| 10月31日(金)晴れ PM2、TEAM発砲B・ZINの制作Aさん来社。12月公演の情宣。エジンバラ公演が中止になったので、せっかくおぼえた英語版と日本語版と二本立て上演するという。それぞれ1時間。英語版を見る観客がどれだけいるかが問題か。 PM5、新宿。南口、上州屋で久しぶりにカレイ煮定食。タワーレコードでCD物色。何枚か気に入ったものを見つけるが購入は後日。 靴を買おうと、ワシントン靴店に行くと、いつの間にかABCマートに変わっている。新宿で靴を買うのは久しぶりなので気がつかなかった。わざわざ池袋のABCマートまで行かなくて済む。黒のカジュアル靴1万4800円。紀伊國屋で娘に頼まれた「秋の童話」を買う。 PM7、シアター・トップスでかもねぎショット+オフィス・コットーネ「おはようの国」。 王様が「おはよう」と言えば一日がリセットされる不思議な国に迷いこんだ二人の女性が体験する不条理劇。1人はライターで、長編小説の書評を旅行中に仕上げなければならず、本と首っ引き。下着姿の夫の幻影が旅先までついて来る。一方は自分の行方不明になった恋人を探す旅。 行き着いたところは東南アジアかはたまた南の国。「おはよう」の一言で、登場人物たちが独特の振り付けで場面転換。振り付けが変化するのが楽しい。王様役は高田恵篤。どんな芝居に出て自分の世界を失わず、しかもその舞台に合わせた芝居が出来る。寺山演劇を体現するだけでなく、若松武史のように、違う分野で活躍が期待できる俳優になるだろう。 不条理劇は、理に落ちると興ざめするものだが、今回の舞台は、最後まで「説明」的な会話を廃したのがいい。このところのかもねぎショットの中では出色の出来。「拉致」や「北」といった記号は見え隠れするが、そんな記号は表現の豊穣さの前に消え、普遍性のある舞台となった。井上加奈子、多田慶子、大草理乙子の女性3人が抜群。 隣りの席にAエージェンシーのB代氏。所属の平田満氏夫人・井上加奈子を見に来たとか。今後の予定などを聞くもオフレコ。 終演後、コットーネのWさんに挨拶。楽屋に行って恵篤に会おうかと思ったが、連チャンはきついので、駅まで直行。 電車の中で、「秋の童話」を開いてみる。韓国テレビドラマのノベライズ。分厚い本だが1時間の電車の中で一気に斜め読み。ステロタイプな純愛もの。高1だと、もう少し芯のある本を読まないと……。 10月30日(木)晴れ 朝、寝坊したため、駅まで全力疾走。階段で足が上がらず。電車に乗ってからもしばらくは回復せず体力の衰えを実感。 夕方、博品館に行き、子供の誕生プレゼントを買う。ちょっとした迷路ゲーム。帰宅して誕生会。珍しく、父親のプレゼントを手放さず、ずっとそれで遊んでいる。TVゲームに勝ったか? 石原伸晃国土交通相が「11月末から首都高・阪神高速道の料金を半額に値下げする」と発表。「選挙向けにしてもすごい決断」と思った向きもあるだろうけど、よくよく聞いてみれば、「半額」は夜間のみ、しかもETC(ノンストップ料金収受システム)の利用者だけ。おまけに、たった3カ月だけ。以前から国交省で決まっていたことを先倒しして発表しただけのこととか。ハデなアドバルーンは打ち上げたほうが勝ち。新聞は後から「詳報」しても、いったん読者に染み付いた第一報の印象はなかなか消えない。「石原もなかなかやるじゃん」と思った人はそのまま信じ込んだまま。情報戦略の怖さ。 オヤジの都知事は北朝鮮船籍の入港を禁止する都条例を作るとか。この親子、そろいもそろって、大衆迎合……。 10月29日(水)晴れ 午後から先日の同窓会に来られなかった人、遠方の同級生、先生たちに会報の発送。 PM7、草月ホールであがた森魚と舞踏家・田中泯のコラボレーション「架空」。途中下車して会社へ。シンガーソングライターのRさんと一緒に行く約束をしていたが、ケイタイつながらず、会社専用のメールをチェックしたら、やはり「12月ライブのリハで遅くなりそうなので、現地集合しましょう」とのこと。 草月ホールは超満席。開演5分前に飛び込んだので、Rさんを見つけることができず。 さて、あがた+田中のコラボレーション。最初はぎごちなく、違和感があったが、次第に熱を帯び、最後は万雷の拍手。ただ、やはり歌が喚起する風景と田中泯の肉体の風景が噛み合わない場面が多かった。舞踏は肉体の動きに、すでに見えない音楽を宿している。歌はその声に見えない肉体を宿している。ふたつのコラボレーションにはムリがありそう。だから、一際、肉体が躍動して見えたのは、歌のない、バンドネオン2台による演奏の時だけ。舞踏に叙情的な歌詞の歌は合わない。 最初のシーンであがた森魚のフォーク調の歌に合わせて、腰ヒモ、絣の着物、麦わら帽子(?)姿で踊る様子は、奇矯な闖入者としか見えない。 途中で石(人口石)を肩に置き、踊る泯氏。模造と思いきや、床に落としたら地響きするほどの重さ。さすがに、1時間40分踊っては疲労困憊の様子。 終演後、ロビーでRさんを発見。曙橋のスタジオから直行したとのことで、肩から大きなギターケース。後姿がギターで隠れるほど。一緒に楽屋に行って、あがた森魚に挨拶。やはり、リハなしの即興だったとか。 打ち上げに誘われるも、休みの日に家を空けているので、残念ながら断り、見送るRさんと別れて家路に。 10.30帰宅。 石原都知事が「日韓併合は朝鮮人の総意、責任は彼らの先祖にある」と拉致被害者の支援団体「救う会東京」の集会で発言。これも、マスコミが食いつくのを狙った疑似エサだというのか。強姦したヤツが「女の方にも責任がある」とうそぶいているようなもの。もし、自分の身内がそう言われたなら……。その強姦野郎をヤツ裂きにしても飽き足らないだろう。想像力・歴史観の欠如、ひたすら傲慢な人間ーーこんな男が都知事とは悪夢以外の何ものでもない。北朝鮮を挑発して、拉致被害者に危害が及び、それをきっかけに戦争を仕掛けたいと望んでいるとしか思えない。 銀座・山下書店で小池真理子「薔薇船」、山田風太郎「地獄太夫」、メアリ・J・クラーク「女性キャスター」を買う。メアリ・J・クラークはメアリ・H・クラークの息子の別れた妻とか。 10月28日(火)雨 朝から雨。 PM5、仕事を終えて天王洲アイルへ。途中、有楽町の「ビックカメラ」に寄って、デスクトップの秋冬新製品をチェック。マルチタスク専用のHTテクノロジ・インテル・ペンティアム4なるCPUが搭載されている機種が増えている。ハードデスクの容量もケタ違いだし、映像・音楽を取り込んで保存するにはやはり最新のパソコンがいい。うーん、欲しいけどなあ。 PM7、アート・スフィアで「ハッピー・バースデイ」。マルク・カモレッティのドタバタ笑劇。初演が面白かったので、期待して行ったが、シチュエーション・コメディーは次の展開がわかると、面白さが半減するもの。大爆笑とはいかないが、それでも納得の笑い。 ベルナルドとジャクリーン夫妻のパーティーに招かれた独身のロバート。実はロバートはジャクリーンの恋人。パーティーにかこつけて、逢い引きの約束。ところが、ベルナルドにも愛人がいて、彼女の名前はブライト。ロバートの「恋人」として、招待されているのだとか。口裏を合わせるよう懇願するベルナルド。ところが、ブライトという同名の新任家政婦がホンモノのブライトより先に到着したことから、カン違いが始まり……。二組の「恋人同士」は果たして楽しい夜を過ごせるのか。思い込みとカン違い、ウソとホントが入り乱れての大「笑劇」。 初演に続いて小堺一機、秋本奈緒美、円城寺あや、東幹久が同じ配役。これにジャクリーン役で宮崎美子が加入。東はこの初演が舞台デビューだったためか、まだ初々しさが残るも、経験を積んで演技に余裕ができたよう。小堺は間の外し方がイマイチ。テレビ的な間の外し方は舞台に合わない。ヘンな間はセリフを忘れたのかと客席が引く。宮崎大健闘、秋本奈緒美は役の柄じゃない。