| 5月30日(月)晴れ PM4。仕事を終えて、丸の内ピカデリーへ。「21グラム」を見ようと思ったのだが、勘違い。来週からだった。仕方なしに東映に移動。前から気になっていた「死に花」を見る。 老人ホームに入居する男たちが17億の現金が眠る銀行の金庫目指して穴掘り作戦。いかにもありがちな物語と思えるのだが……。 藤岡琢也、青島幸男、谷啓、山崎努、宇津井健、長門勇、松原智恵子。子供の頃にテレビで見ていた「スター」たちが、半ば演技とはいえ、老いを隠さず、「老残」をさらけだす。映画館のスクリーンで見ると、その「老い」がことさら目立つ。それを見ると、つい人生の越し方行く末を考えてしまうのは、自分もいずれは……と思う年齢になったからだろうし、亡くなった父母に思いをめぐらしてしまうからなのかもしれない。痛々しくて、思わずスクリーンから目をそむけてしまいたいような、前半の展開。とにかく辛気臭い。「生」を象徴する介護人・星野真里のはすっぱな若ささえまぶしく見える。 「老残の極み」を演じる(?)森繁久弥の白寿パーティーのシーンを見るとなおさら。 小学生の頃、森繁が主演の「七人の孫」が好きだった。森繁演じるおじいさんを見ながら、いつかはこのおじいさんも亡くなるんだろうと思ったら涙が出た。 しかし、番組の終わりに、老人のメイクを落した森繁が登場し、「私はまだこんなに若いんです。”死なないで”という手紙をたくさんいただきましたが、皆さん、大丈夫ですからね」と笑顔で挨拶したことを昨日の事のように思い出す。あの頃は森繁もまだ50代か……。 そんな鬱々とした気分は後半、次第に溶解していく。「モグラたちの夢ゲリラ」よろしく、人生の達人たちの大作戦。穴掘りに賭ける彼らの活き活きとした顔。そして、思いもよらないどんでん返しの連続。近頃の映画に氾濫するCGもこの映画で使われると効果百倍。伏線もきっちり生かされ、ラストシーンへ収束される。見終われば「老い」もまたよしの心境に……。これは意外な拾い物。PM6.15終映。 回転寿司で腹ごしらえし、恵比寿へ移動。 7.00。エコー劇場でテアトル・エコー「もやしの唄」。 予定していた日に行けず、楽日に見るという禁じ手を使ってしまったのだが、無理して行ってよかった。これは掛け値なしの傑作。 1960年代の中頃、テレビ・洗濯機・冷蔵庫が「三種の神器」といわれた高度経済成長期を背景に、ある小さな町でもやし屋を営む家族が織り成す物語。 6時間おきにもやしに水をやらなければならないため、いつも寝不足の主人・恵五郎。早くに父母を亡くしたため、好きな道を諦めて家業を継いだのだが、6年前には最愛の妻をなくし、忘れ形見の息子が一人。 家族は結婚を間近に控えた天然に明るい妹、世をすね、就職に懐疑的なモラトリアム大学生の弟、時々訪ねてきてなにかと家族の世話をする義母。そして、ひそかに恵五郎に思いを寄せる従業員の九里子、元従業員で知的障害の喜助、そして、物語の「狂言回し」役である住み込み新人従業員の村松くん。この7人のそれぞれの日々が淡々と描かれる。 もやしを育てるというささやかな日常の風景から浮かび上がる庶民の哀歓。 一人ひとりの個性と裏側に秘められた思いをきっちりと描いた脚本(小川未玲)、細かな感情の機微を情感豊に表現する演出(保科耕一)、そして、極めて自然に60年代の人々の意識と生理を体現した俳優諸氏。3者が絶妙に絡み合い、昇華された極上の家庭劇。60年代にはごく普通に見られた知的障害者と「健常者」の垣根のない交流を、奇矯な視点を加えることなく自然に描写しているのに好感。 エコーの芝居とは思えないナチュラルな笑いと涙にあふれた作品。これはエコーの財産になるだろう。瑕疵を探そうとしても見つからない、これも百点満点。 A石氏に挨拶して家路に。10・30帰宅。 5月30日(日)晴れ 6.30起床。9〜12、S木市の公民館で躰道稽古。今日は自分の稽古の2日目。いきなり型を教わり、「通し」まで。休憩もほどほどに稽古三昧。噴き出す汗、途中何度も水分補給。稽古がこんなに楽しいとは。もっと早めに始めればよかった。マージャンも覚えたての時期が一番面白いものだけど……。 躰道は中腰の姿勢が多いので、終わると足腰がぱんぱん。帰り道、二人で草の生い茂った空き地を通ると、「こういう所がいいよね」とぽつり。やはり、子供にとっては自然の環境が一番なんだな。 心地よい疲労ではあるが、2.00に帰宅すると頭痛。寝不足のせいもあるだろうが、張り切りすぎたか。頭痛薬を飲んで2時間ほど仮眠。起きて、今日の復習をしようと、部屋で型の稽古を始めようとしたら、もう途中があいまい。ウーン……。間違えて覚えてそれが身についたら直すのが大変。次回行くまで自主稽古をペンディング。なんのこっちゃ。 蒸し暑い夜。なかなか寝付かれず輾転反側。 5月29日(土)晴れ 午後、横浜の叔母の家を訪問。父の葬儀と重なり、叔父の病気見舞いができなかったため、四十九日も明けたことで、ようやく挨拶に。 家族が一足先に到着。あとから追いかけての訪問。2時間ほど歓談。叔母の家にお世話になったのは30年ほど前か。その時、家庭教師代わりをした子供たちも今は結婚し、立派な母と父になっている。時間の流れの速さよ。自分が住んでいたアパートがまだ健在なのでびっくり。トタンに覆われたオンボロアパート。まだ人が住んでいるんだ。 駅で家族と別れ、4.30帰社すると社内は閑散。その中でF氏が自分の席にひとりぽつねんと座っている。橋田氏の遺体がネットで公開されたことを話すと「見たけど……ひどいね」と顔を曇らせる。橋田氏の経歴などを教えてもらう。法政の自治会委員長だったとか。 PM5.30、地下鉄白山駅。駒込大観音光源寺内の特設テントで水族館劇場の「大いなる幻影」。6時開演だと思って急行したが、ああ勘違い。開演間近というのに、役者たちが半メイクで境内をうろうろしているのでおかしいなとは思ったが、7時開演とのこと。 「上演時間3時間です」と受付の若い子。まてよ、終演が10時か。T氏と合流する予定がある。遅すぎる。出直そうかとの考えが一瞬よぎるが、えい、ままよと当日券購入。時間つぶしに駅前のジャズ喫茶「映画館」でお茶。入り口のそばに大きなスピーカー。厨房には処狭しとレコード盤が立てかけられ、レトロなポスターが張り巡らされている。コーヒーサイフォンと無口なマスター。70年代のジャズ喫茶にタイムスリップしたような不思議な感覚。都内にまだこのようなジャズ喫茶が残っていたとは。 PM7、境内に集まった観客の前で入場前のプレ芝居。大けやきの上に突如現れる女優、テントの上を旋回する双葉機! 