2002年に聴いた曲
Dorlis「ひとりごとみたいにアイシテタ」(ビッグ・ウェ−ヴ・レコ−ズ \1,000)

 dorlis1982年生まれの女性シンガーソングライター・ドーリス。高校の頃から路上ででカントリージャズの弾き語りを続けていたというクールで軽快なボーカルが心地よい。プロモーションビデオはドーリスのアニメーション。これがまたイカしてる。(★★★)

1.ひとりごとみたいにアイシテタ
2.ダプネリーフ
3.you’d be so nice to come home to
4.ひとりごとみたいにアイシテタ(プロモーションビデオ)

クレイジーケンバンド「グランツーリズモ」(ビクターエンタテインメント \3,000(税別) 2002・8・7リリース)
grantour
「クリスマスなんて大嫌い!!なんちゃって」がヒットしているケンバンドの4thアルバム。「アダルトな哀愁漂う宴の後の刹那さ、やるせなさを感じさせながら、奥深い昭和な人情と夜を追い求める薄幸な人達が アメ車で本牧やらパリやらを、後ろをかえりみながらぶっ飛ばすアース・ツアー!」(宣伝コピー)

「イイネ、イイネ、イイネ」の横山剣の世界はファンキーでエロティックでソウルフル。しかも昭和歌謡風味たっぷり。潮風の匂いが漂うヨコハマ・ヨコスカサウンドはオシャレというより「粋」。タイトルからして遊び心がいっぱい。
 M14は渚ようことのデュエット。懐かしのムード歌謡ふうがイイネ。(★★★)

1.GT(Gran Turismo)
2.GT(Giant Trevally)
3.スポルトマティック Sportmatic
4.昭和レジデンス Shouwa Residence
5.Drivers Salon #1
6.夜の境界線 From A.B.C. To D.M.Z.
7.太陽のモンテカルロ Monte-Carlo du soleil
8.PIZZA
9.アメ車と夜と本牧と Night For V8 Monsters
10.透明高速 Go Go Ghost Go!
11.珈琲ブーガルー Coffee Boogaloo
12.Drivers Salon #2
13.ヒルトップ・マンション Hilltop Mansion Blues
14.薄幸!深夜妻 Midnight On The Planet
15.ゲバゲバ90秒 Psyche Mappilla
16.お・ん・な Femme Fatale Type
17.Crazy Ken Band's Information
18.M.C.C.K.
19.新・イカ釣り主義 New Federalism

MINMI「T.T.T.」(ビクターエンターテインメント、リリース4/12/2002)
ttt
 MINMIのセカンドシングル。
 T.T.T.の意味は「take to the top」。イントロで聞こえる男の声は「today 今日何処行く?空手ダンス飽きたし、スパイダーダンス行く? わかりました」と言ってるそうな。
「The Perfect Vision」からこの「T.T.T.」への勢い、まるで、Misiaが「つつみ込むように…」で彗星のように現れた時とよく似ている。ビジュアル的にMINMIの方が売れセンだから、火がついたら早い。表題作はアップテンポなヒップホップナンバー。Misia登場は革新的だったが、MINMIは革命的。こんなにリズム感のいいボーカリストが出てくるなんて、日本のR&B、レゲエシーンは奥が深い。M2のキュートなクリシマスソングもイケる。(★★★)

M-1. T.T.T.
M-2. 24/7 “mitsu.nori-nori mix”
M-3. クリスマス☆ソング
M-4. T.T.T. A-bu-ra-ka-ta-bu-ra ReMix

MAYA「シーズ・サムシング She's Something 」(ジャズフリークレコード \2,800 2002・9・20)
maya
 1998年、水森亜土に見出され、TAKE10オーケストラのリーダー松尾明に師事、1999年2月にクラブ・デビューしたマヤのセカンドアルバム。甘くけだるい声がジャズ・ボサノバにマッチしているが、声に個性が乏しいためか、いまいち凡庸な印象。M5はサザンオールスターズの曲のカバー。(★)

1. Feel like making love
2. In the still of the night
3. Besame mucho 
4. That's no joke
5. Eu sou un piano (私はピアノ)
6. Isn't she lovely
7. I've got a crush on you
8. Don't be that way
9. O pato
10. Se uma estrela aparecer (星に願いを)
ジムノペディ「雨、所により花吹雪」(チムチムチェリー)
ジムノペディ
 M1を聴いた瞬間、百万ボルトの電流に脳天を直撃された。ジャズ、ロック、ボサ、R&B、昭和歌謡ーーどれにも属しないがどれをも髣髴とさせる独特のサウンド。その音を際立たせるボーカルの素晴らしさ。高音域やファルセットは小島麻由美と似ているが、よりパワフルな声で、表情豊か。低い音域では若い頃の吉田日出子の声ともどこか似ている(ちょっと古い?)。いずれにしろ10年に一人のボーカリストといっていい。独自のサウンドとボーカルの幸福な融合はエゴ・ラッピンの中納良恵と相通じるものがある。無限の可能性を秘めたグループの今後に期待したい。(★★★★★)

メンバーは以下の通り。
田中直美(Vocal)
畔上加菜子(Piano & Keyboard)
相良年宏(Guitar)
永長健(Bass)
川崎綾子(Drums&Chorusu)
小林殉一(Sax & Chorus)

1 ジェリー
2 トレモロ
3 銀河鉄道
4 夜感リサイタル
5 雨、所により花吹雪
6 竜宮城
7 お医者様
8 13
「ナイアガラで恋をして〜大瀧詠一トリビュート・アルバム」
niagara
 日本ポップス史上に燦然と輝く天才クリエイター・大瀧詠一。彼を敬愛するミュージシャンたちによるトリビュートアルバム。

