5月31日(木)雨のち晴れ

 
午後、急にバタバタと忙しくなり、面会予定のKさんの時間をずらしてもらう。京橋の小さな出版社に行き、1冊の本を購入。在庫がないというので無理を言って現物をもらう。不思議そうな顔。
 S氏に電話し続けるも夕方までずっと話中。
 帰宅して夕食。疲労感。


 HPを更新しようとしたら、急にカウンターが動かなくなってしまう。そのうち転送もできなくなり、更新不能。やっぱりパソコンはきまぐれ。手の施しようがない。深夜までドタバタ。
5月31日(水)晴れ一時雨

 
平日の暴走のツケで休日はグッタリというパターン。寝たのが午前3時なので、午前中は不調。朝6時半、S氏からFAX。折り返し、FAXし、電話を。
 午後、大学時代の友人から電話。「今月で会社を辞めることになった」と。まだ次の就職先は決まっていないという。この就職難の時代に…ウーン。
 夕方、昨日に順延なった小学校運動会のお疲れさん会を近くのファミリーレストランで。帰宅すると携帯に留守電。A氏から。事態は深刻な状況に進んでいる。手をこまねくしかないのだが。
5月29日(火)晴れのち雨

 
PM7、新宿・サザンシアターで万有引力「観客席」を観る。天井桟敷が78年に初演した作品。27年前に紀伊国屋ホール版を観ている。寺山修司が仕掛けた巧妙な挑発劇。観客はいつしか芝居の中に取り込まれ、逆に俳優は現実の中に解放されていく。
 ホールが完全暗転になり、シーザーの音楽が流れた瞬間、体が震えるのを抑えることが出来なかった。涙さえ出そうになった。今の劇場で完全暗転は消防法上不可能なのだが、完全暗転を使った演出が「天井桟敷」の醍醐味。それが実現したのだ。終演後、蘭妖子さんが「喜多郎だ坂本龍一だっていうけど、シーザーの音楽に比べたら…」と言っていたが、まさにその言葉通り。日本にはJ・A・シーザーという天才的な音楽家・演出家がいるのだ。

 細かな感想は省くが、驚いたのは、客席にいた寺島しのぶを舞台に上げたこと。舘形比呂一と一緒にダンスを踊る人を舞台上から募集したのだが、根本豊が招待客名簿から、寺島しのぶを指名したのだ。一瞬、お客さんもどよめく。なんで私を?と笑いながら抵抗していた”素”の寺島しのぶ。スッピンにジーパン姿。覚悟を決めて舘形と向き合うと、流れた曲が森田童子の「春爛漫」。シーザーの編曲だ。いやはや、驚いたのなんのって。
 しかも、その後、またまたびっくりの展開。俳優の挑発に乗り、客席から一人の和服姿の女性が手を挙げ、舞台上の大きな木箱(最小の観客席という意味)に入ってもいいと志願する。よく見ると秋吉久美子。えーっ、なんで彼女が…。結局、彼女はその木箱に入って、終幕まで閉じ込められたままだったのだが…。思わぬハプニングの連続。しかも、ヤラセではない、ホントのハプニング。

 終演後、白木屋でシーザー、蘭さん、この芝居を観るために青森から出てきた元天井桟敷の女優・麻屋さんらと乾杯。カーテンコールを入れようかどうしようかと悩むシーザー。12時。今日もタクシー帰りするわけにはいかない。慌てて駅に走る。間一髪でセーフ。最終電車に乗り継ぐ。帰宅は1・10。
5月28日(月)晴れ
 
人間ドックの受診日。朝会社で一仕事終え、病院へ。午前中で検査は終了。午後、検査発表。「異常なし。どこも悪いところありません」とのこと。このところ不摂生したので、何か出るかと思ったが、まずは一安心。
 退社後、新宿に行ってジーパンを買う。27年前からジーンズを買うのは紀伊国屋前の「I」と決まっている。理髪店といっしょで、こればかりは変えられない。消費税込みで1万290円。ジーパンも結構高い。ま、ピンキリだろうけど。新装なったヴァージンレコードで五島良子のカバーアルバムを買う。

