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■2005年度玩具ランキング

1位2位3位4位5位

◆1位:ボトムズ/アクティックギアシリーズ(タカラ)

展開する前はバンダイのハイコンプロのパクリだ何だと言われていましたが、蓋を開けてみればハイコンプロを凌ぐ人気商品。
価格設定の良さもあり、量販店系では即日完売も珍しくは無いほど売れました。
ここで「人気商品」とか「売れた」というのを強調したいのは、
失敗続きであったタカラハイエイジ向け商品において久々の・・・いえ、初めてのヒット商品だからです。
この意味は非常に大きく、またタカラファンにとってはこの上無い朗報なの少々贔屓目と思いながらも昨年度の1位に。
そう、タカラは
「まだ終わらんよ!」

商品としてハイコンプロと比較した場合、造型、精度、仕上げ、塗装全てにおいてハイコンプロの方が上。
特に『精度』面はかなり気になり、比較的安定して遊べるハイコンプロに対してアクティックギアはパーツがポロポロ落ちるのでストレスが溜まります。特にヒジのアーマーとターンピックは外れやすく、開き直って瞬間接着剤でくっ付けた方が良い様な気さえします。
ただし玩具として見た場合、アクティックギアはかなり優秀な出来で、手頃なサイズ、値段、触っていて飽きない等々、ハイコンプロに勝っていると断言出来るでしょう。
特に可動に関してはかなり満足のいく出来。
多少外れ易さが気になるものの各アーマーは全て可動し、腹部のメンテナンスハッチを除いて設定上存在する可動部はほぼ完璧に動きます。
またお約束の膠着ポーズですが、このサイズでほぼ問題なく再現出来るのは評価出来ます。

スコープドックはパラシュートザック、ラウンドムーバー等背中に何かを背負っているバリエーションが多いのですが、現状では全てのパターンで「背中に何かを背負った」まま膠着ポーズが取れるのが実に良い。

膠着ポーズをとる関係上、足首の可動範囲は広く接地性が優秀であり、全体の重量バランスが良好な為、かなり大胆なポーズをとっても安定して自立し飾っておけるのも見逃せない点。
旧来のタカラ商品、例えばTFG2やミクロマン等は可動箇所と範囲は多いけどそれが災いして飾るに不向きだっただけにこの点は非常に嬉しかったりします。

タカラHP上に→コレクションにも最適、ツール感覚でも楽しめる究極のシリーズ」とある様に、
単品で楽しむのはもちろん、改造用の素体としても高いクオリティである事も評価点。
素材は基本的に全てプラスチック製。塩ビ等は使用せず。その上、各パーツをビス止め、ハメ込み
(ターレットレンズのみピン打ち)等で組み立てられている為、『分解→再構築』する事が可能です。
これが旧来のボトムズファンを複数買いに走らせた大きな要因では無いかと考えています。

また、生じた欠点、不具合を次アイテムでは直ぐさま改善するという気合の入り様はどうでしょう。
シリーズ第一弾『スコープドック』の大きな不満点であった「平手が無い」、「背面のビス穴が目立つ」という2点を直ぐに解消したことは高く評価しても良いでしょう。

※平手が付くだけで「表情」の幅が大きくなります。今までは同サイズで色合い的にもあまり違和感の無い「ハイコンプロ−MS06ザク」の手を流用していました。(写真右の機体。色合いやサイズ的にはさほど違和感はありませんが、スコープドックの手にしては細すぎるのが難点)

※背中に化粧パネルを付ける事で格段に見栄えが良くなっております。
また、目立たない点ですが股関節にも改修がかけられており、可動範囲が広くなっております。

それらの欠点を補ったのが新作:ベルゼルガ

更に、旧来のアイテムでは未塗装であったコックピット内部まで色分けされていたりします。



ある意味で決定版が出尽くした感のあるガンダム系に対して、まだ発展途上であった感のあるボトムズ系アイテム。
僅か僅か(約)8センチに凝縮されたギミックの数々には、今まで見なかった決定版の姿を垣間見た気がしました。
また、デザインのリファインも秀逸でした。
本来のスコープドックは実は
もっと格好悪いものです。放映当時からその概観で「タコみたい」と呼ばれ「スコタコ」等と呼ばれていました。その格好悪さ、無骨さがAT(ボトムズに登場する人型メカ)の魅力ではあるので一概にどうこう言うわけではありません。
ただし、設定通りの「格好悪さ」を再現したところで喜ぶのは旧来のボトムズファンだけでしょう。
実際に試作画像が上がった次点では「スマートすぎてスコタコに見えない」等と言う意見も多く見かけられました。
しかし発売後はその手の意見は目にしなくなった気がします
(ベルゼルガに関しては未だに目にしますが)
それは旧来の持ち味を活かしつつ、上手く今風にアレンジ出来た結果だからとだと思います。もちろんこの手の懐キャラ玩具で旧来のイメージを尊重する非常に大事な事です。ただ、そこにばかり囚われてしまい結果的に旧来のファン以外には見向きもされなくなってしまった玩具が多い・・・、ちょっと言い換えて、特にタカラには非常に多い中で今回のアレンジの上手さは賞賛に値します。
だからこそ旧来のボトムズファン以外、それこそ「スコープドックの事をなんで「タコ」と呼ぶんですか?」と真顔で聞く層や、「スコープドックの事をボトムズという名のロボット」だと思っている層にも広く受け入れられタカラ久々の大ヒット商品に成り得たのでしょう。

昨今のタカラ男玩展開といえば、クソみたいなリカラー・リデコを乱発し消費者に負担を強いる悪徳商法、他メーカーに比べてあまりに酷い品質管理体制
(これはバンダイ、トミーといった大手メーカーに対して酷い、というのではなく、はっきり言ってユージンやCM’Sコーポレーション、スプリング等と比べても酷いレベル)が目に付き、「玩具」のクオリティは高くとも「商品」のクオリティは低いメーカーという印象しか残っていませんでした。
しかしこのアクティックギアに関しては違います。ユーザーが欲しいと思うリデコ、リカラー展開。しっかりとした品質管理。
タカラは「やれば出来る」事を証明してくれました。
・・・なんだか今までのタカラハイエイジ向け展開がことごとく失敗していたのは単にトランスフォーマー担当が無能なだけなんじゃないか、と思えてきて非常に哀しいのですが、「コンボイを白くして別商品にしたら笑われるだけですが、スコープドックの肩を赤く塗ったらマニアは飛びつく」この意味を今一度考えて商品展開して欲しいものです。


◆2位:デスザラス/BOTCON限定(タカラ)

久しぶりに必死になって買ったBOTCON限定アイテム。
BOTCONというのは、物凄く簡単に説明すると海外で毎年行われるTFファン最大イベント。
日本では考えられないほどメーカー側が協力的で、新製品新作のお披露目会やら、様々な大物ゲスト、限定アイテムが発売される等非常に魅力的なイベントです。
限定アイテムも、ここ最近は商業主義的な空気が強すぎて少々嫌気がさしていたものの、流石ファンイベントだけあってファンのツボを押さえた垂涎の逸品が姿を現します。・・・しかし基本的に会場でしか買えない上に、少数生産。少数生産故に元々の単価が高く、会場でしか買えないからプレミア値必須・・・という悪循環が生じてしまいマニア泣かせの商品でもありました。
それが前年度はなんと7体セットの大箱というのですから、その価格は・・・えーと、兎に角入手するにはかなりの覚悟が必要です。
また前々回の限定アイテムを調子に乗って作りすぎてダダ余りという失態を反省してか、今回は生産数を抑えてしまったのでマニア内で激しい争奪戦が繰り広げられる事に・・・。
私もこの7体セットは手に入れましたが、他のアイテムは未入手。ラチェット辺りは欲しかったのに残念。

とまぁ、入手難度が高さからくる嬉しさ、というのもありますが
それ以上にリデコアイテムでここまで魅力的なものもそうは無いというので第2位にランクイン。

元ネタはTFG1国内版『トランスフォーマーV
(ビクトリー)』に登場した『破壊大帝・デスザラス』

カーロボットに登場した『闇の破壊神・ギガトロン』
(正確にはデビルギガトロンの金型ですが)から頭部を新規に造り起こしただけですが、意外にも違和感無く「現代に蘇ったデスザラス」的なイメージが出ており実に良い。

■頭部比較
左からBOTCONデスザラス/G1デスザラス/ギガトロン

玩具版というよりはアニメ版デスザラスのイメージに近いかな?

