「ガンバルゾ」の不思議

ある学校の公開研究会の授業を見にいきました。

【「ガンバルゾ」?】
 公開授業が始まる前に廊下に立っていると,教室から子どもたちの「頑張るぞ!」という大きな声が聞こえ,その後「おー!!」と続きました。そのすぐ後,隣のクラスからも同じ声が聞こえてきました。この学校では,毎回こういうかけ声をかけてから授業を始めているのでしょうか。それが不思議です。

 もし,公開研究会用に子どもに頑張らせたいのならば,教師が頑張ればいいことです。子どもはいつも通りに勉強をしている。それが「頑張っている」ように見えるような普段の授業作りをしていくように教師が頑張ればいいことです。

 研究授業が近づくと,子どもたちに「頑張ろうね。頑張ろうね。」と言われている光景を見たことがあります。これも不思議でした。なぜ子どもたちがその日を目指して頑張らなければならないのでしょう。いつもと同じように勉強している姿をこそ見てもらい,その中から課題を見つけ出し,指摘してもらうのが研究授業ではないでしょうか。私はできるだけ研究授業があるというようなことは,子どもたちには黙っています。参観日の前には,子どもたちに「いつも頑張っているんだから,いつも通りにやろう。それが,緊張してしまっていつもと違う姿を見られたらくやしいね。」と言っています。子どもたちが,「いつも通りにすればいい。」(いつもは頑張っていると先生に思われている。)と感じ,自信を持ってくれたらいいなと思ってのことです。