綱渡り、前口上。劇中の「犬神サーカス団」のパフォーマンスだ。つかみはOK? 大掛かりな血沸き肉躍る極彩色のテント芝居の予感。 「水族館劇場」を見るのは初めて。風の旅団に連なる「運動の芝居」の劇団の一つの認識しかなく、これまではなかなか見る機会がなかったのだが、もしかしたら今までソンをしていたかもしれない。 作・演出は桃山邑。北海道出身らしい。函館出身の桜井大造もそうだが、底流に、北海道という「辺境最深部」から帝都の中枢を撃つというアングラ演劇の系譜があるようで、興味深い。 日清・日露・日中戦争を軸に、百年という時間の流れの中をさまよう兄と妹。極寒のシベリアと日本を往還しながら、アイヌ、朝鮮人、ギリヤーク、ツングース人ら、「まつろわぬ人々」の歴史と運命が日本の帝国主義戦争とリンクしながら描かれていく。 ロマンチシズムあふれる舞台は懐かしい70年代の香り。回り舞台の盆が3つも置かれ、それが回転するたびに、背景が大きく変わり、時代は変転する。この大掛かりなセットの素晴らしさ。 舞台に出ずっぱりは本物のラバ。木に繋がれ、悠然と草を食む。「水族館」らしく、大掛かりな水の使いっぷりに思わず興奮。本水を使った舞台でこれまで記憶に残る舞台は新宿梁山泊の「人魚伝説」だが、それを上回る圧倒的な水量。天井に向かって吹き上げる大洪水、逆に降り注ぐ瀑布。その中を宙空から吊り板に乗って降りてくる役者。もう、目もくらむ大スペクタクル。実質2時間半の芝居の中だるみにぶつけた演出。これはすごい。 ラストシーンもまた水が舞台を覆うのだが、このときはストロボ照明に包まれ、まるで虹のシャワー。ラバにまたがった少女ーー幻想的な幕切れに陶酔。 最後は役者紹介で桃山がすってんころり、客席前のプールに落ちるというハプニング。なるほど、水族館劇場の名前のとおりの水・水・水の世界。ウーム、今まで見なかったことが悔やまれる。 役者も 個性派ぞろい。幻想の少女・レラ役の千代次は緑魔子のようなセリフ回しの不思議女優。妹・真弓役の葉月蛍、来夏役の美女・朽木幸子のなんともいえない妖艶さ。耳役・鏡野有栖はコスプレ美少女。男優陣もいずれ劣らぬ個性派。また、山谷の玉三郎がなんともいえない味。 テント芝居なのに、親子連れ、学生に混じり、観客に美女・美少女系が多いという観客構成の不思議さ。 10.00、白山から中野坂上へ移動。11.00、小料理屋「T」で打ち上げ二次会のG蝕歌劇団。理科、一ノ瀬、SKIのメンバー、小林響氏、漫画家のN田たつお氏など。三坂さんにテープとDVDを渡し、シーザー、SKI高橋氏、T取氏らとダービー予想。11.30、翌日が早いので、皆と別れて電車。途中からタクシー。1・20帰宅。 5月28日(金)晴れ 虚像はこんなところから少しずつほころびが出る。27日の参院イラク・武力攻撃事態特別委で、民主・斉藤議員の質問に対し、コイズミ首相はこう答えた。「不動産会社の社長に”あんたの仕事は次の選挙で当選することだ”会社なんか来なくていい」「1年くらい会社に来ない社員だっているでしょう」。 自ら幽霊社員だったことを認めたわけだが、なんと、コイズミは「いい人でした。総理を辞めたらお墓参りしたい」 ……?? この元社長は94歳で健在なのに。「恩人」という割には、その恩人がどうしているのか今まで知らなかったとは。こういうところが「冷血」といわれる所以か? 7.00、バグダッド近郊で日本人2人が銃撃に遭い車が炎上したとの報。その二人が橋田信介氏と、助手であり、甥の小川功太郎氏と知って愕然とする。 橋田氏はベトナム戦争時代からの歴戦の戦場ジャーナリスト。イラク取材でも体を張った戦場リポートで自衛隊派兵の虚妄を鋭く突いていた。戦争の正体を見極めるために命をかけて取材する、まさにジャーナリストの鑑。叔父のあとを継ぐためにNHKから転身した功太郎氏。ベテランジャーナリストと前途有為の青年を襲った災厄。 今回の主な渡航目的は前回の取材で出会った少年を日本で治療させるために連れ帰ること。「米軍の攻撃で失明しちゃった10歳の子供を静岡の病院に入れて手術させてやるんだ。数ある負傷者の中で一人だけ救っても何もできないかもしれないけど、乗りかかった船。何もしないよりいいだろ?」と関係者に語り、「自分らしくないよな」と笑っていたという。 「この10年間、イラクではたくさんの日本人ボランティアが活動して、イラク人には大好評だった。それが、自衛隊の派兵によって一変した。日本は敵国だと定義されたんだ」「貧乏ジャーナリストには危険なルートしかない。行くべきか行かざるべきか……」 ベテラン記者として、常に不測の事態は覚悟していたはず。 政府の幹部はいちはやく「自己責任論」を持ち出して、自衛隊撤退論への予防線を張ったが、またぞろ、政府の責任回避のための愚劣で醜悪な「自己責任論」を持ち出されてはたまらない。正しい意味での「自己責任」を果たした橋田、小川両氏に対する冒涜だ。ジャーナリストとして、自衛隊という名の権力の出先機関を監視し、戦争の真の姿を伝え続けた両氏こそ、ジャーナリストとしての自己責任を果たした「真のジャーナリスト」といえるのだから。 PM7、青年座劇場で「夫婦レコード」。中島淳彦の作品は春の陽だまりの中、ウクレレを聴いているような心の芯があたたまるコメディー。急死した妻。遺された夫、5人の娘。彼らがそれぞれの事情を抱えた右往左往ぶりがほのぼのと笑える。帰りの電車で演劇プロデューサー&広報のY田さんとばったり。彼女も青年座を見た帰りとか。次の仕事は「伝説の女優」。 9.00終演。外に出てケイタイを見ると家人から「外務省が二人死亡を確認」のメール。覚悟はしていたが。やはりガックリと気落ちする。 読売・産経・新潮の右翼タカ派連合が橋田氏の死を貶めることは間違いない。「冬山に軽装備で登ったのがいけない」「ベテランの慢心だ」と。では「冬山」にしたのは誰なのか。右翼メディアの垂れ流し報道には満腔の怒りで対抗したい。 PM10.30帰宅。 5月27日(木)晴れ じっとしていても汗ばんでくる、初夏のような一日。PM4、仕事を終えて映画の試写へ。場所を間違えて遅刻。仕方なく、有楽町ビックパソコン館でDVDメディア50枚(1万3125円、CD−Rメディア50枚3129円)を買って家路に。鍼はパス。 日米、どうしてこうも似た者同士が国家のトップリーダーなんだろう。 昨26日の参院本会議で民主・広野ただし議員がコイズミ首相の「厚生年金疑惑」を追及。70年4月から74年11月まで、議員当選しながらも、会社員として厚生年金に加入していた問題。「勤務実態がなければ違法行為」の質問に対し、「勤務実態がなかったということはない」。