初演でも感じたが、この役はセクシーで無邪気、少し頭のネジが緩んだ女のコという設定。秋本は真面目すぎ。舞台でバカをやっても、その裏に、照れや羞恥心が見え隠れする。これでは笑えない。背中の開いた真紅のドレスはセクシーだが、キャスト的には外れ。 二組の恋人たちの間を遊泳して、狂言回しの役割をする円城寺あやの演技の巧みさはさすがに際立つ。ひょうきんで、軽やかなコメディエンヌぶりは見ていて安心。カーテンコールで円城寺あやへの拍手が一際大きかったのもうなずける。 この作品、配役を変えてまた再演をしてほしい。 9.20終演。モノレール、JR、地下鉄を乗り継ぎ家路に。10.30帰宅。 今朝の毎日新聞の一面。政治部長Y氏の「扇動に踊らぬ一票を」という署名記事に注目。 昭和の初め、軍国主義に浮き足立つ世論に抗して独り気を吐いたジャーナリスト・清沢冽の「わが児に与う」という一文を取り上げている。 それによれば、1933年(昭和8年)のある朝、7歳の息子が「支那人(中国人)がタンク(戦車)でこのおうちを撃ってしまいますよ」との一言が父を驚かせた。海軍青年将校らが政党腐敗に憤り、首相官邸を襲い、犬養毅首相を射殺した5・15事件の翌年のこと。 清沢は「この空気と教育の中に、真っ白なお前の頭脳を突き出さねばならんのか」とうめき、「できるだけお前を、道理を把持して動かない人間に導いてゆくの外はない」と書いた、という。 Y政治部長は「今が軍国主義へ傾いたと考えるからこの逸話を紹介するのではなく、道理を把持して動かない人間が社会の全領域から消えつつあると思うから書くのだと」言う。その真意がどこにあるか、ややあいまいだが、「戦後日本の北朝鮮政策や北朝鮮報道の偽善を突くのはよいが”亡国””売国”という過激な扇動がメディアをかけめぐり、”朝鮮人が核ミサイルを撃ってくる”とはしゃぐ子供を生み出しかねない現状である」との認識に立った批判は首肯できる。 自陣営の結束を固めるには、仮想敵を作るのが一番。「守旧派」「抵抗勢力」という仮想敵をバネにほとんど空洞といっていい内閣の人気を維持してきたコイズミがそのいい例。 ついに大勲位・中曽根という同じアナのムジナを「老害」という悪役に仕立て上げて駆逐、その戦略も見事に的中した。老害・中曽根を斬った「若い力」は国民には清新なイメージとして映ったことだろう。常に悪役を作り出して、人気取りをしてきた善玉・コイズミが衆院選で勝って狙う次の悪役は北朝鮮か。 先日も、「北朝鮮と戦争してもいいとオレは思うよ」と真顔で言った知人がいた。そこまで、「好戦気分」は国民の間に蔓延している。 高速道路の無料化だのなんだのという瑣末な論議に終始する自民・民主のマニフェスト合戦の不毛さ。今、政党に必要なのは「自由」と「民主主義」の論議を置いてほかにないだろうに。自民も民主党も。その政党名に二つを戴きながら、考えていることは目先の政権。しかも、2政党とも、憲法を改正することを宣言していることには変わりはない。目的とするのは、「第9条」を撤廃し、戦争ができる国になることであるのは明白。自民・民主どちらが政権を取ろうが、地獄の三丁目であることに変わりはない。 唯一、護憲を全面に押したてた社民党の「反戦平和」の呼びかけも、二大政党の間に埋没して、空しく響くばかり。「道理を把持して動かない」ことの困難さよ。しかし、東映ヤクザ映画だって、原則を曲げない無骨でガンコな昔気質の老やくざに観客はシンパシーを持った。社民の勝算は「無骨であり続けること」しかない。 近代やくざに妨害されて、衰退する組。刺客に狙われて息も絶え絶えの土井・老親分。二代目・辻元は罠にかかり関東所払い、代貸しの保坂、福島が辛うじて組を背負っているが、屋台骨はきしみ、いつ潰れてもおかしくない。高倉健、菅原文太はいつまでたっても現われない。しかし、「ヒーローのいない政党は不幸だが、ヒーローを必要とする政党は悲劇」。かくなる上は、白土三平の「影丸」のように、無数の名もなき影丸=高倉健=民衆が現われるのを待つことか……。 10月27日(月)晴れ 埼玉参院補欠選挙で自・公候補僅差で逃げ切り。投票率27・52%では組織票が勝敗を決める。あと1%投票率が高ければ、逆転していただろうに。埼玉県も民度が低い。 Y木奈江第一回掲載。夕方、DJ・T氏に電話。実に丁寧な応対。母親のS・Rさんの取材OK。5.50帰宅。 夜、16歳の誕生会。おととい、16歳の頃の仲間と会ったばかりなので、なんだか不思議な気分。時代は一巡した……か。 10月26日(日)晴れ 9.30起床。午後から補欠選挙投票。帰宅して、パソコンの前。新しく同窓会用のホームページを立ち上げようと、無料のHPスペースを取得。ただ、HPの転送がよくわからず、中断。 大分で440人分の女性の左足だけの靴を盗んで保管していたという会社員が窃盗容疑で逮捕されたという。なぜ左足だけなのか。久しぶりに興味深い事件。 10月25日(土)晴れ 高校同窓会の日。寝不足で頭朦朧も、仕事はなんとか片付けたが、Y木奈江のコラムで手間取り、1時過ぎまでバタバタと。 会場の市ヶ谷に着いたのが2.30。すでに1時間半経過。受付で参加費5000円(期によって費用は異なる)払い、ホールへ。約160人の参加者。目の前にI田さん、E子さんの42期グループ。I田さんは1週間前に結婚したばかりとか。仕事内容にも恵まれているようで、幸せの絶頂といった笑顔。 今回は同期生がほかに4人参加。会場を歩き回ってようやく発見。卒業以来、初めて会うN中君はT県警の警察官をしているとか。M上、M月、T中は同窓会出席は2年ぶり。4時過ぎの閉会まで、あちらこちらの輪を飛び回り、一通りの挨拶。やはりパワーがあるのはリタイア以降の老年組。馬力が違う。 毎年来ているS川先生の顔が見えないので、気になったが、どうも体調が良くないらしい。先生と話をするのを目当てに来たと言う40期のN村さんが「残念です。あと1年早く来ていれば……」と肩を落とす。 高齢になればなるほど、1年に1回の同窓会は「これで最後」を覚悟しなければならなくなるわけで……。 閉会後、各同期生たちは三々五々、二次会へ。 PM5、同期4人と新橋でスナックをやってるMさんの店に移動。あとから駆けつけたOも加わり、店が開くまで駅前でお茶。 「10数年前に、接触事故の検分をしていたら、片方の事故の当事者が同じクラスのSだったんだ。お互いにまったく気がつかなくて、調書を書いているうちに、住所と名前で、あれ?って気がついた」とN。 小説みたいな偶然ってあるもんだ。 成田闘争が激越な頃、彼は機動隊員として、学生デモ隊と衝突したというが、そのデモ隊の中に少なくとも同級生が2人はいたわけで……。人生いろいろ。 Oはレスキュー隊員。9月に起きた火災事故で2人を救助した勲功で、あさって消防庁総監賞の授賞式があるという。 「現役で受賞するのはほとんどいない」というほどの大きな栄誉だとのこと。 Oは高校時代、同じ寮で寝食を共にした仲間。停学をくらったり、結構無軌道なことをして、卒業も生徒指導部のM先生によるぎりぎりの情状卒業だった。それが、金モールの礼服に身を包んで消防隊員として最高の賞を受賞する。 教育というのは早まってはいけないということだ。10代は未熟な年代だ。もし、彼をあそこで退学にしていたなら……。 「M先生はオレの恩人だ」とO。寮生活という特殊な環境で、辛いことも楽しいことも分かちあってきた仲間たち。Oの受章は我が事のようにうれしい。おととし、事故で死んだ同じ寮の仲間のIが生きていたら、Oの受賞をどんなに喜んだことか。何十年たったとしても、あの10代の一時期を共に過ごした仲間の「友情」は永遠に変わらない。 カウンターに座り、昔話や今の話に花が咲き、やがてカラオケ……。Iが死んでから、ことさら人生のはかなさを思う。