 M1は原曲の重層的な「スペクターサウンド」を意識した軽快なポップサウンド。M2は逆にストリングスとボーカルだけのシンプルな構成。いかにもBEGINらしい美しいハーモニーが原曲へのリスペクトとなっている。M3は前川清の歌い上げるボーカルが意外とマッチ、そういえば、小林旭もナイヤガラサウンドでヒットを飛ばしたっけ。
 M4は言わずと知れた大瀧リスペクターたち。安定感抜群。M5はボサ風。M6はアップテンポのスカ風なサウンド。M7は坂本美雨の透明感あるボーカルがしっとりと心にしみる。M8は70年年代フォークロックの味付け。M9は粋でオシャレなヨコハマの快男児・クレイジー・ケンが抑えたボーカルが味わい深い。M10は田島由紀子の個性的なボーカルが魅力。M11は女性バイオリニストとパール兄弟(サエキケンゾウ+窪田晴男)のスリリングなコラボレーション。バイオリンが奏でる「ナイヤガラムーン」のゆったりとしたサウンドとボーカルは終章にふさわしい。

 おまけで封入された大瀧詠一の活動全史のツリーは保存版。(★★★)
 01.君は天然色/堂島孝平×GO-GO KING RECORDERS
 02.恋するカレン/BEGIN
 03.幸せな結末/前川清+井上鑑
 04.びんぼう’94/ウルフルズ
 05.夢で逢えたら afternoon cafe style/DEEN&原田知世
 06.冬のリビエラ/What's Love
 07.探偵物語/坂本美雨
 08.熱き心に/キンモクセイ
 09.Tシャツに口紅/CRAZY KEN BAND
 10.A面で恋をして/BARGAINS
 11.Niagara Ondo Medley / Let's Ondo Again〜ナイアガラ音頭〜うなずきマー
チ〜ナイアガラ・ムーン/川井郁子+パール兄弟
asafestoonASA FESTOON「SUIREN」(インターレコード)

 甘くけだるいボサ風ボーカルは、たとえば公園通りに面した喫茶店で午後の紅茶を飲みながら過ごすひとときにぴったり。(★★)
01.ダリア
02.Wet Orange
03.シャボン
04.睡蓮
05.ダンスの影(Jogo de Obelon mix)
06.raxa
07.だから、歌が、歌いたい
SAKURA「ラヴ・をばらまこう」(アロハレコード)
サクラらヴをばらまこう SAKURAの新譜マキシ・シングル。M1はハッピーでオシャレなパーティー・ラブソング。Skoop On Somebodyとクイヌパナがコーラス参加。M2は時節柄ピッタリのウインターソングメドレーをアカペラで。M3はしっとりと謳い上げるソウルバラード。SAKURAのボーカルの魅力全開の一曲。このM3だけでもお買い得。(★★★)

1.ラヴ・をばらまこう
2.LOVELY CHRISTMAS
3.愛の庭

高宮マキ「鱗」(東芝EMI)2002.11.07リリース

高宮マキデビュー 兵庫出身。ロンドン在住のシンガーソングライター。説得力あるボーカルから繰り出される鮮烈なメッセージはソウルフルでファンキー。R&B、ロック、ヒップホップーー曲ごとに色彩を変える多面体音楽はまさに光り輝く「鱗」のよう。
「ひたすら川辺でボーっとする。自然と戯れる。ガラス工芸関係の本集 め(特にガレというアーティストのもの)。料理をすること。食べること。笑うこと。絵を描く事。寝ることが好き」(HPより)というナチュラル系ボーカリスト。せつなく、伸びやかで、力強い歌声は安定感抜群。(★★★)

01. 鱗
02. WANNA LET YOU KNOW
03. 蝉
04. WOMAN

中澤真由「FUNKY FLUSHIN' / NOT ONE OF US」
(ユニバーサル・ミュージック 2002.11.6リリース\1100)

中澤真由
1983年1月26日生まれの現役大学生。絵画専攻。血液型O型 。

 M1はいわずと知れた山下達郎+吉田美奈子の名曲。「MOON GLOW」(1979年)収録曲。”不機嫌な天使”中澤真由のボーカルセンスが光る歯切れのいい極上のポップナンバーに仕上がった。カバーされた山下達郎も本望か。
M2は自作曲。クールなメロディーラインと真由のファニーな声質がマッチした絶妙なポップソング。この声、結構好き。(★★★)

1. FUNKY FLUSHIN'
2. NOT ONE OF US
3. FUNKY FLUSHIN' -RADIO EDIT-

M-1,3 MUSIC by Tatsuro Yamashita WORDS by Minako Yoshida
M-2 MUSIC & WORDS by Mayu Nakazawa


O, Jesus!〜Deep In My Heart「オー・ジーザス!〜ディープ・イン・マイ・ハート」(RENTRAK ENTERTAINMENT )3,045円
オージーザス
 ゴスペルとは「Good Newsを伝える歌である」と、ゴスペルにシンプル&ポジティブなメッセージを託すプロデューサー・塩谷達也(LOVE CIRCUS)の元に結集した実力派アーティストのコラボレーションアルバム。
 クワイア、ラップ、ハウス、唄とピアノのデュオ……。ゴスペル、R&B、ソウル、ヒップホップなどスタイルを超えた楽曲が融合。参加メンバーはZOOCO(元エスカレターズ)、SAKURA、U-SKE、K-MUTO(Groovediggerz)、有坂美香、kazco、Giorgio Cancemi(DELiGHTED MINT)など。

SAKURA、有坂美香、KAZUCOの静謐なバラード(M3)、ZOOCOと塩谷達也のデュエット曲(M6)、SAKURA、有坂美香、ZOOCOのファンキーなリードボーカルがGOODなM8が特にオススメ。クリスマスソングとして聴くもよし。(★★★★)

1,Oh, Happy Day
2. Total Praise
3. Love The One You're With
4. Naked Soul Man
5. My Life Is In Your Hands
6. My God Is Real
7. Gonna Be A Lovely Day
8. I'll Take You There
9. Why We Sing
10. I'll Go
11. アタラシイウタ