「サラリーマン経験がない」と国会答弁していたことを問われると、「サラリーマンと聞いて国民が思い浮かべるいわゆる会社員ではなかった」だと。 当時、不動産会社に「勤務」し、月給20万円もらっていたのは事実。「会社員」でなければ何だったのだろう? 虚偽の厚生年金履歴に基づいて年金の支給を受ければ詐欺罪の適用もありうるわけで、自ら犯罪を認めることになる。苦しい言い逃れはわかるが。大学浪人期間も年金未納を指摘されると、2浪を1浪に訂正し、「40年前のことなんて覚えてないよ」。……ウーン。厚生年金疑惑から見れば、秘書給与をプール、再配分していた辻元清美なんて犯罪のハの字をかすった程度。それなのに、メディアに散々叩かれ、浮かぶ瀬もなし。一方で、首相の経歴・年金疑惑を追及しようとしない大マスメディア。アホくさ。 一方のブッシュ大統領。24日、イラク人拷問のアブグレイブ(フに濁点)刑務所の解体を発表したはいいが、その演説の中で刑務所の名前を「アブグレイプ(フにマル)」「アブガロン」「アブガラー」と再三言い間違えた。「レイプ」とは言いも言ったり刑務所の実態? ガラーは釣り好きのブッシュが使う有名リールメーカーの「アブ・ガルシア」が頭に浮かんだものらしい。「ガロン」は手塚治虫の「魔人ガロン」ではもちろんなく、石油の単位。イラク侵攻の目的がうっかり出たのか。いずれにしろ、こんな人が大統領とは。……ウーン。 夜、NHKのCD「野鳥大全集」をかけながら床に入る。奥秩父のオオルリの声、奥利根のカジカガエルの声、武蔵野の田園……。バーチャルで自然を感じるしかない今の貧しい環境。 子供の頃は家の前に田んぼが山すそまで広がっていた。夜ともなれば「シャワ シャワ」というアマガエルの鳴き声が響き渡る。カエルの大合唱。それでもうるさいと思ったことはなかった。田んぼにはカエルの卵がとぐろを巻き、ザルでどじょうをすくって遊んだものだ。子山羊を引いて山に行き、草を刈る。朝起きるとニワトリ小屋から産みたての卵をとってくる。祖父は夜になるとストーブに大きな鍋をかけ、豚のエサ用にジャガイモをグツグツ煮ていた。あんなに平和で穏やかな時代があったんだ……。 5月26日(水)晴れ 9.00起床。家人は久しぶりに友人と銀座に買い物。一人家に残ってDVD、CD作り三昧。 父の月命日。まだ2カ月しか経っていないのに、随分昔のような気もする。田舎から転送されてきた国民健保税の払い戻し通知に「○○死亡により」の文字。やはり父の死は現実なのだ。これからは地震が起きても、田舎の父は大丈夫かと心配することもない。津波の心配をすることもない。「あの時、どうしたんだっけ」と昔のことを気軽に聞くこともできない。日が経つにつれ、次第に喪失感が大きくなっていく。電話をすれば、ひょっこり父が出るような気もするが。子供の頃好きだった叙情歌「故郷の廃屋」がまさか自分の現実になろうとは……。 5月25日(火)晴れ PM3、田端。文化座アトリエで「3つの寶(たから)」(演出=原田一樹)。田端に縁の深い文化人・作家を取り上げるシリーズ第1作は「芥川龍之介」。自死後に刊行された子供向けの本「3つの寶」を元に、その中の3話を舞台化したもの。 佐々木愛が案内役を務め、若手の俳優たちが素の舞台で語りとパフォーマンスにより表現する。「白」「杜子春」「3つの寶」と妹尾河童の「少年H」の文中に出てくる「3つの寶」についての文章を取り入れ再構成。文学座のファミリー劇場の試みに触発されたのだろうか、演劇の原点に立ち返ったシンプルな舞台。俳優の技量が試されるわけで、文化座カラーとはまた別の鉱脈を発見したようだ。 ただ、古いテキストを用いた作品だけに、「犬殺し」など、今日では人権に配慮した「差別用語」として「言い換え」をしている言葉を留保なしに使っているのがちょっと気になった。テレビなど、不特定多数を相手にするメディアと違って、演劇は「差別用語」には寛容な傾向がある。しかし、かつて唐十郎が劇中で歌った「犬殺しの唄」は”放送禁止”の憂き目にあった。「言葉狩り」には問題も多いが、無批判な差別用語の使用もまた問題がある。要は、使う人がいかにその言葉を理解しているかなわけで。 終演後、制作のS氏に挨拶して、帰路に着く。 PM7.00。新国立劇場小ピット。「てのひらのこびと」。鈴江俊郎・作、松本祐子・演出、裕木奈江・出演ということで、期待大。ロビーで高田恵篤と立ち話。「暇だから芝居ばかり見てる」。サイモンの「エレファント・バニッシュ」の稽古も6月に入ってからという。小嶋尚樹、石村実伽、美保純らMODE・松本「城」組と一緒。千葉哲也は壇臣幸関係。 舞台は地方の和風旅館の一室。両手を広げて寝そべる若い女。ふすまを開けて入ってきた年下の男の子。「sleep in shape of dai。大の字になって寝る」「daiというよりdie、死んだように……の方が……」などという会話の端々から、二人が高校生と英語教師であることが見えてくる。 年上の教師と教え子の道ならぬ恋の逃避行。禁じられた恋愛を通して向かい合う女と男。その心の薄淡いひだの隅々が痛いほど伝わってくる。何よりも裕木奈江の好演を讃えたいが、高校生役の茂山逸平のみずみずしい演技にも感服。セリフ回しに特徴があると思ったら茂山狂言会・ニ世茂山七五三の次男とのこと。 二人を探し当てて旅館に現れる同僚教師役の壇臣幸は珍しくコミカルな演技。「たたみ男」の軽妙さに客席の空気が和む。一人の女と二人の男。答えの見つからないトライアングルが織り成す切なくも残酷な恋の道行。男と女の濃密な情景を描かせたら当代随一の若手演出家・松本祐子。すでに大ベテランの風格さえ漂う。舞台に雨が降り続くラストシーンのスペクタクル。後方の「雨」の迫力に驚いたが、あれは本邦初の「仕掛け」とか。 終演後、松本さんに案内され、恵篤らと楽屋へ。シャワーを浴びたばかり。濡れた髪を拭きながら笑顔で迎えてくれた奈江ちゃんに挨拶。その後、松本さんと廊下で立ち話。「雨」の秘密を教えてもらう。なるほど、舞台の照明や効果は奥が深い。 恵篤ら「城」組に別れを告げて、家路に。 なんとなく予感めいたものがあったので、乗り換え駅でS子に電話。携帯の向こうから、さんざめく音とS子の明るい声。「昨日から店を再開したの」。 途中下車して「S」へ。常連客が押しかけ店が大賑わい。なじみの大学教授氏の隣でしばし歓談。「土曜日に励ます会を開いて、その3日後に店を再開する決心をしたそうなんです。何があったのかな……そうか、中学の同級生と会った日ですか。やっぱり同級生の力は大きいね」と教授氏。