 家に帰るとS氏からFAX。新聞の原稿の件。
 大学の同級生Oさんから新しい弁護士事務所開きのお知らせ。明日、手みやげでも持ってお祝いに行こう。「弁護士といっても、マジメな人は持ち出しが多くて、全然儲からないのよ。企業に取り入れば別だけど」。新劇女優から弁護士に転身した彼女もやはりマジメな人権派。何かあったらぜひ相談を。
5月27日(日)雨

 
 雨で小学校の運動会は中止。振り替えが平日。応援団が少なくなるので、ちょっとかわいそう。
 しかし、疲労困憊のわが身には干天の慈雨。ソファーに横たわり「幻の光」を見ているうちに深い眠りの中に。
 午後、目をさましネットサーフィン。明日は人間ドック。今日は記録的早寝になりそう。
5月26日(土)晴れ

 
PM3、下北沢でラックシステム「お祝い」。女性の生理用品開発に命をかけた男たちの物語。わかぎゑふの脚本、演出さえる。岸田賞の最終選考まで残ったというのもうなずける。青年座あたりがやってもおかしくない舞台だ。
 PM6から新宿でオフ会。参加者6人。初めて会う人ばかりなのに、いきなりの盛り上がり大会。バーチャルな関係がそのまま現実とリンクする奇妙な感覚。携帯で北海道、福岡、山形を中継。スゴイ時代になったと思うのは私だけ? 初めて話す人なのに「懐かしさ」さえおぼえる。会社などで毎日顔を合わせていても、ほとんど会話らしきものがない人間関係より、顔さえ知らない人たちとの方が密な関係を築ける場合がある。コミュニケーションって何だろう。
 あっという間に2時間のオフ会は終了。なんとなく別れがたく、全員で二次会のカラオケボックスに突入。結局、歌ったのは4曲(?)だけ。あとはチャット部屋状態。ここでも携帯が大活躍。再会を約束して10時前に解散。

 大塚で途中下車。高取さんに電話すると「花の木」にいます、というので劇団終演後の飲み会に滑り込み。宮台真司、藤井良樹、森永理科、川上史津子ら。0時お開き。電車が遅れたために終電直通に間に合わず、途中からタクシー。帰宅1・30。掲示板に目を通すと、すでに今夜のオフ会の写真がアップされている。やっぱり、すごい時代…。
5月25日(金)曇り時々雨

 
そろそろ疲労がたまる頃。しかし、予定は予定。変えられない。PM6・30。紀伊国屋ホールで文学座「思い出のブライトン・ビーチ」。第二次大戦直前のアメリカの片田舎を舞台にした家族劇。劇評家のM氏と休憩時間に立話。演出の坂口芳貞の手腕さえて、爆笑に次ぐ爆笑。文学座のニール・サイモン劇でこんなに笑ったのは初めて。役者のアンサンブルもよく、思わぬ収穫。PM8・50終演。脱兎のごとく駆け出して駅に向かう。おかげで、家に着いたのが10時ジャスト。早い。今朝、手紙をいただいたのでその件でS氏に電話。0時まで2時間の長話。寺山修司の没後20周年記念企画の話が出る。それが実現すれば……。なんだかワクワクしてくる。
5月24日(木)雨

 
PM7・30、大塚・萬スタジオで月蝕歌劇団「怪盗ルパン」。ルパン、少年探偵団を狂言回しに、日中戦争を俯瞰し、義経=ジンギスカン説から、満州国・甘粕正彦、川島芳子の野望、挫折までを描く反皇国史観劇。ルパンと大杉栄を交差させたところなど、うまい。新人の中村美穂がこなれた芝居。要注目。
 
