10月31日(水)晴れ

仕事を終えて天王洲アイルへ。モノレールがやけに混むと思ったら、大井競馬の客だ。アートスフィアで長塚京三の「ディファイルド」。相米慎二が演出する予定だった舞台。たぶん、まったく違う舞台になっていただろう。演出家不在で集団創作とか。舞台に求心力がなく、拡散してしまった。10・30帰宅。すぐに就寝。この頃、眠くて眠くて…。芝居を観ていても序盤戦ウトウト。以前、居眠りしているヒョーロン家連中を見て、眠るなら見に来るなよ、なんて心の中で笑っていたが、オレまで…。いかん、きちんと睡眠をとろう。
10月30日(火)晴れ

 一日休みがずれただけで朝の仕事の調子がイマイチ。結構デリケート。
 PM3・30、早めに引き上げ。途中、映画「陰陽師」を見る。野村萬斎、真田広之はいいとして伊藤英明がヘボ。テレビで見ている分には気がつかなかったが、芝居のヘタなこと。あんまりだ。小泉今日子も映画女優の器じゃない。あの声はテレビがせいぜい。邦画の質も落ちた。…などと言いながらつまらない映画を見ている方が悪いのか?

 帰宅して下の子の誕生会。TVアニメの影響なんだろう。囲碁盤がほしいというので囲碁・オセロのマルチボード買ってあげる。通販でパンチングマシンも。どうせすぐに飽きると思うが、パンチングマシンは大人のエクササイズに使えるからいいか…。

 コラムニストの斎藤美奈子が「イラク、北朝鮮をならず者国家と呼ぶなら、アメリカは番長国家だ」と喝破していたが、言いえて妙。日本はさしずめパシリ国家とも。番長のためにタバコを買いに行かされ、「おめえんちの親はうるせえだろう」「いえ、家族はなんとか説得しますから」なんて言ってる使いっぱしり野郎。パシリに成り下がった自衛隊の中からなぜ不満の声があがらないのかナゾ。いつか番長を倒して新しい番長になろうと忍従しているのか。
10月29日(月)快晴

 
オフ日。AM11、歯医者へ。帰りにタワーレコードでGO!GO!7188のDVD「とのさまツアー2001 於日比谷野外音楽堂」を購入。キュートなボーカル&ギターの中島優美に悩殺される。

 午後、参院で対テロ法・自衛隊法改正案成立。この日が戦後日本の転回点となるだろう。「新たな戦前」の始まりとして。

 PM8、「こちら第三社会部」を見る。小学生のときに見た「七人の刑事」は今でも強烈な印象を残しているが、昨今の安上がりな社会派ドラマは30分後には忘れてしまう。コンセプトだけでディティールがない。安っぽいメロドラマのようだ。戸田恵子が出ているのでつい2週連続で見てしまったが。ドラマのTBS無残なり。

 PM9、日曜に録画したNHKアーカイブスを見ようと思ったら、なにやら異様な迫力の映像が飛び込んでくる。吸い込まれるように見続けてしまった。「スーパーテレビ」の「男が仕事をやめるとき」とかいう特集。ベンチャー外食産業で働く男たちの人間模様がすさまじい。四階級降格され、店長に甘んじている45歳の男の苦悩と決断。ウーム、男はつらいよ。
10月28日(日)雨

 
ワシントンポスト紙が複数の米政府高官の証言として、炭疽菌事件はアルカイダとは無関係であり、米国内極右組織の犯行ではないかとの見方を強めていると報じた。
やはり…。

 炭疽菌事件が発生した当初から、一部夕刊紙では「米極右組織の犯行ではないか」と報じていたが、その見方が間違っていなかったわけだ。一般紙がアメリカの情報操作に踊らされてアルカイダ=ビンラディン犯行で突っ走っている間に、国民の危機感に乗じて、小泉内閣はやりたい放題。憲法無視のテロ対策法の成立に向けて一瀉千里とくれば、この国のマスコミの怠慢は犯罪的だろう。まるで戦前の翼賛報道と見まごう最近のマスコミの横並び報道の中で異彩を放つ一部夕刊紙。ジャーナリズムの基本は反権力。その意味で、翼賛報道に与みしないゲリラジャーナリズムの面目躍如といったところ。

 雨の中、午後から散髪に。スッキリさっぱり。夕方からラジオドラマのデータを修正。タイトルが一部違っていたりして冷や汗もの。何時間もパソコンの前に座っていたので疲労困憊。明日は臨時のオフ日だが、早めに寝よう。
10月27日(土)快晴

 
お昼に仕事を切り上げ、市ヶ谷へ。高校の東京支部同窓会があるのだ。秋深しとはいえまだ夏の余韻が残っており、ジャケット姿も暑苦しいのでいつも通り、ジーンズ、ジージャンというラフな格好で行く。初めて出席した6、7年前、スーツ姿の群れの中で一人ジーンズ姿は場違いに感じたが、まあいいだろう。幹事だからフォーマルな服装をしなきゃいけないというわけでもない。群れず媚びずだ。