先週の「同窓会」が役に立ったとしたらよかった。 次々にやってくるお客さんたち。30分ほど飲んで、家路に。11.30帰宅。 5月24日(月)晴れ 8.00〜11.00、S路加国際病院で人間ドック。今年からタワーに移り、最新鋭の機器、システム。時間も短縮。骨密度を測るのに、足ではなく肘で測定。眼底撮影も去年までは残像が消えない強い光照射だったが、今年からはまったく残像なし。 PM5帰宅。案の定、内閣支持率アップ。目先のパフォーマンスにころりとだまされ人が多いのだから、楽なもの。マスコミも世論に同調して、「家族会」に押されたコイズミ批判が弱まりそう。 5月23日(日)曇り時々雨 一日中大掃除で疲労困憊。 昨日、北朝鮮から拉致被害者の家族5人が「帰国」したことでテレビ局はお祭り騒ぎ。 しかし、曽我ひとみさんの夫と娘たちは「帰国拒否」。夫・ジェンキンス氏は北朝鮮を出たら、脱走、脱走教唆、利敵行為、軍律違反容疑で米国防総省から逮捕・起訴されるのは確実。コイズミ首相が英語で「念書」を書いたというが、「私が保証します」と言われても実効性があるとは思えない。首脳会談にわずか実質45分、ジェンキンス氏説得には1時間粘ったというから、8人帰国が自分の命運の分かれ道と焦ったであろうコイズミ。 連休前の日朝会談で北朝鮮から「拉致家族帰国」の意向が伝えられたわけで、迎えに行くのは誰でもよかったのに、まるで自分の手柄のようなパフォーマンス。その代価は25万dの米と1000万jの医薬品。米は500億円相当。つまり家族一人頭約100億円で手を打ったことになる。7月の参院選勝利と年金問題のウヤムヤ化という2つの政治問題をこの帰国でチャラにしたつもりだろうが、コイズミの選挙戦略に利用された「家族会」の怒りは当然。もっとも、それでもコイズミの支持率はアップするだろうが。 5月22日(土)曇り時々雨 さすがに3連チャンはきつい。寝不足気味。子供の運動会の日。朝から雨模様で冬に戻ったような寒さ。 仕事を終えてPM2、新宿へ。紀伊國屋ホールでひょうご舞台芸術「曲がり角の向こうには」。オーストラリアを代表する現代劇作家、ジョアンナ・マレースミスの最新作。演出=鵜山仁。 30代の仲のいい夫婦3組。その中の1組の夫婦(高田聖子、石田圭祐)の家が全焼。すべてを失った夫婦は失踪。悲嘆に暮れているものとばかり思っていたが、ある日、彼ら(剣幸、磯部勉、富沢亜古、山路和弘)の前に現われた2人は、妙に晴々とした表情。俗世間のしがらみを捨て去り、まるで「神」になったかのよう。この豹変によって、6人の再会の場は、聖と俗、神と悪魔の葛藤の場となっていく。 「神」に帰依した2人の前で、ほかの4人の内面(裏切り、不倫、欲望)が次々と暴かれていくーー現代人の価値観の崩壊というテーマは古臭ささえ感じさせる。いまどき珍しいピュアな作品。 実力派俳優たちのセリフの応酬を見ているだけで満腹感。シリアスなストレートプレイは初めて(?)の高田聖子がベテランに伍して堂々の芝居。4人が「神」に魅入られ、本音を吐露するシーンはスリリングというより、古めかしいSFドラマのよう。 PM4.00終演。帰社し、仕事の続き。5.00から予定していた同窓会幹事会は欠席。 PM7.20。阿佐ヶ谷。ザムザ阿佐ヶ谷で月蝕歌劇団「静かなるドン」。新田たつおの漫画を舞台化したもの。原作は読んでいないが、ほぼ原作通りということで、長編漫画をダイジェストし、月蝕風に味付けした舞台。狭い舞台に大人数の出演者。弾よけの特技を持つ生倉の手下のコミカルな演技に微苦笑。香港マフィアの親玉役はゴールデン街のママとか。貫禄十分。こんな年齢の役者が出ると場が締まる。 客席にF施明の顔。出演している武道家・多田拓郎氏の関係とか。時折、笑い声を漏らしながら、最後まで鑑賞。 9.35終演。SKIの高橋さん、写真家の小林響さんらと連れ立って、近所で飲み会。高取、三坂、長崎らも合流、11.30まで。電車がなくなるので、二次会はパスして家路に。終電なくなり、T駅からタクシー。1.15帰宅。 5月21日(金)曇り PM4、仕事を終えて有楽町へ。時間つなぎのために映画館。ちょうど時間的にぴったりだったので「ホーンテッド・マンション」を。ヒロインのマーシャ・トマソンが日本人好みの美貌。歌手の誰かに似ているんだけど、誰だったか。ただ、SFXもここまで進化すると、当たり前になってしまい感動も薄れる。物語は最後までたいしたひねりもなく、ディズニーらしいファミリー向けの安心映画。 PM7、青山円形劇場。劇団ダンダンブエノ「バナナが好きな人」(作=大森寿美男&ダンダンブエノ。演出=近藤芳正)。 案内された席は舞台上手。ほとんど舞台と接近する席。隣に座った女の子はタレントとおぼしき雰囲気。客電が落ち、目深にかぶった帽子を取ると松本莉緒似の美少女。意味もなくうれしくなったりして……。 ウソと本当の区別があいまいで、つかみ所のない父親(中井貴一)と、優しい母(いしのようこ)。大言壮語癖のある夫との生活に疲れ果てた妻はある日、家を出てしまう。息子(温水洋一)はそんな家族の幸福を守ろうと、飼い犬(酒井敏也)、知り合いの野良犬(山西惇)、近所のお姉さん(粟田麗)と一緒に母と父の間を取り持とうとする……。 ウーン、これほど笑ったのは道学先生の「兄妹どんぶり」以来か。中井貴一のセリフの間のうまさ、微妙なずらし方ーー素晴らしすぎる。いしのようこのふんわりした母親像、純真な小学生に見えてしまう温水洋一の芝居、これまた犬に見えてくる酒井敏也と山西惇のコンビ、そしておきゃんな女子高生・粟田麗、ワンポイント出演の近藤芳正の犬の母親。どれもが絶妙。昭和30〜40年代を背景にしており、バナナはその時代の象徴。まだ高根の花で、おいそれと口にできる食べ物じゃなかった時代。人々の心も今のようにギスギスしていない。そんな時代の雰囲気が伝わってくるハートウオームなコメディー。 これはもう近年まれにみる上質な舞台。点数をつけるなら百点満点。どんなに素晴らしい舞台でも、同じ舞台を二度続けて見る気にはなれないが、この舞台なら楽日まで毎日通ってもいいと思うほど。台本・演出・役者ーーそれぞれが絶妙に融合。観客にとって至福の時間。女子高生役の粟田がまたチャーミング。いつか同じメンバーで再演してほしいもの。井出茂太のダンスも楽しい。 しかし、近藤芳正の演出がこれほど見事とは。人間の感情の機微が笑いの命。よくぞこのようなコメディーを作ってくれたもの。これはもう手放しでほめ称えたい。 9.00終演。11.00帰宅。 5月20日(木)雨 PM4.20、御茶ノ水。K記念病院で鍼。 