  開演前に少年探偵団・森永理科チャン、Vシネで活躍中の麻田真夕チャンをパチリ。
 今日は怪人・康芳夫、画家の林静一、そして役者の大久保鷹など濃いメンバーがお客さん。しかし、終演後の飲み会はパスして早々に引き上げる。なんせ、今週末まで3連チャン。きょう飲んでいたら土曜日まで体がもたない。10時半帰宅。さて、寝よう。
5月23日(水)雨

 
そういえば、高校生の頃、ジーンズの前ボタンが何個も並んだボタンアップジーンズが流行ったなあ……。突然、何十年も前の「懐かしい感情」がよみがえることがある。住宅街の路地、アパートの窓からもれてくる懐かしい音楽を聴いたとき、旅先で故郷と同じ風景を見たとき…。
 今日、雨の音をBGMに、昔のラジオドラマを聴いていたら、ふいに「高校生だった自分の感情」が胸に込み上げてきて涙ぐんでしまいそうになった。

 初めてボタンアップジーンズを買ったときの自分とそのときの光景が目の前に浮かぶ。まるで、タイムスリップしたように、その場所に自分が立っている。そのとき、自分が何を考え、何を見ていたかが手にとるようにわかる。大人になるにつれ、子供の時の自分はどこかに置き去りにする。その置き去りにされた時代時代の自分が時々、ひょっこり顔を出す。幽体離脱? 不思議な感情。ウーン、疲れているんだなあ…。今日こそ早く寝よう。
5月22日(曇り時々雨)

 
PM7、下北沢・本多劇場で星屑の会「クレイジーホスト リターン」。Dさん、Mさんを誘って観に行く。江森さん、鎌滝くんと会う。江森さん「オークスとったよ」とニッコリ。石井久美子さんに挨拶。手堅いホン、演出で2時間飽きさせず。少し空席がある。こんな贅沢な芝居のチケットがまだ残っているなんて…。終演後、出口で例によって石井社長が見送り。
 近くの居酒屋でDさん、Mさんと飲み会。久しぶりの顔合わせ。話がはずみ、大盛り上がり大会。終電逃してハシゴ酒。しかし、連日の睡眠不足でさすがに体力がもたない。AM4、タクシーで帰宅。
5月21日(月)晴れ

 
朝、Tシャツ1枚でも電車の冷房が気にならなくなった。ということは、もう夏? 家に帰ると冷房が入っている。いくらなんでも、と思うが、風呂上りにくつろいでいると、なかなか汗がひかない。やっぱり夏か…。
 PM6帰宅。しかし、時間の過ぎるのは早い。あっという間に時計は10時を回り、就寝時間に突入。ま、こんな日もいいか。
5月20日(日)晴れ

 
9時起床。一夜明ければ疲労も回復、元気になる。しかし、日曜はだいたい家でごろごろしていることが多く、今日もそんな一日。この前、10年以上も前の大瀧詠一と山下達郎のラジオトーク番組を聴いていたら、大瀧詠一が「1週間に1回の生放送なのに、レコード選曲したり、番組内容を考えているうちにあっという間に1週間が過ぎてしまう。まるで、番組のために1週間があるみたい」と話していたが、HPも同じだ。2月に開設してから、まるでHP更新を中心に時間が回っているような日々。佐々木昭一郎氏から聞いた話を少しずつアップしているが、更新がなかなか追いつかない。佐々木氏を師と仰ぐ是枝監督の映画「幻の光」を借りてくるが結局見る時間なし。
5月19日(土)晴れ
 
 
仕事を終えた後、新宿で土井さんと会う。PM6、会社に戻り、一仕事。立っていても目をつぶるとそのまま眠ってしまいそうな、極端な疲労と睡眠不足。寺山さんの「血は立ったまま眠っている」を「父は立ったまま眠っている」と誤植したオマヌケな雑誌があったが、まるで今の私はその誤植そのもの。今日は早く寝よう。
5月18日(金)晴れ

