【ダンジョン日報】閲覧室に戻る
【ダンジョン速報】に戻る
ダンジョン速報06 ヤカンは語る
《ファーストパーティ》
笑うヤカンとハンスはすぐに発見された。
そしてその笑うヤカン、ケトルックルーから懇願されるのだ。
ケトルックルー : 「人質を取ったことは詫びます。彼には傷ひとつつけていません」
マリア : 「何か理由がありますのね?」
ケトルックルー : 「あなた方から見れば魔物のわたくしに、こんな事を言う資格はないと思いますが…こうでもしないと話ができないと思いまして。お願いです…ジン様を、どうかお救い下さいませ!」
セニア : 「は?」<ジン
ジーナ : 「はて? その名前は確か…」(とセニアを見る)
イスト : 「テオが時々介抱したって奴じゃなかったか?」
ブレイズ : 「そこのセニアの同郷だか許婚だかストーカーだか、だったな」
セニア : 「さぁ、帰るか☆」
ジーナ : 「…(無言で去ろうとするセニアの背中をつかんで離さない)」
セニア : 「急に寒気が!悪寒が!腹痛が!」(じたじた)
ジーナ : 「まずは、黙って聞く」>セニア
ケトルックルー : 「背徳の魔女キルケは、突然変わられてしまいました…あの迷宮は今、恐るべき罠の巣窟です。このままではジン様のパーティは、全滅します」
テオ : 「ジンの、パーティって…」
ジーナ : 「確か、テオのお姉さんもいるのよね」
ケトルックルー : 「ジン様は、飢餓に苦しむ我が故郷ケトールに多大な寄付をなさった傑物。なんとしても、ご恩返しをしたいのでございます」
セニア : 「……その、やばいの?(ボソ)」>笑うヤカン
ケトルックルー : 「はい。キルケは…『世界』を閉じてしまいました。もはやあの裏の世界と呼ばれる空間は、キルケを倒さない限り、二度と脱出できない状態になっています」
セニア : 「………え」
ジーナ : 「世界を…閉じた」
ケトルックルー : 「なぜ突然、そのような事態に陥ったのか…もしかしたら、キルケに仕える我が夫、ク・リトル・ケトルなら真相を知っているかもしれません」
ケトルックルー : 「我々魔物は、閉じられた世界でも行き来が可能なのです。そして…かなりの魔力を消耗しますが、あなた方を『世界』へと送ることも、可能です」
ジーナ : 「それで、私達が戻ってくるには、キルケを倒さないといけないってわけ? それで夫が仕える者を倒すことになるけれど、それでいいのかしら、貴女は」
ケトルックルー : 「はい。しかもキルケは、ジン様たちを確実に抹殺すべく、二重三重の卑劣な罠を仕掛けています。あなた方しか、頼れる冒険者はいません…」
テオ : 「行ったら戻れないか…」
イスト : 「やれやれ、面倒な話だな」
セニア : 「……行く」
セニア : 「行きたい人だけで行こう。戻ってこれるか、分からないし」
テオ : 「途中下車はできないんだぜ、って言うところだな、そこは」>セニア
セニア : 「テオ……」
ジーナ : 「ふ。しばらく出番がないので腕がなまっていたところよ」
ブレイズ : 「まったく面倒なことだが、袖すり合うも他生の縁と言う。行くだけの縁はあろうよ」
ブレイズ : 「テオは姉が居る。ジーナは子供が居る。イストには部下が居る。セニアにとってはアレが居る。俺には……まぁいいとして、マリアは言わずもがな、だな。行かない理由がまぁ、見事に無い」
ジーナ : (ブレイズが「ジーナの子供」と言ったところは見事に聞き逃している)
セニア : 「決まったらとっと行くわよ!」
ケトルックルー : 「ありがとうございます。では、閉じられた結界を開きましょう…」