浜田真理子「聖夜」(美音堂)
浜田真理子
島根県出身のシンガーソングライター。ファーストアルバム「MARIKO」(1998)でデ
ビューするも、実力の割には恵まれず、99年末のコンピレーションアルバム「so far
songs」で「港が見える丘」をカバー、注目を集める。その余波で再発されたファー
ストアルバムが一部で静かなブームに。ピアノの弾き語りによる歌はジャズ・歌謡曲ふう。
M1はオリジナル。M2は加川良の歌ったメッセージソング。M3もまた「反戦歌」として歌い継がれた森山良子のヒット曲。淡々とした歌い方だが、重量感のある歌声が心に響く。(★★★)

1、「聖夜」
2、「教訓1」
3、「さとうきび畑」

るり「るり式」@シーアンドエー
るり式
 ここ数年、70年代のフォーク&ロック再評価の動きが音楽シーンに広がりつつある。その主役は当時を知らない今の若いミュージシャンたち。まるで、時代を一巡りしたように、”ネオ・フォーク&ロック”花盛りだが、この「るり」もおそらく、遅れてきた70年フォロワーズの一人だろう。「るり式」というタイトルからして、つげ義春だし、好きなもの「ATG映画、中央線」とくれば、もう立派な70年代少女。
 ささやくような歌声に似合うのはM1の森田童子のカバーやM7のあがた森魚。「傘がない」のワルツふうアレンジも声質に合っている。自筆のカバージャケットのイラストもいい雰囲気。(★★★)

1.ぼくが君の思い出になってあげよう(森田童子)
2.傘がない(井上陽水)
3.君と旅行鞄(はちみつぱい)
4.カレーライス(遠藤賢司)
5.バス通り(甲斐バンド)
6.甲州街道はもう秋なのさ(RCサクセション)
7.冬のサナトリウム(あがた森魚)

ゴーグルエース「東京エレキッド」@K・O・G・A RECORDS
東京エレキッド
 長野のエレキ少年・少女たちが満を侍して東京進出。プロデュースは水谷淳(元アウトキャスト)。いつものGS調ナンバーはもちろん、スウィートなバラードやインストナンバーなど全12曲。M5は「可愛いベイビー」「ルイジアナ・ママ」「恋はみずいろ」など数々のヒット曲で知られる60年代を代表する訳詞家・漣健児作品のカバー(オリジナルは弘田三枝子)。リヴァーブ、エコー、ファズ全開の21世紀エレキバンド。
 M4の「モノラルの少女」は「♪6月のキミが ニッコリ目をそらす 切り過ぎた前髪 気にして」という詩にどこかはっぴいえんど=松本隆の世界に通じる雰囲気を感じる。しかし、「キミは左耳が聞こえない女のコ (略) 大丈夫さ 右側にずつとボクがいるから」 と具体的な描写をしては、せっかく”モノラルの少女”と、タイトルをつけているのに、表現が直截的。聴く人の想像にまかせなくては。こういうちょっとした表現の雑さ、拙さは残念。(★★)

1.エンドレス・ウイークエンド
2.ワン・ツー・スリー・フォー!
3.蝉のような恋
4.モノラルの少女
5.レッツ・ゴー・ベイビー
ウクレレ弾いて
6.パナップル・ビキニ7.The kocarina mission!
8.軽い目眩
9.鳥打ち帽の男
10.ELEKID&The Little Elephant〜エレキ小僧と子象〜
11.雨で踊ろう
12.ウクレレ弾いて

小島麻由美「愛しのキッズ」(ポニーキャニオン2002.09.19リリース ¥1,260)

愛しのキッズ相変わらずフレンチポップスとジャズの香りにノスタルジックな歌謡曲をまぶしたような小島麻由美節健在。安心して聴けるがややマンネリの傾向も。(★★)

01. 愛しのキッズ
02. 恋はサイケデリック
03. あなたのかけら
04. エレクトラ(ライヴ)2002年6月16日SHIBUYA-AX
「田園に死す」(ソニーミュージックエンターテインメント)
田園に死す
 寺山修司の映画の中でもっとも完成度の高い「田園に死す」のサウンドトラック盤。ジャケットは花輪和一。差別用語問題などから再発売はムリと思われていたので、この復刻はうれしい。ご詠歌ロックともいうべきシーザーの呪術的音楽を通奏底音に、新高恵子、蘭妖子、荒井沙知など天井桟敷の歌姫たちが競演する。そして三上寛の絶叫。佐伯俊夫のイラストがダブルイメージされる怨念唄「カラス」を超える歌がその後現れただろうか。パンク、ハードコアなどと、いきがってみてもこの30年の音楽スパンで三上寛を超えたパンクロッカーはいないだろう。三上寛こそ最強のパンクシンガーだ。
 13の「人々はどこへ」は天井桟敷の芝居のラストで使われる、もの悲しい旋律。舞台が現実と溶暗し、役者たちが一人二人と闇の彼方に去っていく影絵のようなシーンが想起される。(★★★)

1、こどもぼさつ
2、謎が笛吹く影絵が踊る
3、化鳥の詩
4、地獄篇
5、母恋餓鬼
6、桜暗黒方丈記
7、惜春鳥
8、短歌(寺山修司)
9、空気女の唄
10、カラス
11、和讃
12、せきれい心中
13、人々はどこへ

小椋佳「彷徨」(ポリドール)