■ギガトロンとの比較

基本的に似通った配色。
変形機構は基本的にそのままですが、頭部をリデコしてしまった為デビルバット用の「コウモリの口」パーツがオミットされてしまっています。残念。


今までTFファンダム内ではあくまで海外、特に米国展開こそが本流であり国内版TFはオマケないし亜流という扱いでした。
当時の話をあまり蒸し返すのもあれですが、『ザ☆ヘッドマスターズ』以降の日本版は亜流どころか「トランスフォーマーじゃない」と散々言われ続け、それを応援していた我々は・・・例えるならばファーストガンダム世代がガンダムSEEDファンを見る様な見下した目で見られておりました。『トランスフォオーマーV』に至っては同時期に海外で展開されていたアクションマスターよりも遥かに良い玩具と思っていたのですが、そんな事を口にしようものなら非国民扱いされていた冬の時代もあったりなかったり。
その時期は基本的に米国ハスブロ社が企画をし、タカラが開発を行うという両社に明確な上下関係があったわけなのですからそれも当たり前といえば当たり前。タカラという所詮は下請けメーカーが勝手に作った物を熱心なファンが亜流でありまがい物と見下す気持ちは解らないでもないです。
しかしながらその上下関係をひっくり返したのがカーロボットの海外での大ヒット。
それ以降、ハスブロとタカラは同等の立場になりTF展開を続けて行くのですが・・・それが良かったかどうかは全く別問題。
ただし、注目すべき点は、TFファン最大のイベントであるBOTCON。その限定アイテムの目玉に今まで亜流とされていた日本版TFのカーロボアイテムが選ばれ、そのモチーフに当時は「トランスフォーマーでは無い」とまでいわれいたトランスフォーマーVの『デスザラス』が選ばれる。この意味は大きいと思います。

話は少し飛びますが旧来のタカラでは同一アイテムであってもリデコ、リカラーを行う事で新たな魅力を生み出す事を得意技としていました。しかし最近のタカラのリデコ、リカラーは商品点数を水増しするだけの愚にもつかない腐った手法に過ぎませんでした。
そんな中で再び懐かしきタカラの「得意技」が見れたのは非常に嬉しく思います。
・・・なんだか、タカラって商品開発するだけで、企画をやらない方が良いんじゃないのかなぁ・・・とさえ思えてきますが。


3、4、5位は非常に悩んだのですが・・・敢えてコレ
◆3位:ムゲンバインシリーズ/ムゲン三銃士(バンダイ)
展開3年目に突入しても未だに衰えない売れ行きを見せるムゲンバインシリーズ。
その中で1つあげるなら、トイザらス限定アイテムまで手を出してしまった三銃士。
ムゲンバインとは、いわゆるブロックトイでコアとなる小型ロボにパーツを合体させる事で様々な形態を取れる、といった代物。
またシリーズ中では今回挙げた三銃士の他にも『獣基合体』等幾つかのカテゴリーに別れていて、そのカテゴリーを揃える事で大型ロボ『ムゲンジェネラル』を組む事が出来ます。尤も、シリーズアイテムは全て共通ジョイントなので説明書通りにジェネラルを組むよりも、自分達でオリジナルジェネラルを組む事にファンは躍起になっていました。
ジェネラルに限らず、買えば買うほど色々な物が組み立てられるようになり面白さが増していく、それが本シリーズの最大の魅力だと思います。

その中で敢えて三銃士を挙げたのは、シリーズにおける1つの不満点であった「1商品で人型形態になれない」点を漸く解消してくれた、という点に尽きます。
※厳密に言えばゼノンバインが既にやってますがあれはコンセプトがまた違うので

中央の物体はザラス限定カラーにのみ付属する『アームドレオン』
分解して三銃士の武器になります

・・・ただし、元々三銃士が持っていた武器が余剰パーツになるので使い勝手はあんまり良くないですね。

ちなみにジェネラル形態がこれ。
物凄い微妙なバランスです。

素体となるターボロイド(下)と、合体後の人型(上)でデザインが共通している点も非常に面白い。


合体後は、マスク+ディテールの大型化はお約束ながらも「熱い!」

実際の商品的にはその後に登場した『ライドバイン』シリーズの方が良くまとまっており、面白いのですが、

それでもなお三銃士を推す理由は





これだ!
※マシン&ベースモード

それぞれ何に変形しているのかと言えば・・・
左から『スーパーカー&信号機』『消防車&
』『バトルカー&ガスステーション』※1
誰がどう見たって余剰パーツを適当に組み立てるだけにしか見えませんが、
この開き直りが実に素晴らしい!
だいたいなんだよ門って(苦笑)
この企画書をバンダイに提出して通ってしまうところがある意味で凄い。
漠然と思ってるバンダイのイメージでは「変形パターンは『門』です」とか言ったらぶっ飛ばされそうな気がしますが、こういうアイテムが普通に商品化され、しかも売れてしまうところにバンダイというメーカーの凄まじさがあります。
なお、門に関してはTVCFや玩具店で流れているイメージ映像上では、ワープゲートのような扱いで描かれており見ているとこれはこれでアリだと納得できてしまうところは見事です。分離→ワープin→ワープout→合体といった一連のシークエンスは格好良い。ワープゲートなのでパーツは置いてけぼりではなく当然出口にもある、という解釈は見事。

また少ないパーツで3形態を取る事が商品コンセプトである為、変形形態を門にする、剣の裏に信号機のモールドを描くなど通常ではまず出てこない発想を評価し第3位にしました。
※1/マシンロボウェッジでは『ガソリンスタンド&タンクローリー』と記載あり

元々は変形玩具であったのが、いつの間にかブロック系玩具になってしまったマシンロボ。
その路線変更に少なからず違和感を覚えている旧来のファンも多いと聞きます。
しかしながらマシンロボのもっと根幹にあったコンセプトは
「平常時にも売れるアイテムを作る事」
バンダイ玩具の強みはTV番組と連携して魅せる「目で見て解る格好良さ」。
その強みはデラックスアイテムでいかんなく発揮され、ゴールデンウィーク、夏、クリスマスシーズン等の商戦期では圧倒的な強さを見せ付けます。しかしながら商戦以外の平常時では出足が鈍いという欠点もありました。
その欠点を埋めるべくして開発されたのが20年前のマシンロボ。残念ながら20年前のマシンロボはアニメ化を境に商戦期にしか売れないアイテムへと変節し自然消滅してしまいました。そしてそれ以降、平常時の穴を埋めるべく様々な商品が登場しましたが、現在まで生き残ったものは殆どありません。
そんな中で今回のムゲンバインは「平常時に売れるアイテム」というマシンロボの根幹に立ち返り、それを実現出来た。
ある意味で本当の意味でのマシンロボシリーズと言えるでしょう。


4位:キーボッツ(バンダイ)

バンダイにしては珍しいTV媒体に頼らない玩具オリジナル展開アイテム。
しかしその売れ行きは決して侮る事は出来ませんでした。
何故なら、戦隊、仮面ライダーといったバンダイ主力アイテムが軌道に乗るまでの間、目立たないながらも孤軍奮闘し並み居る強敵に打ち勝ち2年目展開を勝ち取ったからです。この点は大きく評価できると思います。