 
週末になると蓄積疲労が出てきて、劇場に行くのもうっとうしくなる。が、今日はダブルヘッダー。中野ポケットでOMSプロデュース「その鉄塔に男たちはいるという」。演劇評論家の江森さんと会う。この芝居、結構気に入ってるようだ。コクーンに行くからと新宿で別れる。
 PM7・30。シアター・トップスで南河内万歳一座「正義の味方」。松田政男さんが来ていた。「重信房子の公判に出たり、このところ忙しいから、芝居もなかなか見られないね」。
 終演後、土井さんと会う。帰宅は11時半。そんなわけで、まったく時間なし。せっかくのラジオドラマ、細切れで聴いているので、消化不良。まとまった時間がほしい。
5月17日(木)晴れ

 
夕方、子どもを連れて温水プールに。近くのプールが休みなので、タクシーで往復3000円。高いプール代になってしまった。帰りは9時。田んぼでカエルがやかましいくらいの大合唱。ふと、子供の頃を思い出す。家の近くに田んぼが広がっていて、夏ともなるとカエルの声が蚊帳を通して、一晩中聞こえていた。でも、不思議と騒音とは感じない。自然の音はどんなに大きくても、人間、不快に感じないんだな。

 S氏の好意で昔の名作ドラマを聴く事ができる。胸がわくわく。待ちきれない。もう、今日は店じまい。
5月16日(水)雨

 
仕事休み。部屋の片付けで一日が終わる。BGMは20年数年前の大瀧詠一、山下達郎のラジオ番組。2人とも若い。「夏はプロ野球のナイター中継で音楽番組がつぶれるのでつまらない」と山下達郎。野球にまったく興味がないとか。
 
 まるでタイムスリップしてるようなもの。

 カセットテープを整理していたら、リストに入れていないラジオドラマが何点かあったので追加する。
5月15日(火)快晴

 
昨日あたりから急にアクセス数が増えた。「夢の島少女」を見た若い人が、ヤフーなどで「佐々木昭一郎」を検索して、たどってきてくれたようだ。サイト自体はどこにも登録していないが、単語検索で引っかかるようだ。テレビとインターネットの相乗効果か。

 午後、浅川マキさんから電話。年末の新宿ピット・インでのライブ以来。「全国放浪の旅を終えて、また東京に帰ってきました。やっぱり住み慣れたM区がいいわね」と。三沢の寺山記念館ライブに出ることをとても喜んでいた。1時間半、会話途切れず。

 夜、阿佐ヶ谷。夕食を食べていなかったので「げんこつラーメン」に入る。20年以上前、よく入った店だが、今は店の名前は同じでも麺も味もまったく別物。メニューに「豪快らーめん」などとあるが、これは塩味。「野武士らーめん」というメニューもない。ぴーたんのタマゴも置いてない。あの元祖「げんこつラーメン」はどこに行ったら食べられるのか。

 PM9・30。本屋で生まれて初めて「メンズクラブ」を買う。今月号にテリー伊藤と浅川マキの対談が載っているので後学のため。「椎名林檎は21世紀の浅川マキだ」とテリー。佐々木昭一郎さんの作品が永遠不滅なのと同じように、マキの歌もまた時代を超えて不滅だ。若い世代にこそ聴いてほしい。年末ライブの観客も10代の女のコたちが増えていた。マキの時代はこれから。
 
 ザムザ阿佐ヶ谷の近くで2匹の猫発見。

 PM10、高取さん、一ノ瀬めぐみ(月蝕歌劇団)と阿佐ヶ谷でお茶。この頃は高取さんに会うと、つい「遊戯の人」に関するグチになってしまう。唯一、高取さんだけが書評で「遊戯の人」をこてんぱんに批判した。そのために杉山氏から「あんたは寺山の忠犬ハチ公か」とファクスを送りつけられたという。

 「人間、早く死ぬもんじゃないね。後で何を書かれるかわかったもんじゃない」と彼。「ほとんどの人があの本をきちんと読んでいないんじゃないか。ちゃんと読んでいたなら、寺山さんに代わって猛抗議するはずだ」というのが2人の共通の思い。銀河系のO野さん、そしてK條さん本人もあの本には怒り心頭という話を聞いて、少し溜飲が下がる。

