パイプ・私の拘り
このページは私の個人的なパイプへの拘りをヒトリゴトのように綴ったものです。パイプ愛好家は人それぞれに何かしらの拘りが有り、それぞれに違うと思います。ですからこの内容はあくまでも私の個人的な拘りですので、「そんな考えも有るんだな」程度に読んで下さい。
パイプは喫煙具です。ですから道具として使い込めるだけの丈夫さや精度が有った方が良いと思います。あまりにも簡単に壊れてしまったり、使いづらかったり煙が来ないなんてのは問題外です。なので選ぶ時は出来る限り現物を見て確認し、問題の無いパイプを選ぶようにしています。その次にパイプの作り込みや仕上げの良さを見ています。俗にマシンメイドと呼ばれるメーカー物でも作りが悪かったり仕上げにも差が出ています。出来るなら同じメーカー、同じグレード、同じシェイプでも何本か見比べる事が出来れば選び易いですね。
さて、個人作家のパイプですが様々なシェイプの楽しさや木目の素晴らしさが有り、所有欲が湧きますね。国内にも海外にも多くの作家さんが活躍しており、色々とお持ちの方もいらっしゃるでしょう。それこそ好きなパイプを選べば良いのですが、ここでは私が何処に拘りを持っているかを書いてみます。まずは、出来る限り精度の高いパイプを作る事が出来、しかも出来の良いパイプだけを販売する作家さんです。そしてクラシックシェイプをハンドメイドで作りあげる技術を持ち、仕上げの美しさに拘れる作家さんです。勿論その技術を裏付ける経験も必要ですし、パイプは美術品の前に道具だと考えている作家さんです。シンメトリーを狙って追求されたパイプが好きですし、持ち手パイプでなければ左右対称で有って欲しいです。今まで見て来たパイプの中には中途半端な仕上げのパイプや煙道が何ミリもずれているパイプも有りました。それでも外側の見た目は木目が綺麗で一風変わったシェイプが目を惹くのです。
まあ男も女も完璧な人間なんていませんし、アバタもエクボなんて言葉も有りますから好きなら仕方がないです。私のような人間でも妻がいますし、慕ってくれる仲間や後輩、可愛がって下さる先輩もいますから・・・
良く言われるのが「角純ばかりですね」とか「フレスコばかりですね」とか・・・でもね、好きなんですよ!私だって何も他の作家さんのパイプが嫌いな訳でも何でも無いですし、機会が有れば買う事も有るでしょう。ですが、好きな歌手やなんかと一緒で所謂ファンってやつなんでしょうかね。バイクが好きな人で、ホンダもヤマハもカワサキもスズキもドカッティもアプリリアもハーレーも・・・・・何10台も所有している人なんていないと思います。全部を試したから1台の良さが分ったなんてのも無いでしょう。昔から「硬派のカワサキ」とか「ハンドリングのヤマハ」とか「デザインのスズキ」「技術のホンダ」なんて聞きます。そのイメージから重くて遅くても好きなバイクが有ったり、中には速いマシンを次々と買い換える人もいますね。そんなのと同じで自分の拘りに合っているのが佐藤さんの作る角純パイプなんですよ。ですから、もし角純と同等の金額で角純よりも良いのが有ったら教えて下さい。買うかも知れませんから。
それから関係無いようですが私は指輪をしません。友達と飲みに行くと言われるんですよ。「飲み屋では独身のがモテルから指輪を外しているんだろう」ってね。いいえ、もっと単純なんですよ。寿司職人が指輪していたら何だか気になりませんか?アクセサリーをいっぱい付けた人が自分の愛車を触りまくったら嫌じゃないですか?私はパイプが傷付くのが非常に気になるタイプの人間なので指輪はしていないんです。
パイプの本数については、とりあえず使う分は間に合っていますから欲しいのが有ったらたまには買います。でも多分そんなには増えないと思っています。やはり育てる事への拘りなんでしょうかねぇ。道具は自分が使い易いよういに使い込んでモノにして、どうしたら旨いパイプになるかを考え実行しています。そしてどんなパイプなら美味しいのか?好きな煙草に合っているのか?を試して来ました。ですから今までに買ったパイプには全て「比べる」が根底に有るんです。ストレートとベント。シャンクの長さ・煙道の太さ。バンブー。メシャム。キャラバッシュ。サンド。ラスティック。チャーチワーデン。塗装の有無に塗装の種類。火皿の大きさ。材質の違いetc・・・闇雲にパイプを買い増やすのではなく違いを感じる事も楽しみにしています。ですがこの辺りの「比べる」は何となくですが自分なりに感じましたので今後はあんまり増えないのです。
パイプのシェイプとタバコの香りへの拘りみたいなモノもどちらかと言えば有りますね。柔らかなファンシーシェイプのパイプには甘い香りが似合うような気がしますし、カッチリしたクラシックシェイプのパイプはバージニアやラタキア系のタバコが似合うと感じています。どのように書けば良いのでしょうね、アルコール類を飲む時に一合升でシャンパンを飲む方は少ないと思います。生ビールの大ジョッキでカクテルを飲む方も少ないでしょう。どの容器でどんなお酒を飲んでも実際は構わないのですが、なんとなくだったり、似合う似合わないだったり、そもそもだったり・・・私はそんな考えですからビールはジョッキやタンブラーで、日本酒は猪口や盃で、ワインはワイングラスでと言う風にパイプタバコもアロマ系のタバコは、それが似合いそうなシェイプ(感じ方は個人差が有りますが)を選び、イングリッシュ系のタバコは、なるべくクラシックシェイプを使うようにしています。実際にはそんなに上手く分けていませんが。
人前では・・・こんな書き方は不自然かも知れませんが、パイプを初めて見る人やタバコが苦手な方の前でパイプを使う時には(遠慮すればいいのかも知れませんが)出来るだけ柔らかな甘い香りのタバコを選ぶようにしています。私が最初にパイプタバコの香りを嗅いだのは確か高校生の時にバス停でバスを待っている時だと記憶しています。同じ列に並んでいたパイプスモーカーのパイプから甘い香りが漂って来たのです。今にして思えばキャラメルやバニラなどの激着香物だと思いますが、もしあれがラタキア系だったらパイプに対する第一印象は悪かったかも知れません。ですからパイプ仲間の前や一人の時以外は(家族の前では大丈夫)アロマ系にしています。これでパイプファンが増えれば嬉しいのですが・・・