男玩人気bPの戦隊やライダーは毎年ほぼ同時期に終わり、同時期に新商品が出ますが
(若干ライダーの方が早いですが)、12月〜翌年2,3月辺りは商品入れ替えの時期で新商品が出ません。俗にこの期間を「スポット期」と呼ぶのですが、そのスポット期は「どーせ戦隊やライダー以外の玩具を入荷してても売れないだろ」と思ってる玩具屋に一発かませる大事な時期だったりするのです。逆に言えばこのスポット期にアピール出来ないと後発の「確実に売れる商品」である戦隊とライダーに棚を取られてしまい、ただでさえマイナーな他商品は更なる苦戦を強いられる事となります。
そのスポット期に新製品を怒涛のように送り込んだタカラ・トランスフォーマーギャラクシーフォース。
しかし思わぬ伏兵・キーボッツに阻まれ、思うように売れ行きは伸びず、例年になく高クオリティかつ早い時期にメインアイテムを送り込んできたバンダイ・マジキングにスタートダッシュを許してしまい、その後はいつもの通りバンダイの圧勝が続くのでした・・・(と思ったらライダーが派手にコケるから玩具業界は面白いのですが)
1つの極論ですが、ある意味で『ギャラクシーフォースはキーボッツに敗れた』という見方も出来ると思います。

さてこのキーボッツ。
玩具マニアは結構注目していましたが、一般にはかなりマイナーな部類のアイテムだと思われますので簡単に説明します。

メインギミックは、
武器に見立てた「鍵」を各モンスターの弱点=鍵穴に刺し、回転させる事で各パーツが一瞬でバラバラにハジけ飛びます。

これを
『ロックブレイク』と言います。
モンスターのパーツ構成は頭部、右腕、左腕、下半身の4つ。

コアを横から見ると、
鍵を回す事でジョイントがバネ仕掛けで各パーツを弾きます。
実はこのロックブレイクが中々に小気味良く、カチャカチャ組み立てて→鍵を回して→「バラバラッ」という流れは実に面白く、結構癖になります。
鍵と鍵穴の種類も複数あり、それぞれカギの種類を鋼、火、風等の属性に見立ているのも中々に面白い点。
対応するカギ=弱点なのですから、この「モンスターの弱点は!?」みたいなゴッコ遊びも楽しめます。
この辺は「カギ」というモチーフをかなり上手くギミックに消化しており高評価。

また、シリーズの各パーツは共通ジョイントなので組み合わせ自由。
・・・というのをTVCFでは売りにしていましたが、これに関しては少々難有り。
対象年齢が低く設定されている事もありパーツ分割が大きく、手は手、足は足にしかならない為、実際には組み合わせて遊んでもあまり面白くありません。また各キャラクターのデザインが、それ1つで完成してしまっている為、例えば別キャラの腕を付けたところで格好悪いだけだったりします。
はっきり言って、ムゲンバインの様な組み合わせ遊びは期待せず、むしろ通常のロックブレイクギミックで遊んだ方が楽しいくらいです。

と、『ロックブレイク』が楽しいだけの玩具でしたら、おそらく他社製品を足止めする程の売れ行きは望めなかったでしょう。
組み合わせ遊びに期待できず、1ギミックが楽しい玩具だったら1つ買ってオシマイです。
しかし、先述の通りキーボッツの初回は売れ、軌道に乗りました。
それはもちろん元々のデザインの良さ
(良い意味で「子供のラクガキ」みたいなデザインのモンスターは下手に洗練されていない分だけ逆に新鮮味を感じさせた)もありましたが、決定的な原動力となったのがおそらくこの『ガディア』の存在でしょう。

最初期に発売された4種類の
初回版にのみ、ガディアの各部位が『ボーナスパーツ』として封入。
つまり4体全て買わないとガディアは完成しません。しかも中央のコアに至っては次世代ワールドホビーフェスタで配布
(要・引換券)という入手難度の高さ。
しかし、誰がどう見ても主人公格のジークラッドよりも・・・というか他の4体よりも明らかに格好良いそれは
「とりあえずこれだけは押さえておけ!!」と思わせるに十分なアイテムでした。
結果として初回限定版は各地で売り切れ。ガディア難民が出る程でした。
またガディアの各部位は単体で見ても優秀で、キーボッツの欠点であった組み合わせ遊びの弱さを補うものでもありました。
簡単に説明すると、今までのキャラは「腕」は「そのキャラ腕以外」に見立てる事が出来ないので、別キャラの腕を付けても強くなった気がしません。それどころかデザインに違和感のあるパーツをつける事で弱くなった気さえしました。
しかしガディアのパーツは例えば右腕なら「槍」として、左腕なら「盾」として使えるので、
例えば「鋼の槍でパワーアップ」
(ガディアは鋼属性)とか「鋼の盾で防げ!」とか「俺の腕を使えー!!」みたいな感じで組み合わせによる強化が一目で解る為、遊びの幅が一気に広がります。


初回限定版を売り切り、勢いに乗って



と、やらないのがバンダイの凄いところ。
もしくは単にネタが無かっただけなのかもしれませんが、闇雲に商品を出さず数ヶ月間を置いて出す、という展開を続けます。

正直、間が開くので展開が終わったのかとさえ思いました。

その後、1つで2種類のモンスターに組み替える事が出来るシリーズを投入。

キーボッツの欠点であった組み合わせ遊びの弱さを補いシリーズの新たな可能性を導き出します。
2種類組めると言っても、

かなり単純で裏っ返せば9割変形完了しているようなものでしたが・・・。
しかし少ないパーツで大きく形を変える発想は見事です。



しかぁーし、彼らにこれだけでは終わらない。

「鋼の力を1つに合わせるんだ!!」




合体!

ジークアーマード!!


組み合わせ遊びには期待できないと思っていたキーボッツでよもや合体が見られるとは・・・
中央のジークラッドは頭とコア以外全然使ってませんが

更に進化を続けるキーボッツ。
ロックブレイクはカギを@差し込んでA回す、という2アクション必要なのですが、
その2つのアクションで2つのギミックを盛り込んだシリーズが登場。

カギを差し込む事で翼が展開、その後ロックブレイクという新たなシステムで更に遊びの幅が広がります。

おまけに

これもジークラッドと合体するんだなー。
完成ジークパラディン!
しかも余剰パーツゼロ!!

ギミック、デザイン、組み合わせ遊びと三拍子揃ったキーボッツ。
この売れ行きは、この楽しさは、この進化は正に2005年のダークホースでした。
マシンロボと言い、キーボッツと言い、TV媒体に頼らずとも良い商品は売れるという事を証明してくれました。
だからこそアニメが面白くないから玩具が売れない、という意見はあまり好きではないのです。

ある意味で、この手の玩具は本来はタカラの独壇場だったはずです。
アニメ媒体に頼らずとも玩具の魅力で売る。見た目は多少アレでも遊んでいて楽しいのがタカラ玩具。
バンダイの良さはデザインに隙の無い格好良さ。しかしその反面、往々にして遊びの幅が無く直ぐに飽きます。
玩具は置物ではありません。あくまで遊ぶものです。
逆にタカラの玩具は独創性に溢れ、遊びの幅が広く、複数シリーズを買い漁ってしまう魅力を持つ玩具が多いのですが、往々にしてデザインや見てくれに問題が山積みで、はっきり言って「格好悪い」為、普通の人はまず買って行きません(断言)。
なぜならば遊べるか遊べないかの差なんてのは、極論すれば箱から出してから飽きるまでの時間の差に過ぎず、買う判断材料に成り得ないからです。だからタカラの玩具は売れないのです。
・・・といっても中にはAI5さんの様に、幼少から「遊べる玩具」を好んで親に買ってもらってたというツワモノもいるので断言はできませんが、これは一般的ではないでしょう。

しかし、今のバンダイはキーボッツと言いムゲンバインと言い多少デザインを犠牲にしても、
タカラほど格好悪くならない水準でタカラ並に遊べる玩具を世に送り出してきています。
そう、タカラの独壇場に踏み込み追い落としているのです。
タカラよりも遊べる玩具を生み出しつつあるバンダイ。その1つの結果がこのキーボッツだったのではないでしょうか。
そう考えると2005年度を代表する玩具の1つとして推しておくべきでしょう。

5位:ランブル(TFギャラクシーフォース/タカラ)

変形ギミック、可動部、プレイバリュー、そしてサイズと価格といった全ての要素が高い水準でまとまったアイテム。
個人的には
ギャラクシーフォース玩具の最高傑作として推します。
四本足でクモ型戦車という「言ったもの勝ち」的変形モチーフは多少どうかと思う部分もありますが、それを補って余る魅力を持つ玩具です。
蜘蛛型戦車?