年に1度の同窓会は自分の位置を確かめる道標でもあるのかもしれない。こうして、1年に1回、仲間と会える、それだけでも人生捨てたもんじゃない。 11時30分解散。最後まで残ったT中は横浜までタクシー。Mさんは電車。すっかり酔いつぶれて足元がおぼつかないOを東京駅まで送り、中央線に乗せてから、家路に。土曜日で最終電車は途中駅止まり。駅からタクシー。Oに電話すると、「今、タクシーに乗った」とのこと。ひと安心。大事な授賞式の前にケガでもさせたら大変だ。1.30帰宅。 10月24日(金)晴れ PM4.00、日比谷。ファーストキッチンでハンバーガー。 4.30、スカラ座で「リーグ・オブ・レジェンド 時空を超えた戦い」。いかにもコミック原作の映画らしい荒唐無稽さ。「モルグ街の殺人」の舞台になりそうな19世紀末のロンドンの夜の石畳。ネモ船長が操るノーチラス号のフォルムは昔のプラモデルのパッケージ挿絵を思い出させてノスタルジック。 「ソロモン王の洞窟」のアラン・クォーターメイン、ジュール・ヴェルヌの海洋科学小説「海底二万里」のネモ船長、ブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」のヒロイン、ミナ・ハーカー、H・G・ウェルズ「透明人間」のロドニー・スキナー、「トム・ソーヤーの冒険」のトム・ソーヤー、オスカー・ワイルドの耽美怪奇幻想小説「ドリアン・グレイの肖像」のドリアン・グレイ、R・L・スティーブンソン「ジキル博士とハイド氏」のジキル。彼らが戦いを挑むのは超近代兵器で世界征服を企む悪の組織。コミックをめくるように見れば、それなりに楽しめるファミリー向け映画。時間潰しには十分。 PM7.30。草月ホールで高野美智子公演「静」。源義経の愛妻・静御前の生涯を舞踏で。激しいフラメンコと日本の薩摩琵琶とのコラボレーションがユニーク。笠井叡の息子・笠井瑞丈、本場スペインのアドリアン・ガリアのダンス。大地を踏みしめ、叩きつけるフラメンコの激しさは、地上から飛翔しようとするバレエとは逆のベクトル。日本の盆踊りと同じ? 終演後、シーザー、一ノ瀬と赤坂見附の居酒屋へ。やや遅れて高取氏。受付を手伝った女のコ2人を含め、6人で飲み会。11.30、まだ話していたいが、電車がなくなるので先に失礼。1.00帰宅。2時就寝。 10月23日(木)曇り ヤンキース戦、桜花賞確定で午後までバタバタ。しかも、午後2時半、年に1回の社員の重大イベント。おかげで午後2時に青山で行われる「スター誕生」の制作発表に間に合わず。生の仲間由紀恵、今井絵里子、島谷ひとみが見たかったのに残念(ミーハー?)。 PM3、同窓会報が刷り上ったので、引き取りに来たS畑氏に渡す。1500部。赤字1個発見。もう少し早く見つければ……。 PM6、巣鴨で夕食。7、千石。三百人劇場で劇団昴「ナイチンゲールではなく」の予定。ところが、劇場は真っ暗。上演場所を間違えたかと思ったが、そうではなく今日は昼公演だけの日だったらしい。この前のエコーと同じ轍を踏んでしまった。年配の男性2人も同じように劇場前でウロウロ。「間違えたようですね」と互いに目を見合わせて苦笑。 仕方なく、引き上げようと思ったが、「まてよ、草月ホールで舞踏のゲネがあるはず。明日見ようと思ったけど、これから行こうか」と思い直し、南北線の「溜池山王」で下車。しかし、赤坂近辺は土地鑑ほとんどなし。草月ホールは坂の途中にあったと思ったが、いざ夜目ではわからない。ホールに電話しても通じず。せっかく赤坂まで行ったのに、やむなくそのまま家路に。赤坂、議事堂前、溜池山王あたりの地下鉄駅は乗り換えに一駅歩くくらいの距離。千代田線乗り場まで歩き電車に乗ったのが8時近い時間。結局、家に帰ると9時。芝居見て帰ったのとほとんど変わらない。なんというドジ。この時期はジグソーパズルのように観劇の計画を立てているので、一つ見逃すと、玉突きはできないというのに……。 大勲位・中曽根がコイズミの引退勧告に怒りの記者会見。中曽根氏、あえて悪役を買ってでたわけではなさそうだから、反乱は本気印か。新民主党の結成大会を潰すために、わざと藤井更迭をぶつけたコイズミ。後先考えないで、目先の人気取りパフォーマンスを強行する単細胞人間だから、藤井にごねられ、中曽根を怒らせる。対「老害」を演出して、同情を買おうとしているのか。誰かに入れ知恵されてのパフォーマンスだろうが、コイズミのやり口はもう見え見え。 10月22日(水)雨 10時起床。シスター・カヤとプシン、ハーツデールのCDを録音。3時〜4.30、歯医者で歯石などのケア。濃厚な塩水(?)を噴射して、歯の裏側の茶渋(?)を取る最新療法は口の中が塩辛くてゲンナリ。 帰宅してすぐに、子供の躰道に同行。9.20帰宅。休日なのに、休んだ気がしない。 10月21日(火)晴れ 午後、I内万作のマネジャー氏に電話。Y木奈江の件。 PM4.30、富山から弔問のためにやって来たK氏と新宿でお茶。6時まで積もる話を。駅で別れて家に直行。 7.00に六本木でK事務所の予定だったが、試験中の娘に懇願され,、化学のコーチのために早帰り。10時過ぎまで、ねじり鉢巻。とはいっても、今の高校の化学の難しいこと。モル濃度やらPH計算……頭が痛くなる。こんな問題を詰め込んでどうなるというのか。 終了後、吉田喜重の「秋津温泉」を見る。TSUTAYAで「光の雨」を借りようと思ったのだが、レンタル中だったため。 10月20日(月)晴れ もう月の3分の1が経過。早過ぎる。光陰矢の如しというより、まるでそのまんま光速で時間が流れている!? こんなふうに過ぎて行くのなら、人生なんて、あと10年もすれば終わりになってしまう。そんな強迫的なスピード感。 午後、S・ローザさんの件で息子のDJ・T氏のマネジャーから電話。 PM3.30、K記念病院。このところ忙しすぎて、しばらく間隔が空いてしまったが、今日の診察では以前と比べて、かなり良化しているようだ。4.20、鍼治療。 朝の電車では「AILE」「高宮マキ」「ドーリス」を、帰りの電車の中で大木伸夫の歌謡浪曲「名月赤城山」。「男心に男が惚れて♪」という「名月赤城山」は東海林太郎の持ち歌。昔、父がよく歌っていたものだ。10代20代の頃は浪曲だの歌謡曲だのを、前近代の遺物として遠ざけていた時期もあるが、ラジオから浪曲が消え、ポップスが主流になっても、相変わらず保守党の独裁が続き、ドブ板選挙のニッポン。若い世代でさえ超保守化しているわけで、浪曲がR&Bに変わっても、日本人の心性は変わらない。むしろ、封建時代の遺物たる義理人情の世界にこそ変革のロマンチシズムを感じてしまうわけで……。 ……てなことはさて置いて、結局、幼年期に、身にしみ付いた浪曲だの、唱歌だのは、一生ついて回るものということか。 10月19日(日)晴れ 9時起床。終日、家の中。午後までかかって雑用をこなす。2.00、「野戦の月」に電話。不在のため、折り返し、S井大造氏から電話。1年ぶり。こちらの意図を汲んで、簡潔な表現で公演の説明。さすが演劇界随一のインテリ。 その後、昨夜録画した「男たちの旅路 流氷」を見る。この回の水谷豊、鶴田浩二の演技は神がかり的にうまい。愛する人に死なれ、落魄した指令補。彼に向かって、「生き残ったあなたには、無念を残して死んだ人間の思いを伝える義務がある」と訴える水谷豊の真摯な演技はシリーズ中の白眉。 夕方、子供が「これ、一緒に見よう」と1本のビデオをもってくる。「クレヨンしんちゃん モーレツ 大人帝国の逆襲」。何度か見てるのに、どうしても父親に見せたいらしい。 つきあって見ているうちに、なんとなく意図がわかる。ラストシーンで涙滂沱として止まらず。失われた時代への郷愁。それでも人は未来を信じて生き続けなければのメッセージ。それが子供たちにとって生きるに値する未来かは子供たちに委ねるしかない。 