☆パイプ(パイプス・オブ・ザ・ワールド) 梅田晴夫 1978年 立風書房
まずは、ハンドメイドパイプのカラー写真の多さが魅力だ。
シクスティン12本、ラルス8本、ミッケ23本、エミール、イエス、ユング・・・・
アンネの足パイプやラスムッセンのズルも載っている。
ラスムッセンのパイプのカラーは中々見れないが非常に美しい。
日本人では浅利氏・徳富氏の当時の作品が載っている。
マシンメイドのカタログではシーコーラルが当時18,000円だった事が解る。
その他、早川良一郎などのコラムも楽しい。
☆Theパイプ 梅田晴夫 1973年 読売新聞社
カラーページこそ無いものの、パイプに関する疑問は殆どこの一冊で解消されるだろう。
パイプの歴史から構造、木目、ブレイクイン、詰め方、吸い方・・・・・
掃除の仕方だけでも6ページも割いてある。
ダンヒルパイプの刻印の見方も約9ページに渡り細かく書かれている。
中古パイプの買い方・集め方は参考になるだろう。読めば上手な使われ方をしたパイプが解る。
きっと自分のパイプや他人のパイプを鑑定?したくなると思う。
☆パイプ大全 日本パイプスモーカーズクラブ 1983年 森林書房
巻頭のカラー写真が良い。松山氏の趣味だろうがホルベックのカラーが12本有るのは凄い。
パイプのシェイプも絵の他にコメントも書いて有る。
世界のパイプでは各メーカーのグレードに対する説明も役に立つかも知れない。
女性を含む17名の方により分担執筆されているので、個人の偏見も無く全体にまとまっている。
梅田晴夫の本を読んだ後に読むと面白いだろう。
☆カラー版パイプ 小室 寛 1976年 池田書店
表紙のパイプという文字とパイプを持つ手の絵が何とも言えない。
ヨーロッパのパイプーラやパイプ店の写真を見ると羨ましくなるだろう。
柘製作所のハンドメイドが3本カラーで出ているが、この作品を作ったのは、もしや・・・
パイプタバコの缶やパウチのカラー写真も美しい。ブレンドについての文章も有る。
面白いのはアンネが足パイプを作っている所の壁に女性のヌード写真が一緒に写っている。
1976年当時の日本ではヘアーなんてのは禁止だったのだが・・・
☆ハンドメイドパイプ初級篇 JHPC(日本ハンドメイドクラブ) 1976年 ドゥ企画
パイプの自作をされる方や作家パイプに興味の有る方は是非手に入れて欲しい。
ミッケのパイプが数多く写っている。どちらかと言えば金魚と尻?が多いかな(^○^)
個人的にはモノクロページの久保田氏所蔵のシクスティンのベントが大好きだ。
JHPCの方々の自作パイプを見ると、私も上手くなりたいと思う。
ここに写っているアマチュア?の作品は現在の作家と呼ばれてる人のより上手な物が有る。
☆パイプ党入門 深代徹郎・春山徹郎共著 1976年 池田書店
どちらかと言えば文章よりも絵?漫画?に目が行く。
それぞれに詳しくは無いが初心者には解り易い本だと思う。
著者が同じで発刊はこちらのが古いのだが、手に入るならば
「パイプ&シガー」よりもお勧めかも知れない。
私個人的には28ページのピカソの絵が気に入った!
☆デンマークのパイプ 松山荘二 1983年 青育舎
ホルベックファンなら是非とも持っていたい本である。
煙草の歴史がどうのとか、パイプの扱いは・・・なんて事は全く書いていない。
ひたすらデンマークの作家やパイプダンの話、ホルベックの話である。
この本を手にし読み終えたならばエミールとホルベックのパイプが欲しくなるだろう。
私もその一人である。ダンヒルよりミッケよりホルベックなのだ!