彷徨 ナレーション入りのアルバム「青春」「雨」の二枚から歌のみをカッティングした、いわば変則ベストアルバム。72年発売。初期の小椋佳の叙情性が際立つ。何度も聴いた曲なので、やや平板に響くのが難だが。R&B、ヒップホップが主流の今の10代にとってはこういうフラットなフォークポップは退屈としか感じられないのだろうか……。(★★)
1、しおさいの詩
2、春の雨はやさしいはずなのに
3、雨が降り時が流れて
4、木戸をあけて
5、小さな街のプラタナス
6、六月の雨
7、この汽車は
8、白い浜辺に
9、あの人がいってしまう
10、少しは私に愛を下さい
11、あいつが死んだ
12、屋根のない車
13.この空の青さは
14.さらば青春

MINMI「The Perfect Vision」(ビクターエンタテインメント)

 ミンミ大阪のダンスホールを中心に活動してきたレゲエシンガー。聴いた瞬間、その躍動感、バイブレーションにビビビッと反応してしまった。レゲエというジャンルに収まり切らないブラックテイストな歌声は「カッコいい」の一言。(★★★)

01.The Perfect Vision
02.LOVE SONG
03.south orange
04.The Perfect Vision(Wicked Mix)
DRY&HEAVY「FROM CREATIO」(beatink)
dry6heavy
 圧倒的な躍動感と力強いサウンド。レゲエ・ダブミュージックの雄であるドライ&ヘビーの4作目アルバムは掛け値なしの傑作。井上青&リクル・マイのツインボーカルのグルーブ感とパワー。ほかのバンドにマネのできないピュアなメッセージ性を放つまさに世界に通用するレゲエ・ダブバンドといえる。リクル・マイの主ボーカルの02、09などは身震いするくらいの素晴らしさ。(★★★☆)


01.reverse again
02.new creation
03.strictly baby
04.show a fine smaile
05.silent drive
06.watch your step
07.KOMBU/
08.The dog and The chicken
09.Dont make The children cry
10.riders on The storm
11.right track/12.bright shining star
麻波25feat.MIE「ミドリノホシ」(ビクター)

 maha25PASSER(MC), HUNTER(MC)、 YUICHI(DRUM)、 SHAKAN’BASS(BASS)、TOMO(GUITAR)の2MC+DBGからなる横須賀出身のヒップホップ・バンド。 MIEをフィーチャーした「ミドリノホシ」が耳に心地いいのでつい買っちゃいました。(★★)
1.ミドリノホシ
2.better days
3.琴ばうんす

小原明子「虹色タイムマシ−ン」(ポニーキャニオン)

kohara「ドライブミュージックの王道」がキャッチコピー。1977年8月7日生まれ。今回の参加メンバーは神保彰、桜井哲夫(元カシオペア)、和泉弘敬(元スクエア)、和田アキラらジャズ・フュージョン界の異才たち。ソウルフルで艶のある声がGOOD。(★★)
1.虹色タイムマシーン
2.眠れぬ森
3.ためいきの降る夜に

EGO−WRAPPN’「Night FOOD」(ユニバーサル)

 nightfood発売予定より1週間遅れての店頭リリース(07.12)
 エゴ・ラッピンはエライ。「色彩のブルース」が売れれば、普通は周囲もその二番煎じを要求するものだが、そんな売れセンなど意に介せずひたすら自分たちの音楽を追及し続ける中納良恵と森雅樹。売れることより自分の音楽。なかなかできることではない。シングルカットされるのは「くちばしにチェリー」(モニカ・ビッティの唇からナイフのもじり?)。「私立探偵 濱マイク」の主題歌。妥協せず、わが道を行くエゴに感服。(★★★)

1.BIG NOISE FROM WINNETKA〜黒アリのマーチングバンド
2.くちばしにチェリー
3.あしながのサルヴァドール
4.5月のクローバー
5.チェルシーはうわの空
6.PAPPAYA
7.老いぼれ犬のセレナーデ
8.WHOLE WORLD HAPPY
9.SORA NO LION

humbert humbert「blowin’ the wind」(MIDI creative)

humbert佐藤良成(vocal&guitar=1978年10月21日生まれ)と佐野遊穂(vocal=1976年10月28日生まれ)の2人のユニット。表題作はディランの原曲へのリスペクト。特に目新しいところはない。聴きものは2と3。「空気公団」のように70年代フォロワーズが昨今のミュージックシーンの一つの流れを形作っているようだが、このハンバート・ハンバートもその一つ。しかし、さらに遡り、まるでカレッジフォークを思わせる詞・曲調、ハーモニー。そのボーカルの圧倒的な存在感は特筆もの。「時は流れ花は散り 恋人は去ってしまった 戻らぬ日々を思い ただ涙にくれるばかり♪」(おもいで)。遊穂のメインボーカルと良成のハーモニーの絶妙さ。久しぶりに「歌」を聴いた思い。これは絶対の買い。ジャケット写真は大正の関東大震災の資料写真。CD屋さんに置いてあっても見過ごしてしまう地味さ。ちょっと損をしてるかな?(★★★)

1.blowin’ the wind
2.おもいで
3.海辺の街まで
GO!GO!7188「虎の穴」(東芝EMI)
toranoana
 ユウこと中島優美のキュートなボーカル&ギターと、アッコのベース、ターキーのドラムスーースピード感あふれるギターポップグループ7188が60〜80年代のヒット曲、それも奥村チヨから山口百恵、タイガースのカバー曲集を出すというので期待したが、正直言ってちょっとがっかり。ライブで隠し球的にやるのならウケるし、面白いのだが、カバー曲集として通して聴くと、あまりにもイージーな流れで2度目を聴く気になれない。ただ7188がカラオケやりました、という域を出ていない。もう少しアレンジを変えるとかしないと、オリジナルが体にしみついた世代には厳しい。7188ファンとして苦言を呈しておこう。(★)

1・妖怪人間ベム
2.恋の奴隷 (奥村チヨ)
3・ひと夏の経験(山口百恵)
4・キューティーハニー(前川陽子)
5・バンバンバン(ザ・スパイダース)
6・ペッパ−警部 (ピンクレディー)
7・君だけに愛を(ザ・タイガース)
8・心の旅 (チューリップ)

