「小中連絡会」の不思議

新年度には小中の先生が集まる連絡会があります。

【伝わらない?】
 6年生が卒業して中学に入ると,4月か5月にその学校に卒業生が進学した各小学校の元6年生担任が行き,小中連絡会がもたれます。

 そこでは中学校の新1年生の実態について中学校の先生から様々な意見が出されます。その中に
「これができていない・・・」
といった種類の意見が出されることがあります。

 これはとても大切なヒントで,小学校の教師だけでは気付くことのできない,これからの自分たちの教育の課題を与えていただく機会でもあります。
 しかし,そういう意見の中に

「指示が一度で伝わらない。」

というのがありました。
 (おかしいな小学校では伝わっていたのに,でも人数が増えると難しいのかな。)
と思いました。

 ここで不思議なのは,「一度で伝わらない」ということを平然と言えることです。
 「伝わらない」ということは「伝わるような指示ができない」ということではないのかな。

 【学力差?】
 これは聞いた話ですが,小中連絡会で中学校から「新1年生の学力差が大きい」ということが出されたことがあったそうです。つまり,「もっとどの子にも同じように学力をつけておいてほしい」という意味で言われたようです。
 その時,出席しておられた小学校のある校長先生が「では,中学で初めて習う英語は中学ではみんな同じように学力をつけておられるのですね。」と言われて,中学の先生が黙ってしまったということです。

 何だか小中(対決)連絡会の様相を感じます。

【一生懸命】
 私は小中の先生が全員入れ替わっても,きっと同じような状況になると思っています。
 同じ学校内でも,お互い教師は一生懸命自分の精一杯の力量の中で頑張っているのですから,基本的には(きっと自分よりは上手な)前の先生の指導のおかげでこのクラスはここまできているのだ,と思った方がいいのではないでしょうか。