 PM1・30到着。総会は終わっており、懇親会がスタート。不況の最中、結構高額な会費のため、出席者も減るかと思ったが、例年通り150人余が参集。半数は50〜60代。リタリアしている高齢者に不況は関係ないか。

 せっせと作った会報だが、配布物の中に差し込まれているので手にとって見る人はほとんどいない。その場で見てくれないと反応が確かめられない。休日返上で作ったかいがないなあと5号目にしてちょっぴり気分がヘコむ。校正ミスを指摘されたことも気分の落ち込みに拍車をかける。田舎から本部役員として出席した後輩のSくんが「全部一人で作っているのに記事のクレジットをイニシャルにしたりして、先輩ちょっと奥ゆかしすぎるんじゃないの」と言ってくれる。

 PM4解散。同期生同士が三々五々、二次会に散っていく。
 オレたちの期も二次会へ。二次会からの合流組も含めて男女各3人計6人。新大久保の居酒屋、新宿のカラオケスナックとハシゴして11時にいったん解散。その後、また店を替えて2時まで。きょうは早く帰ろうと思ったのに…。タクシーで3時帰宅。でも、同窓生同士、めったに顔を合わせなくても会えばすぐ打ち解ける。話題も共通項が多いし話は尽きない。何年たっても気分は高校生のまま。来年もまた会えるといいが。
10月26日(金)晴れ

 
刷り上った会報が届いたので午後、事務局のSさんに引き渡す。1500部。一部を引き抜いて見ていると、これは! 校正ミスに気がつく。ウワーッ、せっっかく精魂込めたのに、最後の最後で赤字に気がつくとは。最終的には複数の人に見てもらっているが、やっぱり見逃されてしまうものだ。いかに校正が大変な仕事か…。ちょっとガックリ。

 PM5、銀座博品館で子供の誕生プレゼントを物色。しかし、カードを買っただけで終わる。図書券がいいか?
 PM6帰宅。
さて、明日は同窓会。早めに寝よう。
10月25日(木)快晴

 
お昼、Dさん、Oさんと会社の近くで食事。11月のイベントの打ち合わせ。

 PM7、千石の三百人劇場で劇団昴「嘆きの天使」。内田稔扮する老教師が踊り子に恋をして堕ちていく姿をワイマール共和国崩壊と重ね合わせた名作だが、肝心の主演女優に華がないのが致命的。ディートリッヒとまではいかなくても、もう少し華と毒を感じさせる女優はいなかったのか。
 11時帰宅。電車の中でレイ・ブラッドベリの短編集「二人がここにいる不思議」を読む。表題作は、あるレストランを舞台に、家庭に問題をかかえる男が死んだ父母と久しぶりに食事をするという風変わりな物語。「異人たちとの夏」を思い出させるが、こちらはカラッとして陽気。
10月24日(水)晴れ

 菅原文太の長男・香織さんが昨日11時過ぎに下北沢の踏み切りで電車にはねられて死亡したとのTVニュースを見てびっくり。昨日、そこを通ったばかりだ。開かずの踏み切りで待つのにイライラする場所だが……。菅原文太の落胆はいかばかりか。子供に先立たれるほど悲惨なことはない。

 昼からMD整理、散歩、歯医者であっという間に寝る時間。家にいる時の一日ってほんとに短い。
10月23日(火)晴れ

 
仕事を終えてPM5、下北沢へ。踏み切りの前で声をかけられたので振り返ると流山児氏。「面白いですよ」とニッコリ。続けて「客の入りはどうもね…」と。「幕末2001」苦戦しているようだ。南野陽子、榎木孝明でもダメなのか。演劇不況深刻。

 ディスク・ユニオンで東京スカパラの冷牟田竜之が監修する「STYLE TO KILL 殺しのスタイル」なるCDを購入。60年代の鈴木清順監督映画の映画音楽を選りすぐったアルバム。「関東幹部会」「東京流れ者」「野獣の青春」といった懐かしいタイトルとジャケットの真理アンヌのなまめかしいポーズにつられてつい手が伸びる。

 ヴィレッジバンガードでは水木しげるの「鬼太郎のベトナム戦記」(文藝春秋)を買う。鬼太郎やねずみ男、砂かけババアらがベトナムに行ってアメリカ軍と戦うという、鬼太郎ものでは異色の作品で長い間絶版になっていたのだ。
 ストーリー協力に佐々木守、福田善之、美少女の絵は当時アシスタントのつげ義春と、今から考えると豪華かつ不思議な取り合わせ。つげ義春の「紅い花」のパロディー(時代的には同時期か)めいたカットもあり、興味深い。なによりも、妖怪たちがベトナム戦争で解放戦線に味方してアメリカ軍と戦う、その展開が面白い。原子力潜水艦スコーピオの船底にはりついた子泣きジジイのカットは異様な迫力がある。
 さて、今なら鬼太郎妖怪連合はアメリカ軍につくか、タリバン側につくか?

