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5年生の家庭の授業でごはんの炊き方を学習します。ここでは,
ことが目標です。これを2時間扱いで,1時間目に炊き方について考え,2時間目に実際にご飯を炊く実習をします。 この1時間目にちょっとした実験を考えてみました。きっと子どもたちには臨場感のある学習になるのではないかと思います。 |
ごはんを炊く学習の1時間目の展開内容です。
発問1.(カップに入れた米を見せて)「この米をごはんにするにはどうすればいいですか。」 この発問に対する,子どもたちの意見を 「米に水を加えて熱する」 とまとめます。そして黒板に
と板書します。その後, 「では,その通りやってみましょう。」 と,米(100ml) と水(120ml)を 一人用土鍋に入れ 固形燃料に火をつけます。 ここまでが導入です。米や水の量については何も言いません。何気ない雰囲気で,できるだけ早くあっさりと済ませます。そして,ここからはこの土鍋はできるだけ端に置いておき,沸騰しようが,カタカタ音がしようが無視して次のように授業を進めていきます。 指示1.「米に水を加えて熱すると言っても,いい加減にしたら,ふっくらしたおいしいご飯はつくれません。どのような水の量を加えて,どのように炊いたらおいしいご飯をつくることができるのか調べましょう。」 ということで,教科書を開き,
等についてノートかワークシートにまとめさせていきます。そして,この時間の評価はこの記入内容で行います。 この後の発表で次のような内容をまとめていきます。
このまとめをしている頃,一人用土鍋のご飯が炊けます。(約20分で固形燃料の火が消え,10分ほどの蒸らしを入れると,授業が始まって30分過ぎにはふっくらご飯ができていることになります。)
授業中コトコト,シューシューとご飯の炊ける音がします。子どもたちはずっと気にしていて,「先生水が吹き出ていますよ。」等言う子もいるでしょうが,教師はできるだけ知らないふりをして,ご飯の炊ける音をBGMにしながら授業を続けていきます。 そして,一応のまとめが済んだ後,おもむろに 「えー,ごはんが炊けたようです。米とごはんでは体積がちがうという発表がありましたが,本当に違うのか,ここで比べてみましょう。」 とそれまでずっと子どもたちが気にしていたであろう土鍋を正面に持って来て,ふたを開け中を見せます。その後,土鍋のごはんを茶碗によそい,炊く前の量の米を茶碗に入れたものと比べます。(提示装置があれば,テレビに拡大して映します。) 以上で,次の時間の実習への意欲づけとその手順等のイメージはできると思われます。 余裕があれば,少し仕掛けをした土鍋をもう1つ用意し,それにも火をつけていっしょに炊きます。上のような展開をした後,子どもの代表1人(時間の関係で)に2つの土鍋のご飯を食べ比べさせ,感想を聞きます。すると片方は柔らかくて,片方は固いと言うはずです。そこでそのわけを考えさせます。そして,柔らかい方の米は30分ほど吸水させておいたものだという説明をします。 固形燃料でご飯を炊くという方法はほんの思いつきですが,案外うまくいきます。またこういう簡単な方法ゆえに,吸水時間の違いがはっきり現れるように思います。材料は全て100円ショップで手に入ります。 |