夜、日本シリーズを見るも、点差が離れては興味半減。 10月18日(土)曇り時々雨 午後1.00、会報校了。ひとつ疑問点があり、S氏に電話するも、ちょうど他の同窓会に出席中。仕方なく、事後承諾に。 PM2、青山円形劇場で遊機械オフィスプロデュース+青山円形劇場提携公演「シークレット・クラブ Vol.2 」。作・演出=高泉淳子/音楽監督=北島直樹/振付=平沢智、出演=高泉淳子、平沢智、北島直樹(ピアノ)、クリス・シルバースタイン(ベース)、有田純弘(ギター) 受付の制作の女性が「お待ちしていました」と笑顔。遊◎機械の制作は伝統的にこのセリフを言う。「お待ちしてました」と言われて悪い気はしない。制作がいてこそ公演は成立する。伸びる劇団は制作がしっかりしているものだ。 さて、舞台。芸人コンビに扮する高泉と平沢によるコントとジャズボーカル、楽器演奏(コルネット、トロンボーン)といった練熟の芸の数々。高泉のジャズボーカルは安定していて、心地よい。ピアノ、トロンボーンも操るが、平沢のコルネット同様、これはまあまあの出来。タップ、ダンスとなれば平沢の独壇場。2人腹話術師のシーンで、頭をどつかれ、前に倒れるシーンなど、大爆笑。 休憩15分込みで2時間30分。北島直樹のピアノを聴くだけでも十分もとは取れる。おしゃれな大人のためのエンターテインメント。それにしても、芸達者な2人。高泉を見ながら、10数年前の遊◎機械/全自動シアターの危機の時期を思い出す。誰もが「もう遊◎機械は終わった」と思ったあの最悪の時期。それを乗り越えて、才能を全面開花させた白井、高泉コンビ。人生いろいろ。 5.00、帰社し、後片付け。 7.00、新宿。全労済ホール/スペース・ゼロでパイパー「スリー・テナーズ」。受付の制作の女の子、名前を名乗ると、顔も上げずにチケットを隣りのコに渡す。その子は笑顔でこちらにチケットを渡してくれるが、主任制作(?)、顔も上げずにチケットを横滑りさせるとは。出演者のチケットだからか、ずいぶん失礼な態度。一瞬ムカッ。 芝居だが、最近の後藤ひろひとの作品の中では面白い方。 父母が亡くなって、生まれてから初めて屋敷から外に出ることになった金持ちの兄弟(といっても1人は45歳=川下大洋)。執事の依頼で群馬から博多まで2人を送り届ければ、200万円謝礼がもらえるとあって、手配中の強盗2人組(竹下宏太郎、楠見 薫)が、正規の請負人に代わってその仕事を横取りする。その後を、イカ型枕(それがないと長男は眠れない)を背負って追う執事(内場勝則)、腹にいちもつありそうな正規の請負人(原田修一)、弟(山内圭哉)のいいなずけ(大路恵美)。その道中のテンヤワンヤが描かれる。 歌でしか会話できないという兄弟の設定が、ミュージカルのパロディーとして笑いを誘う。大路恵美のキャラはいかにもマンガ的なお金持ちのお嬢さん。これが当人の資質に合っているのか、見事なコメディエンヌぶり。ここまでぶっ飛んだ芝居とは。 9・30。終演後、楽屋に直行。メイクのままの大路と立ち話。「これからはこのセンで行った方がいいんじゃない?」と言うと「みなさんそう言うんですよ。どうしようかな?」と笑う。誰に聞いても「”普通っぽい”女優さん」のイメージの大路だが、こんなキャラを隠し持っていたとは。意外な発見。これで、美人女優路線が修正されるか? 10.35帰宅。「男たちの旅路」先週失敗したので心配だったが、無事に録画中。 10月17日(金)晴れ 昨夜は1時過ぎに就寝。寝不足でツライ。 そんな日に限って、藤井・道路公団総裁聴聞、ア・リーグでヤンキース対レッドソックスのリーグ優勝決定戦とテンコ盛り状態の一日。朝からフル回転。昼食をとったのが午後2時近く。それから会報の微調整をしてPM4。4.30、渋谷でHさんとお茶。7.30帰宅。きょうは早寝。 10月16日(木)晴れ 午後から、時間を見つけて会報の残りを作成。 7.00、三軒茶屋。パブリックシアターで二兎社「萩家の三姉妹」。 傑作の上に大の字がつく傑作。初演とのキャストの違いに一抹の不安を抱いたが、戯曲の力は役者の交代などものともしない完璧さ。セリフの改変はしていないそうで、まるで渡辺えり子に当てて書いたかのような錯覚を憶えるほど。 後半の山場、「フェミニズムとジェンダーの相克に関する、男女体験的共同研究」のシーンも、前回の主演・余貴美子が内包する「男性的」な「性」ゆえにさらりと場面が展開したのかと思っていたが、「女性的」な性を内包する渡辺えり子でも、「生々しさ」を感じさせない。この意外さ。キャスト変更で、このシーンが一番ネックになると思ったのに、これはやはり戯曲と演出に備わった強靭さゆえだろう。 オープニングとラストシーンをチェーホフで統一する心憎い演出にも改めて感心。 くすぐりや表層的な皮膚感覚を刺激した笑いではなく、戯曲と俳優の演技によってのみ客席を揺るがすような笑いを引き出す永井作品。久しぶりに、笑いに笑う。 大西多摩恵の鷹子を見てみたい気もするがどうだろう。 重箱の隅をつつけば、藤夏子演じる品子は結構な高齢者。「フェミニズム」ときれいに発音していたが、その世代の庶民には「フェミニズム」という発音はできないはず。「フエミニズム」としか発語できないと思うのだが……。 それはともかく、ホン、演出、役者の三拍子がすべて完璧な作品。3時間(休憩15分)という長さもまったく気にならず。 10,00終演。ロビーで永井さんに挨拶。「よく、(渡辺えり子への)当て書きですかって聞かれるけど、脚本は初演とまったく変えてないんですよ」と永井さん。笑顔に見送られ、家路に。 電車の中で会報の校正。 11.30帰宅。 10月15日(水)晴れ 午後、貸し納戸に行って不用品を持ち帰る。ついでにauショップで料金支払い。 歯医者の予定が入っていたがキャンセル。 4.30、阿佐ヶ谷。「ミスティー・オーパス」でY木奈江と待ち合わせ。ライターのI氏、撮影のI田さんが先着。約束の時間ジャストにY木奈江一人で登場。2階の予約席に移動してスタート。 「芸能界は友だちが少なくて」というので、どうなることかと心配だったのだが、I氏のリードで徐々に、言葉も軽やかになり、6.30、無事終了。I氏も「こんなに気さくで、屈託のないコだったとは」と驚いていた。ほんと、性格的にもいい女優さんなんだけど、過去のバッシングは何だったのか。 駅前でY木さんと別れ、家路に。路上に駐車したクルマが大丈夫だったか心配でメールしたが、「無事」とのこと。よかった。 途中の乗換駅の通路で、なぜかCDのワゴンセールを見る気になる。今まで見向きもしないのに。60〜70年代の洋楽ポップスのコンピアルバム(1800円)、「あきれたボーイズ」のCD(500円)、大木伸夫の歌謡浪曲大全集(500円)を買ってしまう。解放感からか。 8.15帰宅。 同窓会報も明後日でケリがつくし、Y木の件も終了。明日はH野氏、O路嬢の記事も掲載。いくつかの懸案問題にカタがついて、ドッと肩の荷が下りる。 途中でビールを買って、一人で祝勝会。久々の解放感。 10月14日(火)終日雨 夕方までに、事務局にゲラが渡せるように、午後から会報編集最後の追い込み。なんとか9割方出来上がるが、問題は校正。1人で内校するには限界がある。必ず見落としや思い込みがあるもの。本当は複数で読み合わせをした方がいいのだけど。毎年、思いもよらない「赤字」が出るとガックリと気落ちする。 5.15、「代々木庵」に行き、打ち合わせ中の同窓会事務局S畑氏、会長S田氏の2人にゲラを渡す。 6.00、阿佐ヶ谷。明日、Y木さんと待ち合わせする場所の選定。ちょうど良い店が見つかったので予約。 駅前では社民党の26歳女性候補が選挙カーで演説。雨とあってほとんど立ち止まる人はいないが、1人のお年寄りがビラを配る運動員に声をかけ、励ましている。何度も頭を下げる若い運動員の女性。杉並はかつて「革新」の牙城。