 午前0時帰宅。風呂、更新で、もう1時半!
5月14日(月)晴れ

 
昨日撮った「夢の島少女」。本編は何度も見ているが、中尾さんが何を話すか、家に帰るまで待ちきれず、会社にビデオを持っていって見る。「中尾さんとの日々は私の宝石です」という佐々木さんのメッセージに言葉をつまらせ、涙をこらえる中尾さん。一筋涙が頬をつたう。苦楽をともにした”戦友”でしか知りえない積年の感情がこみ上げてきたのだろう。画面を見ながら思わず涙してしまう。
 5時帰宅。森田童子の半券をスキャンしてアップする。芝居の半券も何百枚もあるのだ。いつか整理して公開しなければ。
5月13日(日)晴れ

 
10・30起床。まだ疲れがとれないのか、食事の後、またゴロリと横になったら、そのまま夢の中。午後、子どもとサッカー遊び。

 夜、久しぶりに浅川マキの「グッド・バイ」「暗い眼をした女優」を聴く。唯一にして無二。マキの歌はマキでしか歌えない。寺山修司のもとには、なんと唯一無二の人たちがそろったことか。
 昨夜、杉山正樹氏の「遊戯の人」が新田次郎賞とともに演劇賞を受賞したということを聞いたために、不快感が何度となく肺腑をかけめぐる。死後18年目にして寺山修司を文学の牢獄に閉じ込めようとするユダたちがバッコし始めた。寺山修司を2度殺す輩が。

 明け方、高校の寮の夢を見ていた。久しぶりに訪ねて行くと灯りが点り、人のいる気配。今夜は泊めてもらおうと思い、近づくと違う建物になっている。ああ、そうだ、もうあの寮はここにはなかったんだ、と夢の中で急に悲しくなる。この前の同窓会幹事会で先輩と寮時代の話をしたのが残っていたのだろう。

 頭の中で「水 平 線 の向うには あああ」というつぶやきのような声がこだまする。何だっけ、これ。「海のトリトン」のテーマ? 何かのドラマの1シーンで使われていたような…。記憶があいまい。

 「夢の島少女」ちゃんと録画できただろうか。中尾幸世さんは何を話しただろうか。今日は早目に帰ってビデオを見なくちゃ。
5月12日(土)晴れ

 さすがに3日連続の「午前様」はきつい。午後、仮眠室で横になる。2時間ほどウトウトする。

 PM7、新宿・花園神社境内特設テントで唐組「闇の左手」。開場を待っている時、演劇評論家の鴻英良さんと久しぶりに会う。「会わないはずなんです。今、アフリカや欧州を行ったり来たりだから。月曜日に帰ってきたばかり。もう、疲れちゃったよ。6月から8月にかけてまた向うと往復が続くんです」という。二人で前から4列目あたりに陣取る。例によって、すし詰め状態。後で聞いたら350人入ったとか。

 終演後、テントで酒盛り。石橋蓮司、緑魔子、大久保鷹らの姿も。なにかと話題の不肖の次男をもつ高橋さんの姿も。人がよさそうな笑い顔。劇団員のつぐお酒を飲む姿は心なしかさびしそう。

 鴻さん、演劇評論家の七字英輔さん、朝日の今村さん、明大の助教授・野田学さんらと席を囲む。大久保鷹は唐さんの要請で「床屋の歌」を歌う。「二度と唐とは組まない」と言ってたのに、いつの間に和解したのか。
 客演してる新宿梁山泊の近藤結宥花と話をする。「男物のブリーフをはいて、回り灯篭の下で歌う女、っていう役、あてがきなんです。唐さん、私のことどう見てるのかな」と笑う。
 11時。テントは解散。駅に向かう途中で、七字さんに「遊戯の人」の話題をふったら、「寺山評の決定版でしょう」との答え。「えーっ? ウソでしょう」と、今村、鴻さんらとひとしきり「遊戯の人」論争。といっても鴻さんは読んでないとか。「まだ飲み足りない」という4人と別れて家路につく。今日もタクシーになったら大変だ。
 0・30帰宅。この3日間、ほとんど家族と会っていない…。
5月11日(金)晴れ時々雨