 6時過ぎに「りきまる」で「りきまるラーメン」800円。店が開くのを待つ価値はある。スープのおいしいこと。
 PM7、本多劇場で流山児★事務所「幕末2001」。後ろの席が蘭妖子さんだったので、開演前に話をする。12月25〜28日の寺山修司音楽会に出るとか。メンバーはカルメンマキ、パンタ、日吉ミミ、三上寛ほかゲスト多数。高取英さんが動いているらしい。

 さて舞台は西南戦争での人斬り半次郎こと中村半次郎をめぐる人間模様と現代の男女の三角関係を往還させた構成。物語に広がりがないので、榎本孝明の熱演にもかかわらず、いまいち消化不良。11年ぶりに歌ったという南野陽子の歌はまずまずだったが。
 9時終演。流山児、小松克彦、井沢希旨子らと立話。川上史津子に短歌集のタイトルが決まったのか聞く。まだ仮タイトルだとか。売れるタイトルを考えないと。

 劇場を出て高取さんに電話したら、たまたま近所の喫茶店「ザック」にいたので行ってお茶。カメラマンの浜口くんと一緒。最近、演劇界はチケットが売れないという話題。流山児氏はテロ事件以降パッタリ…と言っていたが、それだけでなく、長引く不況がボディーブローのように今効いてきたんじゃないかと高取さんと意見は一致。確かに4000円〜7000円の芝居のチケットは1回の娯楽としては高いものだろう。しかし、そんな料金でも赤字すれすれなのが芝居の世界なのだから、劇団にとって事態は深刻だ。
 10時半、高取氏は新宿へ、私は家に。代々木上原で別れる。11・30帰宅。
10月22日(月)雨

 朝日の「天声人語」によれば、ビンラディン遊びというのが子供の間ではやっているとか。たわいもない遊びなのだろうが、通りかかった記者は声を荒げて叱ってしまったと書いていた。大勢の犠牲者が出たというのに…というわけだろう。
 子供は世情に敏感だ。私の子供の頃には学校の行き帰りに「アンポ反対!」と叫びながら友だちと走ったものだ。1959年、60年安保前夜の時代だろうか、いや小学生だとすると、もっと後。70年安保? その狭間だったような気がするけど、記憶はあてにならない。
 李ライン遊びというのもあった。李ラインというのは韓国の李承晩大統領が引いた漁業水域のことだ。日本はこれを認めず、韓国船による日本漁船の拿捕(だほ)が続いた。鬼ごっこのような遊びで、「ダボ」と叫んで相手を捕まえる。この「ダボ」が「拿捕」のことだと気づいたのは大人になってからのこと。
 ことほどさように、子供の遊びは大人の世界を反映している。目くじら立てなくても…と思うのだが。

 女優の若林しほさんが11月1日からのTHE・ガジラ公演「或る憂鬱」を降板したが、その原因が8月に起きた世田谷警官刺殺事件の後遺症によるものらしいとある方から聞かされる。彼女は事件当日、現場に居合わせ、殺人の場面を目撃してる。その心理的ストレスが最近顕著に発現し、稽古場では暴力的なセリフに異常に反応していたという。可哀相に。前に一度会って話を聞いたことがあるが、非常にクレバーで魅力的な女優さんだ。早く”病気”を克服して再起してもらいたいものだ。

 PM6帰宅。夕食後すぐに娘のピアノ教室につきそい、電車に乗って隣り駅に。PM9・30までレッスンをするそばで待機。ほとんど毎日芝居を見ていると時間の経過が10分単位で体に刻まれ、今何時かわかるようになっているが、1時間半ぼーっとただ待つだけというのはつらい。PM10、帰宅。あっという間に就寝時間。くつろぐ暇なし。
10月22日(日)晴れ

 
トランクルームからガスストーブを運んでくる。今年初めてのストーブ点火。
 午後、自転車に乗って、家族で原っぱまで散歩。
 夜、昨日録画したNHKドラマ「42歳の修学旅行」を見る。ひょんなことから修学旅行をやり直しことになった中学の同級生と先生。しかし、それぞれ、人には言えない悩みをかかえており…。ありきたりな設定ではあるが、ディディールがしっかりしていて、引き込まれてしまった。最後まで涙腺がゆるみっぱなし。涙は人間の免疫を活性化させるというけど、かなり免疫力が高まったみたい。
10月20日(土)快晴
 