その「革新」という言葉も、「自民」「民主」の二大保守体制の下ではすっかり色あせて見える時代。やがて、二大保守党は合体し、新翼賛体制が生まれることは自明。自民・民主の選択など、電気椅子で殺されるか絞首刑で殺されるかの違いでしかない。それでも、「反与党」をベターとしなければならない、不毛な時代。 7.00、原宿。雨にも関わらず、女子高生や若い女性でごった返す竹下通りを抜けて明治通り。 16日にオープンする”大人のための隠れ家的ライブハウス”「ブルー・ジェイ・ウェイ」のプレオープン・イベント。SMAのW氏に案内され、席に着く。すでに一回目のライブが終わった模様。客席に渡辺真知子らの顔。ライブは「ブレッド&バター」「安則”CHAKA”眞美」。ブレ&バタは兄の方が還暦だとか。しかし、きれいなハーモニーは年齢を感じさせないし、見た目も若い。あんなふうに年をとりたいもの。 CHAKAのムーディーなジャズ&ブルースは店の雰囲気にぴったり。1000円で食べ放題というブッフェ方式。お値頃だが、客を呼ぶには、出演者の顔ぶれ次第か。 9.00終了。 10.00帰宅。M田広子さんからメール。昨日出したメールへの返事。公演参加を決めたようで、なにより。ふくれっつらの絵文字に吹き出してしまう。 10月13日(月)雨 雷鳴の中、午後から印刷社に出向き、同窓会報の編集。仕事の合い間に片手間でやってたら、間に合いそうもないから、仕方なしの出動。校正から割付、組版まで1人作業。閑散としたフロア。PM8帰宅。せっかくの連休も好きな映画1本見ることもなく終わり。疲労困憊。 10月12日(日)晴れ 9.30起床。レンタル倉庫から秋もののジャケットを出してくる。 義母が手にケガをしたというので、K市までお見舞いに。電車で2時間。 典型的な利益誘導型の政治家が跋扈する地方都市。しかし、不況でのさびれようは悲惨。空き店舗が連なる閉鎖シャッター商店街。活気のない町。公共事業だなんだといって、潤うのは常に政治家と一握りの業者だけだ。おこぼれが出なくなったとき、真っ先に切られるのは末端の零細。 帰宅は8時。ホームで家族が別々の電車に乗って気づかないまま発車するというアクシデント。ケイタイメールで連絡取り合う。こんなときは便利。休み一日目、疲労感。 10月11日(土)晴れ 6.30出社。息つく間もなく仕事をこなし順調終了。渋谷の「M」が12月で閉店するというメールがYさんから届く。せっかく閉店中止になったと思っていたのに残念。 2.00、バスで新大橋へ。ベニサン・ピットでtpt「スズメバチ」。隣りの席にM紙のT橋さん。開演まで雑談。さすがに公演の多い10月。取捨選択を迷うところ。「モンテ・ーー」をパスしたそうで、さすがは目利きの判断。 さて、「スズメバチ」。人家から離れた農園に共同生活する3人の女性。ある日、2人が出かけたのを見澄ましたように、一人の男(千葉哲也)が侵入。バスローブ姿のマージョリー(中川安奈)をいたぶり、乱暴し、レイプしようとする。しかし、必死の抵抗にあい、立場は逆転する。熱湯をかけられ、手足を縛られ、暖炉の中に放り込まれる男。 しかし、これからが、この芝居の本編。 そこに戻ってきたテリー(井沢希旨子)はマージョリーと、男を警察に引き渡すべきかどうか激しくやりあう。言葉巧みに取り入り、女2人に疑心暗鬼を生じさせる男。実はこの家を前から探り、手紙を開封しては、女性たちの”弱点”を見つけていたのだった。 もう1人のパトリシア(富沢亜古)も帰宅し、男の処置をめぐって3人は激しく議論を交わす。警察に届けたところで、レイプ未遂であり、男はすぐに釈放されるだろう。そなったら、男は復讐にやってくる。「顔をずたずたに切り裂いてやる」ーー男の言葉がマージョリーを脅かす。 テリーとパトリシアは共犯になることを恐れ、男の言い分に耳を傾けようとする。 次第に分が悪くなるマージョリー。男の巧みな心理操作は女たちを混乱・分離させる……。 ウーム、これはすごい芝居。何がすごいかといえば、その暴力描写の激烈さ。千葉哲也の中川安奈に対する暴行、陵辱、言葉の暴力のすさまじさといったら、客席が凍りつくほど。目の前で本当に暴行事件が起こっていると錯覚するような、凄惨なシーン。千葉演じる男の残忍さ、いやらしさは目をそむけるほど。この暴力シーンのリアルさがあるからこそ、このあとの、中川安奈の殺意の芽生えと男への恐怖からくる過剰な虐待に観客はシンパシーを持つのだ。 単純なレイプ未遂事件をテーマにしながら、実はそこに登場する人物の心理と人間関係が見事に暴き出される。間然する所のない舞台。中川安奈の体当たりの演技、千葉哲也の迫真力。文学座の富沢亜古、井沢希旨子の配役もズバリ。 ニューヨーク初演ではファラフォーセットがマージョリー役。レイプ裁判の困難さを告発した舞台でもある。 3.30終演。楽屋に行って井沢希旨子と立ち話。「流山児事務所をやめたし、当分芝居はできないと思っていたのに、こんな大役がきてうれしい」と笑顔。こんなにうれしそうな井沢を見たのは初めて。 「この間はどうも」と一緒に飲んだことを憶えていてくれた中川安奈。「ガジラの芝居みたいでしょう」。 4.00、会社に戻り、後片付け。その後、6時まで会報にかかりきり。 7.00、大塚・萬スタジオ。月蝕歌劇団「愛と誠」。M田政男さんの隣りに座る。開演前に雑談。 30年前の「のんすとっぷ24時間」のことを聞いてみる。M田さんはパリ事件で強制送還された直後、自民党の議員たちと舞台でやりあって途中退席したのだった。 「途中退席したのは、自民党の青嵐会の連中、中山正暉だったか、あいつらがむちゃくちゃなことを言うので、”帰れ、お前ら”と言ったら、奴らは帰らない。それなら、オレが帰ると言ったんだ。その後、コマ劇場を出て、まっすぐのところにある定食屋で竹中労と酒を飲んでいたら、”そういえば出演料をもらうのを忘れた”と。途中で出てきて戻るのも業腹だけど、まあ、いいかって2人で戻って出演料をもらってきた。それが1万円だった」 当時の1万円は結構な額。百人以上は出演者がいただろうから、あのイベントは大赤字だったに違いない。 てなことを話しながら、開演を待つ。そこに高取氏、PANTAと制服向上委員会のメンバー登場。 「少年マガジン」で連載された劇画の舞台化。原作に忠実に再現。璃笑(りえ)が誠、一ノ瀬が愛、長崎萌が高原由紀。 原作付きというのは「家畜人ヤプー」「疾風(かぜ)のまつりごと」があるが、「ヤプー」は別にして、なぜ月蝕がやるのかという意味があまり見えない。大胆な脚色ができない「原作もの」は月蝕のアキレス腱か。 終演後、璃笑の等身大ポスター限定1枚1万円があっという間に売れてしまう。確かに素晴らしい出来のポスター。 9.30、外はいつの間にか雨。松田さんと「花の木」へ先乗り。その後、高取、長崎、一ノ瀬、保鳴美、松宮、K通理作、ライターのM浦さん、三坂ら。璃笑は少し顔出ししてすぐに引き上げる。PANTAはSKIの子たちを送っていったとか。 K通氏に会うのは初めて。岸田森のような痩身、白皙の人を想像していたが、ややN森明夫系。おたく文化系の体型はどこか共通?(失礼)。本名だそうで、「理作」という名はいかにもイメージが今風でないため、昔から気にしていたらしい。ならば「理作」を「かずさ」と読めば、白皙の貴公子然としたイメージができるのではと進言するも、ピンとこなかった様子。 11.45解散。ぞろぞろと駅まで歩き、ホームで右左に。M浦さんと同じ方向なので少しおしゃべり。ライター養成学校でK通氏の生徒だったとか。 電車は終電が途中駅まで。仕方なく、タクシー帰り。1.20帰宅。 10月10日(金)晴れ 午後、GIGAのI丸有里子さんから電話。観劇のお誘い。あと2日、楽日までには見に行かなくては。 仕事が終わった後、会報の仮組み付け。8ページ。