 
仕事が終わった後、PM3・30、新橋・TCCで映画「核のない21世紀を ヒロシマからのメッセージ」試写会。監督は「日独裁判官物語」の片桐直樹。語りは吉永小百合。
 核兵器の誕生、ヒロシマでの使用、平和利用を名目に地球上に増殖する核物質の恐怖を貴重な記録フィルムを元に、たどっていく。我々はいかに無知であることか。体内被曝で今も苦しみ続ける人々、核開発の実験場で被爆した人々。原発内で被爆した人々。それらの惨状がスクリーンを通して突き刺さってくる。戦後、2000回以上も行われた核実験。それらが地域に被害をもらたらさないはずはない。戦争映画では多くの戦死者は腹や胸に被弾するが、ホンモノの戦争では顔や頭を吹き飛ばすこともあるだろう。それらは「絵」になることはない。みんなカッコよく死んでいく。しかし、そんなのはウソっぱち。戦争は醜い死をもたらす。
 核=原子力もそうだ。放射能の犠牲になった人々の姿は直視するにはしのびないほど衝撃的だ。しかし、事実は直視しなければならない。
 救いは若い世代の動き。「世界の子ども平和像」の建設に取り組む中高校生の姿が活写される。この5月、子どもたちは「平和像」を第五福竜丸記念館敷地内に設置することを希望したが、都はこれを拒否したという。カジノ建設には積極的でも、1体の平和像すら設置できない東京都。その正体は歴然としている。憤怒の涙で試写室を後にする。

 PM6、市ケ谷で高校同窓会の幹事会。ネット仲間のMIMIさん、バウさん、松っちゃんが初めて参加。平均年齢がぐっと下がる。会議終了後、駅前の居酒屋で二次会。いつもなら、そそくさと帰り道につくオジサンたちも若い世代が入ったことで盛り上がること。つい、時間を忘れて飲んでしまう。PM10・30。とりあえず解散。居残って飲み続ける人たちを尻目に家路に。
 MIMIさんと途中まで一緒。0・00帰宅。風呂、更新で1時過ぎ。あと4時間で起床、会社へ。またしても寝不足。
5月10日(木)雨

 
朝から雨がしとしとと降り続く。
 PM7、下北沢ザ・スズナリで宇宙堂旗揚げ公演「星の村」。沈黙していた3年間の思いのたけをぶつけるような渡辺えり子渾身のロマン。70年代小劇場の嫡子ともいうべき舞台はエネルギッシュ。演出に「洗練」を感じる。
 大竹しのぶがマネジャーらしき女性と2人で見に来ていた。スズナリの小さな客席、それも席数を多くしたため窮屈なことこの上ない。9時35分終演。外に出ると、小雨。誰かに声をかけられたので、振り向くとジーンズにサングラスのモデルっぽい女性が駆け寄ってくる。よく見ると永元絵里子。最近、脚本・演出も手がけているピンクアメーバの女優さん。「見に来ていたんだ」と立話を始めたとたん、大粒の雨がザーッ。近くの車庫に避難するも、まるでスコール。道路はあっという間に水浸し。雨が小降りになるまで立話。以前はちょっぴり線の細い女優さんだった永元も演出をやるようになって自信がついたか、たくましく見える。何事も経験なんだな。11時帰宅。
5月9日(水)晴れ

 
思い立って森田童子のページを作ってみる。昔、何度も聴いたファーストアルバム。今は田舎の押入れの中。一度会いたいと思っていたが、数年前に断られた。たぶん、もう人前には出てこないのだろう。その方が森田童子らしくていい。