PM6.30から中野ZERO小ホールで渡辺修孝、安田純平、郡山総一郎各氏の帰国報告集会。 「イラク・人質事件で右派メディアと烏合の衆のバッシングを浴びた3人が、イラクとイラク民衆の本当の現実を語る」という。メディアに統制されない実直な言論を期待。 5.40、雨の中、ホールに近づくと、多数の警官の姿。拡声器でがなりたてる右翼の声。予想通り、右翼団体が押しかけ、会場に突入の構え。阻止する警官たち。受付後方で腕組みし、すっくと立つのは元反戦自衛官・小西誠氏。今日の集会の主催である「米兵・自衛官・人権ホットライン」の事務局長を務めている。押し問答が続き、警官に体当たりする右翼。それをなだめる警官。これが「反戦派」ならすぐに公務執行妨害で逮捕されるだろう。 その混乱を横目に続々と入場する参加者たち。20〜30代を中心に、高齢層まで広範な年代。あまりにも参加者が多いため、客席に入りきれず、小西氏の指示で舞台の上に50人ほどが車座。それでも入れない人のために、ロビーのモニターで中継。最終的には約900人。会場に入れないため、引き上げる人も多数いたという。 6.00、右翼の妨害行動が続く中、ごった返す人波をかきわけて、井上ひさし氏が到着。続いて渡辺美佐子さん。お二人を案内する坂手洋二。今回の集会を裏で支えるのは実行委員会に名を連ねる「非戦を選ぶ演劇人の会」。「ラ カンパニー アン」の西山水木、明樹由佳らが裏方を務めている。会場にいた永井愛さんに挨拶。田岡美也子さんと一緒。5分ほど遅れて6.45集会スタート。 まずは武者小路公秀氏(元国連大学副学長、現・大阪経済法科大学アジア太平洋センター所長)の挨拶。イスラム世界から日本の主要マスコミに発信されながら、報道されることのなかったメッセージを代読。「今回の事件で15億のイスラム信者はもう一つの日本人を知ることができた。他者に対する慈悲心ーー美しい日本の心。人質たちは真の文明対話を体験したことになり、それはイスラム社会への架け橋になった」と。 次いで、安田純平氏が登場。「ファルージャ状況の悪化が日本人拘束の直接原因」と、拘束時の様子を語る。この後、他所での会見が控えているので10分ほどで退席。 井上ひさし氏は澎湃として沸き起こった「自己責任論」への反論を展開。 「責任(responsibility)とはrespons(応答)が語源。問われたら応えること。それは神や社会、自身の良心に対して自分で応えること。つまり自分の使命を果たすことが自己責任。志を立てて、使命を果たしたとき、それを自己責任を果たしたという。高遠さんはストリートチルドレンへのボランティア活動という崇高な目的でイラクに赴き、それを果たした。今井さんは劣化ウラン弾の調査という目的で活動し、郡山さんは真の戦争を伝えようとした。彼らが途中で挫折したり、放り投げたとしたら、それを初めて自己責任の放棄と言う。今回の事件で”日本人にもいろんな日本人がいる”とイラクの人たちに知ってもらったことで彼らはイラク人への自己責任を果たした。自己責任を果たした人に自己責任を問うのはまったくのナンセンス」 イラクに飛び、人質解放支援をした吉岡達也氏(ピースボート共同代表)は、イラク人は最初3人のことをほとんど知らず、彼らが人道支援の活動家であることを知らされたら、解放のために献身的に動いてくれた。飛び込みで行ったアルジャジーラの記者たちも積極的に解放への努力をしてくれた。それなのに日本のマスコミ・一部の国民は人質帰国に「自己責任」の合唱。「この国はどうなってるんだろう」 9・15頃、渡辺美佐子さんの朗読。イラクの子供たちのweb日記など、戦争の只中で米軍の虐殺におびえ、死の恐怖に震えながらも、平和への祈りを捧げる子供たちの真摯な言葉に心なしか時折、渡辺さんの声が嗚咽をこらえるように震える。 次に渡辺修孝、郡山総一郎両氏の帰国報告。コーディネーターは広河隆一氏。 言葉を選びながら、訥々と話す渡辺氏。時々、言葉に詰まり大きな間。元自衛官で、死刑廃止運動、パレスチナ解放支援運動という経歴からゴリゴリの活動家と思いきや、実にナイーブ。一方の郡山氏はいまどきの若者風。その屈託のない”明るいキャラクター”はともすれば”軽さ”と同一視されがち。視聴者の情緒に直接訴えるテレビ映像などでは、このキャラクターが誤解を呼ぶのかもしれない。「迷惑をかけて申し訳なかった」との言葉が繰り返し、彼らの口から出ることが、一連のバッシングの余燼を感じさせる。 「拘束中の部屋に、そのへんの普通のオジサンたちが何人も入れ替わり入ってきては握手して出て行った。日本人が珍しかったのかな。あれはなんだったんだろう」と客席を笑わせる渡辺氏。「”紛失”したパスポートの再発行の申請をしたら都庁と外務省に”待った”をかけられ、宙ぶらりん。でも、今日、近々再発行されると連絡がきましたけど」 「ホントのこと言うと、あのバッシングで一時はほとほとイヤになった。もうやめようかとも考えた。でも、それは一時の気の迷い。これからもフリーのジャーナリストとして活動したい」と郡山氏。二人とも「もう一度イラクに戻って活動を再開したい」で一致。 約1時間の報告が終わり質疑応答に移行。イタリア人記者が「15年間日本に滞在した自分の経験で、今回の人質バッシングほど恐ろしいことはなかった」と、日本人の潜在的ファシズム志向のメンタリティーへの疑義と、それに対する二人の思いを質問。 時間の都合で、質疑応答が限られたものの、せっかくの質問時間が、自分の意見表明だったり、カンパの要請だったり、勘違い組が散見。会場の参加者から不満の声。 最後に、集会実行委員会・各市民運動団体からの挨拶。立川の反戦ビラ配布で不当逮捕された市民グループ、イラク派兵の違憲を問う市民団体代表、沖縄の基地問題を闘う市民などから連帯のアピール。わずか3分程度の持ち時間なのに、簡潔で力強い挨拶はさすが。坂手洋二は演劇人を代表して挨拶。「イラクの子供たちを日本に引き取りたいと切望し、外務省にアポなし突撃をした女優の渡辺えり子さんが、もしイラクで拘束、解放されていたら、おとなしい5人の方と違って、”自己責任”などという言葉を完膚なきまでに粉砕したに違いない」と笑いを交えながら、人質たちへの連帯をアピール。 9.20集会終了。外は大粒の雨。さすがに右翼も引き上げ、警官隊の姿もなし。朝日のI村さんがいたので挨拶。そのまま家路に。11.00帰宅。 坂口厚生労働大臣が「社会保険庁の情報管理を強化する」と発言。議員の年金未納情報が週刊誌に流れていることを念頭に置いた恫喝発言だろうが、この宗教政党大臣の頭には「内部告発者の保護」という視点がまったく欠落している。