ネイチャーラリー

 今まで春の遠足では「ウォークラリー」をしていました。これは,目的地までの道沿い10カ所ほどに問題を書いたボード(段ボール)を設置しておき,それを探し,解きながら進むというものです。
 この遠足は児童会執行部が中心になって進めることになっていました。そのため,執行部は約10問ほどの問題を考え,段ボールにマジックで問題を書き,裏に設置用の針金をガムテープで一つひとつ貼り付けていきました。
 遠足は2つのグループに別れて歩きます。以前はオリエンテーリングのように,2つのグループが時間差をつけて出発しそれぞれ同じポイントで問題を解きながら歩いていました。しかし,2つのグループの距離が近くなると先のグループがポイントを見つけた場所が見えるということもあり,次の年からはグループ毎に色分けをし,青テープのついたポイントの問題はAグループ,赤テープのついた問題はBグループ用ということにしました。こうすると,複数のグループが一度に出発できるようになります。しかし,執行部の仕事は増えていきます。また,この日朝早く事前にコースに20枚ほどの問題ボードの設置をしておかなければなりません。(前日に準備したいのですが,当日雨天の場合,無駄になるので。)
 
 何かと児童会の時間も取りにくくなってきた最近の情勢と,そろそろこのパターンがマンネリ化してきたと思われることから,このウォークラリー形式を変えることにしました。
 その名も
 「ネイチャーラリー」
です。
 
 ヒントはあのテレビドラマ「宮本武蔵」の中で彼が出会った柳生石舟斉の言葉
「水の味,風の音,鳥の声」
からです。
 石舟斉は武蔵に,水の味,風の音,鳥の声に気づける心を持つように諭します。それはつまり
「生きる喜び」
を知ることだと。
 「生きる力」と共に,この「生きる喜び」を感じさせる教育の営みもまたとても大切なことだと思います。

ネイチャーラリー

準備物
  • 厚紙A4版
  • 封筒A4版
  • 画用紙A4版
  • 問題用紙
  • ペン,ひも
問題内容
 とにかく「自然」を感じることを必要とするような内容を中心にします。
 その問題を歩きながら一つずつクリアしていきます。今年作ったのは次のようなものです。

  ネイチャーラリー用紙    (     )グループ

1,出発して最初に聞こえてきた鳥の声を書きましょう。名前も分かれば書きましょう。
    鳴き声(                )
    鳥の名前(              )

2,鳥の声を書いたら,みんなで校歌を最後まで大きな声で歌いましょう。

3,道ばたで見つけた草花の名前を1つ書きましょう。
    (                        )
4,名前の分からない草花を1つ見つけてこの袋の中に入れましょう。

5,歩いているとどんないいにおいがしてきますか?みんなでにおってみて,そのいいにおいを「〜のようなにおい」と書きましょう。
   (                     )のようなにおい

6,吹いてくる風の音を書きましょう。
   (                                )

7,途中で休憩した場所から見える空の様子をこの袋の裏にスケッチしましょう。

8,スケッチがすんだら,桜の木が見つかるまでしりとりをしながら歩きましょう。

9,桜の花びらと葉っぱがあれば1枚袋に入れましょう。

10,景色のいいところを見つけたら止まって,みんなで一人ずつ何が見えるか言いましょう。
           見えたもの
  (         )(        )(          )
  (         )(        )(          )
  (         )(        )(          )


 この問題用紙をA4版ぐらいの封筒に貼り付けます。この封筒の中に採集した植物等を入れるようにします。問題用紙を厚紙に貼り,それを封筒に貼ると用紙への記入がしやすくなります。そして袋の裏側にスケッチ用の画用紙を貼り付けます。これにスコア記入用のペン(プラスチックの先に鉛筆の芯がついたもの)にひもをつけ,下敷き用の厚紙に穴をあけてくくりつけておきます。

 目的の場所に着いたら,各グループで発表します。きっと「鳥の声」や「風の音」「いいにおい」の発表のあたりでは笑いも生まれるのではないかと思います。「名前の分からない草花」はその場で教えたいのを我慢して,各グループで帰ってからの調査課題ということにします。
 この他にも自然を感じ,「生きる喜び」につながると思われる問題の作り方はたくさんあると思います。来年は,途中に見られる草花等の写真を問題用紙に印刷しておき,それを探しなら歩くというような問題も入れたいと思っています。