変形機構は、一見するとクモの4本足がそのまま人型の四肢になると思いきや意外に複雑。
肩の武器を左右どちらにでも配置出来る事や変形や可動に使う関節が非常に多い為、所謂「俺変形」の自由度が高く説明書以上の遊びが出来る「タカラらしさ」満載。やはり玩具は「遊べてナンボ」。デザイン的な好みは別れそうですが昨年度で最も遊び倒した玩具でした。


遊び方無限大!これがタカラ玩具の本来の魅力!!


・ここでギャラクシーフォース玩具についての雑感。
シリーズの感想を一言で言うならば「帯に短しタスキに長し」
キーボッツの項でも簡単に触れましたが、タカラ玩具の欠点は「格好悪さ」
それ故に惨敗したとも思えるのが昨年のスーパーリンク(尤もスーパーリンクの失敗はそれだけではないでしょうが)
昨年の失敗を鑑みてか、今までのTFシリーズに無かった格好良さが本シリーズにはありました。

しかし、それで売れたかと聞かれれば・・・はっきり言って売れてません。

それは何故か?

アニメが面白くなかったから・・・、という意見はよく耳にします。
確かに視聴率、映像ソフトの売上は見るも無残。
しかしアニメの出来に関しては、アニメが無くとも十分に売れる玩具がある事を考えればそれは単なる言い訳に過ぎないので却下します。ムゲンバインやキーボッツが正にそれ。

結論から言えば、これはタカラ伝統的な弱点である「販促の下手さ」。この致命的な欠点があるからこそ、店頭で見て他社製品より魅力を感じず買ってもらえないのだと考えます。
もちろんその大きな要因にアニメの出来不出来を挙げる人もいるでしょう。アニメの人気が高ければそれだけ見込み客が増えるのですから売り上げが期待出来ます。幾ら良い品を扱っていてもお客の来ないお店では商売になりません。
そう考えれば、確かにアニメのクオリティコントロールが出来ない事も大きな敗因の1つでしょう。しかしそれよりももっと根本的な問題点として、年間を通しての「販促戦略」があまりにも稚拙という点に大きな問題を感じます。
この「戦略」を根底に見直さない限り今後タカラ商品が日の目を見ることありません。どんなに良い品を作ったとしても、です。


消費者に負担を強いる矢継ぎ早の商品展開、無駄に多い商品点数、他社に比べて圧倒的に多い不良品の数々が旧来のファンを離れさせ、商戦毎の戦略の弱さ、重点商品の魅力の乏しさで新規ファンを獲得出来ない。それら全てを総じて「販促の下手さ」というのです。

確かにギャラクシーフォース商品はパッと見の印象では前作スーパーリンク商品より格好良く魅力的だと思います。
しかしそれは「タカラ玩具」という枠の中で見た場合の話であって、一般の視線で見れば話は別です。
要は「タカラ玩具にしては格好良いけどバンダイ玩具よりは格好悪い」
ただし、タカラ玩具には格好悪さを補って余るプレイバリューがありファンを魅了してくれたのですが、今回に関してはおそらくデザインの良さを先行してしまった弊害か、そのプレイバリューがかなり微妙になってしまっています。

つまり「タカラ玩具にしては格好良いけどタカラ玩具にしては遊べない」玩具となってしまっているのです。
だからこそ「帯に短しタスキに長し」。

バンダイはTVのキャラクターのインパクトで、実際には遊べない商品をさも遊べるアイテムに、本当は格好悪い商品であるはずなのに脳内補完で滅茶苦茶格好良いアイテムに見せる恐るべき魔法があります。
残念ながらタカラにそれはありません。そう考えると、ギャラクシーフォースの玩具は人によってはバンダイ玩具より遊べないアイテムだった可能性も少なくありません。


今更言うまでもありませんが、どんな玩具でも「○○だけど△△がある」「○○の代わりに△△が出来る」というのは最も評価されない事柄の1つです。「××という欠点を補ってあまる○○がある!」と思わせる事が出来れば別ですが。

例を挙げるならば、ビーストウォーズとダイノゾーンの差が正にそれです。
変形と可動とギミックを両立させたビーストウォーズに対して、
格好良さの代償として可動が制限され、ギミックが乏しいダイノゾーン。
結果、ダイノゾーンは完敗でした。

酷い言い方をするのであれば、ギャラクシーフォース玩具はタカラ版ダイノゾーンという捉え方さえも出来るのではないでしょうか?

これでは弁解の余地はありません。ある意味、売れないのも当然と言えるでしょう。
ギャラクシーフォースにはアニメ未登場で国内未発売の玩具がいくつかあるのですが、そちらはデザインという制約から解き放たれた所為か、変形機構、ギミック共にファンを唸らせるものが少なくなかっただけに非常に残念です(尤も、アニメ未登場キャラを販売したりその路線で攻めたところで結果が好転したとは言い難く、おそらく昨年度と同じ様な結果に終ったと思いますが)

念の為に補足しますが、何もバンダイの方法が全て正しいとかバンダイの猿真似をしろと言ってるわけではありません。
例えば先述のダイノゾーン。今を去る事10年前、タカラにしか出来ない度肝を抜くアイディアを以って展開されたビーストウォーズの前にバンダイは成す術も無く敗れ去りました。そしてバンダイがタカラのテリトリーに勝負を挑んできた対抗馬・ダイノゾーンは見るも無残な結果に終わり今やバンダイ黒歴史の1部になっています。
ただ、10年前のビーストウォーズとは違い今のタカラがやろうとしているTVとのタイアップや格好良いロボットという路線は、バンダイが圧倒的に強い分野です。そこで戦うのであれば、バンダイに勝たなければ意味が無いのです。
その為には、デザイン、仕上げ、総合的な品質は既存のバンダイクオリティを最低限のものとして消費者は要求します。
残念ながらタカラのデザインは、ノーブルな格好良さではバンダイの水準には遠く及ばず、仕上げも雑ではっきり言えば「安っぽい」。ユーザーの目が肥えていると言ってしまえばそれまでかもしれませんが、先行する商品がありそれが主流となっている以上、残念ながらそれが標準仕様です。超合金魂に見慣れたユーザーの目にはバイナルテックはおろかマスターピースコンボイですら安っぽく見えるのです。これが現実です。

今のタカラの品質管理では見た目では他社製品と勝負は出来ないでしょう。
タカラにしては良い出来、というのでは所詮旧来のタカラユーザーしか買わないのです。

にも関わらず、相手の最も得意とするテリトリーで勝負を挑んでしまった時点でギャラクシーフォースは成功するはずも無かったシリーズなのかもしれません。

今のタカラではバンダイのテリトリーでは戦えません。
しかし今のバンダイはタカラのテリトリーでも十分戦えます。


この差が延びる企業と潰れる企業の差なのでは無いでしょうか。
敵を知り己を知れば百戦危うからず。
敵の実力を見切れず、己の力を過信している様では一生かかっても勝つ事は出来ません。
これは、かつての勇者シリーズと戦隊ロボの男玩対決でも同じ様な事をやっていた気がするのは決して気のせいではないでしょう・・・。
タカラはトランスフォーマーでガンダムや戦隊と戦えるつもりなのかもしれませんが、実際にはそんなに高級な相手は不要で、キーボッツ程度で十分足は止まります。
残念ながらこれが現実です。