有里知花「WHEN YOU SMILE  SURFRIDER'S BEACH PARTY」(東芝EMI)
yurichika
 1981年5月1日生まれの現役大学生有里知花(ゆうり・ちか)のセカンドシングル。ハワイ在住のソングライ ター、ケネス・マクアカネによる「I cry」がハワイのFM局のリクエストちゃーと1位になるなど、ジャンルを超えたコンテンポラリーポップミュージックの評価は高い。1、2とも海の香りがするご機嫌なポップドライブチューン。杉真理、須藤薫など上質な80年代ポップの系譜に連なる一枚。声質も大好き。(★★★)

1.WHEN YOU SMILE
2.SURFRIDER’S BEACH PARTY

 ボーナストラックとして、ハワイNo.1 “DJ SAM THE MAN”のナビゲイトによるニューアルバム・ダイジェストも収録。CD-EXTRA仕様として動画、フォトギャラリーも。
Dee Chika「帰る道」(フォーライフ)

deechika R & B / HIP HOPのコンピレーション・アルバム『DIGGABLE 001』(2000.01.28)『DIGGABLE 002』(2000.11.01)に参加した「年間100本を越えるライブで鍛えたone and onlyなソウルディーバ」。実力は折り紙付き。ただしチカが「心の旅」のカバーをする意味はあるのかという疑問は残る。(★★★)

1.inunlontano passato (遠い昔に・・・)
2. 遠くへ
3. JUST WANNA HAVE
4. epoca(時代)
5. Sweet Song
6. 心の旅
7. MAN & WOMAN
8. private
9. JUST WANNA HAVE (Cross Roads Original)
10. 帰る道
11. citta lontana(遠い町)〜遠くへclassic version
V.A「Straight Up! SISTEREN」(シストレン)

sisteren レゲエシンガー、シスターカヤが1999年に設立したレーベル。「SISTEREN(シストレン)とは旧約聖書に出てくるSisters(シスターズ=姉妹達)の意味で、ラスタ語でもあり、レーベルロゴは”ストリートシーンでの意志ある女性の真摯な姿勢”をあらわしている」とか。HIPHOP、レゲエ、R&B等のブラックミュージックベースの音楽のボーダレス化を推進、アンダーグラウンドクラブシーンから、Keyco、JOY、Lady Q、marbleといった個性的なアーティストの作品をリリースしている。
本作は恒例のコンピシリーズ2002年盤。 いずれ劣らぬジャパニーズ・レゲエ・ディーバたちのパワフルなバイブレーションが伝わってくる。(★★★)


01.(Intro.)Straight Up! SISTREN/RANKIN PUMPKIN feat.MASAYO QUEEN (1:18)
02. Mr.Positive/AMBI (4:05)
03. Li fe is one way/カルカヤ・マコト (3:47)
04. Spring/BabyBaby (3:49)
05. Dancin' All Night/jai (3:54)
06. ブレーキがきかない/Irie Reiko (3:56)
/07. 意味/MANAMI (3:29)
08. NA・KA・TA・GA・I〜仲たがい〜/RANKIN PUMPKIN feat. BabyBaby (3:32)
09. Yes or No/RAW-REC (3:27)
10. Queen of the night/SISTER MOMO (3:24)
/11. OPEN HEART /MAYU (3:39)
12. ノウ イット オール?/Ah (3:53)
13. 遠くへ/RICO・JAY (3:31)
/14. (Outro.)Straight Up! SISTREN〜reprise〜/RANKIN PUMPKIN feat.MASAYO QUEEN (1:17)
akiko「hip pop bop」(ユニバーサル)
アキコ
 「ガール・トーク」に続くセカンドアルバム。ミニアルバム「アップストリーム』でR&Bやクラブ・テイストを取り入れたサウンドに挑戦し、ジャズだけでなく幅広い音楽性を聴かせてくれたが、今回もタイトル通り、ブルース、ファンクとさらにヒップにポップにロックに展開している。華やかでキュート!(★★★)06・26

01.intro
02.waters of march
03.manual
04.paradise city
05.lover man
06.I've got the world on a string
07.'swonderful
08.blues No.8
09.Do you know?
10.skindo―Le Le
11.midnight sun
12.smile
suitcase rhodes (スーツケースローズ)「carrefour」(ガーデンウオールレコード)

スーツケース 「計算されつくした精巧なサウンドと包み込む声のコントラスト」が惹句。Atsushi YamaneとYuko Takamiによって98年に結成。いわゆるウィスパーボーカル系であり、フレンチポップスを日本ふうにアレンジした曲はそのチャーミングなボーカルとあいまって、耳に心地よく伝わる。かなり好き。06はフランス・ギャルのカバー。(★★★)
1.carrefour
2.bristol
3.responce
4.白い花びら
5.la boulangerie
6.laisse tomber les filles

野本かりあ「ザ・ガール・フロム・レディメイド」(レディメイドレコード)
野本かりあ
 ピチカート・ファイヴの小西康陽プロデュースということで、ポスト野宮真貴を狙ったと思しきはモデル兼シンガーのかりあチャンのデビュー・ミニアルバム。ビジュアル的にはかなりいい線いってるのだが、野宮真貴のようなコケティッシュなフレンチボーカルには遠く及ばず。せいぜいそのへんのアイドルタレントの余技程度。さすがに値段も1380円と低めに設定。それでなければ買えない。(★)