今国会で内部告発者を保護する「公益通報者保護法案」が提出されているというのに。 食品偽装問題も自動車欠陥事件も内部告発がなければ発覚しなかった事件。年金問題も週刊誌の江角マキコ未納疑惑が発端になっている。要するに、国会議員の頭の中にあるのは、「臭いものにフタ」の発想なのだろう。 こんなにバカにされても、まだ政府のやることに唯々諾々と従うのだろうか。 自民・公明両党がまとめた特例法案のこと。これは、国会議員の国民年金加入が義務化された86年4月にさかのぼって保険料の追納を認めようというもの。 過去にさかのぼって追納できれば、「原則25年以上加入」を満たしていない人でも受給資格を得られ、国民にもメリットがあるという。しかし、仮に過去18年間の保険料をまとめて納めると200万円以上になる。フツーの庶民に払えるわけがない。要はカネのある政治家がこれで未納問題をチャラにしようという狙いなのはミエミエ。 86年4月(当時は月額7100円)から今年(04年)3月(同1万3300円)までコツコツ納めてきた場合、総額234万6000円になる。 未納の議員の事後納付がこれと同額で済むなら、これまでマジメに保険料を払ってきた人の反発は必至。だから「追納保険料をすべて現在の月額1万3300円とする案が検討されている」(厚労省関係者)というが、それでも総額287万2800円。差額は52万円ぽっち。20年間未納だった議員がこれでチャラになるなんて、アホらしい。 国民年金法では、督促を無視して滞納した場合、年14・6%の延滞金を徴収すると定めている。「延滞金は複利計算」(社会保険庁年金保険課)とか。 86年度分を政府案で追納すると15万9600円になるが、年金法に従って算出すれば約99万円。中川経産相のようなケースでは、18年間でトータル約930万円になるという。 議員年金をもらうときだけは議員特権で多く貰い、払うのは庶民並みでは、虫がよすぎるというもの。自分たちに都合のいい法律は速攻で決める未納議員たち、この特例法案も速攻審議・速攻成立か。 米ABCテレビが19日公表した新たなイラク・アブグレイブ刑務所の写真のおぞましさ。イラク人捕虜の死体の上にかがみ込み、指差しながら笑顔でポーズをとる米軍女性兵士サブリーナ・ハーマン技術兵。しかし、アメリカ人というのは、こんなに記念写真が好きだったの? 「出っ歯に眼鏡、カメラを首にかけた日本人像」をアメリカ人は笑えないと思うが……。 「七重八重 花は咲けども 山吹の未納ひとつなきぞ悲しき……」 「友達がね。お前大学生だったじゃないかと。そう言われて調べたら、そうだな、私は2浪じゃなくて、浪人したのは1年だからな。それで気がついたんですよ」(小泉首相) これまでは、2浪して慶大入学したと言って来たのに、予備校生は年金保険料を払わなければならなかったと指摘されると、一転して「自分は1浪だった」と言い出したコイズミ首相。 自分が1浪だったか2浪だったか忘れるなんてことがあり得るのだろうか。人の名前を忘れるのとわけが違う。ウソつきなのかボケているのか。両方というのもある……。 5月19日(水)雨 久しぶりにのんびり過ごすオフ日。朝から溜め込んだデータをDVDやCDにダビングしてプリンターでラベル作り。趣味に時間を費やす心地よさ。「七色村」「ふたりの部屋 恋の標本集」などをDVD、CDに。 細田・新官房長官が「日本道路興運」から運転手や秘書の給与を肩代わりしてもらっていたことが発覚。8年間で3100万円。しかも、この会社は過去に所得隠しが指摘されていた。幽霊運転手に給与を振り込み、これを裏金にしていたというもの。そのカネが細田官房長官の政治資金に流れたと思われる。 政界はどこを見ても真っ暗闇。それでもコイズミ首相は「うっかりミスでしょう」と言うのだろうか。 国旗・国歌問題で教職員が処分されると、「国のルールは守ってほしい」と言うくせに、自分の靖国神社参拝に違憲判決が出ても「なぜいけないのかわからない」と三権の要・司法ルールを無視。日本人人質に対しても「国家のルールに従わない者には費用を請求する」と言い、身内の議員や自分の年金未納・未加入問題が発覚しても「うっかりしてだけ」。これをこそ「ご都合主義」と言う。それにしても、しれっとこんなセリフが出るなんて、常人じゃない。 で、日本テレビの北朝鮮同行取材拒否問題。自分に都合の悪い報道がなされたことへの報復だろうが、居丈高に「取材源を明らかにしないと北朝鮮に連れて行かないゾ」と恫喝するとは。コイズミと飯島秘書官には報道の自由のイロハのイの字もわかっていないか、わかっていての恫喝はなおさらタチが悪い。そんな「弾圧」には全社がそろって抗議の「取材拒否」をすべきだろう。それにしても、親・コイズミである読売系の日テレが恫喝されるというのは奇妙な構図ではあるが。 5月18日(火)曇り時々雨 電車に乗ると、いつも同じ車両に同じ顔ぶれ。50代後半のサラリーマンたち3人。通勤仲間らしく、互いに少しずつ座る間隔を空け、その空間が微妙なので誰も座ることができない。2駅先で60歳くらいの通勤女性が乗り込んでくると、手招きして1人がサッと立ち上がり、3人の座席を詰めて、女性を座らせる。毎日繰り返される「ナイト」と「王妃」劇。周囲もその空気を感じるらしく、彼らの席の前には立たない。なんだかなぁ……。 PM6.45、銀座・博品館劇場。金子みすゞを題材にした「みすゞを想う」と題した朗読コンサート。開演時間を間違えて遅刻。しかも出席の返事を出しそびれていたようで、大慌て。幸い、制作のAさんとバッタリ会ったので、事なきを得たが。 席に着くとすでに若村麻由美の朗読が始まっている。約40分。ついで、ピアニスト・西村由紀江によるピアノ演奏。最後に今回の仕掛け人であるNHKのアナウンサー村上氏と若村、西村の「3ビレッジ」(村上)によるトーク。NHKアナの構成・台本だからなのか、まるでETVの収録をしているような地味な舞台。村上アナのプライベートな思い入れはわかったが……。8.30終演。途中から入ってくる人、朗読の途中で退席する人、上演中に紙袋をゴソゴソかき回す人、ケイタイを鳴らす人ーー傍若無人な観客が多すぎる。 10.00帰宅。 5月17日(月)曇り時々雨 PM4、仕事を終えて、上野の「癒処」でマッサージ。その後、多慶屋で買い物中に中学の同級生Yから電話。急遽、会うことに。結婚式に来てくれて以来だから十数年ぶり。それなら同級生S子の店「S」で飲もうかと相談がまとまるが、S子のケイタイに電話すると、事情により休業中とのこと。