ランブルを高く評価したのはギャラクシーフォースの大きな不満点であった変形玩具としての面白さ、タカラらしさを十分に感じられたからだと思います。

タカラにはタカラの良さがあります。
過去の栄光を捨て、タカラの良さを全面に打ち出す。そんな玩具を生み出しタカラのテリトリーで戦えば・・・もしかしたら・・・
10年前のビーストウォーズではそれが出来ました。
もう一度そんな奇跡が見たいものです。


おまけ・その2
なんだかんだ不満を言いつつも昨年度最も投資した玩具シリーズはトランスフォーマー。
一体幾ら使ったなど考えたくもありませんが、折角なのでギャラクシーフォース玩具ランキング。


1/ランブル,2/ノイズメイズ,3/ラチェット,4/インチアップ,5/メガロコンボイ
次点/サウンドウェーブ

ランブル・先述の通り。
メイズノイズ・変形機構の面白さ、可動、プロポーション共にかなりの高水準。ランブルとの差はプレイバリューと安定性。
ラチェット・出尽くした感のあった車変形で久々に「おっ」と思う驚きがあった点を評価。
インチアップ・ビークルモード,ロボットモードで異なるイグニッションギミックが地味ながらも面白味十分。手持ち武器が無いのが残念。
メガロコンボイ・ビークルモードはシリーズ中最悪。しかし手に取って遊んでみると印象がガラッと変わる不思議玩具。変形機構、ギミックに関してはあまり褒められたものではないのですがロボットモードの可動部の多さ、安定性から色々なポージングが楽しめ、意外にも「俺変形」で遊べるので触ってて楽しいアイテムだったりします。
次点・サウンドウェーブ。本来ならベスト5に入れても良い出来だと思いますが、品質があまりにも悪いので次点扱い
玩具としての出来はともかく商品としての出来が悪すぎます。こう品質の悪い商品を平気で市場に送り込むというのは勿体無いとかそういうレベルではなく、最早会社の姿勢の問題。いつも思うのですが、こういう「商品」を出されて開発者は悔しくないんですかね?それとも試作品を作ったらそれで満足なのでしょうか?

書き始めると言いたい事が多すぎて幾らでも書けてしまう。取りとめの無い文章でゴメン。
改めて思うと、欠点の多い・・・欠点が目立つ、目に余るシリーズだったなぁという印象が非常に強い。
例えばコンボイ。本シリーズでは5大コンボイを謳い、サイズ毎に意欲的なギミックを盛り込んだコンボイをラインナップしていたのですが・・・これがどれも「帯に短しタスキに長し」。とりあえず5大コンボイは買ってみましたが、実際に遊んでみると一番面白かったのが、デザイン的に一番駄目だと思ったメガロコンボイというのが何ともタカラらしい。

また5大コンボイの中では、特にギャラクシーコンボイについての不満が一番は大きいのがなんとも。
確かに玩具としての完成度は歴代コンボイの中でも高クオリティではあるのですが・・・GW商戦の時点で早くも投げ売れら初めてしまったことを考えると、一般に支持された玩具とは言い難い。
これに関しては諸説色々ありますが、個人的にはデザインの面白味があまりに無かったからでは無いか考えております。
ギャラクシーコンボイに限らず、昨今のタカラは何かにつけて旧来のキャラクターを髣髴とさせるデザインをよく行います。馬鹿の一つ覚えのロディマスカラーとか。
タカラとしては一種のファンサービスのつもりかもしれませんが、正直な話、タカラが思ってるほど旧来のキャラクターに知名度などは無く、中途半端に見た事があるデザインは逆効果以外の何者でもありません。しかもそれが素で格好良ければともかく、基本的には格好悪いのですから。
ただし、これがガンダムやウルトラマンの様に一般にも深く浸透しているキャラクターならそれでも良いでしょう。多くの一般人が買うのですから。しかし現実問題TFアイテムは3000個の限定品が売れ残るのが実情です。某ゲーマーズ限定のTFなど100円で投げ売っても買い手がつかない有様です。
旧来のファンから見れば旧来のキャラが現代に蘇った姿と言うのは感慨深いものがありますが、
TFでそう思う人間は約3000人しかいないのです。もちろんこれはかなりの極論ですが。

ギャラクシーコンボイに話を戻して、これが格好良いかどうかと聞かれれば、私は格好良いと思います。
しかしその反面、旧来のコンボイの意匠をあまりにそのまま受け継いでいるので、誰がどう見てもコンボイにしか見えません。
そして客観的に見てガンダムや戦隊ロボより格好良いかと聞かれれば、残念ながら格好良い!と言い切る自信はありません。

それらが元々の知名度の低さと合わさって、パッケージ状態では「真新しさを感じない、つまらないアイテム」という先入観を持たれたのが一般に支持されなかった理由ではないでしょうか。

実際タカラが思ってるほどコンボイなど売れません。山の様に出るG1コンボイを含めても、です。

これはコンボイ関連のアイテムがラインナップされ、それを「コンボイだから売れます!」と自慢げに紹介する人達へその度に同じ事を言っています。
「貴方たち(タカラ)ご自慢のコンボイとバイナルテックスモークスクリーンのどっちが売れたか冷静に分析して数値を出して下さい」と。別に一般消費者にとってみればそれがコンボイであろうとスモークスクリーンであろうと購買意欲に然したる差は無いと私は考えます。新シリーズが展開され「とりあえずコンボイは買っておこう」という気持ちにはなりますが、それがジンライであろうとスターセイバーであろうとダイアトラスであろうと大差は無いのではないでしょうか?

大事なのは昔どれだけ売れた、昔どれだけ人気があった、では無く
今どれだけの知名度があり、今どれだけの購入層があるのか。

仮にコンボイが20年前は100万個売れたとしましょう。だからと言って今100万個売れるとは限りません。
酷い言い方をするのであれば、ビーストウォーズはトランスフォーマーだからヒットしたのでは無くビーストウォーズだからヒットしたのです。

トランスフォーマーは売れない。

とまでは言いません。
ただ過去の栄光にすがる今のやり方では3000個の限定品すら売れ残る有様だ、という現実を受け止めてもう少し違ったベクトルで商品展開を行って欲しいものです。

仮面ライダー、ゾイドは今年駄目でも来年は挽回出来そうな気がする。
でもトランスフォーマーは今年駄目なら来年も駄目そうな気がする。

何故ならば、仮面ライダーやゾイドはHD-DVDやブルーレイを作ってるけど、
トランスフォーマーは次世代レーザーディスクを作ってるようなもんだから。





例外的にマイクロン伝説コンボイは売れましたが、これは
逆説的にマイクロン伝説のコンボイがいかに優れたデザインをしていたの証明とも思えるのです。
通常モードでは一見すると旧来のコンボイそのままに見えますが、よく見ると今までのコンボイの意匠は何1つ受け継いでいません。
コンボイはガンダムやウルトラマンと異なり顔に記号の無い珍しい主役(コンボイ顔をしたキャラは幾らでもいます。・・・だから後付け設定でライオジュニアみたいなキャラも出来たわけなのですが)なので顔は特徴になりえません。

それでは一番の記号と言えば何か・・・胸の「窓」です。
今までのコンボイの意匠で必ずといって良いほど、と言うよりも全く関連性が無くとも無理矢理にでも使われていた代表的な記号であったはずの「胸の窓」をマイクロン伝説コンボイではバッサリ削除。肩のエンブレムやら腰のデザイン等も既存のどのデザインとは異なり、実はコンボイらしい記号は配色以外に無かったという思い切ったもの。
それでもコンボイ以外のキャラには見えない。
逆にスーパーモードになると、顔、胸、肩、足、腕等々、細部に渡るまでゴッドファイヤーコンボイのデザインを世襲したものであるにも関わらず、とても同じ物には見えない。
以上を踏まえて見ると、マイクロン伝説コンボイは新しさと懐かしさが共存する非常に面白味のあるデザインであったと言えるでしょう。