01.きっと言える(荒井由実)
02.ノンノン人形(M・ポルナレフ)
03.野いちご(ピチカート・ファイヴ)
04.Se Vose Pensa(エリス。レジーナ)
05.M.O.D.E.L agent(小西康陽)
06.I LOVE YOU(ピコ)
Asa festoon「Sharing」(インターレコード)
 
asa神戸出身の歌姫。93、94年のアマチュアジャズコンテストに入賞。98年にキューバを訪問したことがきっかけで本格的な音楽活動に。ジャズ、ボサノバを取り入れたオリジナル曲のアルバム「Felicidad!」とカバー集をおさめた本作を同時発売。05など、原形をほとんどとどめないほど大胆にアレンジされるなど実にオリジナリティーあふれるカバー集になっている。惜しむらくはもう一ひねりした選曲が欲しかった。エゴ・ラッピンとも交流があるとかで、ジャケットカバーも似ている。
(★★)06・26
01.明日の風(山崎まさよし)
02.らいおんハート(SMAP)
03.口笛(ミスター・チルドレン)
04.卒業写真(荒井由実)
05.TSUNAMI(サザン・オールスターズ)
06.少年時代(井上陽水)
07.Boy Friend(杉真理)
08.Everything(misia)
09.Love2000(hitomi)
アナーキー NAN DA COBRA「東京」
 
アナーキー「東京イズ・バーニング」「TOKIO RIOT」を収録。前者は80年頃の作品。「ただ飯食って のうのうと 何が日本の●●だ 何にもしねーでふざんな ただその家に生まれただけで 何が日本の●●だ」
 天皇制をからかった歌詞。よくこんな歌を作ったものだ。バンド名通りのアナーキーな仲野茂、当時18歳。国鉄職員のナッパ服を着てモヒカン刈りのパンク野郎も今や42歳。ストレートなロックではなく、打ちこみのデジタルサウンドに変化したが、この「東京イズバーニング」の過激さは20年たっても変わらない。時代が保守化しただけに、その激越さが際立つ。もしかしたらロックが反体制を象徴した最後の名残かもしれない。オリジナルではピー音がかぶさった歌詞もインディーズではもちろんノーカット。(★★★)
Mansfield「Mansfield popp」(レディメイド・インターナショナル)

マンスフィールドDJとしても活躍する池田正典のソロユニット「Mansfield(マンスフィールド)」の初アルバム。初めてCDショップで聴いたときには「Bootties」が流れていて、「おや、この声は……」とビビビッと感応してしまった。コーザ・ノストラの鈴木桃子のボーカルだ。心地よく耳に響くサウンド。この時はMansfieldも池田正典も知らなかったのだが、元ピチカート・ファイヴ、小西康陽のレーベル、レディメイドレコードからの発売。なるほど、ピチカートとオシャレな雰囲気が似ている。やっぱりピチカート系が好きみたいだな、私。それにしても「コーザ・ノストラ」の新譜が絶えて久しいが、どうしているのやら。
参加アーティスト=鈴木桃子(コーザ・ノストラ)、カジヒデキ、土岐麻子(シンバルズ)、横山剣(クレイジー・ケン・バンド)、奥山みなこ(レゲエ・ディスコ・ロッカー)、chuck LAMONE、dugee DIMENSIONAL
(★★★)
1.ルパン一世
2.TAKE ON ME
3.Booties
4.if I want it
5.Rally
6.Birds of Paradise
7.II ne faut pas vivre seul
8.Motor city popp
9.love so fine
10.Short trip to rio
11.Sambaavanca
12.love you more
13.la La La La

からまつ楽団「裏町の月明かり」(BUMBLE BEE RECORDS)

 からまつ楽団おしゃれでハッピーでご機嫌なアコースティック歌謡ブルース。ギターのジミー矢島は八ヶ岳住まいとか。70年代の中央線の雰囲気も感じさせるアトホームで確かな演奏。ボーカルのわたりべふみの声もキュート。「メソメソするのはちょっぴりおあずけ そんな日は やさしくダンスはいかが 手をとり ほほ寄せステップ踏んで…」(裏町の月明かり)。心がほんわかやさしくなるアルバム。(★★★★)
[personel]
ジミー矢島(ボーカル、アコースティック・ドブロ・スチールギター)
わたりべふみ(ボーカル)牧裕(アコースティックベース)
* ゲストミュージシャン=吾妻光良(ピアノ)ほか。

1.おでかけの唄
2.飲んだらダメだね
3.ワイングラスと
4.ねえ働いて
5.そば打ちブギ
6.家探し
7.ボートソング
8.メロン
9.ウルフマン
10.ラストシーン
11.貧乏くじ
12.夕日の向こうに
13.裏町の月明かり

「大西ユカリと新世界 ユカリの昭和はあしたもつづく」(2002.3.21 リマスタリング盤)

 大西ユカリと新世界デビュー盤をリマスタリング、ボーナストラック(13.14)を加えた再発盤。エレキサウンドと骨太の昭和歌謡。その遊び心はクレイジー・ケンバンドと双璧。バンドイメージはボーカル・大西ユカリのボーカルの魅力に負うところ大。声質は朱里エイコ+和田アキコ? 
 ドラマ「キイ・ハンター」のテーマ曲をさりげなく織り込んだ02、「プレイガール」のテーマをアレンジした06など細かな遊びが憎い。なんといっても朱里エイコの大ヒット曲12が聴きもの。(★★★)

01.雨の日のあやまち
02.キィハントー
03.恋はバツグン
04.新世界のテーマ
05.新ミッチー音頭
06.ザ・キングストーンバッドガール
07.恋の味
08.滾り(たぎり)
09.恋のゴーカート
10.ナンキバウンド
ユカリの夏休み
11.Z最終便
12.北国行きで
13.続・新ミッチー音頭
14.旧・雨の日のあやまち

「暗い日曜日〜トリビュート」(レントラックジャパン)
 