夕方まで会社で仕事。会報の版下を印刷社に引き渡し。刷り上りは来週金曜日午後。配布前日でなんとかセーフ。同窓会の二次会出席者にキャンセルが出る。少なかったら学年の違う期と合同にしようか。
 PM5・30。銀座まで歩く。途中、「函館ラーメン」で、あさりラーメンを食べる。オープンしたばかりの店。800円と値段はいいが、それだけの価値はある。スープが旨いので残さずペロリ。
 黄昏時の銀座は歩行者天国。外国人の芸人が何箇所かでパフォーマンス。
 PM6・30。ル・テアトル銀座で「ポンコツ車のレディ」。黒柳徹子はセリフもそうだが、体の動きにキレがある。いったい何歳になったんだっけ。柴俊夫、田中健が一人の人物を二人で演じるという風変わりな物語。田中健はこの前のウォーキングスタッフ公演でもそうだったが、舞台では生き生きしている。好きなんだろうなあ、舞台が。午前0時帰宅。
10月19日(金)快晴

 
会報校了。なんだかんだの涙橋。忙しすぎて目が回る。PM6、下北沢。中古マンガ店の前で、白水社のUさんとばったり。岸田戯曲賞のシーズン。「ぜひアンケートに協力してください」といわれる。Uさんは本多の初日、「幕末2001」を見に来たとか。PM7、下北沢ザ・スズナリで結城座の「くぐつ草紙」。川村毅の作・演出。中川安奈がゲスト。人形と人間の妖しい交歓。テロ事件を見据えた川村流の現状認識劇。8・50終演。。10・15帰宅。
10月18日(木)雨時々晴れ

 Gジャンの下にTシャツはさすがにそろそろお終いか。寒い。油断すると風邪をひきかねない。
 仕事の合間に同窓会報の手直し。最終的な微調整。PM2・30、演劇制作をしているKさんが11月公演のことで訪問。
 PM6、会社の近くの小料理屋で女優のO・Nさんに会う。マネジャーと3人で会食。PM8まで。しかし…ウーム、困った。いいコなんだけど、話に具体性がなく面白いエピソードもない。困った。
 9・30帰宅。
10月17日(水)雨

 
オフ日。 雨が降る中を、かなへびのエサのミルウォームを買いに自転車で「ビッグサム」へ。雨で虫が捕まえられないし、家の周りのクモもいなくなってしまったのだ。ミルウォームはカミキリ虫系の幼虫のようだ。さっそくかなへびの前に置くと、ミルウォームは土の中にもぐり込んでしまう。かなへびもボーッと見てるだけ。お腹がすいてないのか。しばらく観察するが、進展がないので諦めてパソコンの前に戻る。
 同窓会報が一段落したのでホッと一息。ゲラを見てると赤字(誤植)をいくつも発見。間違えちゃいけない人の名前の赤字だから始末に負えない。何度も見直しているはずなのに見逃してしまうんだから、校正恐るべし。

 ノーベル賞を受賞した野依教授が日本化学会の記者会見で痛烈なパンチ。「50年でノーベル賞受賞車を30人に」と宣言した政府に、「オリンピックの金メダルじゃないんだから、まったく不見識」、理科教育についても、「国や企業に奉仕するのではなく、人間が幸せに生きる知恵を自然から借りることが理科教育。宇宙を眺めながら子供の心に自然に芽生えるのが理科の心。効率を求めるから子供の理科離れが起こる」、産学協同路線についても、「科学者が産業界にポンと知恵を投げたらひとつの事業が起こると思っているのか。産業界は自らが創造力を欠いていることに気づくべき」と。
 胸のすく発言とはこのこと。政治に奉仕する科学者ばかりかと思っていたら、こんな反骨精神あふれるノーベル賞科学者がいたんだ。毎日新聞は産学協同路線を批判したくだりは紙面でカットしていたが、読売はそのまま。読売にしては珍しい。野依氏の息子が記者をやっているのが読売だったか?

 夕方、歯医者へ。奥歯なので指を突っ込まれるたびに、息苦しさと嘔吐感に襲われ、涙さえにじんでくる。「大丈夫ですか」なんて聞かれて一応「大丈夫です」と答えるが「なんで歯の治療ごときでこんな苦しい思いを」と内心必死。まだまだ続く歯科治療。
 PM6・30帰宅。食後のデザートはブラックタピオカ入りキャラメルココ。
10月16日(火)晴れ後、夜に小雨