今年は出だしが遅い。間に合うか。 PM7、池袋。サンシャイン劇場でメジャーリーグ「モンテ・クリスト伯」。安寿ミラ、汐風幸、橘いずみ主演。栗田芳宏演出。安寿、栗田は同じくメジャーリーグの前作「ハムレット」コンビだそうで、これは結構評判が良かったとか。見ていないのでわからないけど。 今回はSMA所属のタップダンサー・熊谷和徳と橘いずみが出演しているということで、その方面の興味からの観劇。まったく予備知識なしで劇場へ。 冒頭、舞台上手でスポットの中、熊谷のタップ。継いで、囚われの身のエドモン・ダンテスの独白、回想。牢獄島でのファリア司祭との脱獄も回想で処理され、ダンテスの身の上に降りかかった災厄、複雑な登場人物関係も、スッキリと説明される。ウーン、なかなかうまい演出、と思ったのはここまでで、さあ、プロローグはおしまい、本編はどんなに面白い展開を見せてくれるかと期待したが、いつまでたっても、プロローグの延長のような演出。つまり説明だけ。これが1幕終わりまで続く。 まるで、地の文のない小説、あるいは、地の文だけで会話のない小説?を読まされているような、居心地の悪さ。重厚な演出とこれまた重厚な俳優の演技が重苦しさに輪をかける。俳優は確かに錚々たる顔ぶれ。小林勝也、菅生隆之、そして自らファリオ司祭を演じる栗田芳宏の俳優としてのうまさは特筆もの。 しかし、芝居の構造は上滑り。延々と繰り返される「前置き」的芝居は観客を疲れさせるだけ。2幕も同じ平板なトーンが続き、うんざり。 楽しみにしていた橘いずみは1幕終わりで登場。女奴隷エデの役。”女尾崎豊”という歌手としてのイメージが強かったが、一人芝居も経験しているようで、演技者としての素質もなかなかのもの。ただ、とんがった歌のイメージとは違って、なんだか「関西のフツーのおばはん」っぽい風貌に肩透かし。 ダングラール夫人を演じた女優が友貞京子に似てるなと思ったらやはり本人。ずいぶん久しぶりに見た。 「ミュージカル」とはうたっていないが、せっかく歌える女優がいるのだから、せめて何曲かと期待したが、最後まで歌はなし。演出家の最初の構想と別の芝居になったようだ。 TOMI YOの音楽は「循環音」を多用。まるでシーザーを意識した音楽。メジャーリーグだからか。ウーン、どうも肌が合わない。 10.00終演。急いで家路に。 10月9日(木)晴れ 朝起きたら肌寒い。仕方なく厚手の長袖のシャツを着用。 5.00、仕事を終えて森下町へ。バスで200円。 喫茶店で1時間ほど同窓会報の面割り&割り付けを考える。 7.30、森下スタジオで指輪ホテルの「It’s up to You」。今年3月にフィリピンで行われた「アジア女性演劇フェスティバル」で上演した作品の日本版。「すべての女は娼婦=女優である」と題し、女性の「性」と「娼婦」をテーマにした舞台。 開演前に30分間、ビデオで現地報告&題材へのアプローチ説明。本編は登場人物、女性5人はガーターベルト、コルセットの下着姿。舞台は高く、客席の目の高さ。ちょうどファッションショーのよう。風俗嬢のモノローグなどを織り込みながら、1時間のパフォーマンス。官能的な下着姿とはいえ、女優たちがそれに見合うかどうかは別もの。その中で、メインの石黒曜子がコケテュッシュ。 9.10終演。会場にいた松本修氏に挨拶して家路に。 10.10着。 10月7日(水)晴れ 午前中、トランクルームに行って秋物を出してくる。ついでに不要な衣類を整理したら、ほぼ半分の分量に。 午後、どう調整しても予定が詰まってしまい、仕方なく、休みなのに新宿へ。ジテキンSTORE「人形の家」。PM2〜4.20 。開演前に青年座のS雲氏とK岩氏と雑談。 時代を日本の昭和初期?に置き換え、三鴨絵里子のノラはどことなくはすっぱで、投げやりな女。なぜ、このキャラクターなのかよくわからない。三鴨のキャラに合わせただけなのか。飯島+鈴木得意の新劇風リアリズム演出。その世界に入り込めないのでまったく感興湧かず。忍従の2時間20分。 毎日のT橋さん、江森さんの姿を見るも、帰りを急ぐので話もできず。電車に飛び乗り、帰宅の途。息子の躰道稽古の日なので、送り迎えをと思ったが、肝心の子供が日が暮れても帰宅せず、稽古行きは中止。 夕方になると風が冷たく、もう季節は秋景色。Tシャツでは寒いのは当たり前。町を行く人は皆、厚手の秋物ジャケットを羽織っている。今日、トランクルームからジャケットも出してくればよかった……。 福島県・矢祭町の根本良一町長が全国町村会から「市町村長総務大臣表彰」の推薦を受けたところ、25人の中でたった1人表彰から外されたという。総務省が推進する市町村合併に対して「合併しない宣言」をし、住基ネットへも参加していない矢祭町。表彰を決裁するのは片山虎之助総務相。住基ネットへの不参加を「違法行為」と非難していた片山総務相による、明らかなイジメ、意趣返しだ。なんとも大人げない、セコイ大臣がいたものだ。 「住民のための町長であって、表彰など眼中にない。受賞しても総務省には行かなかっただろう」という根本町長の反骨ぶりに拍手。 10月6日(火)晴れ Y木奈江ちゃんと来週のアポイント。Aスキー・K暮氏に写真転載の了解をもらう。 PM5.30、仕事を終えて、三軒茶屋へ。さんま定食+目玉焼き(830円)。 いつも行くネット喫茶に行くと今日は閉店……よくよく見ると店内はガランとしてテーブルが乱雑。潰れた模様。番号案内で調べたらキャロットタワーのまん前に漫画喫茶があったので、30分ほどネット。 7.00、シアタートラムで遊・機械オフィス「宇宙で一番速い時計」。吉川ひなのが声帯不調を理由に直前降板した舞台。 太陽がまぶしかったと言って人を殺したのは「異邦人」の登場人物・ムルソーだったが、こちらの主役・クーガーは自分の年齢を言い当てられたために、妊婦を暴行・虐待する。 フィリップ・リドリーの作品には狂気と残酷というフレーズが冠されるが、この作品は実にわかりやすい構造。30歳なのに、いつまでも「19歳の誕生日」を迎えるホモセクシャルのクーガー。今回の19歳のバースデーの目的は10代の若者フォックストロットを誘惑すること。彼の兄が死んだ日にちを自分の妻の命日と同じと偽って接近、誕生日に招待してモノにする計画。 クーガーと同居するのは冴えない中年男・キャプテントック。ロマンチストであり、彼の語る王子と盲目の娘の恋物語の結末にこの作品のタイトルのナゾが隠されている。 さて、フォックスロットと甘美な一夜をと期待しているクーガーだが、つづいて飛び込んできたのがフォックスの恋人シャーベット。妊娠中という。この恋人の闖入で、クーガーの計画はもろくも崩れる。主役そっちのけで、盛り上がるシャーベットたち。しかも、長広舌のあげく、自分のもっとも恐れる秘密が彼女の口から飛び出す。続く混乱と狂気……。 クーガー、チーター(家主)、フォックス、シャーベット、キャプテンーー名前に込められた暗喩。クーガーが住むのは毛皮工場のあった建物、鳥の剥製が部屋中に飾られ、家主の着るのは「生きたまま皮を剥いだのでいつまでも若さを保っている」というミンクのコート。フォックスとシャーベットがプレゼントしたのは、クーガーがもっとも嫌う時計。……メタファーだらけの舞台。 しかし、年をとることを恐れるナルシスなホモ青年が、自尊心を傷つけられて逆上……の図は耽美というよりもどこか滑稽。 「宇宙で一番速い時計」とは、魔法使いに言われ、王子が捜し求めたもので、娘と苦難の末に永遠に結ばれた瞬間に訪れる時の流れを指す。つまり、それが深いほど時間の流れは加速度的に進む。つまり「宇宙で一番速い時計」とは「愛」のこと。 鈴木一真のクーガーは不機嫌なナルシストをよく造形している。が、なんといっても本当の主役はキャプテン浅野和之。