PM6.30、G駅でYと待ち合わせ。幼なじみの気安さ、十数年ぶりでも、すぐに子供の頃の顔に。A駅の居酒屋で旧交を温める。S子も合流し、3人で同窓会。YとS子は卒業以来ーー35年ぶりの顔合わせとか。 15歳の少年少女から一気に時間を飛び越えて、今はそれぞれが人生の転回点に立ち、さまざまな問題や事情を抱えての再会。人生の重さを噛みしめながら、飲みかつ語り合う。10.30解散。家路に。 イラク人捕虜虐待はラムズフェルド国防長官が承認した組織的犯罪とのスクープを米週刊誌「ニューヨーカー」が掲載。 それによれば、作戦は機密情報収集のために極秘策定された「スペシャル・アクセス計画(SAP)」。最初はアルカイダ壊滅のための作戦だったが、反米武装勢力の抵抗が激化した昨年8月以降、イラク人収容所にも適用されたという。眠らせないように棺桶の上に一晩中、立たせたり、裸にしてホモ行為を強要は序の口。6000ページに及ぶ米陸軍秘密報告書のうち、明かになっているのはわずか53ページ分。米議会で非公開報告された虐待・虐殺撮影写真1800枚には口に出すのさえはばかれるすさまじいシーンが記録されていたという。 例の女性兵士リンディ・イングランド上等兵が捕虜の前で乱交する写真がその一例。ワシントンポストは「イングランドによるポルノ映画を見ているようだった。何でもありのプリズンセックスだ」と写真を見た議員のコメントを紹介している。 これが戦闘の現場ではもっと凄まじい。 命乞いをする非武装の民間人を射殺し、まだ息のあるイラク人を道端に捨てる米兵、イラク人死体の上で脱糞する米兵、およそ人間の倫理からかけ離れたおぞましい行為の数々。 この地獄絵のどこに米国の自由と民主主義があるというのだろう。 さて、コイズミ首相の年金未加入問題。 未加入期間は3回あり、1回目の浪人時代はまだしも、問題とされるのは第2回の69年8月から70年3月の8カ月間といわれる。 その後、コイズミが「受験浪人中で未加入」と言っていた62年1〜3月の3カ月間はすでに大学生だったと訂正。 慶大を卒業し、ロンドンに「留学中」の時期だ。8月に父親が他界したため、帰国。その後、12月の総選挙に父親の地盤を継いで立候補・落選している。選挙運動をやって議員になろうという以上は加入義務違反。しかも「ロンドンに帰ることも考えていた」(飯島秘書官)というのでは、選挙で投票した有権者をバカにしている。 第2は70年4月から74年11月まで。この期間、横浜の不動産会社に勤務し、厚生年金に加入していたことになっている。コイズミ首相の公式プロフィルにはこの会社勤務は記載されていない。そして、72年12月に総選挙で初当選、国会議員になっている。 つまり、72年12月から74年11月までの期間、議員と不動産会社の二足のワラジを履いていたことになる。しかし、不動産会社の勤務実態がなければ幽霊社員。その会社から厚生年金の半分を出してもらっていたとしたら、詐欺罪となる。給与をもらっていたらヤミ給与、つまり違法献金となる。 第3は80年4月から86年3月の6年間の未加入期間。 議員の国民年金加入は任意ではあるが、飯島秘書官によれば「生活費とかいろんな諸経費がかかるから未加入だった」とのこと。当時のコイズミ首相は党財政部会長、大蔵委員長を歴任している。年金制度が世代間の相互扶助の精神で成り立っていることを知らないはずがない。歳費だって2000万円はもらっている。それが「生活費がかかるから払えない」とは。では庶民はどこから年金を捻出すればいいのか。 要は、「国民年金がなくても議員年金さえあれば老後の足しになる」と考えているから、最初から払う気がないわけだ。この特権的議員年金を廃止してから「年金改革」を口にしてほしいもの。 5月16日(日)雨 朝から雨。6.30起床。9.15、S木市着。 子供の躰道稽古の送迎。思いきって今日から自分も稽古に参加。この年齢で子供たちに混じって一から習い事をするのはちょっとしんどいだけど、運動不足解消のためにもいいか。最初はシニア向けの呼吸法に主眼を置いた「型」の稽古から。ハタから見て簡単そうな足運び、切り返しもいざやってみるとなかなか身につかない。自然に体が覚えるようになるにはひたすら稽古。小一時間体を動かしただけで、心地よい疲労と汗。さて、どれだけ続けられるか? 1.30帰宅。ビックパソコン館で買ったプリンター「860i」が到着している。すぐにセットアップ。ついでに配線周りを整理。CD・DVDのラベルに直接書きこめる機能があるのでこの製品にしたのだ。さっそくトライ。すると……。印字スピード、静音、そしてなによりも美しい仕上がり。素晴らしい。こんなことなら、早く買えばよかった。紙のラベルなど、及びもつかないシャープさ。買って正解。 夕方、家族で近くのカッパ寿司へ。 5月15日(土)晴れ PM1・30、両国シアターX。遊行舎「中世悪党傳 勇者はふたたび還らず」。寺山修司のテレビドラマ台本をもとに、白石征が脚色・演出した「遊行かぶき」の新作。今回は建武の親政以降に焦点を当て、鎌倉の土牢に幽閉された大塔宮の虐殺、楠木正成・正行親子の桜井の別れ、湊川の戦いまでを一気に上演。寺山らしく、尊氏を狙う青年テロリストが登場、「父=権力に弓を引く息子」は「灰とダイヤモンド」のチブルスキーか。 休憩10分を挟み、上演時間3時間30分。しかし、とうとうたる歴史絵巻、一瞬のダレ場もなし。万有引力から小林拓、吉野俊則が客演、万有とはまた別のストレートプレイを伸びやかに演じている。正成に大川亜里沙、正行に中島淳子と女優がメインキャストという異色さも「かぶき」らしい。 長大な物語をタイトにまとめあげた手腕はさすがだが、照明が全体に暗く、目が疲れるのとセリフに音がかぶさり、聞き取りにくい点があるのは再考の余地あり。 ただ、楠木正成といえば、「七たび人と生まれて、逆賊(朝敵)を滅ぼし、国に報いん」(七生報国)の忠君愛国の象徴として、戦前の天皇制の精神側面を担った歴史人物。今も右翼にとっては永遠のヒーローなわけで、新たな国家主義が台頭している今、一歩間違えば、誤解を招きかねない危うさが伴うわけで……。 休憩時間にロビーで大澤さん、九條さん、宇野亜喜良さんと雑談。8月の寺山記念館の展示の件、10月に宇野氏が演出するダンス・エレマン「上海異人娼館」のことなど。 5.00。終演と同時に駅までダッシュ。会社経由で天王洲へ。間に合わないのでタクシー乗車。天王洲アイルまで2010円。結構高い。 PM6.00。スフィア・メックスでひげ太夫「雀躍天」。受付にB場さん。