 
PM7・30、パブリックシアターで遊◎機械の「ラ・ヴィータ」。勘違いして30分早く行ったらエスカレーターで戸田恵子さんとバッタリ。「お久しぶりです」と言われるが、戸田さん、携帯を耳にあて今まさに呼び出し中の様子。身振りと口パクで「今日は白井晃さんの?」と聞くと「そう、今友だちと待ち合わせしてて」と、これまた身振り手振りで応える。
 いったん入場したが、開演まで時間があるので劇場を出て、2FのTSUTAYAでCDを見る。ふと見ると戸田さんもCDを物色中。5、6枚抱えている。「こんな時じゃないと買えないから」とか。
 「ラ・ヴィータ」は死の直前に、人生を振り返り、自己のアイディンティティーを確認する男の物語。フェリーニの映画のよう。家族、友人、愛人にとって男の存在とはどんなものだったか。初演は10年前。高泉淳子が脚本を書くきっかけになった作品だ。終演9・30。ロビーに萩原聖人の姿。そうか、以前、白井晃が演出したんだった。
 劇場で会った芝居仲間・鎌滝くんと電車で途中まで。最近また劇場通いが復活したそうだ。朝日文学賞作家の某女は彼が「ぴあ」にいた頃、アルバイトをしていたとか。
 11・15帰宅。とかげの飼育箱に霧吹きし、玄関先にぶら下がっていたクモを獲ってきて入れる。これが今日のエサ。
10月15日(月)快晴

 
来年1年間の給与が決まる日。午後、なんとなく落ち着かない。何十回やってもこの日は慣れない。
………終了。
 さすがに今年は厳しい。予想通りとはいえ軽いショック。不平は多くの場合、不公平感から由来する。みんなが平等に痛みを分かち合うならさほど不平は生まれないだろうが…。

 ピアノ教室に行く娘と駅で落ち合うつもりがすれ違い。何をやってもうまくいかない日。
 PM8、家に帰ると下の子がノートを持って駆け寄ってくる。「かなへびの飼い方」を学校で友達同士で調べたらしい。ノートは「エサはクモ、コオロギ…」というメモがびっしり。ゲームばかりやってると思っていたが…。自主的に物事を調べたのは初めてかも。一日の疲れがスーッと消えていく。
10月14日(日)快晴

 
8時起床。子供と一緒に今年最後のとかげ探検隊。棲家を発見して一匹捕獲。やや大きなとかげで、手に噛み付いてくる。ところが、家に帰る途中で自転車のカゴから逃走。「もう一度行こうよ」という子供の声に押されて再度捕獲作戦。運良くまた一匹発見。原っぱ隅のコンクリ壁際に追い詰めて捕獲。意気揚揚と引き上げる。「明日学校に持っていくんだ」とうれしそう。なんでも「とかげを獲った」と友達に言ったら「うそだぁ、とかげなんかいないもん」と言われたそうな。これで名誉挽回となるようで…。
 夕方、ようやく自分の時間。同窓会報のゲラチェック。ワインとビール飲みながらHP更新。さて、明日は会社の年に一度の一大イベント、年俸更改交渉日。昨今の不況下では給与アップもままならないだろうと覚悟はしているが。
10月13日(土)快晴

 サッカーの中田英寿がアフガン空爆を痛烈に批判したという。「テロもアメリカの報復も悪い」と。ことなかれ主義のスポーツ界では中田のような存在は珍しい。1月22日生まれ。誕生日が近いと親近感がわく。このところの世相はオウム事件の時と同じ。何か事件が起きるとすべてテロと結び付けられる。便乗犯はやり得逃げ得。何をやってもビンラディンの犯行と報じられる。思考停止が世界を覆っている。

 午後から会報の編集にかかりきり。疲労困憊。芝居を見に行く気力も萎える。暗くなった外を眺めながら会社に一人。
 転職して会社がすぐそばになったDさんに電話して夕食を一緒にとる。夕食というより、晩酌といった方がいいのだけど。2時間ほどつきあってもらって彼は会社に戻る。まだまだ仕事が残っているのだ。
 心地よい酔いのまま電車に乗り家路に就く。土曜日なのに9時前に家に入る。今年初のみかんを口に入れ、酔いをさます。1週間が終わった開放感。
10月12日(金)快晴

 子供の頃はオトナの世界は高尚で、とても手の届かない別世界だと思っていたが、いざ自分が大人になってみると、それが子供の単純な世界とほとんど変わっていないんじゃないかと唖然とすることがままある。電車の中で、足が触れた触れないでケンカを始めるいいトシをした中高年。気に食わないヤツを窓際に追いやる会社のイジメ。言葉の揚げ足とりに終始する国会議員。なんだ、エラソーなこと言っても大人の世界もたいしたことないんだ、と子供に言われてもしょうがない。どうなんだろう。少なくとも、昔の大人はもう少しオトナだったんじゃないか?

 今の時代はまるでマンガの世界にしか思えないことであふれかえっている。
 東京・江東区潮見に建設中のペットと人間共生マンションで飼い猫全部にマイクロチップ埋め込むを義務づけするという。飼い主のデータを記録した11ミリ×2ミリのマイクロチップを注射で猫の体に埋め込むんだとか。捨て猫を防いだり、飼い主の責任所在を明らかにするのがその理由だという。しかし、これってヘンじゃないの。こんなことしたって捨てる人は捨てる。頬かむりする人だっている。有効性はあるのか?

