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4時頃起床。外はまだ暗いが星が見える。やったー!フリースと雨具を着込んで外のテラスへ。夜明けを待つ。雲一つない空。山腹を登る人のライトがチカチカしている。5時40分頃、ついに朝日が山に差し込む。重厚な奥穂高岳がオレンジ色に燃えてきた。 |
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涸沢岳も赤く燃えている。陰影がついて立体感がでている。
朝食を済ませて、7時半頃出発。パノラマコースを下山。いきなり道が細く、足元悪い。ロープの張られた岩場のトラバースがお出迎えだ。岩肌にミヤマダイモンジソウがへばり付くように咲いている。 |
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残雪のあるルンゼの通過が厳しい。二番目のルンゼでは残雪が空洞化してきてヒヤヒヤしながら通過。やっとのことで屏風のコルへ。ご褒美として、涸沢カールを眼下に見下ろす景色を手に入れた。 |
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残念ながら槍ヶ岳は雲の中。殺生ヒュッテまでは見えるけど、槍の穂先がどうしても顔を見せてくれない。
コルから反対側を見下ろす。梓川がはるか下方に見えている。ダケカンバやナナカマドの木立がうれしい。 |
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コルからは明るい南斜面の下り。急だが花崗岩砂のような地面で靴のグリップが効くので助かる。ハクサンフウロの圧倒的な量と色の濃さに、クルマユリがアクセントを添える。 |
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やっと現れた木立の日陰で休憩。ホタルブクロが先客だった。ここから更に急坂を下る。ガレのトラバースも次々に現れ、我々の足腰を疲労させる。慶応尾根手前で昼食。
その後、暗い森のなか沢筋を下る。苔むした岩も多いので滑らないよう気を使う。ガレ沢手前にニッコウキスゲの大群落。
奥又白沢手前の沢で休憩。雪渓から流れくる冷水で火照った足を冷やす。沢の奥は雲に隠された前穂高岳だろうか?
反対側の梓川彼方に横たわる蝶ヶ岳の山稜を、河原の大石に寝転びながら眺める。至福の休憩時間となった。 |
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しばらく沢の中を下る。石がゴロゴロして歩きにくい。ダケカンバから針葉樹と広葉樹の混生林となる。しっとりとした森だ。岩や石ではなく、土の感触が足裏に心地よい。ザイル事件の遭難碑を通過。砂防堰堤連なる河原に出る。林道をしばらく歩いて、梓川に架かる新村橋を渡る。 |
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今夜は徳沢園に泊まる。風呂にも入れるので、山行の疲れも癒される。豪華な夕飯に大満足。食後、義父が撮ったビデオの鑑賞会。今日の難所である残雪ルンゼの通過をしっかり撮られていた。想像以上に自分が慎重に歩いているので、恥ずかしかった。でも、山を歩く姿(特に下山時)をビデオに撮ってもらって見るというのは、非常に参考になると思った。 |