暗い日曜日ダミアのオリジナルバージョンを含む全10曲を収録。1930年代、ファシズムの嵐が吹き荒れる時代。この曲を聴いて多くの人が自殺したという。閉塞した今の日本の時代状況に「死の旋律」がピッタリ合うのだろうか。大西ユカリのダイナミズム、テルミンの繊細な音、NUUの端正な歌唱、新井英一のシャウト、そして夏木マリの鬼気迫る朗読(詩は嶽本野ばら)。これはやはり死の匂いに満ちた名曲だ。浅川マキの「暗い日曜日」が入れば完璧だ。(★★★)
1.大西ユカリと新世界
2.Rom−chiaki(テルミン)
3.Cave Gaze Wagon
4.サブ&まみ
5.NUU
6.新井英一
7.冴木杏奈
8.薩めぐみ
9.夏木マリ
10.ダミア

miss Monday feat.玲葉奈「まもなく、晴れ」(エピックレコード)
 
 まもなく晴れミス・マンデーとR&Bシンガー玲葉奈のコラボレーションによる極上ポップ。タイトル通り、まぶしい日差しが降り注ぐ午後の都会をイメージした軽快なラブソング。(★★)
1.まもなく、晴れ
2.まもなく、晴れafter the rain remix
3.まもなく、晴れSly&robbie soon be fine remix
4.まもなく、晴れsoopa sta!reemix
5.まもなく、晴れMondy original

テレジア「ゴスペルクイーン」@テクノデザイン
ゴスペルクーン全編、クラシックの定番をモチーフにしたアルバム。「カノン」で新たな鉱脈を見つけたテレジア。そののびやかな声、圧倒的な歌唱力はまさにゴスペルクイーン。(★★)

 テレジアのクラシックゴスペルアルバム。
01.Calling You(G線上のアリア)
02.Ever Green(眠りの森の美女〜ばらのアダージョ〜 )チャイコフフスキー/03.ありがとう(クリスマス・オラトリオ=JSバッハ)
04.花よ鳥よ命の歌響け(”四季”より春=ヴィヴァルディ)
05.’Cause I Love You Forever(わが母の教え給いし歌=ドヴォルザーク)
06.Flower〜乙女の祈り〜=T/バダジェフスカ)
07.The Continuation(アラベスク=ドビュッシー)
08.I Wish…(白鳥=サン・サーンス)
09.MERMAID(ペールギュントの朝=E・グリーグ)
10.Every Day,Every Night(即興曲Op.90−3 シューベルト)
Pushim「Pak’s Groove」@ki/oon Records

 プシンパクス大阪出身のレゲエシンガー、プシンによるR&Bミニアルバム。70年代の骨太ブルース・ロックシンガー、大上瑠璃子を思わせるソウルフルでスケールの大きいボーカルと極上のサウンド。05はプラターズでおなじみのナンバー。プシンの歌がCMで使われているという。掛け値なしの傑作。(★★★)

 01.The Race of love
02.Pleasures
03.Sagittarius
04.Wherever You Are
05.Only You
Miss Monday「Free ya」@Epic Records
ミスマンデー
 横浜発のナンバーワン女性ラッパーの初アルバム。レゲエ・ダンスホール、ヒップ・ホップ、R&B、CLUB JAZZなど多彩なジャンルを横断したサウンドはまさにカッコイイの一言。ただ、インディーズ時代の09は陽水のカバーで、聞きなれた曲だけに、ラップにするといまひとつあか抜けない印象が。そのほかは抜群のデキ。(★★★)

01.365
02.MONDAY FREAK
03.Free ya
04.JIKANRYOKOU
05.Original
06.イキルチカラ
07.誤解
08.InThe rain
09.夢の中へ
10.真夏のシナリオ
11.ABCD
12.真夜中の太陽
13.ミュージックガンボ
14.Lady meets girl

吾妻光良&スウィンギン・バッパーズ「SQUEEZIN’&BLOWIN’」@ビクター
吾妻光良
 現代版あきれたボーイズ? 実力に裏打ちされた冗談音楽(?)&ブルースの数々。聴くほどに、酔うほどに楽しくなるオトナのセッションナンバー。01の「やっぱり肉を喰おう」は時節柄ちょっとドッキリするが、90年代からライブで歌っている曲。どの曲もオトナの遊び心に満ちた歌詞が笑える。「女房が里帰りしたら/終電なんか気にしないで/恥ずかしいビデオも5本借りて/昔の彼女に電話/だんなが出たらすぐ切ろう/でもあの素晴らしい愛をもう一度なんてことはまずないね/嬉しいな淋しいな恐ろしいな」(嫁の里帰り)。(★★★)

01.やっぱり肉を喰おう
02.バッチグー
03.嫁の里帰り
04.中華
05.おもて寒いよね(with服部恭子)
06.コネが無きゃ
07.俺のカツ丼
08.ワイノニーを聴きながら
09.道徳HOP
10.知らぬまに心さわぐ
11.刈り上げママ
12.飲むのはやめとこう
13.小学校のあの頃
ウィリー・ネルソン「The Great Divide ザ・グレート・ディバイド」@Lost Highway
ウイリー・ネルソン
 カントリー界の大御所、68歳のウィリー・ネルソンの新譜は渋いネルソン節がしみじみと胸に迫るアダルト・コンテンポラリー・ロック。シェリル・クロウ、ボニー・レイット、キッド・ロック、リー・アン・ウーマックなど豪華ゲスト陣とのデュエットも聴きどころ。リー・アン・ウーマックとの02、ロブ・トーマスの提供曲04、タイトル曲06、ボニー・レイットとの12などが特にいい。(★★★)

