スノーシューハイキング・装備編

 

スノーシューとは 雪(特に新雪・深雪)の上を、潜らないように歩くために作られた道具で、西洋のカンジキが進化したものといえます。


6〜7年前に日本に紹介されたらしいのですが、それ以前に、LLBの冬用カタログで、細長い木枠に皮製の網が張られたスノーシューを見たことがあります。でも現在の製品はアルミフレームや軽量樹脂等を使用して軽さと機能が追及された優れものです。

和かんじきに比して浮力が大きくて沈みにくいので、かなりの深雪でも難なく歩けます。クランポン(滑り止め)付き・ヒールフリーのものは斜面の上り下りも容易です。

クロカンスキーのように、特別なテクニックは全く不要。だれでも履いた瞬間から歩き出せます。

 

まずはガイドツアーで 誰でも簡単にできるスノーシューですが、だからといって初心者がいきなり雪山に入るのは禁物。まずは信頼できるガイド・ツアーへの参加をお勧めします。

スノーシューでは当然雪のある場所に入る訳です。低山だからとか森林だからといって甘く見てはいけません。思わぬ所に隠れている沢に転落する危険性もあるし、森林地帯といえども雪崩れは発生します。


スノーシューは道のない所を自由に歩けます。そのために作られた道具ですし、その方が面白いです。だからこそ、地理・地形・気象に熟知した人の同行が望ましいのです。

 

基本装備 その1
★インナー★
基本的には中低山の冬季トレッキングで使用するものと同じと考えていいと思います。

綿製品は厳禁。これは山での常識となっています。綿は吸湿性はあるのですが、放湿性が悪く、汗をかいた後の休憩時に体を冷やします。

「新素材」と呼ばれるような化繊の下着が何種類も発売されているので、これを着用してください。下着は肌に直接触れるものだけに重要です。

 

基本装備 その2
★中間着★
これも綿製品厳禁。毛・化繊・毛と化繊の混紡など、好みで選んでいいと思いますが、体温調節のできるものがベター。

ハイネックのフリースシャツで、首部にファスナーのないものは避けましょう。
また、ズボンを選ぶ際は保温性の他に、動きやすさ=ストレッチ性も重要です。

 

基本装備 その3
★アウター★
冬山登山にはアウタージャケット・オーバーパンツなどと呼ばれるやや厚手で裏地のついているものが使用されることが多いようですが、そこまでの性能は不要かと思われます。これがないからといってわざわざ買い足す必要はないでしょう。

普段の山行時に使用しているレインウェアで十分ですが、ゴアテックスに代表される「透湿防水素材」の使用は絶対です。

 

基本装備 その4
★小物類★
手袋(軍手不可)や帽子は必携。手袋はインナーとシェルがセットになったものがあればベストでしょうが、別々に揃えてもOKです。予備の手袋もザックに入れておいたほうがいいですね。

帽子は耳の隠れるもの。あまり厚手すぎても、かえって暑すぎると感じる場合もあります。普段は薄手の帽子を着用し、風が強くなってきたらアウターのフードを被るとか、マフラーを追加するとかの方法があります。

小物類に限らず、衣類全般に言えることですが、厚手で保温性が高いもの一つで済ませるよりも、すこし薄手の物の重ね着で対応したほうが、体温調節が上手くいきます。

サングラス、マフラー(ネックウォーマー)、もあると心強い。

 

基本装備 その5
★足元★
靴は普段の山行に履いている登山靴でも大丈夫。ただしこれもゴアッテクスブーティー内装のハイカットタイプ・軽トレッキング靴が最低条件です。
皮製の登山靴なら事前に防水タイプのワックス(スノーシールなど)を塗りこんでおきましょう。

靴内部に雪が入り込まないためのスパッツも必ず着用。

 

基本装備 その6
★ザックの中身★
行動食・水・ヘッドライト・地図コンパス・防寒着など

行動食は調理しなくてもそのまま食べられるもの。おにぎり、パン、カロリーメイトなどをお好みで。
晴れていればストーブで温かい食事を作れば楽しい。でも荒天時には食事を作っているうちにみるみる体温は低下してしまいますし、ストーブが使えない可能性が大です。

水は必ず用意。保温ポットに熱い飲み物を入れておくと、冷えた時に、すぐに体の中から暖めることが出来ます。

ヘッドライトは日帰りのトレッキングのときこそ用意すべき。

地図とコンパスは使い方が分かっていることが前提条件です。道に迷ってからでは遅いので、常に自分たちのいる現在地を確認しながら行動します。

防寒着はフリースや薄手のダウンジャケットなど。替えの下着もあると安心。

 

基本装備
★★私の場合★★
インナーは、
クールマックスの下着にクロロファイバーのTシャツ。クロロファイバーは繊維に全く水分を含まない性質があって、冬の山行には良く使っています。

中間着は、
毛とダクロンの混紡の山シャツ・中厚手のもの。ズボンはストレッチフリースのパンツ。

アウターは、
オーバージャケットにオーバーパンツ。厚手のゴアテックス製で裏地がついたもの。今回のスノーシュートレッキングには少々オーバークオリティ気味でしたが、自分のレインウェアを妻に貸したので、たんすの奥から引っ張り出してきました。

手袋は、
アルペンスキー用のグラブを使用。

帽子は、
フリースのキャップ。耳を覆うカバーが中に折り返してあるもの。

その結果として、
かなり暑さを感じてしまい、汗も結構かいてしまいました。今回のスノーシューハイキングは快晴に恵まれ風もなかったのも原因です。

アウタージャケットについている脇の下のファスナーを全開にしてジャケット内部の熱気を放出しました。帽子は途中で脱いでしまい、バンダナを汗止めとして巻いていました。
スキーグラブは脱着に時間がかかるし、汗もたまってきたので、毛の手袋に交換。等々、こまめな体温調節が不可欠でした。


基本装備
ザックの中身
★★私の場合★★
しかし、いつも晴天ばかりとは限りません。天気が悪化し強風でも吹けば、この服装だけでは不安です。
ということで、ザックの中に用意したものは・・・。

防寒着用のフリースと替えの下着と靴下を各1セット。予備の手袋。ゴアテックス製のオーバーミトン。フリースのスカーフ。薄手のバラクラバ(頭顔部をすっぽり覆うことの出来る頭巾みたいなもの)。レスキューシート。

 

嗜好品 その1
カメラ
デジカメを持参。濡れ防止と使い勝手を考慮して大き目のウェストポーチに入れる。フリースの巾着袋を自作して、低温対策として使い捨てカイロとともに入れます。

 

嗜好品 その2
ホットワイン
スノーシューのガイドをしてくれた、ペンション・レインボーのオーナー亘理氏の得意技。
赤ワインにレモンスライスとグラニュー糖を加えてストーブで湧かします。熱々を頂くと体の芯からポカポカになること請け合い。加熱しているので、アルコール分も飛んで、お酒に弱い私でも酔いません。

 

嗜好品 その3
チョコフォンデュ
チーズフォンデュのチョコレート版。これも亘理氏の定番?らしいです。
普通のチョコレートを溶かしてイチゴやバナナを絡ませて頂戴いたします。これが何とも美味。
ただし、直接加熱すると焦げ付きやすいので、湯せんにしてあげることが肝要。チョコレートだけではなく、ウィスキーなどの洋酒を加えると風味が良くなります。

 

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