それでも、富士山が欲しい蛙がいい出しました。
近郷の蛙を迎えて相談し、「2つのうちどちらかに決めよう」・・・・と。
東の山と西の山の丁度中間で、どちらの山も見える田んぼに集まることになりました。
東の山を見てきた蛙が言いました、伊深にある岩の山がいい、山裾に住んでいる蛙に聞いたところ、「岩でできているからどっしりしていている、この形は何万年も前から変わっていない」と言っていた・・・・と。
一方、西の山から帰った蛙は、大きな松の木に覆われて緑が美しい、赤土のお山で誰でも登れるやさしいやまだ。
こちらのやまがいいと主張しました。
集まった蛙達はどちらの意見を聞いても、すぐには決まりません。
まとまった意見は、山というものは、どっしりしていて動かないものがいい、「蛙達が沢山集まり、考えて決めた富士山だ」と、何万年も後々に伝わる伝説になるには、いつまでたっても形の変わらない東の岩山を「富士山」としよう。となったのです。
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