01.Maria
02.Mendocing Country Life(withリー・アン・ウーマック)
03.last Standin Open Country(with キッド・ロック)
04.Won’t catch Me Cryin’
05.Be there for you(withシェリル・クロウ)
06.The great divide/07.Just dropped in
08.This face
09.Don't fade away(withブライアン・マックナイト)
10.Time after Time
11.Recollection phoenix
12.You remain(withボニー・レイット)
吾妻光良&ザ・スウィンギング・バッパーズ「STOMPN’&BOUNCIN’」@ビクター
吾妻光良
 小粋でユーモアたっぷりのジャイブ・ブルースの雄、吾妻光良のセカンドアルバムのCD化。アナログ盤の雰囲気を出すためにレコード針を落す音、シャリシャリという音が再現されている。
 実は吾妻光良の名前は知らなかった。たまたまディスク・ユニオンで流れていた「やっぱり肉を喰おう」という曲に思わず体が反応してしまったのだった。しゃがれたボーカル、コミカルな歌詞、堂々たるブルースバンドの組み合わせ。こりゃいったい何だと久々の興奮。CD棚を見たらCDが2枚。「やっぱりーー」が10年ぶりの最新アルバム。バンドを知るには初期のアルバムを、というわけで91年発売のこの盤を購入。
 聴いてびっくり、このシャレたセンス、実力。なぜ今まで知らなかったのか。吾妻光良はロイ・ゲインズとも共演アルバムも出している実力派ギタリスト。
 イカシたこの歌! はまりそう。(★★★)

1.齢には勝てないぜ
2.NOBODY KNOWS YOU ARE DOWN AND OUT
3.誰がマンボに”ウッ!!をつけた”
4.秋葉原
5.俺の家は会社
6.A COTTAGE FOR SALE〜物件に出物なし
7.人間だって動物だい
8.BLOODSHOT EYE
9.夜まで眠りたい
10.ほんじゃね


mioMIO「あなたに会いたい」@ソニーミュージックエンターテインメント

 MIO久しぶりの新譜シングル。「あなたに会えない夜の長さもてあまして」と歌うラブソング。愛のせつなさを独特のボーカルで高らかに謳いあげる。カップリングは「瑠璃色の地球」。松本隆の詞で松田聖子のヒット曲をカバー。これがMIOの声質と実にマッチしている。本家より情感がこまやかで、聴きごたえあり。(★★★)
smooth aceSmooth Ace「For TwoーPiece」@東芝EMI

 メンバーは平慎也、李眞姫、重住ひろこ、岡村玄。重住、岡村は早大の音楽サークル出身で、前身となるバンドにはゴスペラーズの村上てつやもいた。表題は恋人、友達、親子、兄弟etc思い合う人がいるすべての人への意味。プロデュースに高橋幸宏、細野晴臣、清水靖晃を迎えての美メロコーラスは”70年代ニューミュージック”の趣。(★★)

 02、13、14のアレンジが高橋幸宏、04は細野晴臣、08が渡辺香津美、11が清水靖晃。

1.イントロダクション
2.無敵
3.手のひら
4.星空と帰り道
5.Honesty
6.お願いをひとつ
7.Soldier
8.What You Want
9.太陽
10.愛しさに
11.Waltz for love
12.Drivin’
13.BYE
14.to believe
15.いつも

ボニーピンクDJ HASEBE「GET OUT! feat ボニー・ピンク&VERBAL」@ワーナーミュージック

 ボーカルにボニー・ピンク、ラッパーにVERBAL(m−flo)を配した表題作と、ボーカル=ボニー・ピンク、コーラスDJ(MC)=Ryo the Skywalker」の「Red Hot Shoes」の2曲を収録。VERY GOOD!(★★)
ルルティア「ロスト バタフライ」@東芝EMI

 ウイスパー系ボーカルだが結構ボーカルに説得力がある。詞の内容も文学的だが…。ミステリアスなイメージ戦略? (★)

01.ロスト バタフライ
02.僕らの箱庭
03.エレメンツ(Load Star Melody)

唐沢美帆「エンドレス・ハーモニー」@ポニー・キャニオン

 これまで同様、R&Bを基調にしたメローポップスだが、ちょっと歌謡曲っぽい軽さがあり、って、いまひとつローテーションには耐えられないかも。思わずジャケット買い。(★)

01.Endless Harmony
02.Endless Harmony(Inst)
03.Last Smile
04.Way to Love−KAGAMI remix

MIKIKO「214〜Believe in tonight〜」@Ki/oon ソニー・ミュージック・エンターテインメント

 「♪震える声を寒さのせいにしても この想い 本当に伝わるのかな…」
ひたむきな恋のせつなさをうたいあげた快作。衒(てら)いのないストレートなボーカルが心地よく胸に響く。声の表情が多彩。ストレートなボーカル、シンプルなメロディーライン、ごてごてと着飾ったボーカルに食傷気味のときにはこんなボーカルが心を癒してくれる。「214」はバレンタインの奇跡を歌ったせつない片思いのラブソング(★★)


01.214〜Believe in tonight〜
02.ひかり


THE SCANTY「HOME GIRL」@東芝EMI

 「YOPPY率いる女の子による、女の子のためのギャルバンド」が惹句。メンバーは、ボーカル=YOPPY。ギター=FUTAMI、ベース=AKANE、ドラムス=TOーBU。こういうB級っぽいガールズバンドになぜか惹かれてしまうんだなあ。YOPPYの歯切れのいい胸キュンボーカルGOOD!(★)

01.Home Girl
02.Waist
03.Home Girl(Inst)

SPIRAL EXPERIENCE「so much to learn, so little we know」@フェイクレコーディングス
中納良恵

 リトル・クリーチャーズの栗原務を発起人にしたアフガニスタン難民救援のチャリティー作品。参加アーティストは以下の通り。

中納良恵(EGO-WRAPPIN')、畠山美由紀、青柳拓次(LITTLE CREATURES)、鈴木正人(LITTLE CREATURES)、坂本勝彦(NOISE ON TRASH)、二羽高次(BREATH MARK)、栗原務(LITTLE CREATURES)

 「毎日、神に向かって祈る。あなたがどこにいるのかわからないまま」という今のアフガンを念頭にした詞が胸に突き刺さる。(★★)