私の住んでいる寝屋川市国松町の「春日神社」で珍しい自然現象を発見しました、そこで「相愛の木」という
民話にしました。
民話 「相愛の木」
Internet Asahi.com の下記URLでも、この話が配信されています。見てください。
http://mytown.asahi.com/osaka/news.php?k_id=28000000705240001
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ぼくは、国松春日神社の「くーちゃん」っていうんだ。
ずーっとむかし国松には、遠くからでも見える、大きな大きな松の木があって、近くに住んでいる人たちにずいぶん愛されていました。
しめ縄を飾って神様のようにお参りする人まであったんだよ。
それが歳には勝てず枯れてしまったんだ。
人たちは悲しみ、松の木のことを忘れないようにと、枯れた松の株の上に神社を作って、長い間お祭りをしているんだ。
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その神社が国松の春日神社で、そこに植えてもらったのが、ぼく、くぬぎ「くーちゃん」なんだ。
ずいぶん昔のことなんだけれど、ぼくは千年も生きられるから、まだまだ若いんだ。
一緒に植えられたのが、隣のくろがねもちの「もっちゃん」なんだ。
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ぼくは、大きくなるにしたがって色が黒くて、ごつごつした、とても強そうな身体になってきたけれど、「もっちゃん」はちがう・・・ね。色白で、まっすぐ伸びて、どんどん背が高くなり、すらりとした美人になったんだ
ある年の台風のときだった、真っ直ぐで、細くて、スタイルがいい「もっちゃん」は風に揺られて今にも倒れそうになったとき、力が強いぼくが抱いて守ってやったのがきっかけで、すっかり仲良くなって愛し合うようになったんだ。
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そんなことがあってからも、ずいぶん長い日が過ぎたね。
私たちはその後、結婚もしたんだよ、「もっちゃん」はいつも「くー」に抱かれていて寄り添い、大きくなるに従っていっそう色白の美人になったんだよ。
最近、私が、そぉーっと顔を近づけたところ、「もっちゃん」も同じように近づき、 私たちはキスをしちゃいました。
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今では、仲睦まじい私たちを見習いたい・・・・・・・と神社にお参りしたあと、私たちにもお参りしてくれる人が、いっぱい来てくれるようになったんだ。
そして、公園に遊びに来たお兄ちゃん、お姉ちゃんたちが、そっと近づき「こんな仲良しになろう・・・ね」と指きりしながら、帰って行くんだよ。
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近所では、すっかり有名になって最近、近くに住んでいるおじさんが、ぼくたちに 名前をつけてくれたんだ。
「相愛の木」っていうんだよ。
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すぐ前が公園になっているから、みんなも一度遊びに来てね。
そして「愛の願い」を知らせて欲しいの、きっとその願いを、くーともっちゃんが叶えてあげる・・・・・・・から。
終り |