 憐れなのは体に異物を埋め込まれた猫だ。病気でやむなく体に異物を入れるのとは違う。言葉が話せるなら「ニンゲンのおもちゃじゃない」って言うだろう。人権があるなら猫権だってある。ますむらひろしの傑作マンガ「霧にむせぶ夜」は猫たちが、自然を破壊する自分勝手なニンゲンに反旗を翻し、ヒトコロリなる毒物で人類抹殺をはかるブラックユーモアだったが、それとて牧歌的に見える。

 常識のタガが外れた現代はこの先、徘徊老人(イヤな言葉…)にマイクロチップを埋め込むのさえためらわない社会になるのかもしれない。「本人の安全のため」などともっともらしい理由をつけて。
 さらに進めば、生まれた子供すべてにマイクロチップを埋め込み、政府が管理、”反社会的なオトナ”にならないよう監視する社会だって、あながちSFの世界の話で終わらないかもしれない。
 軍需産業保護と石油利権確保のために戦争を仕掛ける大国指導者を9割の国民と外国世論が支持する世界だもの、何があってもおかしくはない。
 「カッコーの巣を越えて」みたいに、人間としての誇りを守るためには死を選ぶことしか出来ない世の中になったら…。
 5時帰宅。ビール飲みながら、同窓会報ゲラチェック。
10月11日(木)快晴

 
早朝、肌寒いのでついトレーナー姿で会社に出かける。しかし、日中は気温が上昇し、汗が吹き出る。この時期、着る物の選択は難しい。

 パレスチナ問題と絡めてテロ事件を論評することがアメリカではタブーになっているという。正当な批判も論評も出来ない言論封殺国家が今のアメリカ。「自由の国アメリカ」が自分を見失っている。

 PM7、渋谷パルコ劇場で三谷幸喜の「Bad News Good Timing」。最初から最後まで頬がゆるみっぱなし。三谷の舞台は久しぶりだが、クォリティーは落ちていなかった。角野卓造、伊東四朗コンビ絶好調。沢口靖子もいい味出してる。しかしなんといっても影の主役は八嶋智人だ。結婚式2時間前、仲の悪い両方の父親をどのように説得するのか。二人は元漫才コンビ。誤解が誤解を呼んで…というシチュエーションコメディーの正攻法作。やはり三谷はうまい。
10・30帰宅。
10月10日(水)雨

 
オフ日。午前中、同窓会報のゲラチェック。昼からHPの音楽サイトの原稿書き。ネットで注文しておいた向井豊昭氏の新著「DOVADOVA」が届く。今世紀はじまって以来のヘッポコ小説」のオビ。うーん、楽しみ。昨日、池袋の古本屋で土屋隆夫の文庫3冊を見つけたので、当分楽しめそう。

 自明ということの意味を思う。「人が人をなぜ殺しちゃいけないのか」という素朴な疑問を中学生あたりに突きつけられて右往左往し、頭を抱えこんだインテリゲンチャはやっぱりダメだ。人間も自然界の一部であるのなら自然界の摂理という自明の理に従うべきだろう。それから外れたら自然界の摂理の埒外におかれることを覚悟しなければならないということを。

 狂牛病の原因が牛の「共食い」をさせたことによる結果であるなら、牛はやっぱり牛を食べてはいけないということだ。自然界の摂理を踏み外してはじめて証明される事実がこの世には五万とあることを今回の狂牛病事件は教えてくれたのではないか。牛が牛を食うと脳がスポンジになる。これ以上の反摂理がどこにあるか。「人が人をなぜ殺しちゃいけないか」などと言われて悩むようなインテリはアホだ。
10月9日(火)晴れ

 
まだ半袖Tシャツで平気な気候。今日は比較的仕事がラクな日。午後、女優のO・Nさんと事務所社長のAさんが訪問。日本茶喫茶店に案内したら喜ばれる。1時間ほど歓談&打ち合わせ。Nさんとじっくりと話したのは初めてだが、非常に気さくで素直で好感が持てる。

 PM7、池袋サンシャイン劇場でG2プロデュース「クラウドバスター」。ラッパ屋の岩橋道子がゲスト。しかも主役を張ってる。「プラトニック・セックス」に出ていたためか、星野真里から花輪が届いている。客席にラッパ屋主宰の鈴木聡の顔。升毅はテレビよりやはり舞台の方がいきいきしている。しかし、舞台そのものは低調。それでも、「それなりに」楽しめるのは「MOTHER」という劇団の結束力の良さが反映しているからか。大阪の劇団がサンシャイン劇場でやるのは劇団☆新感線以来?
 9・15終演。10・30帰宅。夜はさすがに風が冷たい。寒さに身震い。
10月9日(月)雨

