体積
(6年生)

 直方体の体積の公式を導き出す学習を済ませると,次にL字の形をしたような複合図形の体積の求め方を考える学習をすることになります。複合図形の体積を求める学習は,それほど難しいレベルではありません。しかし,積木を実際に使うとよりイメージをはっきりさせて学習することができます。
 そして,その確認として黒板上で全員に見えやすいように提示の工夫をして,そのイメージをはっきりさせていく方法を紹介します。



 まず上のような立体模型を提示した後,この立体の見取り図を複数かいたプリントを配り,その体積の求め方をいくつか考えさせます。
 その後,立体の外側のカバーを取って積木を積んだ中身を見せます。そして,これを使って自分の考えた方法を説明させます。


 すると,次のように分割してそれぞれの和で求める方法が2種類出されるはずです。


 もう1つは,へこんだ部分を含む大きな直方体の体積を求め,後からいらない部分の体積を引く方法が出されます。

 この説明を2次元の黒板上で再現する方法を考えました。
 実際に積木で全ての方法を説明した後のまとめ等に使えます。
 まず,黒板に次のような見取り図を書いた厚紙を提示します。


 その図の下に分割する補助線を書き込んだ見取り図を提示します。


 この補助線を書き込んだだけのように見える図には少し仕掛けがあります。実はこの図は2つの直方体の図を重ねているのです。下を見て下さい。


 2枚の厚紙を重ねているので,少しずらすと,分割した後の切り口の様子がはっきり分かり,立体模型と同じ感覚でイメージしやすくなります。
 もっと離すと下のように完全な2つの立体として考えやすくなります。



 大きな直方体からいらない部分を引く場合も2枚の見取り図をかいた厚紙を重ねます。



 下の図で赤線を引いている所を切り,そこに黄色の図を差し込んでいます。

 子どもがこれらの体積の計算を黒板で説明する時は,それぞれの数字と各計算がこの図のどの部分を示すのかを関連づけながら行うようにさせると,本人の理解力を確かめることと,まわりの子への分かりやすい説明にしていくことができると思います。