連絡帳

連絡帳をいつ書くかで,
放課後の時間も変わってくると思います。
「帰りの会」が終わってすぐ放課にできるようにする手だての紹介をします。
しかも,子どもの字は,丁寧になっていきます。

教室に2つの連絡黒板を用意します。(普通1つですので,1つは小黒板を新たに後からつけます。)
学習予定を書く連絡黒板は,必ず教室の前側につけます。(写すとき,子どもが姿勢を変えなくて済むようにするため。)
1つの連絡黒板には今日の学習予定,もう1つの黒板には明日の学習予定と宿題,持ってくる物を書きます。
教師は明日の学習予定,宿題等を午前中に書いておきます。
子どもには休憩やその他,とにかくちょっとした時間がある時,明日の学習予定等を連絡帳に写すように伝えておきます。
明日の連絡を書いた子は,書き次第提出用の机の上に出しておくことにします。
連絡帳には,「その日の一番丁寧な字で書くように」ということを徹底して話しておきます。
連絡帳の字をチェックして,丁寧な字には○をいくつかつけます。
間違っている字には横に線を引いておきます。(それは,間違っているというサインという説明を事前にしておきます。)
きたない字には横に線を引いて,模範の字を横に書いておきます。
帰る間際に一度に全員の連絡帳を丁寧にチェックすることはまず無理ですが,こうして1日の中で少しずつ出されてくる連絡帳をチェックすることなら,空いた時間でできます。
但し,宿題の写し間違いをしているような場合(ドリルの番号等)は,いちいち指摘しません。
また,そこまで見るような時間的な余裕もありません。
写し間違えて,次の日他の場所を宿題としてやって来たような子には,
「はい,君は今日の悲劇の主人公。写し間違いは命取り。お気の毒ですが,休憩中に本当の宿題をもう一度やってください。」
と,「残念だったね」という,間違って写してしまった児童の立場に立って(または,立った振りで),これからは気をつけてくださいということにしています。
どこにも直す字が無い場合は,合格の印をつけます。(印としては,簡単な動物等のイラストを描いたりすると意欲を持ちます。私は1ヶ月毎に動物を変えていきます。)
合格の印のついた子はそれで終わり。
赤い線がどこかに引いてある場合は,そこを書き直して再提出ということになります。

チェックの済んだ連絡帳は配布用の机に置いておきます。
配布係は,その机に何か置いてあればいつでもすぐ配るというシステムにしておきます。
これで普通は昼休憩が済んで帰ってきた頃には,配布係が提出されていた連絡帳を返しているというパターンになります。
自分の連絡帳が返されたら,必ず合格かどうか開いて見てみるという習慣をつけます。
中には返された連絡帳を開いて見るということをせず,そのまま帰る子もいます。
そこで,帰りの会の最後に全員に連絡帳を机の上に出させ,合格の印があるかまたは直しが済んでいるかを確認させます。
全員起立させて,そのどちらかになっている子だけ座らせるようなこともします。
そして,「座った人だけさよならの挨拶をしましょう。さようなら。」と,合格か直しの済んでいる子だけ放課にします。
返された連絡帳を見ていなかったり,字がきたなくて直さなければいけなかった子は帰るのが遅くなります。
また,帰りの会までに連絡帳を写していなかった子も当然他の子より帰るのが遅くなります。
そして,提出が遅くなるほどチェックを厳しくします。
普通なら合格の字も,何カ所か赤線を引きもっと丁寧に書いてもらいます。
このことは事前にも話しておきます。
こうして子どもたちは段々連絡帳を早い内に,丁寧に書いて提出しておく習慣が身についていくようになるはずです。
早く出してもらうと教師もチェックする時間がとれ,助かります。
クラスによっては午前中に書くことを忘れてしまう児童が多い実態もあるかもしれません。
そういうクラスの場合は授業を5分程早く終え,連絡を写す時間を取ってもいいと思います。
「国語」の「書写」としての取り扱いと考えられます。

合格の印は,スタンプを押したり,シールを貼ったりと,簡単な方法がいろいろあると思います。
「違っていたら直させられる」「きたなかったら直させられる」
だけでなく,
「丁寧な字には○をしてもらえる」「合格すれば印(イラスト,印,シール・・・)がもらえる」
というところも大事にしていくと書く意欲も高くなると思いますし,とにかく合格していれば早く帰ることができるというのも,本気を出させる要素になると思います。

普通,連絡を早く書かせようとすると,その日の学習予定を消さなければならなくなり,午後の予定が分からなくなるということがあります。
2つの連絡黒板をつくり,それを交互に使うことで,その日の予定は残しながら次の日の予定も子どもは早めに写すことができるということになります。
もう1つの黒板は買ってもらうのが一番ですが,それが無理のようでしたら学校の倉庫の中から使われなくなったような古いやつを見つけてくるか,合板にヤスリをかけ,「黒板ペンキ」のスプレーを売っていますので,それを表面に吹き付けるとオリジナル黒板ができあがります。

連絡を午前中に済ませておくということをしておくと,午後の行事等で不規則な終わり方をした時でも「さようなら」だけでそのクラスだけが早く帰っていくというスマートな終わり方もできます。
教師も,午後早めに次の自分の仕事につくことができます。

学習予定黒板への記入は,係の子にさせるより,やはり教師ができるだけきれいで丁寧な字を模範として書いておいた方がいいように思います。
家の方は案外我が子の「連絡帳の字」等で,子どもの変化を感じ取られたりされるものです。