 
ビデオにとっておいた「プラトニック・セックス」後編を見て寝たのが4時。主人公の身勝手な「愛」に痛撃を加える展開。なるほど、前編と対で見てはじめてテーマが浮かび上がる。

 テレビに切り換えるとアフガン空爆の速報。果てしない報復合戦の始まり。白人至上主義者たちはイスラムだろうが仏教徒だろうが、抹殺するのに何のためらいもない。英雄然としたブッシュの醜悪な顔。すべては米保守強権派を代表するこの人が大統領になったために起こったのだ。戦争で儲けるのは彼のバックにいる軍需産業。日本の復古主義者たちが望んでいるのは、日本人戦死者第一号。自衛隊をなんとしてでも送り込みたいのは、日本人の犠牲者を出したいからだ。英霊第一号。その時点で、日本の戦前復帰は完成する。平和憲法など英霊誕生の前に吹っ飛んでしまう。

 日本人の6割以上がアメリカ空爆を支持するというノーテンキなニッポン低国。戦争で死ぬのは女と子供。恐怖に顔をひきつらせるアフガンの子供たちに「ビンラディンが悪いからだ」といったい誰が言えるか。今までは人類に抑止する能力があったかもしれないが、憎悪の蓄積は、抑止力をなくす。核や化学兵器を無差別に使わないと誰が断言できるのか。目の前で自爆テロという抑止力をなくしたテロが起こったというのに。西部開拓時代を引きずるアメリカのリンチは世界の破滅にもつながりかねない。犯罪には法で対処すべきなのだ。

起床9時半。

 午後、喫茶店に行って同窓会報の原稿書き。タワーレコードで「喫茶ロック」のキング編、ソニーミュージック編を買う。古びていないどころか新鮮。確かに70年代は音楽的に豊穣な時代だっだ。この時代の歌を聴くと、今の音楽業界の歌のなんとまあ陳腐に聴こえることか。
10月7日(日)晴れ

 
9時起床。午前中、パソコンの前でウダウダと過ごす。午後、子供と一緒に自転車で原っぱへ。さすがにバッタの飛ぶ勢いも衰えてきたみたい。荷台に乗せた子供が、「パパ、自転車をぶつけたら、罰金もらうからね」と言うので、「あまり、お金お金って言うんじゃないよ」とたしなめる。

「お金で買えないものって何だと思う?」と聞くとすかさず、
「愛情と友情!…それに命」
「じゃあ、お金で買えるのは?」
「家でしょ、それにTシャツ。遊戯王カードも買える」
「家もTシャツもいつかはなくなるけど、愛情や友情は死んだ後も、ずっと続くものだから、大事にしなきゃね」
「うん。よくわかんないけど…わかった!」
 8歳の純粋さがいつまでも続けば世の中平和なのに。
 夕方、睡魔に襲われ、横になったら2時間ほどウトウト。
 夕食後、HPの一部を修正。同窓会報の原稿をまとめる。そんなこんなで、結局、きょうは何も見られず、読めず、一日が終わる。
10月6日(土)晴れ

 5時まで会社で仕事。もっとも、午後からは同窓会報の面割やら、レイアウトを考えていたのだが。

 PM5・15。近くの駅で同窓会報の取材のため、高校の同窓生Nさんと待ち合わせ。同窓生といってもだいぶ年齢の開きはあるが…。公園で写真撮影するも、すでにあたりは暮色に包まれ、デジカメのピント合わせが大変。喫茶店でお茶。その後、Nさんを伴って阿佐ヶ谷へ。

 月蝕歌劇団の「陰陽師安倍清明 最終決戦」。7・15開演なのでぎりぎりセーフ。席を取ってもらっていたので、無事着席。平安時代の陰陽師・安倍清明と近未来の日米戦争を交錯させるという高取一流の神殺し史劇。米テロ事件を想起させるが、これは偶然の符合。

 終演後、「つぼ八」で飲み会。榎本了壱さんらと11時半まで。Nさんも結構芝居や飲み会を楽しんでくれたようでよかった。秋葉原でNさんと別れて、地下鉄に乗ろうとしたが、すでにシャッターが閉まっていた。やむなく、タクシーを拾って家路に。AM1・15帰宅。すきっ腹にビールを流し込んだせいか、タクシーに揺られているうちに、すっかり酔いが回ってくる。それでもHPの更新をしようとするオレって…。
10月5日(金)晴れのち雨

 
寝たのが1時半。睡眠3時間半はさすがにこたえる。会社に行ってもしばらくは頭の中にモヤがかかった状態で思考能力極度に低下。仕事が進まない。耐え切れず、5分間、仮眠室で横になる。スーパーハードな時間帯だから、ただ横になって目をつぶっただけ。それでも、脳の休憩になるのか、徐々に回復。なんとか、きつい時間帯を乗り切る。やっぱり、疲れがたまっているのだ。

