「総合的な学習の時間」について


  学級通信で,「総合的な学習」について家庭にお知らせした内容の紹介です。
                

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2月3日(木)
       「始まります  総合的学習」

            −−−その1−−−
 教育の設計図のようなものである,「学習指導要領」が2002年度より書き換えられます。
 今までにも,書き換えが行われてきましたが,その度に,「ゆとり」とか,「新学力観」とか,新しい課題が示されてきました。
 そして,今回は,それが,   
総合的な学習
といわれるものになっています。
 今まで学校では,
9教科,道徳,特別活動
の3種類の学習を主にしてきていましたが,それに,「総合的な学習の時間」というものが3年生以上は増えることになります。
 この学習のねらいは,
 ・自ら学び,考え,判断し,よりよく問題を解決する能力の育成。
 ・考え方を身に付け,自己の生き方を考えることができるようにすること。
ということになっています。
 新聞によりますと,
「現在の不況の中,今までのエリートによる会社経営では,対応ができなくなっている。これからは,もっと,自ら学び,考え,社会の問題を解決していける資質,能力を持った人材が必要だ。」
との要請があってつくられたともいわれているようです。
 21世紀,日本が必ず向き合う問題として,
国際化,情報化社会,環境問題,高齢化
等がありますが,こういう新しい課題に取り組んでいける人になるための学習として,是非必要な時間だと思われます



2月4日(金)
     「小さなことから  総合的学習」

            −−−その2−−−
 2002年度から土曜日が全て休みになり,授業時数が減ってしまいます。その中に今までになかった「総合的な学習の時間」も入ってきますから,より各授業の時間数を減らすことになります。
 例えば,5年生では,「総合的な学習の時間」が1年間に110時間新しく入ることになります。そして,「国語」は今まで210時間だったのが,180時間に減るということになります。
 そうまでしても,「総合的な学習」を入れていかなければならないと文部省が考えているということは,それだけ21世紀に日本に必要な教育だということでしょう。
 「自分で考える」ための学習だから,中身は何でもよい。例を出すと現場を縛ることになる。ということで,文部省は実例を出していなかったのですが,それでは何をやってよいのか分からないという現場からの要請で昨年文部省からも実践例が出されました。
 この「総合的な学習」は,2002年を待たずに,今年の4月から試行ということで特別活動の一部を充てることができるようになっています。
 ねらいがあまりにも大きくて,しかも始まったばかりですので,日本中で??ながらの実践が始まっています。しかし,小さなことから確実な一歩をと思っています。



2月7日(月)
    「具体的には何をするのか   総合的学習」

            −−−その3−−−
 1,総合的な学習の時間においては,各学校は,地域や学校,児童の実態等に応じて,横断的・総合的な学習や児童の興味・関心等に基づく学習など創意工夫を生かした教育活動を行うものとする。

 これが「総合的な学習の時間」(以下「総学」)について学習指導要領に書いてある最初の文です。
 しかし,ここからは具体的に一体何をやっていけばいいのかは見えてきません。
 何を課題にして,実際にどんな力をつけていけばいいのか,「2,ねらい」の次に大きく3つに分けて書いてあります。

 ・例えば国際理解,情報,環境,福祉・健康などの課題
 ・児童の興味・関心に基づく課題
 ・地域や学校の特色に応じた課題

 つまり,この3種類の課題のどれかにターゲットを定めて,「学校の実態に応じて」「創意工夫を生かした」学習を進めていくことになります。
 日本全国で,今,4月からの移行期間に向けての総学の試行が行われています。

 私たちの学校でも,4月からのカリキュラム作りのための試行を今年度始めています。
 全国の実践例を見ますと,お祭り的で派手なものもありますが,我がクラスでは,総学の学習をした後に,何か1つでも確実に力として残るものをしようと思いました。そこで,上の課題で最初に出てくる「国際理解」と「情報」に目を付けました。つまり,「英語」と「コンピュータ」です。どちらも,将来必ず必要になってくるものです。



2月8日(火)
      「後に残るものを   総合的学習」

             −−−その4−−−
 「英語」については,よく言われるのが,「中・高6年間英語を勉強して,全然英語がしゃべられない」というものです。つまり,会話ができないということです。
 そこで,まず本物の発音に触れるということを大事にしたいと思いました。これで,もう日本人はダメです。本当の発音を子どもたちに聞かせてあげることができません。「鉛筆」は「ペンシル」ではなくて,「ペンソー」なのです。へたな思いこみの発音で教えては,子どもたちに申し訳がないので,ここは,本物の発音が入ったゲーム形式のパソコンソフトにお願いすることにしました。
「発音がはっきりせん!」
と,文句を言いながらも,一緒に発音しながら楽しく学習しています。
 この後は,英単語カルタ等で毎日朝の時間に少しずつふれていったり,挨拶や動きを実際に行いながら発音していきたいと思っています。
 「情報」については,これから先必ず出合うと思われるのがパソコンを使ってのインターネットの利用です。
 そこで,5年生は今年の修学旅行に向けて,

自分たちで旅行のしおりを作ろう

をテーマに,持参物から交通方法,見学場所等を様々な方法で調べ,主に見学場所や,ホテルについては,インターネットを利用して,写真や説明を集め,新たに資料をパソコンで作ることにしました。
 6年生は,卒業に向けて,

自分史をつくろう

をテーマに,卒業文集と,卒業式のお別れの言葉用に写真をパソコンで読み込んで,文もパソコンで作ります。
 これらの総学を通して,後に,

 ・本物の英単語の発音に対する感覚
 ・インターネット利用による情報収集
 ・ローマ字打ちによるパソコン入力

の力が子どもたちに残ることを期待しています。




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