■2005年度アニメニメランキング

1位:ゾイドジェネシス

前年度、数は多いが不作続きのロボットアニメの中にあって抜きん出て良かったのが本作。
前作フューザーズの失敗を挽回すべく、世界観を一新し、美術に統月剛さん、キャラクターデザインに坂井久太さんという必勝の布陣を敷いた新シリーズは、正に『起死回生』というに相応しい傑作に仕上がったと言っても過言ではないでしょう。
但し、評価すべき点は見た目よりもむしろ
中身
兎に角、シナリオの熱さ、その整合性、生々しいリアリティ等が半端では無く、見た目がスーパーロボットアニメであるにも関わらずやってることは非常に泥臭い戦争を描いたリアルロボット。
ある意味で「現代に蘇ったリアルロボット」と言っても良い作品でしょう。
アニメである事の不合理を極限まで廃し、地味ながらも堅実なストーリー展開やシナリオの丁寧すぎるとも思える書き込み、その話だけでなく終盤の展開を見据えてのシナリオ構成力は久しく見ていなかった「プロの仕事」、「巧みの技」。これら全てが相俟って見る人に対して説得力と納得、そして共感や感動を与えてくれました。
惜しむらくはその作画レベルのあまりの低さ。80年代アニメか、と思うような不安定な作画は折角のキャラデザ、世界観が活かされているとは言えず、また丁寧にシナリオを進めるのは良いのですが肝心の戦闘シーンの見せ場が少ない回もままあり、第一印象で引いてしまう人もいたでしょう。
ただし、それら全て補って余るシナリオと構成力。作品の根幹となるべき場所がしっかりとしているので、おそらく5年後、10年後見ても今と同じ様に楽しむ事が出来る作品と言えるでしょう。だからこそ語り継ぐに相応しい、近年稀に見る良作だと思います。

2位:おねがいマイメロディ

「ミルモでポン」以降、この手の作品を俗に「邪悪妖精コント」と言いますがある意味その決定版。
尤も「邪悪」というよりも「カオス」の様な作品ですが・・・
黒い、あまりに黒いよマイメロ。
ウソ臭い天然とそれに対する逆恨みという構図はギャラクシーエンジェル第四期の「ミルフィーユ桜葉」と「烏丸ちとせ」とほぼ同様のキャラ配置ながらも完成度は段違い。
これはもう言葉で評価するのは中々難しい作品ですので「一度見てくれ」というのが一番。
基本的に脚本家、演出家のやりたい放題ながらも笑いに対する間の取り方、絵造り、ネタ等クオリティの高さは流石の一言。スタッフをみると「おっ」と思う人物が結構参加しており、彼らの持ち味が良い具合に発揮されているのもポイント高し。それでいて常に新しい笑いに挑戦する姿、・・・しかも死ぬほどやりたい放題でありながら要所要所の抑えやラストへ向けてのまとめ、というより辻褄合わせは最早職人芸の域。圧倒的だったクロミのアドバンテージを一発でひっくり返したクリスマスの回はその話自体の完成度も去る事ながら年間通しての構成力に感心させられました
(ただ、私個人の倫理観では如何なる理由があろうとも故人には会わせるべきでは無いと思うので良い話である事は認めながらも、ちょっとばかし否定的)
ただし、一抹の不安はサンリオ的には本当にこれで良かったのか!?というのは一度聞いてみたいところ。
クロミがサンリオピューロランドにデビューしてたり、3〜5歳だった対象年齢を3〜15歳に上げたりとかやってるので構わないのかもしれませんが・・・

3位:魔法戦隊マジレンジャー

序盤こそギャグにすらなっていないお寒い展開や役者の不安定さが思いっきり見えてしまいかなり痛々しい部分が多かったのですが、早い時点で盛り返し、VSウルザード戦、VSブランケン戦、VSメイミー戦、冥府十神編と加速度的に盛り上がり回を追うごとに面白くなってきた作品。

・VSブランケン戦のこのシーンはグッと来ました

噂話で聞いたところによると、前作デカレンジャーの撮影が押しに押してしまいマジレンジャーキャストは十分な役作りが出来ていないままスタートしてしまったらしく、1,2話は恒例の別格予算回なので除外するにしても3話以降の各自初主役回は正直辛いものがありました。しかしアニキが自分の立ち位置を掴み始め、後の映画版等で「サーカスアクション」と称されるマジレンジャーならではの特撮アクションが確立されてくるとともにそれも払拭され、分かり易いストーリー展開と魅力的なキャラクター群、そして迫力のある戦闘シーンという良い意味で教科書通りの要素が高レベルで纏まった作品になったと思われます。またそれぞれの要素も既存作品の猿真似に終らず、先述のアクションシーンやシリーズお約束となった6人目の戦士・ヒカル先生の魅力的なキャラクター造詣等、それぞれに独自性を追い求めていたのも好感が持てます。
始まる前は「シリーズ屈指の完成度を誇ったデカレンジャーの後は何をやっても失敗する」等と影口を叩かれた事もありましたが、終ってみれば
(まだ終ってませんが)シリーズ中かなり上位に位置する作品になったというのは評価されて然るべきでしょう。

偉大なる先輩の後を立派に務め上げた本作には心から拍手!


■次点
ベスト10とやるには以下は殆ど団子状態。
その中でも頭一個出てるのは
【極上生徒会】。強いて言えば第4位がこれかな。
ある意味、アニメ版ギャラクシーエンジェルのノリを正統に受け継いだ名作。分かる人にはたまらない独特のノリは非常に良かった。とりあえず2月発売のフィギュメイトは大人買いする予定。
作品レベルの高さでは
【陰陽大戦記】も捨て難い。脚本、演出、作画等の基本レベルの高さは種デスで地に落ちたサンライズの復権とその底力を見せつけてくれました。残念なのは突出した「何か」が無いところ。年間通して最後まで「面白い」と思って見てましたが、多分来年辺りには忘れてそう。
同様に平均点は高いけど・・・で終ってしまったのが
【ハチミツとクローバー】
少し微妙ですが一応挙げておきたいのは
【ガン×ソード】【まほらば】。ガン×ソードは特にOPが秀逸。今一つ人気が出なかったのは先行していたコミック版が足を引っ張ったんちゃうかと。まほらばは原作を知るとアニメ版の「良さ」が実感出来るのですが・・・団子状態の作品の中ではちょっと出来は微妙か。ヒロイン役の新井里美さんの演技は特筆もの。余談ですがこれとは丸っきり逆の手法をとって自爆したのが【こいこい7】。ちなみにこちらは下から数えた方が早い出来。
初回の爆発力はあったもののそのテンションを保てなかった残念な作品が
【フタコイオルタナティブ】。1クール番組であの失速ぶりは痛すぎ。第一話アバンのアニメとは動いてナンボの哲学や、男子永遠の萌えテーマである「セーラー服 美少女と機関銃」で掴んだ客に対して後半の鬱展開はいらなかったのでは?とさえ思えます。同様に残念だったのが【かみちゅ!】。脚本、演出、「遊び」にかなりみるべきところがあったものの・・・序盤のクオリティを保てなかったのがあまりに痛い。終盤は時間のずれ込みもあったのか殆どリアルタイムで視聴せず。逆に終盤にかけての盛り上がりは凄まじかったもののあまりに仕込みの欝展開が長すぎたのが【フルメタル・パニック! The Second Raid】今までの欝展開を全て吹き飛ばすかのようなラストバトルは一見の価値があるのですが、週1回30分のアニメにしては前置きが長すぎなのが難点。
仮面ライダー響鬼の29話までは・・・うーん、選外。
※秋以降の新番はセイザーX、アニマル横町等クオリティの高い作品がありましたが今回は対象外という事で。


