「して下さい」の不思議

中学生の兄弟を持つ親から中学校の話を聞くことがあります。

【お願い?】
 ある中学生の保護者が学校の個人懇談に行き,先生から「このレベルを下げないようにして下さい。」と言われたと聞きました。
 えっ???「して下さい。」???
 学校の先生の方から「学力を○○のようにして下さい。」と親に頼む場面が不思議です。

 親の方が「先生,この子の学力が落ちないようにして下さい。」と言われるのなら分かります。教師が親に学力のことを頼んでうまくいくようなら,教師の仕事は楽なものです。
 また,家庭の協力が必要な場合でも,学校から
「下がらないようにして下さい。」
というような頼み方は,まるで子どもに
「忘れ物はない?」
と聞くような全く意味,効果のない言葉になります。
 忘れているから「忘れ物」というのでしょう。もし,聞くのなら,
「ハンカチは持った?」
というような聞き方をすべきです。

【効果】
 「下がらないようにして下さい。」と言う言い方も同じことです。もう少し,
「学校ではこの子にはこのようにしようと思って,こういうことをしている。家庭ではこういうことをさせてもらうと学力も保つことができます。」
というような少しは効果がありそうな伝え方をすべきではないかと思うのですが。