クーガーへの思いを胸に秘めながら、シャーベットの闖入で、誕生日の夜の風向きが変わったことを密かに喜びつつ、クーガーを気遣うという、難しい心理の流れを実に細心に好演。さすがに技量は一枚上。 富浜薫は急な代役にも関わらず好演。キャプテンに継ぐ難易度の高い役どころ。これは、おそらく舞台二度目の吉川ひなのではかなり苦しい役だったのでは。ノー天気を装いながらも、次第にクーガーを追い詰め、挑発し、最後の一線を越えさせるには練熟の演技を要求される。セリフもハードだし、ひなのの降板理由は「声が出なくなった」だけではなさそう。 「民衆に拠って立つ芝居以外は出ない」という民主主義原理主義者・草村礼子が初めて挑戦した不条理な若者の物語。ミンクのコートと手押し車の不気味な家主ぶりがいい。 「いつまで19歳の誕生日に恋々とするクーガー」は30歳。ゼイタクな。「ベニスに死す」の老教授だって、三島由紀夫だって、もう少し自分の肉体の衰えと真正面から向き合った……のでは。 この頃、同世代の役者を見るとき、「顔のシワが増えた」「アゴが二重になった」「お腹が出てきた」といった負の部分につい目がいってしまう。時間は残酷なもの。誰しも、宇宙の時計からは逃れられない。 9.15終演。友人のY田ちよさんと途中、渋谷駅までおしゃべり。 10.30帰宅。 10月6日(月)晴れ 帰宅すると、高校時代の担任Y先生から同窓会報の寄稿文が届いていた。これが最後の入稿。明日から本格的にスパートしなければ。 先生に原稿のお礼の電話。物静かな話し声。先生は台北生まれ。「親父の生まれた青森に帰って教職に就かなければ、今ごろ神田の古書街を散策しているかもしれないね。東京に出て、ジャーナリストになりたかったんですよ、私は」。 父親が病気で伏せったために、自分の希望を断念し、田舎の一高校教師で定年を迎えたY先生。もちろん、初めて聞く話だ。今にして思えば、当時の教師だっていろんな悩みや苦しみを抱えていたのだろう。そんな教師の胸のうちなど、忖度できる年じゃなかった。なんだかY先生を急に、身近に感じてしまう。 10月5日(日)晴れ 自転車に乗れた日 11.00起床。午後、喫茶店で同窓会報の構成。H野氏の原稿。休日とはいえ、これらが終わらないと落ち着かない。 夕方、自転車に乗って近くのダイエーまで買い物。7000円で買った新車。自転車がこんなに安く買える時代。 子供の頃、自転車は高嶺の花だった。今のように子供用自転車など買ってもらえるはずもなく、ペダルに足が届かない小学生たちは大人用の自転車のサドルの下のフレームに横から足を入れて三角乗り。 初めて自転車に乗ることができたのが小学校4年の頃。同級生のGに「まだ自転車に乗れないのか」と言われたのがきっかけだった。この言葉に発奮して、懸命に自転車練習したことを「自転車に乗れた」というタイトルで作文に書いたら銀賞もらってほめられたっけ。負けず嫌いではあったらしい。 自転車の練習をしたいと言ったら、伯父が小屋の隅にある古い自転車を引っ張り出してきて、サビを落とし、銀色のエナメルを塗ってくれた。しかし、いくらエナメルを塗ったところで、ピッカピカになるはずもなく、かえって銀色のでこぼこが目立つ自転車は不恰好さが強調されたようだった。しかもサビ止めを塗るとハンドルやスポーク周りが黄色くなる。ゴテゴテして、正直、こんな自転車イヤだなあと思っていた。 でも、その自転車で毎日練習をした。家の前の小さな坂の上から駆け下りる練習。足が届かないから、サドルの上に腰かけて、後ろから支えてもらって坂を駆け下りる。そういえば珍しく、父がその練習を手伝ってくれた。普段は仕事でほとんど家にいないため、もっぱら遊び相手は父と10歳以上年の離れた伯父だったから。 足が地面につかないので転ぶ時はそのままスッテンコロリ。それでも、次第に支えを必要としなくなり、ハンドル操作ができるようになると、家の周りを一人で廻れるようになった。このときのうれしさ。たぶん、今までの人生の中であれほどうれしかったことはないだろう。急に目の前が開けたような解放感。自転車さえあれば世界の果てまで走っていけるという自信。もちろん、乗り方は三角乗りだが。 初めて町を走ったときの爽快感は忘れられない。でも、同級生に出会うのはイヤだった。不恰好なエナメル自転車を見られるのが恥ずかしかったから。今から思うと、みんなの家の自転車だって、サビだらけだったんだけど。で、次第にそのエナメル自転車に乗るのを避けるようになり、いつしか自転車は小屋の隅に。 せっかく伯父が一生懸命サビを落とし、塗装してくれた自転車なのに。その時のエナメル自転車を思い出すと、今でも伯父に悪いことをしたなぁとかすかに胸が痛む。子供はいつでも残酷なもの。 その後、中学を卒業するまで、新しい自転車はついぞ我が家に来ることはなかった。 雑誌「中1コース」の5段変則自転車プレゼントに何度ハガキを出したことか。自転車が当選したという知らせを毎日待ち焦がれた。自転車が欲しくて欲しくてたまらなかったあの頃。 「高校に入ったら、よその町に行ってしまうから、自転車はムダになると思ったんだけど……。そんなに欲しかったのなら買ってあげればよかった」と何十年後かに母が言ってたっけ。 上京して、初めて自転車を買った時のなんともいえないうれしさ。自分の自転車を持つというのは、それほど誇らしいことだったのだ。 今のように自転車が町にあふれ、無造作に捨てられているのを見ると、あれほど自転車に恋焦がれた小学生の自分が愛しくなる。できることなら、真新しい自転車をその時の自分に届けてあげたいがそれもかなわないこと。せめて、今買った自転車を大事に乗ることが、小学生時代の自分に対する誠意か。……なーんて書いても、我が家の豚児たちには、こんな思い理解できないだろうなぁ。 10月4日(土)晴れ 暗い・寒い・眠いーー朝起きるのが辛い時期。5・45の電車で会社へ。仕事サクサク。 PM2、品川プリンスホテル・クラブEXで「クロス アクト1 ワンダフル・ワールド」。「コンボイ」の黒須洋壬が主宰するダンス・パフォーマンス。出演者は人気ミュージシャンの実力派バックダンサーたち。最新のダンス・パフォーマンスが見られると、期待に胸躍らせて品川へ。 クラブEXはホテルの中のショー・ホール。宇宙船のような巨大なテレビモニターが吊るされ、円形のステージが客席に突き出している。その周りを客席が取り囲む。円形のテーブルに4人ずつの客。壁際に特別席。高級感漂うディスコホール。若い女性、業界人で満席。 無名でも実力のあるダンサーたちを黒須がどのように演出し、見せてくれるか。ボブ・フォッシーの「オール・ザット・ジャズ」がモチーフの黒須版「オール・ザット・ジャズ」。 しかし、結論を言えば、大外れ。スカ。 ダンス以外の余計な挟雑物が多すぎる。コントじみた芝居、ダジャレ、オヤジギャグ、客いじりーーダンスシーンもほとんど伝わってくるものがない。難易度の高いダンスなのだろうが、それをショーアップして見せる術がヘタ。円形のステージを活用できているとは思えない構成。ほとんどのダンスシーンは真正面の客の視点に合わせているだけなので、サイドの客席から見てもまったく映えないのだ。おまけにつまらないギャグの連発。 若いのだからもっと全力のダンスシーンを見せて欲しい。先日の「ザ・シンガーズ」と比べたら月とスッポン。エンターテンメントとしての技量も心構えも違う。ホテルのショーということで、力を抜いているのか、これが実力なのか。上演時間1時間45分。期待が大きかった分、あまりの低調さにガッカリ。 5.00、会社に戻り、後片付け。 7.00、銀座・博品館劇場で「一郎ちゃんが行く。」。明治時代、海外留学団のリーダーを決めるために、国技館で選抜者たちによる知識比べをする。主役は帝大を半年で卒業した一郎ちゃん(升毅)。大詰めは三人の役者による速射砲のようなクイズ合戦。何年か前、再演版を見た時、「なんじゃ、これは」と思ったが、今回は出演者の顔ぶれに興味。