■一方、駄目な方はと言えば・・・これがまたかなり多い。
番組改変期には新作30本!とかやっていますが、実際には粗製濫造されているに過ぎないというのが現状。
せめて少しは見れるレベルのものを・・・
これは挙げるときりが無いので全ては書き出しませんが、
【ジンキエクステンド】【ガンパレードオーケストラ】は破壊力の高い地雷。
地雷までは行かないものの評判倒れ大賞は
【エウレカセブン】。既存のロボットアニメの要素を煮詰めながらも映像的にはあれだけ新しいものが出来たにも関わらず、物語展開があまりにアナクロ過ぎて面白く無い。製作者側はわざとやってるのかもしれませんが、それが良い効果を生むとはとても考えられず、折角創った「映像面での真新しさ」という「良さ」を全て打ち消してしまっています。
映像面では今風で、物語は旧来のガンダムないしロボットアニメの展開そのまま・・・例えは物凄く悪く、作品レベルに思いっきり差はありますが、やってる事はガンダムSEEDのそれと同じだったりします。
はっきり言ってレントンの「もう誰も殺さない」発言以降は完全に駄作の域。
評判倒れ大賞としてもう一つ挙げておきたいのは
【ふしぎ星のふたご姫】。絵柄が可愛い意外は何の取り得も無い悲惨な出来。玩具展開的に見ても褒められる要素無し。メインスポンサーであるバンダイは「プリキュア」で拾い切れなかった層を拾うと豪語していたにも関わらず結果は惨敗。おそらく女玩でのヒット商品である「こえだちゃん」を意識して展開されたと思われるにも関わらず、対抗した商品はこえだちゃんの出来の良さを改めて実感出来るだけという皮肉なもの。おまけに何故か、なりきりアイテムに力を注ぐなど、プリキュアで拾い切れなかった層を拾うにしては商品展開がもろ被りとバンダイしては珍しい戦略ミス。そのくせ二年目展開を行うとはバンダイ一体何を考えてるのか・・・って、おそらく「時間枠」をタカラトミーに渡さない意地だけなんじゃないかなーと。
【ガンダムSEED DESTINY】をここに入れないのは何だかんだ言って最後まで「楽しませて」もらったこと。楽しむの意味が通常とは違った意味であるのと、楽しんだ以上に不快な思いもしましたが、友人同士で遠慮せずに罵倒できる作品というのは中々無いものです。様々なメディアに登場してはある事無い事言いまくる監督夫妻には「旧来のファンを馬鹿にするな!」と思わずにはいられない限界を超す不愉快な思いもしましたが、単純に「旧来のファンを馬鹿にするな」という怒りであれば【ビーストウォーズリターンズ】のオーディオコメンタリーの方が遥かに上。

■注目記事編
本当は10大ニュースとかやりたいのですが、ネタにつまりそうなので上位3つで

◆1位:タカラ・トミー合併→タカラ解散
Q:我々の愛したタカラは死んだ!何故だ!!!

A:はっきり言おう「自業自得だ!」

・玩具業界2位の規模を持ち、そして私が20年来愛して止まなかったメーカー、タカラ。
その突然の訃報はあまりにショックでした。
形式上は対等な合併とは言え、実質的には吸収合併。しかも英名では『タカラ』の文字が無くなっているという酷い扱い。
タカラ訃報が伝わるちょっと前に玩具業界第1位であるバンダイはナムコと経営統合するというニュースが流れましたが、こちらは現在の不況を乗り切る為にお互いの得意分野を活かし更なる力を付ける事を目的とした前向きなもの。
それに対してタカラとトミーの合併は・・・はっきり言ってしまえば
タカラの身売り
しかも合併比率が1:0.178という屈辱的数値。
仮にトミーの株価が1000円だとしたら、タカラの価値は178円しか無いという事になります。
※後にトミーが1/2の株分割を行ったため、1:0.356へ変更されています。

尤も前年度の決算が連結 146.87億円、単体 203.85億円という倒産してもおかしくない驚異的な赤字を叩き出しているのですから、「くそー、トミーめ!タカラを馬鹿にしやがって!!」というのではなく「トミー様、よく拾って下さいました」と感謝すべき状況だったりします。
合併を3月に控えるも。、その後の展開が今ひとつはっきりしない両社。
そのくせ本年度の新商品を市場に導入してくるタカラ。
タカラ側のみ大型リストラという噂もあり、どう考えても一般に売れるわけ無い商品をヤケクソの様に市場に導入してくるタカラ・・・。

タカラとトミーとでは扱う問屋が違うなど、合併後の問題は山積みであり相当な混乱が予想されますが頑張って欲しいものです。
せめてバンダイ1人勝ちだけは止めさせて。あそこは敵がいなくなると急に商品に手を抜くので(涙)


◆2位:仮面ライダー響鬼路線変更
クウガの成功後、アギト、龍騎と良い感じに来たものの明らかに行き詰まりを見せていた平成ライダーシリーズ。
続く555(ファイズ)、剣(ブレイド)の低迷振りが誰の目に見ても明らかだった状況で、新たなるヒーロー、新たなる平成ライダー像を作り上げようという意図で製作された仮面ライダー響鬼。
序盤は試行錯誤感もありながら良い感じに『新たなるヒーロー像』を作り出せていたにも関わらず、商業的には上手く行かず、30話にて路線変更を余儀なくされてしまいます。
そして後を継いだのが・・・なんと平成ライダー負の遺産とも言うべき脚本家である井上敏樹氏。
結果は言うに及ばず。
29話までの響鬼が好きだっただけに、30話以降の「いかにも」な井上脚本の響鬼は見るに耐えませんでした。
新たなるヒーロー像を目指して作成されつつも、結果的には今までの失敗ライダーの縮小再生産で終わってしまうとは皮肉以外のなにものでもありませんでした。
非常に残念です。

ただ、その後の展開やら考察に関しては様々なところで行われ、参考になる意見や読み応えのあるものが多かったのは思わぬ収穫だったりしました。特にその中でも
『男のツンデレは害悪』は井上脚本の駄目っぷりを端的に現した名言。
結局のところ、井上脚本というのは良くも悪くも『ハッタリ重視の絵本』に過ぎず、一枚画の迫力はあるものの『物語』は書けないという致命的な欠点があります。シナリオ、構成といった点においては新人ライトノベル作家の域にすら達していないとすら言えるでしょう。その最たる例が「瞬間移動」です。
もちろん彼の持ち味である『ハッタリ重視の一枚画』は流石、名脚本家の中に数えられるだけの事はあり他の追随を許さない素晴らしいものがあります。氏の手がけた平成ライダーには見ていて純粋に「おぉ!」と思える格好良いシーンは幾つもありました。賛否はありますが、劇場版響鬼は面白いと思っています。
しかし、そのハッタリ重視路線で突っ切るのであればまだしも変にテーマ性を持たせ、しかもそれが「正義とはなんぞや!?」みたいな禅問答に始まり『ヒーロー』を見たい視聴者に対して常に不快感を与える描写ばかりを行うので、先述のシナリオ構成力の無さと相俟って物凄く不愉快な作品が出来上がっていた事も事実だと思います。
また、彼の得意技である『ハッタリ』もそろそろ使いどころに限界が来ており、555辺りで既に『ハッタリが効かなくなってきてしまっている』感が否めない様な状況でもありました。この手法の最大の欠点は、最初はインパクトがあっても、いずれは無くなる。『同じ手法』では常にインパクトを与え続ける事など出来ないからです。違う手法を用いて更なるインパクトを出す事が出来ればまだしも、前作までと同じ手法を使いインパクトを出そうとした井上氏を採用した時点で仮面ライダー響鬼という作品の失敗は確定していたのかもしれません・・・。

響鬼に関しては商業的にだけ見てみれば、玩具の売り上げは厳しく『路線変更已む無し』といった状況なのは解ります。
解りますが、路線変更を行うにもよりにもよって井上脚本を採用するとは・・・「路線変更はあれで良かったのか?」というのが正直な感想。
メインアイテムの変身ベルト(太鼓)や後半の主力武器であった『アームドセイバー』の売れ行きが路線変更したからといって上向きになるよしもなく、それどころか路線変更前の思わぬヒットアイテムであった『ディスクアニマル』すらも売れなくなってしまう始末。
ディスクアニマルは数こそ出ましたが、バンダイ側も売れると思っていなかったらしく単価が安い上に種類も少ないので響鬼関連アイテム全体を支えるには力不足。
後半になりディスクアニマルを収納できるケースという形で漸く単価の高い商品が登場しましたが、路線変更後は劇中でのディスクアニマルの扱いがかなり酷くなりディスクアニマル自体が売れなくなってしまった状況下でこんなケースなど出しても売れるわけがありません。
ディスクアニマルに関しては、いんちき玩具
(参考:いんちき万歳で本家よりも豊かなアイディアとバリエーション展開を行っていたりするので、もしかするとバンダイもディスクアニマルをメインに、もっと力を入れて展開すればもうマシな数値が組めたのでは?と思え、この辺にもバンダイの手痛い戦略ミスを感じずにはいられません。