 仕事もやたらと忙しく、いつもなら、午前10時にはホームページ巡回して、レスをつけるところなのに、きょうは、仕事の合間に、ちらりとのぞくだけで、レスつける暇もない。

 外は雨。こんな日は早く帰って寝ようか。と思いながらも、つい新星堂、タワーレコードに寄って、CDを物色。この前、買おうとして、棚に戻したCD「喫茶ロック」を買いたかったのだが、新星堂は「取り寄せになります」だと。タワーだと平積みになっているのに、CDショップによって、ずいぶん入荷やおススメのCDが違うものだ。「喫茶ロック」は東芝EMIやキングなど3社による70年代フォーク&ロック・コンピアルバム。耳になじんだ曲は少ないが、聴いてみると、どれもが素敵な楽曲。やはり70年代は音楽的に豊かな時代だったと思う。この曲を30年前に聴きたかった。

PM7、帰宅。食事、風呂でなんあっという間に9時過ぎ。早い! もう寝なきゃ。
10月4日(木)晴れ

 
天候が不順。昨日は暑かったのに、今朝は肌寒い。Tシャツの上にジージャンを羽織ろうとしたら、会社に置き忘れたことに気づく。仕方なしにトレーナーを持参。
 木曜日は1週間のうちでもっとも忙しい日。午後2時まで暇なし。
 
 PM4、仕事を終えて横浜・桜木町へ。13年ぶりに復活した横浜ボートシアターの「ふね劇場」公演があるのだ。汽車道を通り、埠頭へ。暗い海。岸壁に波が当たってパシャパシャする音を聴くと田舎の海を思い出す。夜の港って風情があっていい。「王サルヨの婚礼」はインドの叙事詩「「マハーバーラタ」の一節を劇化したもの。スペクタクルな仮面劇で、見事な造形美と俳優術。2時間半はアッという間。はしけ船の船底が舞台だから、波に揺れる。「寒いから厚着をした方がいですよ」と主宰者に言われていたが、そんなに寒さは感じなかった。

 10時15分終演。桜木町まで歩き、電車を乗り継いで家にたどりついたら0時15分。横浜で公演するときは遠方の観客のことも考えて、もう少し短めの舞台にしてほしいもの。7時半に始まり、2時間はちょっとキツい。午後からなんだかノドの奥がゴロゴロしていて、風邪の前兆。イソジンでうがいして寝よう。睡眠4時間。仮眠というべきか。
10月3日(水)快晴

 
オフ日。9時起床。支払いその他で郵便局と銀行を往復。夏服の一部を整理し、秋・冬物を、契約しているトランクルームから出す。自転車で往復。そんなこんなで時間は瞬く間に過ぎる。4時半、予約していた歯医者に行ったら待合室に人影なし。カードを見たら午前11時の予約だった。しまった、勘違い。次は2週間先だ。こりゃ、治療が長引きそう。家に帰り、「昆虫採集して学校に持っていかないと…」と言う子供と一緒に薄暮の中をバッタ探しに出る。トンボやら何匹か集めて帰宅。暑い一日の締めくくりは鍋料理。ビールを飲んだら、もう何もする気力起こらず。今日は、同窓会報の割付を考えるつもりだったのに、結局何もできず。時間がない。明日も忙しいし…。
10月2日(火)快晴

 
4時半にDさんと日比谷で待ち合わせ。懸案事項について打ち合わせ。
 7時。青山円形劇場でR・U・Pプロデュース「世にも素敵なネバーエンディングストーリー」。高田聖子、河原雅彦、木野花、竹田団吾、岸潤一郎と、かなり面白い顔ぶれだが、これが意外に低調。クスリともできなかった。河原、ちょっと出過ぎ、疲れすぎじゃないか?
 楽屋に顔を出す気持ちもなくなり、そのまま帰宅。
10月1日(月)雨

 朝から雨が降り続く。
 仕事から帰って、娘をピアノ教室に連れて行く。ところが、教師が不在。予告なしに休みになったのか? 雨の中、電車でわざわざ出かけたのに、くたびれ儲け。8時帰宅。途中のコンビニで買ったナッツをつまみに、カクテルを飲む。時節柄、ビーフジャーキーはさすがに敬遠。

 秋の花粉症が始まったのか、鼻がむずむず。風邪でもないだろうし。
 石原慎太郎が、ピッツバーグで墜落したとされるハイジャック機は当局に寄って撃墜されたのが真相と暴露したが、続報はない。そういえば、あの日、最後まで第4番目以降のハイジャック機の行方が報道されなかった。撃墜されたのだとしたら、その説明はつく。米当局の情報操作は徹底している。真相が明らかになるのは先のことだろう。それにしても、撃墜が本当だとしたら、あまりにもむごい。