升毅、シルビア・グラブ、若松武史、水谷あつし、朝深大介、そしてさとう珠緒チャン。役者を見に行ったようなもので、作品はまったく興味ひかず。 博品館劇場でこの芝居を上演するとは不思議な組み合わせ。ケイ・ダッシュだからか。 トイパークの入口にダフ屋が出たのは初めて見た。 9.05終演。 10.15帰宅。大急ぎでNHK・BSの「男たちの旅路 墓場の島」を録画。シリーズ中、この回だけは見ていなかった。家人が寝静まった後、一人でビデオ鑑賞。根津甚八の顔がいい。まだ状況劇場に在籍していた時期か? ふてぶてしい顔つき、痩身、ケンのある目つきーーアングラしている。操り人形であることをやめ、ステージで引退宣言を決意する人気歌手役。若者の心の葛藤の余韻を残したまま、結論を出さずにドラマは終わる。すべてを白黒つけて、曖昧さを許さない今のドラマでは考えられないエンディング。 10月3日(金)晴れ 民間機撃墜訓練 同窓会報やら、頼まれ原稿やら、やることはいっぱいあるのに、なかなか進まない。頭の片隅にそういったシコリがあるので、どうも鬱々としてしまう。PM1.00、昨日電車の網棚に忘れたファイルノートを引き取りに中目黒まで。 4・00退社。 5.00、整骨院でマッサージ。6.30帰宅。 「イラクに大量破壊兵器はなかった」と米調査団のデービッド・ケイCIA特別顧問の中間報告。やはり、アメリカのイラク戦争に正当性はなかったわけだ。しかし、ブッシュの「先制攻撃論」の罪は大きい。ロシアがそっくり同じ論理で「先制攻撃論」を新軍事ドクトリンに取り入れたからだ。「同盟国の危機には先制攻撃も辞さない」と。 誰かが校則を破り、それを正当化すれば必ずマネするヤツが出てくる。そして学校は崩壊への道をたどる。ブッシュの身勝手な論理で世界は新たな問題を抱え込んだ。 一方、日本ではテロ対策特別措置法改正案可決。主に、インド洋上の米英軍艦隊への給油を無償で行う「パシリ」法を延長しようというもの。現在、インド洋で活動する各国艦船は昨年5月の100隻から21隻に減少、そのうち米艦船はわずか2隻。その2隻に給油する4000キロリットル(ピーク時3万キロ)のために、自衛隊がはるか彼方に遠征し、血税が使われるという無駄。国民には犠牲を強いて、アメリカのご機嫌伺い。すでにその役目は終わっているのに、法律改正を強行し、米英にこびへつらう、「踏まれてもついて行きますゲタの雪」みたいなコイズミ。 北米航空宇宙防衛司令部・空軍大将イーバハート司令官が2日、9・11以降、戦闘機のパイロットが週に数回、旅客機の撃墜を想定した訓練をしていることを明らかにした。何百人もの民間人を乗せた旅客機をためらうことなく撃墜できる心構えを作ろうとするもので、パイロットたちは「撃墜命令を遂行する覚悟は十分にできている」と語ったという。 軍人は命令に従うのが職務とはいえ、罪もない民間人を乗せた旅客機を撃墜する訓練とは。 軍人は国民を守るのではなく、国家を守る暴力装置だということがよくわかる。中国の人民軍が民衆に銃口を向けたように、たとえ、どんな国家であろうと、軍隊は軍隊。自衛隊を災害救助隊と勘違いしている国民はそのうち軍隊による手痛いしっぺ返しを食らうことになる。 国家による、いかなる戦力の保持をも禁じた憲法9条の精神の高邁さよ。 10月2日(木)晴れ 会社に行ったら、頭痛がするのでバファリンを飲んで様子見。風邪か? PM2、テアトル・エコーのAさん来社。10月公演の情宣。 PM3.30、SMAのW辺氏来社。16日にオープンする原宿のクラブの件。 PM6、渋谷。タワーでドーリスの新譜「24時間世界一周」と高宮マキ「Miss Salt&Sugar」を購入。 6.30、Y木奈江からメール。この前の件。稽古場が決まったらしい。 PM7、パルコ劇場で「美輪明宏 音楽界<愛>」。今年は第一部が自作の歌中心。「ヨイトマケの歌」や長い間、封印してきたという「亡霊の行進」など、ハードな歌ばかり。MCもいつになく社会への苛立ちと、呪詛に満ちた言葉が飛び出す。「徴兵制が敷かれる時には、交換条件を出しましょう。真っ先に首相が最前線に行くこと。議員の娘を従軍慰安婦にすること……というような」「次の総選挙、わかってるわよね。みーんな落選させればいいいのよ」 二部はいつものようにシャンソンを。長いこと見てるが、今年は気合が違う。朗々と歌い上げる歌が多いのは調子がいい証拠。体も締まっているし、声は出る。見事なステージぶりに驚き。去年は体調を崩していて、やや疲れ気味だったので、余計今年の充実ぶりに目を見張ってしまう。 終演後、パルコのS江氏、オフィス・ミワのK井さんに案内されて楽屋へ。特別に設えたピンク色の楽屋の鏡の前に座る美輪さんに挨拶。にこやかな微笑み。新高さんのことなどを話す。面会者が列を作っているので、早々に退出。 ちょうど、直通の半蔵門線に乗ったのでそのまま下車駅まで。 11.00帰宅。娘もスーパーアリーナで行われた「ジョン・レノン記念祭2003」から帰ってきたばかり。 「オノ・ヨーコも最後にイマジンを歌って、すごくよかった」とか。 長野の住基ネット侵入実験が「成功」。個人のプライバシー防御は、ハッカーによって簡単に破られるということが証明されたわけだ。これでも住基ネットは万全と言い張るのだろうか。 10月1日(水)晴れ 午後、優勝セールでごった返すダイエーへ。自転車を7000円で買う。前の自転車は13年間使ったもので、パンクを繰り返したため、自転車置き場に置きっぱなし。聞いたら、朝から並んだ先着優先者には4000円で売られていたとか。残念。 帰宅して、録画しておいたNHK・BSの「世紀を刻んだ歌3 輝く星座」を見る。1992年から1993年まで2年間にわたってサラエボで上演されたミュージカル「ヘアー」をめぐるドキュメント。 ベトナム戦争時の1968年にアメリカで生まれたミュージカルが34年後に戦火のサラエボで復活する。中心になったのはサラエボのロックミュージシャンやダンサーたち。無差別に発砲する狙撃者や町を包囲する戦車の爆撃を避けながら、水も食糧も、電気も不足する町で上演される若者たちの反戦の舞台。死と隣り合わせの状況で歌われる「レット・ザ・サンシャイン・イン」の美しさ、力強さ。「太陽が欲しい」ーー太陽とは真実であり理想であると、オリジナル・ヘアーのプロデューサー。 サラエボの「ヘアー」はやがて、敵対するベオグラード内の若者たちによってベオグラードでも上演される。「フィールド・オブ・ドリームス」のフィル・ロビンソン監督は、サラエボを訪れ「サラエボのヘアー」を知る。そして、アメリカで上演するために動き出す。舞台を見ることによってアメリカ人にボスニア紛争の現実を知ってもらうために。 さまざまな人々の努力で、アメリカ公演が実現しようとするが、出国の当日、迎えに来るはずの国連のクルマはついに現われなかった。アメリカ政府が直前になってサラエボの若者たちの入国許可を取り消したのだ。今もって誰が入国許可を取り消したのか真相はヤミの中だという。 2年間、戦火の中で続けられた「ヘアー」。「あれは極限下の希望でした」と当時の観客が語る。 平和と愛と希望と勇気。音楽が人々に生きる希望を与えるーー。見ている間、涙でボロボロ。 昨夜は途中からプロジェクトXを見たら、これまた素晴らしいドキュメント。北海道・霧多布の小さな診療所の医師・道下俊一氏の半世紀を追ったもので、昨今多発する医療事故のニュースと重ね合わせれば、「医者はカルテの裏側、つまりその患者の抱える生活と人生に思いを寄せることができて初めて医者となるのでは」という道下氏の言葉の意味は重い。 漫画家になるために東京に去ったレントゲン技師が後に漫画家モンキー・パンチとなるという「オマケ」にはびっくり。 テレビはやっぱりドキュメンタリーに限る。 |