百分率
(5年生)

 「60パーセントは0.6倍のことである。」
と,言ってしまえばおしまいの百分率ですが,いくらか印象的に学習したいと思います。

 まず,クラスの中から2人名前を貸してもらい問題を出します。その2人の選び方はいろいろ考えられますが,例えばジャンケンで選ぶ場合は次のようにします。

 何も説明せずいきなり,

「全員起立。これから先生とジャンケンをします。負けた人とあいこの人は座って下さい。」

で,1人(最後まで勝った子)を選びます。次に,勝った子以外を全員起立させ今度は教師に勝つか,あいこの子を座らせていきます。そして最後まで負けた子1人を選びます。(教師とジャンケンをしていて残った人数が2,3人になったら,その子たち同士でジャンケンをさせた方が早く決まります。)

 ここでは勝った子をA,負けた子をBとします。

「では申し訳ないですが,この2人の名前を貸してもらって問題を出します。」
(もしこういうことが後で問題になるようなクラスの場合はやめておきます。)

と言って,次の問題を板書し全員に写させます。

B君は1円持っています。Aさんは100円持っています。B君はAさんの何倍お金を持っているでしょう。

 百分率の学習になるまでの学習が十分できていれば,0.01倍という答えが出されます。(私のクラスでは100倍という子がいましたが・・・)そこで,この答えを次のように板書し,全員に写させます。

B君はAさんの0.01倍お金を持っている。


「B君はAさんの0.01倍もお金を持っているんだね。B君,嬉しいですね。」
「えっ!?嬉しくない?Aさんより0.01倍も持っているのに?」
「でも,0.01倍ですよ。すごいじゃない。」

等々,ここでしばらく「0.01倍」を印象づけておきます。そして,

「今日は1つ新しい言葉を覚えてもらいます。この言葉が理解できたら,もう今日の算数は終わり。」
「世の中では,この0.01倍のことを1パーセントと言い,こう書きます。」

と,百分率の説明と%の書き方の説明をし,先ほど板書した「B君はAさんの0.01倍お金を持っている。」の「0.01倍」の下に「1パーセント」と書きます。
 そして,読み替えをしてみます。

「B君はAさんの1パーセントお金を持っている。」
「何か,こう言うとちょっとさみしく感じてきませんか?これをさみしいと感じられるようになると,ちょっと百分率を理解しかけていると言えます。」

 この後,パーセントの「パー」は「〜について」で,「セント」は「100」という意味があり,つまりパーセントとは「100についていくらの割合か」を表しているのだと説明します。

「だから,ここではB君はAさんの100に対して1の割合のお金を持っているという意味になりますね。」

 この後

0.01倍→1%

と板書し,その下に小数を百分率で表す例題を出していきます。しばらくやらせてみて,割合を百分率で表すには,小数を100倍すればいいんだということに結果的に気づいていけばいいなと思います。