 映画のページはずっと前からどうしようか考えていた。あまりにも範囲が広いので、どう組み立てたらいいか迷った。で、結局そのまま工事中になっていたのだが、「えい、ままよ」とばかりに、ちょこっと書いてみる。昔見た映画のこと。あとは成り行きで考えよう。 

 久しぶりに「紅い花」のビデオを見る。見るたびに新しい発見がある。それとも、今まで漫然と見ていたのか。川を下って行った火のついた櫃。あのシーンは寺山修司の「田園に死す」の川上から雛壇が流れてくるシーンとダブる。川を下って行った少女(妹)は、やがて海に到達する。海岸で拾われる少女の死体(「夢の島少女」)につながるではないか。川は佐々木昭一郎の作品に共通する「生と死の場所。
 若い頃の木場克巳が出ているのも発見。苗字が違うのは本名なのか。
5月8日(火)雨

 
久しぶりの出社。その後、新宿で芝居連チャン。スペース・ゼロで松尾貴史のAGAPE STOREプロデュース「BIG BIZ」。回転寿司で腹ごしらえした後、喫茶店で一休み。6時45分頃、サザンシアターに行くと、「黒いハンカチーフ」の看板。こっちはM・O・Pの公演だった。急いで紀伊国屋ホールへ回る。青年座「赤シャツ」。両作品ともマキノノゾミの脚本。「赤と黒」が2カ所同時に上演されるので、まぎらわしい。9時35分終演。秋葉原経由で帰宅。明日は休みだから、気が楽。
5月7日(月)晴れ

 
連休最終日。しかしパソコンの前に座ってHPの更新原稿を書いたり、郵便局に罰金を払いに行ったり、なんだか追い立てられるような一日。せっかくの休みなのになんでこうもせわしないのか。
5月6日(晴れ)
 

那須のペンションを9時半に出発。思いのほか東北道は空いていて、上りのクルマはビュンビュン飛ばしている。その流れに乗ってしまい、ついつい3車線の追い越し車線でスピードを出したとたん、後ろからパトカーが音もなく近づいてきて、停止の合図。みんな飛ばしているのになんでオレだけが。
 29キロオーバーのスピード違反切符を切らされ、1万8000円の罰金。なによりも痛いのはゴールド免許証が取り消しになり、次回の更新は1日がかりになること。ついてない。初めての体験にショックが大きい。

 お昼に家に着き、風呂、食事。レンタカーを返し、PM4亀戸へ。アメリアホールで行われている「書を捨てよ町へ出よう」のイベントに行く。秋葉原で総武線に乗り換えて、いざ亀戸、という時になって、ふいに、「あれ? ほんとに亀戸だっけ? カメリアホール、ひっくり返すと亀有?」の迷いが生じる。亀戸と亀有、よく間違える。全然違う場所だから、勘違いしてたら大変とパンフレットを見直す。そうこうしているうちに時間が過ぎて、映画には間に合わず。
 着いたらちょうど休憩時間。白石征さん、銀河系の大野さん、九條今日子さんと立話。九條さんに佐々木昭一郎さんのことを話したら、「あの頃は3人、毎日一緒だったのよ。ラジオドラマでイタリア賞を取ったおかげで寺山の名前がヨーロッパで知れ渡って…。天井桟敷が欧州公演ができたのも、あのテラヤマの劇団だから、という理由だけで呼ばれたの。だから、佐々木さんとの出会いがなかったら、天井桟敷の欧州公演もなかったかもしれないわね」

 青森在住の詩人・佐々木英明さんの詩朗読、昭和精吾さんの公演、萩原朔美さん、森崎偏陸さんらの座談会とプログラムは進み、昭和さんの「アメリカよ」で締め。

 終演後、万有引力の根本豊さん、テラヤマ新聞の稲葉憲仁さん、元天井桟敷の林檎童子さんらと、近くのもんじゃ焼き屋で飲み会。
 演劇ジャーナリストの土井さん、テラヤマ新聞の金子さんと話をしているうちに、土井さんが昔、東京キッドブラザース時代の中尾幸世さんと親しかったことを知る。金子さんも小学生の時、佐々木昭一郎さんの「四季・ユートピアノ」を見て感動し、中尾さんに憧れたという。土井さんとは今までそんな話をしたことがなかったので、びっくり。いたずら好きな寺山さんらしく、死んだ後もなお、こんなふうに、人と人の新たな出会いを用意してくれる。