☆ダンヒルたばこ紳士 A・H・ダンヒル 團伊玖磨訳 1967年 朝日新聞社
タバコの歴史、栽培方法、処理方法、刻みの種類、葉巻、嗅ぎタバコ等の記述が多い。
当然パイプに関する記述も有るが、パイプの本と呼ぶよりは「タバコ全般の本」である。
パイプに関する知識が欲しいだけならば他の本を読むべきだと思うが
「ダンヒルが好きなのだ!」と云う方は読んだ方が良いであろう。
否、タバコ好きならば読むべきである。
この本により、TOBACCOとダンヒルのパイプに関する考え方が解る。
☆パイプのフォークロア 梅田晴夫 1976年 柴田書店
パイプの歴史について細かく書かれている本だ。
初心者向けでは無く、カタログ的な写真は一枚も無い。
紀元前3,000年頃のエジプトでは宗教的儀式の為に・・・なんて感じである。
だが、古いヨーロッパのパイプ喫煙術やタバコへの考え方等は面白い。
ダンヒル12ヶ条・ダンの11ヶ条・オルリックの10ヶ条も為になる。
☆けむりのゆくえ 早川良一郎 1974年 文化出版局
兎に角、面白い。様々なタイプのパイプーラの話しが出て来て一気に読めてしまう。
1本だけのパイプを大事にする人や、何本ものパイプを使う人、カーボンを溜める人
パイプ教の教会の話、ローデシアンベントの話、ロンドンでのパイプとの出会いの話などのエッセイ集だ。
デンマークのパイプが日本に入った当初は「化物」とか「変形」と呼ばれていたそうである。
そしてもう一つ「結婚指輪は無くす事」??? 読めば解る。
☆パイプと月給 早川良一郎 1979年 文化出版社
この本は「けむりのゆくえ」の続きである。
「けむりのゆくえ」同様のエッセイ集なのだが、サラリとした冗談が心地良い。
古き良き昭和の時代の話が満載で、自分の子供の頃を思い出す方も居るだろう。
パイプに関する思い出や日常、パイプ屋での出来事が微笑ましい。
マウスピースに噛み痕が残らないようにするには・・・
☆タバコあれこれ 石川欣一 1957年 ダヴィット社
随筆として面白く、戦前戦後のタバコの状況を知る資料にもなるし、
パイプの歴史や歴史上の愛煙家の話題も豊富である。
「妖姫ニコティン」についてだが、あの有名な「アーケディアミックスチュア」の正体が
ロンドンのワーダー街のタバコ店のブレンド「クレーヴンミクスチュア」だった事が
バリイ本人によって記された話などが面白い。
個人的には「パイプ作りのジョー」と「ジョンコトン」は何度も読み返している。
☆パイプ美術館 梅田晴夫 1973年 東京書房社
発売当時1,500部限定 定価12,000円だった豪華な本だ。
パイプは「木の宝石」という考えで作られた貴重な本である。
様々なハンドメイドパイプの写真が80ページ分とダンヒルパイプが55ページ分も載っている。
カラーとモノクロ写真、合わせて452本のパイプを見れば誰にでも気に入ったシェイプが見付かるだろう。
当時のダンヒルは6角形や8角形パネルとか、1番ウッド、福引のガラガラのような
変形パイプなどが見られるのも楽しい。
著者の言葉「私は女房とパイプを遺して死ぬ、どうかパイプを大事にしてくれ」
☆パイプ&シガー 深代徹郎・春山徹郎 1998年 三心堂出版社
「パイプ党入門」にシガーの部を合わせたような本だ。
パイプ関係の書籍としては最も新しいので現在でも新品在庫が若干残っている。
カタログ的要素は無いが、初心者向けなのでパイプを始めたばかりなら充分だと思う。
自作や作家に関しては、あまり詳しくは書いていない。シガーについても同様である。
著者が春山・深代の両氏なので柘の製品は全く載っていない。(笑)
☆パイプ七つの楽しみ 梅田晴夫 1976年 平凡社
選ぶ・集める・燻らす・あげつらう・競う・極める・作るの七つの楽しみを紹介している。
ファンシーパイプ100選やダンヒルパイプカレンダー、七曜セットなどの貴重なカラー写真が有る。
ロングスモークキングコンテスト参加中のマイスター佐藤氏の姿が写っている。
その他アンネ・ユリエのパイプ作りの工程も載っているが・・・
女性がこの本を読むと気分を害するかも知れない。今なら発禁処分かな?
☆13本のパイプ イリヤ・エレンブルグ 小笠原豊樹訳 1957年 修道社
13本のパイプに纏わる由来を通し、そこに有った人間達の生き様が書かれている。
原作は1922年だが、何時の世もドロドロした人間の欲望は同じようだ。
パイプに関する扱いも多少は読み取れない事も無いのだが、
道具やキーワードとしての文中での意味合いが大きいと感じた。
難しい本だが、13の短編集なのでパイプを咥えながらでも読んで頂きたい。
☆パイプのはなし 長島雅英 1968年 長島商店
初心者の方にはこれ1冊でパイプの扱いが覚えられると思います。
基本的な事は概ね書いて有りますし持ち歩いて読み直すのもいいです。
写真は少なく全編白黒印刷ですが、当時のパイプの宣伝が有ります。
ベテランの方には必要無いと思われますが、コレクションにはいいでしょう。
この本で一番興味深いのは20ページの上の方ですね。
解ってはいましたが、やっぱりね。(* ̄- ̄)ふ〜んって感じです。
☆パイプの本 アルフレッド・ダンヒル 梅田晴夫訳 1971年 読売新聞社
元の本は1924年に書かれた物で、改訂版を日本語訳にしたのがこの本です。
吸い方がとか手入れがとかダンヒルパイプは・・・なんて事は書いて有りません。
タバコやパイプの歴史と世界のパイプ事情が細かく書かれています。
ですがツマラナイと思ったら大間違いです。
ダンヒルの博識と多くの資料は素晴らしいものであり、
タバコの良さを伝えようとした気持ちが伝わって来ます。
人類にとってタバコは重要な精神のオアシスであり、パイプは大切な物なのです。
愛煙家を自負する方には必読の書だと思いますよ!
☆パイプ博物蒐集館 梅田晴夫 1979年 青土社
梅田晴夫の書籍としては後発なので既に内容が出尽くされた感が有る。
だが、パイプ関係の書籍が手に入り辛い今では見つけたら購入した方がいいでしょう。
どちらかと言えば写真は少なく読み物的な本ですが、最終章が良い。
また「あとがき」の一部に私も同様の思いを持った本でもある。