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ダンジョン速報12 絶望と



チャム@GM : 「どうだ。お前たちはここから脱出することは、今のままでは不可能だ。我のところまでたどり着くことはできん。見るがいい」
GM : チャムはビジョンを見せる。裏B10階の一風景。
GM : 無数の…本当に無数の、巨大な人面蜘蛛の群れ。
GM : 魔界最凶の呼び声高い、フェイトスピナーと呼ばれる眷族だね。
リコル : 「…なによあれ!」
ジーナ : 「……キモい(ぼそ)」
イスト : 「フェイトスピナーだ。やたらと群れる習性のある奴らでな、数に物を言わせた攻撃が最大の脅威だ」
チャム@GM : 「我が同胞もここまで増えた。お前たちはこやつらに、骨も残らぬほど食い尽くされよう」
テオ : 「あんなんが同胞かよ」
フレイム : 「……さすがに私も、戦斧の錆にしてくれるとは言えませんね」
チャム@GM : 「どうだ、我と手を結ばぬか? 我は妖精の主。妖精と親交を結ばんとする人間を、新たな世界にて優遇してやらんこともない」
ブレイズ : 「新たな世界、ねぇ」
リコル : 「……新世界の神にでもなる気? アブドゥールを利用して何かするんだろうけどさ」
ジーナ : 「でも、でもね。ここでアンタを倒せば……!」と、いきなり斬りつけてみますが。
トリガ : 「ダメですっ! ジーナさん!」
タック : 「ママっ!!」
GM : キルケ…いや、チャムの姿はただの幻影だ。
ジーナ : すかっ。勢い余って無様に転がる。
ジーナ : 「……まあ、予想の範囲内ね」(と言う割にはすごく悔しそうに起き上がる)
チャム@GM : 「命を粗末にするものではない。親からそう教わらなかったか?」
マリア : 「命は大切なものですわよ」
イスト : 「命は大事なものだが、惜しむほどではない。それが俺が世界から学んだことだ」
ジーナ : 「でも、これでわかったでしょう。これが私達の、回答よ」
セニア : 「あたし達は死なない。あんなクモが何匹居ようと、簡単に諦めないよ!あたしは」
ジン : 「魂を弄ぶような者と契約するなどとは、言語道断!」
リコル : (リコルは思わず槍を投げた)>チャム
チャム@GM : 「(槍はすり抜ける。キルケのものとは思えないような、下劣な笑みを浮かべる)」
イスト : 「一つ聞きたいのだが?」
チャム@GM : 「なんだ? 何を企もうが、お前らには絶望しかない。我が誘いを拒んだからにはな」
イスト : 「いや、ただの好奇心だ。下で待っていれば、何もしなくても俺たちは下りて行ったろう。その時にでも仲間への勧誘をすれば良いものを、なぜ面倒にも幻影などをわざわざここまで飛ばしたのかと思ってな。」
タック : 「あ。それって、もしかして、まだキルケさんの心が、何か…」
イスト : 「別にその辺には期待していない。ただの好奇心だと言ったろう?」
チャム@GM : 「はははは。親切心でこんな事をしているとでも? 違うな。貴様らがまとめて絶望する顔を見たかった。ただそれだけよ!」
ジン : 「憎いんですね」
チャム@GM : 「悪い知らせは、早いほうがよかろう? さすれば諦めもつくし、死ぬ覚悟を決める時間も作れよう?」
ジーナ : 「そう、なら、残念だったわね。ここにいる誰が、絶望の表情を浮かべていて?」
ジン : 「『絶望』は、もう十分だ…」
ジル : 「……絶望させるなら、なぜここで教える。諦めさせる? 馬鹿馬鹿しい」
ジル : 「チャム。お前に人を絶望させることなどできない」

イスト : 「なるほどな。わざわざ自分の窮地を教えてくれてありがとう。感謝するよ。」
テオ : 「窮地…? あいつ、あせってるのか?」
チャム@GM : 「…? それは一体どういう意味だ…」
イスト : 「絶望した顔が見たければ、なにも情報を教えなければ良い。大物を倒して調子に乗ってる馬鹿なパーティーがなにも知らずに大群に突っ込んでくるんだ。大ピンチさ。」
イスト : 「けどお前は、それをわざわざ教えに来た。万が一にも突破されては拙いからな。これだけいるんだ、どうだ怖いだろう。って、こっちに来るなってわめいてるのと一緒さ。」
チャム@GM : 「……! く、くく…口だけは達者なようだな。よくもまあ、そのような屁理屈を述べ立てられるものだ」
イスト : 「ふん。こちらを恐れて幻影を飛ばしてるやつがよく言う。」
テオ : 「…さっすが。でも、あのモンスターの数は、本物だろうな」
チャム@GM : 「…せいぜい、いきがっているがいい。いずれ貴様ら全員、絶望と恐怖と死に彩られ、皆血溜まりに倒れ伏す運命なのだ!」
GM : チャムの通信は切れた。
セニア : 「なんだかよくわかんないけど、活路があるの?」
リコル : 「…よくわかんないけど、あの妖精がいうほど、絶望的な状況でもないってこと、みたい」
イスト : 「当たり前だ。何も判らなかったのならともかく、親切な妖精さんが教えてくれたんだ。いくらでも対策は立ててやる。」
マリア : 「まあ、実は親切な妖精さんだったんですのね」
セニア : 「っしゃあ、俄然テンション上がってきた」
リコル : 「ジン……無駄かもしれないけど、そのお守りで…キルケを助けられないかなって思う」
リコル : 「ザトンの迷宮の、神々の力を封印してたものなんだし、妖精一体ぐらいは、なんとかなればと思って」
ジン : 「……救えるものならば、私も救いたいです(ボソ」
リコル : 「うん……」
ジン : 「…救えると、良いのですがね」
タック : 「助けるよ。絶対に」
マリア : 「救いますわ。そのために私はここまできたのですから」