旅立ちの言葉

−−−2000年度卒業生−−−

生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっとあるメロディを思い出すということ
くしゃみすること
あなたと手をつなぐこと

世界では今,毎日4万人の子どもが死んでいるという話を聞きました。
おなかをすかして,病気におかされて,今日も多くの友が苦しんで死んでいく。
私たちは,そんな地球の中で,明日がくることを疑いもせずに,毎日を過ごしてきました。
食べる物がなくて死んでいく友がいるのに,
勉強したくてもできない友がいるのに,
私たちには,もっと食べろとか,もっと勉強しろとか言ってもらえる平和な暮らしがあります。
私たちにとって今まであたりまえだったことが,本当はすばらしく幸せなことなんだということに気がつきました。

1年生になって初めの日の入学式。とても緊張しました。
高学年から
「担任の先生は,最初は優しいけど段々きびしくなるんよ。」
と聞いていたので,少し不安でしたが,担任の先生はにこにこと笑顔で話しをしてくださり,安心しました。その後もずっと先生は優しかったです。

2年生になり,私たちにも小さな1年生の後輩ができました。
2年生として1年生にいろんな事を教えたり,優しくできるように頑張りました。
1年生が学校になれるころには,私たちも少しはお兄さん,お姉さんらしくなれたと思います。

3年生の時,1ぴきのサワガニを学級で飼うことになりました。みんなで名前を考え,「カニー」と名付けました。
「カニー」の世話を通して,命の不思議さ,かわいらしさ,尊さを学びました。

4年生の時,○○さんを学校にお迎えしてアーチェリーの腕前を見せて頂きました。
車いすに自分が乗ってみて,初めて分かることがたくさんありました。
身体の不自由な方に対して私たちができることは何かみんなで考えました。

高学年として児童会のいろいろな仕事をするようになった5年生。
一つひとつの行事に向けて計画,準備,練習をしていくことの大変さと大事さを知りました。
放課後や休憩時間も使って準備した行事を,みんなが楽しんでくれた時はとても嬉しかったです。

「自覚 実行」を学級のテーマとし,最高学年としての責任を自覚して出発した6年生の春。
1年生に喜んでもらおうと手作りのおもちゃをつくったお迎え遠足。
全校をリードした和太鼓の演奏。
全員が入賞した町内陸上記録会。
何回も転びながら難しい技を成功させていった一輪車の演技。
気持ちを込めて演技した学習発表会。
どれも友達といっしょにつくり出したとても大事な思い出です。

そして,小学校最後の大きな楽しみだった修学旅行。
本物の日本の歴史と文化に触れ,百年,千年という大きな時間の流れの中にいる自分たちを感じました。
広島での平和学習では,多くの命の犠牲の上に今の私たちの平和な暮らしがあるのだということを心に刻みながら,みんなで折った千羽鶴を原爆の子の像にささげました。

今日まで,いつも温かい目で見守ってきてくださった,地域の人々,先生方,家の人たち。
みなさんのおかげで私たちがいるのだと思います。
これからは,勉強できること,平和に暮らせることに感謝して,人や自分に甘えず,「生きていられる」ことを大切にして,これからも多くのことを学んでいきたいと思います。

在校生のみなさん,励ましの言葉をありがとうございました。
どうか,一人ひとりがしっかりした考えをもって,○○小学校をより学び合う場にしていって下さい。
私たちも中学校でまた新しい挑戦をしていきます。

今日はみなさんありがとうございました。
ありがとうございました。

(歌)