不死鳥会(歴史文学ロマンの会を再建する有志の集い)第四回定例学習会
8月4日(土)、第四回定例学習会を「志乃ぶ」にて開催した。居酒屋で学習会とは、実に「早稲田的」ではあるが、今回のテーマは「司馬遼太郎の真実」。作家・司馬遼太郎氏は、軍隊時代に、上官の「自国の民を戦車でひき殺しても構わない」の発言に強烈な衝撃と激しい憤りを感じ、その体験が「日本という国とは」という後の文学活動のテーマともなったという。その司馬氏の作品の中で、山内一豊の妻を主人公にし、NHK大河ドラマにもなった「功名が辻」の最後、土佐藩主となった一豊が一揆の首領をだまし討ちにして、それを知った妻の千代が気鬱になるという場面があったが、作者・司馬遼太郎氏は、掛川五万石の城主だった一豊は日露戦争以前の日本、土佐藩二十数万石となり、卑劣な手段を弄して一揆を弾圧した晩年の一豊を太平洋戦争時の日本になぞらえ、気鬱になった千代の姿こそ軍隊時代の司馬氏自身であったのではないか、との意見も生ビール片手に飛び出した。
(菊池道人記)
(出席者) 菊池道人 岡田広之