私個人の考えですが、商業的に伸び悩んだ結果、路線変更を行う事は決して悪い事とは思いません。
確かにスポンサーからの横槍、テコ入れは旧来のファンからすれば愉快では無い場合の方が多いでしょう。
しかし、明らかに序盤で失敗しているにも関わらず、そのまま突っ走っていってしまった結果、その作品どころかシリーズ全体が駄目になる。そんな例もあるのです。一昨年前のトランスフォーマースーパーリンクがその良い例です。
明らかに序盤でつまずき、戦略ミスが明らかであるにも関わらず負けを認めず、挽回できるという妄想に取り付かれたかのように無謀な商品展開を行った結果、案の定スーパーリンクは大惨敗。それどころか『トランスフォーマーは売れない』という悪評まで付いて回る始末。早いうちにテコ入れが出来たら、上下合体に見切りを付けて自由合体チームにシフト出来れば、コンボイなんか売るのを止めれば・・・手は幾らでもあったはずです。しかし打ちませんでした。打てなかったのかもしれません。
こういった例を見ると、テコ入れしてもらえる分だけバンダイファンは恵まれてるのでは無いか・・・と思えない節もあるのです。
結果的に響鬼は商業的には失敗作でした。しかし来年の仮面ライダーは挽回出来るかも、という希望が持てます。
トランスフォーマーは、来年も駄目だろう・・・と希望が持てません。
これが「メーカーの姿勢の差」といってもいいのかもしれません。
響鬼路線変更は、その『失敗』から色々な事を考えさせられた、という意味で昨年度注目記事のこの順位。



◆3位:種デス関連記事
あらゆる意味で昨年一番の話題作だった機動戦士ガンダムSEED DESTINY。当サイトでの略称は種デス。
あまりにグダグダな展開の為、支持側の意見が段々と読んでいて辛くなってきたのが非常に楽しかったのですが、
それと同じくらい楽しかったのが各スタッフのブチ切れ暴露話。
シナリオライター、メカ作監、果ては古谷徹氏、大河原先生までもが公の場で愚痴をこぼす始末。
古谷徹氏の「アレはガンダムでは無い」発言や、大河原先生の「あのデザインは監督の指示通りですから」といった発言は旧来のファンにとっては「やっぱりそうだよな」と思わせるに十分であり、自分の考えが正しかったと確信が持てる貴重な意見でした。

その中でも一番印象に残ったのはコレです。
この記事を読んで苺ましまろ、ローゼンを切り捨てて舞乙を視聴しているのが私。そして同じ様な友人が何人もいるのがなんとも

■種デスメカ作監 椛島洋介氏 最後にブチ切れる
既に削除されておりますが、以前一部引用したものがコレ

疲れた。
盛り上がらない展開、繰り返すBANKの嵐。
自分のアクションすら許されない。挙句は監督様ご一行はラジオ観覧ですか。
いや、俺は決して監督のなさる演出は嫌いじゃない。
てかむしろ好きな部類だ。尊敬もしてる。嫁は別。
つかシナリオ引っ張ってないで仕事しろ。
ちゅーか書けないならもう書くな。
だがせめて空気だけは読めるだろ。大人なんだから。
それに短期間であの数のラフ原切り直しは無理っすよ。
正直やる気は出なかった。
だからそんな上がりになってるはず。俺はもうだめだ。
ほんとに他の作監様がすごいと思った。
何回ぐるぐる回ってビーム撃てば良いのか。
何度同じ画を使えば良いのか。
とりあえずもうやんねー!!
またもやの愚痴ごめん。
この汚名は舞乙で返上する。


ちなみ、椛島さんのサイトは昨年11月27日を以って閉鎖されており、更に良からぬ想像を掻き立てております

また、種デス関連では本来の意味とはまるで別の使われ方をするようになった「フリーダム」「デステニープラン」等々、ネタには事欠かなかったのも印象的。

※用語解説
・フリーダム:無法者、無差別攻撃。使用例「フリーダムとつくものはやりたい放題だな」「最早フリーダム化」等。何故か週刊少年サンデー誌上で見かける事が多い(注:『ハヤテ』に限らず)
・デステニープラン:無計画がたたって余計な出費を強いられる事。使用例「あぁ、こんなの100円ショップで買えば良かったのにコンビニで買うなんて・・・デステニープラン発動中だ」



◆次点:暴走機関車レビュー
>「韓国人は謝罪謝罪とうるさいんだよ。結局いくら欲しいんだよ。
瞬間最大風速で一番笑ったのがコレ。
これを日本人が描くと国際問題になりそうですが、朝鮮人自ら描くのですから驚きです。

◆おまけ:『ハヤテのごとく』大人買い
これはかなり個人的な趣味。
個人的には好きだけど一般には理解されないだろうなぁ・・・と思っていた作品。だからこそ応援する意味で必死になって単行本を大人買いしていました。
今でこそサンデーの(ある意味)看板作品までのし上がって来ましたが、連載直後から1巻の発売までは正直ここまで人気が出るとは思いませんでした。サンデー側も思っていなかったらしく初回版の発行部数の少なさが全てを物語っていますね(苦笑)
しかしここまで人気が出てしまうと・・・なんだか自分だけが知っていた良作を皆が知ってしまうと逆に物寂しさを感じてしまうのがマニアの悲しいサガ。
現在の週刊漫画で好きなのはハヤテ、面白いのは結界師。次点でアルバトロス。後は絶チルかな・・・とかなりサンデーに毒されてるかなり不思議なマニアがここにいる(苦笑)



■2005年四大少年誌感想総評(前半) / (後半)
■新年明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお付き合いお願いします。
私は年賀状も年賀メールも書かない主義なので、これにて挨拶に代えさせていただきます。



■2005年度紅白闇鍋祭というフラッシュ系のイベントがあるようですが
我々の新年一発目の行事と言えば、
リアルで闇鍋会
恒例行事となった闇鍋会も何と今年で10周年。メンバーの中には既に既婚者がいるというのに、相も変わらずこの馬鹿企画に参加してくれる事に感謝!

では早速。

■これが各自持ち寄った食材の数々


これだけ見るとただ無作為に食材が積み上がってるだけの写真に見えてしまい普通ですが・・・
一回の鍋に入れる具材を抽出すると

かなりヤバイ事に!!
で、順々に煮込んでいくと・・・

かなり猟奇的な絵


で、完成図

だし汁に使用したものに甘み成分が多い為か、見た目のゴチャゴチャさに対してあまり変な味になってないのがなんとも。
闇鍋的には失敗・・・




・第二回
前回が甘味系だったので今度は違った路線で・・・

紅茶で出汁をとって、ナンプラーを隠し味。出汁が染み込むようにハンペンと年越しそばを・・・

で、出来たのがコレ



見た目のグロさと大量に入れたナンプラーの臭いが強烈!!
・・・しかし、味的には意外にも普通。てゆか、ナンプラーは臭いだけで味は良い。

■総評
いい加減こんな事を10年もやっていると、
何と何を組み合わせるとどんな味になるのか、
何と何を組み合わせると食えないものが出来上がるかが本能的に解ってきてしまっている様で見た目に反して普通に食べられるものが出来てしまいました。
これでは折角の闇鍋会の意味が無い!

次回からは禁じ手『体バランス飲料系のスポーツ飲料』を解禁にするしかないか!?