秋の七草


 3学期の始まりの日は毎年必ず春の七草を覚えることにしています。

 春の七草はよく言われるように

セリ,ナズナ
ゴギョウ,ハコベラ
ホトケノザ
スズナ,スズシロ
これぞ七草

と,五七五七七の短歌のリズムで覚えます。

 同じように,2学期の始まりの日は,秋の七草を覚えることにしています。これも春の七草と同じように五七五のリズムで覚えられます。有名なのは「万葉集」にある山上憶良の作品ですが,私は自分で勝手に覚えやすいように並べてみました。
 次のような順です。

ハギ,キキョウ
クズ,オミナエシ
フジバカマ
ススキ,ナデシコ
これぞ七草

 私は,この順に並べてようやく覚えることができました。この順だと5,6回も言っているうちに子どもたちも比較的早く覚え,定着しやすいようです。最後の「ススキ ナデシコ」なんてまるで人の名前みたいだねと,印象づけるといいと思います。きっと最初の「ハギ,キキョウ」が出てくるようになると後は自然に続くと思います。くれぐれも「ハゲ,キキョウ」と言って遊ばないように注意してあげてください。

 以前,この秋の七草をクラスで覚えた後のある日,女の子が帰ってお母さんと犬の散歩をしていて自然にこの七草を口ずさんだそうです。
「嬉しい驚きだった。」
とその子のお母さんが後で話して下さいました。

 毎日一首ずつの百人一首以外にもこのような七草等を覚えて帰るということを時々しています。「いろは歌」等もいくつかに区切って,1日に少しずつ覚えていくこともします。家に帰る途中や,帰ってからの生活の中でこんな言葉遊びをしている様子を見られると,家の方も安心されたり,感心されたりするようです。九九を言っている景色とはまた違う感動があるのではないかと思います。

 2学期の始業式の日,秋の七草と,その覚え方を紹介し,覚えた子には,
「すごい!あっと言う間に覚えたねー。君は天才!」
と賞賛の嵐を贈り,夏休みが終わってがっかりしている心に栄養を与えて気分良く2学期のスタートをきらせる。というのは,いかがでしょうか。