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ダンジョン速報02 ヴァレスかく語る

ヴァレス : 「では、主要メンバーは大体揃ったようだな」

 ヴァレスは、彼らを前にして語り始めた。

ヴァレス : 「古の護符が、あの迷宮で果たしていた役割を、君たちにも説明したいと思う。そして我輩やアブドゥール、ザトンとの関係もな」
ジン : 「単純な問題では、無さそうですよね」
ヴァレス : 「古の護符。無限の生命力を蓄えし秘宝。その力は15年前、我が師ザトンの魔力によって解き放たれ、『変幻する迷宮』を創造せしめた」
タック : 「ししょー!!? ヴァレスさんのししょーだったの!?」(ヒー師匠を思い浮かべている)
ヴァレス : 「そうだ。だが、この街にいる人間は誰も知らない。知ってもらっても困るしな」
ヴァレス : 「ザトン師匠は、あの迷宮のあった土地に出現しようとしていた『存在』を封印すべく、護符の魔力を使った。結果、師匠とその弟子のキルケは肉体を触媒としてささげ、迷宮に精神を縛られる事になってしまった」
トリガ : 「存在?」
ジン : 「つまり、幽霊……いや、思念体のようなもの、ですか?」
ヴァレス : 「有り体に言えばそうだ。『存在』……チャム・ホリンやアーヴは『天使』と呼んでいたが…あのような醜悪な生物をわたしは天使だなどとは断じて認めぬ」
タック : じゃあ。じゃあ…ザトンは、邪悪じゃあなかったんだ!
リコル : んー、まあそうなるかな?
ジン : つまり、あのダンジョンはその天使(仮)を封印するための迷宮だったんですね。
トリガ : 封印を解かせないために、あんなに頻繁に中が変わっていっていたんですね
ヴァレス : 「その通り。そしてアーヴ……強欲なる闇エルフ・アブドゥールの事だが……奴は15年前、我輩と袂を分かち、召喚術と金銭を貪欲に溜め込むようになっていった。手段の詳細は分からぬが……恐らくはキルケを、生き返らせるために動いているのだろう」
ジン : 「生き返るなんてことが可能なのですか?……他者に憑依させる、とかではなくて」
ヴァレス : 「分からぬ。アーヴが何を考えているのか。それこそアーヴ自身に聞かねばなるまい」
ジン : 「アブさんが…」
ヴァレス : 「それだけではない。あの封印を解くだけの力を持つ者を育成するためでもあったのだ。いつの日か、人間が『存在』を打ち払える日を、夢見てな」
タック : 「あれ? その、封印してた護符がここにあるってことは、もしかして今ダンジョンはとんでもないことになってるの?!」
ヴァレス : 「そうだ。古の護符が今ここにあるという事は、迷宮において【神々の力】が復活したという事だ」
ジン : 「護符を返却したほうが良いのでしょうか」
リコル : 「もう手遅れなんじゃ?」
タック : 「なんか、ラスボスを倒したつもりで僕たち、とんでもないこと…しちゃった?」
ジン : 「しかし、向こう様はそれが望みだった。ような感じで消えていかれましたよ」
ヴァレス : 「護符は証だ。お前たちが得たのなら、お前たちが証を得た者となる。ザトン師匠の言っていた、『担う者』たち。その役目をお前たちが果たすべき、なのだ」
ジン : 「……託されたのですか」
トリガ : 「そうなのでしょうね」

ヴァレス : 「だが護符の力は、人間が扱うには強すぎる力だ。急激過ぎる成長とはすなわち破滅だ。ゆえにわたしはたった今、護符を分割した」
リコル : 「分割?」
ヴァレス : 「あの無能なトレ坊も、いちおう我輩の大事なパトロンなのでね。今しばらくは機嫌を取る必要がある。奴には魔力の残りカスを込めた偽の護符を渡しておく」
ジン : 「巨大すぎる力は……狂気を呼び込むだけですよね」
ヴァレス : 「そしてお前たちには、護符の力の一部を抽出した『古の護符』を渡しておく」

* セカンドパーティ は 古の護符 を手に入れた! *

古の護符(非売品):あなたの実ダメージを常に3点軽減する(《魔法の盾》と併用不可)。 また、1ターンあるいは1シーンにつき3点HPを回復する。