 森崎偏陸さんからは寺山さんが出たラジオドラマの話を聞く。「ニッポン放送で、倉本聡さんが作った初期のドラマがあって、それは寺山さんと、当時恋愛中の九條映子(今日子)さんの2人を素材にしたもので、ドキュメントドラマみたいな作品。寺山さんが、九條さんのことを”オタクは…”って呼ぶの。おかしいよね」
 初めて聞いた。初期の作品は現存していないものが多いから、これも幻のドラマか。
 11・45解散。佐々木英明さんらを追いかけているMXテレビの取材スタッフ、萩原朔美さんらと秋葉原で別れ、地下鉄に急ぐも、すでに終電が出た後。仕方なく、西川口まで行って、そこからタクシー。帰宅は午前1時半。疲れた。眠い。
5月3日(木)曇り時々雨
 
8時に起きて日記を更新。3時過ぎに散髪へ。1時間以上も待つ。休日でお客さんが多い。結局、終わったのが6時半。帰宅して夕食、その後、レンタカーを取りに行き、帰って風呂。朝早いので10時には寝なくては。明日は寺山さんの命日。佐々木昭一郎さんとの交流をアップしようと思っていたが、時間切れ。帰ってきてからにしよう。さて、明日から6日まで那須。しばしのお別れ。
5月2日(水)雨
 連休の谷間とあって出社する人はまばら。
 S氏から手紙。モーツァルト・クラリネット協奏曲のMDを同封してある。律儀で筆まめ、本当にいい方だ。
 PM7、中野にある劇場「ポケット」。雨が降っていたので傘を買う。まるで冬のような寒さに震える。遊気舎「月影ホテル」。毎回、違う顔を見せてくれる遊気舎。今回はハートウォームなコメディー。好感。
 9・10終演。西荻の稽古場で稽古中の高取さんの所に直行。が、着いた時にはすでに終わっていた。高取さん、ゲストのアイドルタレント長崎萌ちゃんと3人で近くの喫茶店でお茶。萌ちゃんとは去年の「ピーターパン」以来。素直でマジメなコ。帰り道が一緒なので電車の中でおしゃべり。「公演が終わったら祖父母のいる長崎、沖縄を訪ねてみようと思っているんです」。
 0・30帰宅。そのままふとんにもぐりこむ。さあ、明日から連休!
5月1日(火)晴れ

 急に気温が下がってTシャツ1枚では寒い。
 仕事が終わった後、渋谷で映画。「天使のくれた時間」。ニコラス・ケイジとティア・レオーネ。30代以上の世代なら身につまされるだろう。もしも、時間が取り戻せたら、もし、別な人生を選んでいたら…。最後の5分でこらえきれずに泣いた。途中で展開を読んでしまうという、いやなクセがあるが、これは読めても泣ける。ハリウッドの伝統的な「クリスマス・キャロル」の1バージョンなのだろうが、こんな物語になるとは。浅○次郎センセイ、泣ける物語とはこんな物語をいうのだ。

 PM7。食事する時間もなく、パルコ劇場で「夏ホテル」。松本幸四郎、松たか子、松本紀保の親子共演。岩松了の脚本は例によってペダンティックすぎて、芝居を楽しむというより、演劇の授業みたい。チェーホフ版「ゴドーを待ちながら」?
 毎日Tさん、元朝日Sさんらと談笑。「維新派の南港公演がなくなったんだ? そりゃ、残念だね。奈良でやる公演はどうなんだろうね」とSさん。Tさんは「ゾンビな夜」を見逃したとか。「よかったですよ」と言うと残念そうな顔。
 0時帰宅。更新して1時就寝。あと4時間で起床。キツイ。