ベルの代わりに鐘を鳴らせ
「しまった…」
「な、なんだよいきなり大声出して」
「クロウ!今日は何日だ!」
「あー…26日、か?」
「今ならまだ間に合う」
「何が…っておい遊星?」
そう言って彼は急いでガレージを飛び出して行った。階段をかけあがり部屋の扉を開く。
だがそこは遊星の部屋ではなく、ジャックの部屋だった。
「俺としたことが、うっかりしていた」
ジャックを起こさないよう小さく呟いて、寝ているジャックへと唇を落とす。
「ん…」
もぞりとジャックが寝返りをうつと、遊星は首筋にキスをしながらジャックの体をまさぐった。
「ん…ぁ?…ゆーせぇ…?」
「ジャック、遅れてすまない。メリークリスマス」
「メリ……っておい!な、何をしているッ!?」
「ジャックが起きるまではセーフだと思うんだ。…いただきます」
「な…なんのことだ!もう起きたぞ!離せ!馬鹿者!ぁ、やめ……っあああぁぁぁ!」
「忘れていた訳じゃないんだ」
ぐったりしたジャックの頭を撫でながら遊星はゆっくりと語り始めた。
「ちょっとプログラミングがうまく進みすぎて、気付いたら朝に…」
「知らん!」
「機嫌を直してくれジャック」
「寝込みを襲われて平気なはずがなかろう」
「…寝起きがよかったか?」
「違う!」
「ジャック…すまなかった。クリスマスだったのにな」
「そのわりには遅くまでPCとお楽しみだったじゃないか」
「見てたのか?」
「見ていたわけではない!見えただけだ!」
「待っていてくれたのか?」
「そ、そんなわけないだろう!」
「ジャック…」
「…ゆう、せ…」
じっと覗きこまれて思わず心臓が高鳴った。
黙っていれば理知的ながらもなかなか可愛い顔をしているのに、どうして口を開いたらこんなにも残念でならないのかとジャックは思う。
しかし、それも含めてやはりジャックも遊星が愛おしい気持ちに変わりなど無…──。
「もう一回ヤらせてくれ」
「調子にのるな!」
ジャックは枕を引っ掴むと容赦なく目の前の変態蟹頭の顔面に叩き込んだ。
その日、ジャックと遊星は昼過ぎになっても起きては来なかった。
25日のクリスマス操業も終わってたまたま休みだったクロウはこう言い残す。
「誰か早く除夜の鐘叩いてやれ」
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ポッポの壁が薄くないことを祈るばかりです。
シティで除夜の鐘…きっと聞こえます聞こえるんです。
現代パロは満足同盟4人でやるほうが楽しそう(笑)