Wonderful sentence and picture


「愛の形容(かたち)」

「形」外見に現れたかたち。かっこう。

「容」かたち。すがた。うつわ。

「形容」物事の姿・状態・性質。

まず目をひいたのは、その興味深いタイトルです。

「形容」と書いて、「かたち」と読ませる。

「形」も「容」も、読みは同じ「かたち」です。

合わせても「かたち」なのは頷けます。

だけどそこには、そんな単純ではない、とても深い意図を感じました。

15年の歳月が、真澄の「形容」を変えた。だけれど、15年の時を経ても変わらないものが、そこに存在しています。

「だって私のは本物じゃないんだもの!」とヒステリックに喚いた真澄を、とても愛おしく感じました。

15年間欲し続けた、透の体と心。

いざ目の前にあり、手に入る間際になったときに、突然の恐怖と拒絶。

本当は、「かたち」に捕らわれていたのは、「男に興味がない」と言い切った透のほうではなく、真澄だったのだと思います。

形容の向こうにある、変わらない想いと互いの心。出会った頃から、瞳に映る相手の姿は、決して変わっていないのだと感じました。

時の魔法に変わった形容と、比較対象のように並べられた変わらない愛が、とても綺麗に描かれています。

「真澄は中学生の頃からちっとも変わらないな。」 変わらないのは透の方なのに・・・。

月の光が照らす中、2人の思いが交錯します。

それは、幻想的に美しい光景で、思わずため息が出てしまうほどでした。

満ち欠けという形容を変える月。けれどその存在は、常に変わらず地球の側にあります。

地上の人間には輝く部分しか見えないだけで、決して月本来の形容が変わっているわけではないのです。

それに映し出されているのが、透と真澄の人生であり、不変の愛なのだと思います。

愛の形容。これは、外見や姿、容姿に器の話なんかではなく、深く変わらぬ「愛そのもののかたち」を描いた、美しく人間らしい物語なのだ、と思います。






サイト開設記念にて    

テキスト:マナさん  絵:ルカさん


何も説明することはございません。お二方が書き(描き)表して下さったそのままです。

愛の形容(かたち)は完結しましたが、今尚二人は、その人生を共に歩んでいることでしょう。