5才のモモちゃん、
右のホッペに一つ残った‘オデキ’のアトが気になる様子。
今日も鏡見ながら人差指でナデナデナデ…
「はやくきえてしまいなさぃ」。
それを見ていた洗濯物をたたむママ、
モモちゃんヒザの上に乗せ‥
「イイ事教えてあげよっか、それはネェ…」
誰の目にもつかない、どこか遠くの妖精の国。
そこには木の妖精、水の妖精、りんごの妖精、いちごの妖精…
その他色んな妖精達が暮らしています。
ある日、女の子の妖精が一人ふわふわ飛んでいます。
けれどその顔はかなしげです。
なぜなら彼女達‘ももの妖精’は最近、
‘ぶどうの妖精’達とケンカをしているからです。
争い事より楽しい事が何より好きな彼女、
<ぁあ‥つまんなぃ。みんなケンカばかり。もぅコンナ所イヤっ>
そう呟くとふらふら当てもなく飛びさりました。
それから何日経ったでしょう。
いつのまにか知らない景色に囲まれています。
<かなり遠くまで来ちゃったみたぃ‥>
少し不安になりました。
けれど
<ま、いっか。それよりオナカすいちゃったなぁ‥>
たべもの探してもっと遠くへ。
するとちょっと進んだ先に、淡くきれいな色した‘もも’が。
<わぁぁ、とってもおいしそぅなももっ>
それからそれから、
<少ぉしちょうだぁい…“カプッ”>
「それがモモちゃんのホッペ」。
ママがそう語りかけ見つめると、モモちゃんほほえみながら眠っています。
「ママはそんなモモちゃん全部好き…“チュッ”」。
モモちゃんのホッペに‘チュゥ’のアト。
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