全てオリジナルの教具です。
角の大きさ 「角の大きさ」の定義を言われても,児童にとってそのイメージが難しいことがあります。 また,二つの角が提示してあり,どちらが大きいですか,ときかれても,角の概念がはっきりつかめていない児童には,どこで判断していいのか迷うことがあります。 教科書では,角が少しずつ開いていく様子が書かれています。 これを実物で,連続的に提示していこうとして作ったのが左の写真のような教具です。 これは,1枚の白表紙と1枚の円に切った色ケント紙で作っています。 白表紙に色ケント紙の円の半径分の長さで,幅2ミリほどの細長い窓を開けておきます。 その窓から,円を中心まで一本切り込みを入れた色ケント紙を裏から通して出来上がりです。 左の教具では,それに黒く塗った割り箸のような角材をテープでつけて「2本の直線」としています。 この教具では,どんどん開いて見せることで,「角が大きくなる」イメージをはっきりさせることができます。また,角には180度以上のものもあるということをはっきりとらえさせることができます。 |
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10倍,100倍の数 「数を10倍,100倍,・・・としていくと,位が一桁ずつ上がっていく」 ということを学習する時,普通,黒板等に 3.14 31.4 (10倍) 314 (100倍) 3140 (1000倍) と表していきます。 分かる子にはすぐ分かることですが,これが,なかなか理解できない子もいます。 そこで,10倍,100倍のイメージを上に書いたようなデジタル的な表示でなく,「位が上がる」というイメージをはっきりアナログ的に提示してみようと思いました。 つまり,左の写真のように,下に位を書いたバスの窓のような台紙の中を314という数字が右や左に動いていくのです。10倍とか,10分の1とかいう時の数の動きを,連続的に児童の目の前で再現してみたかったのです。 この教具のちょっとした提示の工夫を紹介します。 まず,左の写真のような部品3点をそれぞれつくります。 1つ目は,白い短冊に切った画用紙。 2つ目は,同じ幅の短冊の画用紙に数字を3つぐらい書いてその後に0を続けて書いたもの。 3つ目は,四つ切り大の大きさの画用紙に位ごとにバスの窓のようなくりぬきをして,下に位を書き入れたもの。この画用紙の裏に,窓の中を数字を書いた短冊がちょうど動いていくようなレールを画用紙で作り,袋のように裏にもう一枚画用紙をつけて二重にしておきます。そして,二重にした下に見える画用紙の一の位から右には,左の写真のように0を書いておきます。 上の2枚の短冊を重ねて最初は314の右の00・・を隠しておいて,3.14から始めます。 10倍,100倍と言いながら左に短冊を動かしていき,314の10倍のとき,一番上に重ねた白紙の短冊を右に動かし,0を一つ現して,3140とします。 ここから逆に,10分の1,100分の1と言いながら,右に動かしていきます。そして,3.140ぐらいになったとき,最後の0の扱いについて説明し,「普通は書きませんね。(○○の位まで求めなさい。というときは小数点以下でも0をつけることがあるので。)」と言いながら,白紙の短冊で0を隠します。 ここから更に3.14の10分の1は,100分の1はと言いながら右に短冊を動かした時,予め窓の下に書いておいた一の位の0が現れてきて,めでたく0.314とか0.0314と表示されていく仕組みになっています。 |
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容積 「体積」というものは,ある程度イメージできますが,「容積」とは「入れ物に入る水の体積・・・」と言われても,???となる児童がいます。 そこで,「容積」の概念をつかませるために,次のような説明教具をつくりました。 まず,大きさの違いが一目ではっきり分かる二つの直方体の箱を児童に見せます。 左の写真では上のような見せ方をします。 ここで児童に問います。 「この二つの入れ物では,どちらの方にたくさん水が入るでしょうか?」 あまのじゃくな児童以外は,右の入れ物の方がたくさん入ると言います。 そこで,教師は, 「違います。これは,左の方がたくさん水が入るんです。」 と言います。 そして,まず左の小さい方の箱だけ,下の写真のように表を向けて, 「こちらには,こんなにたくさん水が入るのに・・・」 と,言った後,右の大きい箱の表を見せて,(小さくえぐってあります) 「こちらには,これだけしか水が入らないのです。」 と言います。 ここで,もし,子どもたちから笑いや,「インチキだ。」という声が聞かれたら,この教具の役目は十二分に発揮されたことになります。 こういうインパクトの後ならば, 「容積は,その入れ物に入る水の体積で表します。」 「うちのりとは,この内側の長さのことです。」 などの説明が,すっきりイメージとして入っていくのではないかと思われます。 |
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比例 反比例 これは,みなさんよくご存じのブラックボックスです。 最初に作ったものは,「ブラックボックス」だからと,あまり考えもせず,当たり前のように表面が真っ黒の箱でした。 しかし,「ブラック」とは,中での数の操作が秘密になっているということですので,もっと色気のある箱にしようと,表に,児童の好きなキャラクターの絵を張り付けました。 これだけでも,学習への動機付けになります。 ここでの使用法は,比例または反比例する数の組み合わせを入力と出力で提示していきます。 例えば,反比例の学習の導入では, 「この箱に1を入れます。」(左上から1と書いた紙を入れる。) 「すると・・・」(箱をふると右下から12と書かれた紙が1枚落ちてくる。) 「12が出てきました。」 「次に2を入れます。」(左上から2と書いた紙を入れる。) 「すると・・・」(箱をふると右下から6と書かれた紙が1枚落ちてくる。) 「すると今度は6が出てきました。」 「では,次にこの箱に3を入れると,何が出てくるでしょう?」 というように使います。 1枚ずつ,しかも1のときは12,2のときは6が出るようになっているところがミソです。 最初は,電気仕掛けとか,いろいろ考えたのですが,こんなところにそんなに時間はかけられません。そこで,ものすごくシンプルで間違いの無い百発百中の簡単な仕掛けを思いつきました。もし,詳しく知りたい方がおられましたら,お問い合わせ下さい。 |