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傷寒總病論の第一冊冒頭掲載【答龐安常(安時)二首】概要
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漢文横書き |
(蘇軾)啓。 久不為問、思企日深。過辱存記、遠枉書教。具聞起居佳勝、感慰兼集、 恵示傷寒論、眞得古聖賢救人之意。豈獨為傅世不朽之資、蓋已義貫幽明矣。 謹當為作題首一篇寄去。方苦多事、故未能便付去人。 然亦不久作也。老倦甚矣、秋初决當求去、未如何日會見。 臨書恫々、惟万々以時自愛。不宣。(軾)再拝 安常處士閣下 【答龐安常二首(之二)】 人生浮脆、何者為可恃、如君能著書傅後有幾。 念此便當為作数百字、仍欲送杭州開板也。知之ゝゝ。 又白
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漢文書き下し文 |
(蘇軾)啓(もう)す。 久しく問うを為さず、思企(しき)する日深し。 過辱(かじょく)存記し、遠枉(えんおう)書教す。 起居佳勝を具(つぶさ)に聞き、感慰兼ね集め、 傷寒論を恵示し、眞(まこと)に古(いにしへ)の聖賢の救人之(の) 豈(あ)に獨(ひと)り、不朽之(の)資を世に傳えんと為すのみならんや。 蓋(けだ)し、已の義の幽明を貫くなり矣(イ=強め)。 謹んで當(まさ)に題首一篇を作り、寄去と為す。 方苦多事(=此の方、多事に苦しむ。) 故に、いまだ去人に便付する能はず。 然れども、亦久しく作らず也。 老倦(ろうけん)甚(じん)なり矣(イ=強め)、 秋初め、當(まさ)に去を求めるを决す。 未だ何れの日、會(あ)い見(まみ)えるかを知らず、 臨書恫々(りんしょどうどう)、万々時を以(も)って自愛を惟(おも)う。 不宣(よろしからず) (軾)再拝 安常處士閣下 五月廿八日 【答龐(ほう)安常二首(之二)】 人生浮脆(ふぜい)、何者か恃(たの)む可くと為す。 君の如(ごと)く能(よ)く書を著し、後に傅(つた)えんとするもの 此れを念じて便(すなわ)ち當(まさ)に数百字を作るを為す。 仍(よ)って、杭州に送りて開板するを欲する也。 之を知れ。之を知れ。 又白 |
現代語訳 |
【龐安常の手紙(尺牘)に答えて: 二首(その一)】 (蘇軾より龐安時への返答) 拝啓 相手を見つけて質問したりする事も久しく無く、自分だけで思い考える日が 自分では辱と知りつつも、これまで自分勝手な考えを(いろいろな人に) 一方、貴殿は、人の生活状況を具(つぶさ)に聞き、その状況を感じ取って、 その上で人を安心させることに集中し、傷寒論の恵(めぐみ)を示して、 真に昔の聖賢が示した言葉を会得して、救人に尽くしている。 消えて無くなってはならない医学の大切な資産を世に伝えようとするのは いや、そうでもないだろうが、貴殿はその傷寒論を引き合いに出す事に 此処に謹んで題首一篇を作り送り届ける。 多事に苦しむ状況下、遠くにいるあなたに何かして上げられる状況にない。 それに、長いこと気力のない状況が続いている。老い疲れも甚だし。 今年の秋初旬にも、職を辞することに決めた。貴殿とはいつお会いできるか 日頃は身の回りの事、いろいろご注意なされて、どうかご自愛下され。 書面だけで十分に伝わらぬ点あるかもしれぬが、悪しからずお許しを。 軾 再拝。 安常處士閣下 (下記“注”参照。) 注:安常は字(あざな)。處士(しょし)とは役所に勤めていない民間人、 五月二十八日 【龐安常の手紙(尺牘)に答えて: 二首(その二)】 人生は定まり無く、また、思い通りに行かぬもの。 誰かを頼ることが出来ればそうしたいとつい願ってしまう。 君のように、よく書物を著し、後に伝えようとする者が、この世に何人かいる。 君の本も世に伝わって欲しいと願って、数百字の書状を作った。 そんなわけで、杭州に送って是非出版してほしい。 この本こそ是非多くの人に知ってもらいたい。 再敬白 |
【備考】 上記蘇軾の手紙については、これまで訳本をみかけず、 他訳との照合ができません。もしお気付きの点がございましたら、 どうぞご教示願います。 |
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