[オイル漏れ]
駐車場の車の左マフラーの下付近に点々とオイル漏れの跡があり気になっていました。
1年点検で左バンクのタービンフィッティングオイル漏れ修理という点検項目があり、や
はりそれなりの原因があったようです。シールリングを交換したようですが、3月のリコ
ール点検で見つけられなかったのでしょうか? オイル消費が多くマフラーからオイルの
燃える煙が出るということでオイル漏れチェックも頼んでいたのですが。
漏れ自体はたいしたことがなく、いずれにしても原因が分かり対策されよかったです。

2001-8-11(土)[扁平タイヤ]
納車時から1年点検までタイヤを見ても空気圧の低下による変形がなかったので、一度も
タイヤ空気圧のチェックをしませんでした。すると1年点検のチェックでどの位減ってい
たのか分かりませんが空気圧の項目で引っかかりました。
フロント225/40ZR18(2.5kg/cm2),リア295/30ZR18(3.0kg/cm2)の扁平タイヤなので空
気圧が低下しても見た目では分からないようです。リークの少ないタイヤだと思っていま
したが、やはり半年に一度位はチェックした方がいいのでしょう。

2001-8-10(金)[エンジンフィーリング]
1年点検整備でエンジンオイルを交換し、更にエンジン音が静かで滑らかに回るようにな
り新車時に比べエンジンフィーリングはかなり違ってきました。
エンジン内の回転部分のフリクションが軽減し、あたりがついて馴染んできたせいかアイ
ドリング時に負荷をかけても新車時のようにすぐにエンストせず粘りが出てきました。
これなら半クラッチにした後アクセルを踏んで発進するアイドリングスタートもできます。
2.5リッターの944ターボに対し3.6リッターの排気量分に相当する低速トルクが出てきた
ように思います。でも3.4リッターNAエンジンの348の低速トルクに比べれば感覚的に半分
程度のトルク感しか感じられません。なんと言ってもターボなので低速トルクはこれで十
分ということはなく、絶対的なトルクの細さは仕方のないところです。

ちなみにトルクと加速の関係については、

        (エンジントルクx総減速比x伝達効率/タイヤ半径-走行抵抗)x重力加速度
加速度(m/sec2)=─────────────────────────────────
                 車両総重量x(1+加速度係数)

加速度係数は主にエンジンの回転部のイナーシャになりギヤ比の関数で表されます。
加速度はタイヤのグリップ力の最大値までしか大きくなりません。大半の車は、この最大
加速度を7.5(m/sec2)程度となるように1速のギヤ比を選定しているようです。
私の考えとしては1速,2速あたりのギア比は同クラスの車なら大差ないと思います。
348と996ターボはトルクは倍位違うのにギア比は殆ど同じになっていますから。
なので、加速はほぼ(トルク/車重)に比例すると考えていいと思います。
例えば360モデナと996ターボと550マラネロを比較してみると、

        360モデナ    996ターボ   550マラネロ
最大トルク   38Kgm/4750rpm  57Kgm/2700-4600rpm  57kgm/5000rpm
車重       1430Kg       1530Kg       1740kg
パワー     400PS/8500rpm   420PS/5700rpm    485PS/7000rpm
排気量      3586cc       3600cc       5473cc
圧縮比      11.0         9.4        10.8
ボア×ストローク 85x79       100x76.4       88x75

で996ターボの方が360モデナより最大トルクは1.5倍、(トルク/車重)は1.4倍なの
で加速も1.4倍早いと計算されます。マラネロとは最大トルクは同じですが車重が210kg軽
くなっています。このあたりは6気筒ターボと12気筒エンジンの違いが表れています。
ちなみに944ターボの(トルク/車重)はモデナとほぼ同じでした。
但し、ターボは低回転域でトルクが細くなるデメリットがあり、モデナはエンジンを高回
転迄回せるアドバンテージがある為、実際の加速データは必ずしも計算通りになるという
訳ではありません。
それにしても同じ排気量ながら、ノンターボの360モデナが996ターボと拮抗する走
りを見せているのには驚かされます。
但し、ターボエンジンはGT2のように過給圧のセッティングにより大幅にトルク・パワ
ーのチューンアップが可能で、メーカーで車の性格に合わせたチューニングが施されてい
ます。私は街乗りオンリーで車内でオーディオを聴きながら運転したいので静か,派手な
リアウィング無し,安定快適装備のターボが一番気に入っています。

ちなみにトルクと馬力の関係式は、
馬力(ps)≒0.0014×トルク(kgm)×回転数(rpm)
で、一般的に馬力は最高速に関係するといわれています。


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