前に会った時、「偶然飲み屋で知り合って制作を頼まれた」と言っていたっけ。 この「ひげ太夫」、チラシを見るたびに気になっていた劇団。女性だけの劇団で、ひげをつけた独特の顔と組み体操ふうのパフォーマンスが売りとのこと。どんなパフォーマンスが見られるか……と思いきや、幕開け、いきなり「これは自分の一番苦手なタイプ」の予感。いわゆる「アテ振り」パフォーマンス。「高い山がそびえ」と状況説明のセリフに合わせて、6人がピラミッドに。まさしく組体操。しかし、かつての「惑星ピスタチオ」や「世界一☆劇団」の「アテ振り」的パフォーマンスは5分も耐えられなかったが、「ひげ太夫」の舞台は物語の構成が実にうまい。一人で何役も演じつつ、ストーリがを進行。難易度の高い「組体操」に挑戦していく展開と役者の演技。これは思いのほか技巧者。主宰兼作・演出・主演の吉村やよひ、只者ではな い。 約2時間。そのサービス精神と身体能力、語り口の面白さはマル。ただ、この方法論で毎回やられると、つらいものがあるけど。 8.00終演。9.30帰宅。 11.00就寝。 5月14日(金)晴れ 自らの国民年金未納が明らかになったために、その批判の矛先をかわそうと、北朝鮮再訪発表を前倒ししたコイズミ。小沢一郎の民主党代表就任のニュースバリューもこの策動で相殺。毎日新聞は一面トップで「首相再訪」、カタで「首相も未納」と、まんまとコイズミ・飯島秘書官の思惑に乗ってしまったが、さすがに朝日はトップに「首相の年金未納」を持ってきて、コイズミに一矢報いていたが。この判断は朝日の勝ち。確か、民主党、自由党合併の際も、コイズミ・飯島は対抗ニュースをぶつけてきたと思ったが、もうやることが見え見え。大衆はアホじゃない。彼らのマスコミ操作のやり口はすっかり見抜いている。これがコイズミ人気の凋落の始まりだろう。 PM7.30、小田急線梅ヶ丘。梅ヶ丘BOXで燐光群「犀」。 イヨネスコの作品を蜷川幸雄の演出助手を務めた大河内なおこが初演出。ある日突然、犀に変身していく人々。それは社会が一つの方向に向かって押し流されていく恐怖の暗喩か、現代人のアイディンティティーの不安か。さまざまな読み取り方があるが、半世紀前に書かれたイヨネスコの不条理劇は今の時代状況で見る方がより切実。客席は20人ずつが向かい合う形で配置され、その中央1メートルほどが舞台。通路、壁面などを使い、狭い空間を効果的に演出。濃密な劇空間で2時間はアッという間。向井孝成、宮島千栄が抜群の出来。それにしても、燐光群の役者の充実ぶりには舌を巻く。9.30終演。 11.00帰宅。 イラクの武装勢力に斬首された米国人ニック・バーグ氏の父親マイケル・バーグ氏が13日、ペンシルベニア州ウェストチェスターの自宅で地元ラジオ局のインタビューに対し、こう怒りをぶちまけた。 「息子はブッシュとラムズフェルドの罪のせいで死んだ」 事件前のニック氏について米政府は「イラク警察の拘束下にあった」と説明していたが、これについて「息子は3月末までに帰国するはずだったが、米軍に拘束された。その後解放されたものの、ファルージャ情勢の変化のため事件に巻き込まれたのだ」 マイケル氏はイラク侵攻やテロ捜査の権限強化などを定めた愛国法などの政策を痛烈に批判。「もはやこの国は私が育った米国とは違う」と述べた。 また、自ら反戦団体に所属したことを明かにし、自宅の庭に反戦プラカードを立てたことを言明した。 自分の息子があのような無残な死を遂げたというのに、この気丈さ。 米軍の拘束から解放された後に、事件に巻き込まれたーーニック氏は傭兵でもなく、一般の建設作業員。イラク人虐待で厭戦世論が高まっているまさにそのど真ん中に落とされた斬首映像という大型爆弾。まさか、米情報機関による陰謀……。 5月13日(木)晴れ お昼休み、有楽町ビックパソコン館でスキャナーとプリンターを購入。配送を頼むが、CDケース3個は持ち帰り。 PM4.00、K記念病院で鍼。 朝から頭痛と眠気。風邪か? 公明党・神崎代表、冬柴幹事長がともに国民年金未納と公表。そのほかに11人の公明党議員が未納で、けん責、戒告の大甘処分。この人たちの出した年金改悪法案の中身は押して知るべし。「他人のこと(福田)をとやかく言う前に自分の襟を正すべき」と菅直人に言ったのはどなただったか。同じ穴のムジナ、他山の石、人を呪わば穴二つ、面の皮千枚張り……まるでことわざ辞典。 年金未納問題を「魔女狩り」という安倍晋三。年金未納者が国民の4割に達し、そのためにサラリーマン、公務員の厚生年金・共済年金保険料が大幅にアップされようとしているわけで、未納問題を年金問題のすり替えというのはそれこそ問題のすり替え。 5月12日(水)晴れ 夏のような暑さ。 先日のI木寛之氏のビデオをダビングしたり、部屋の片付けで半日。 PM6、町屋斎場へ。若くして、突然に生を断ち切られた方の遺影が微笑む。遺族の悲しみはいかばかりか。焼香を終え、K氏と二人で清めの席で少し雑談。 PM7.45帰宅。 東京在住のフォトジャーナリスト森住卓氏が「産経児童出版文化賞」を辞退したとの報。 その理由は「イラク戦争に対する産経新聞の論調は日本政府やアメリカサイドの報道に偏り、イラクの独立のために抵抗している人々をテロリストと呼び、アメリカの戦争に協力的」というもの。「この賞を受けてしまったらイラクの子供たちに二度と顔向けできなくなってしまう」とも言う。 受賞作品は「私たちはいま、イラクにいます」(講談社)。ネットを通じて世界中に広まったアメリカ人少女の非戦スピーチと、イラクで撮影した子供たちの写真を収録した本。 ジャーナリストとしての矜持に共感と好感。 かつては「変革」を叫びながら功なり名を遂げ、「君主」に「勲章」なんぞを押し頂いてる人たちに聞かせたやりたい言葉だ。 5月11日(火)晴れ 仕事帰りに日劇マリオンで「キルビルVOL2」。最近映画館が嫌いなのは客席で飲み食いが許されていること。ポップコーンの匂いやビールの匂い、カサコソという紙のすれる音ーーお茶の間感覚が蔓延しており、隣にポップコーン・カップルが座られた日にゃ、もう最悪。ピカデリーの場合、座席が指定されるから、移動できないし。映画館に行くたびに「もう映画館で映画を見るのはやめよう」と思う私……。まあ、芝居でも明治座やら弁当食いの商業演劇はあるが映画館ほどひどくはない。 で、「キルビル2」。ほとんど感興湧かず。こういう頭でっかちな映画をありがたがる人が多いのは不思議。前作はそれでも青葉屋の「大殺陣」シーンが見せ場となったが、今回はめぼしいシーンもなし。陳腐な禅問答と同様の陳腐な母娘の情愛、意味不明の男と女の愛憎描写に苦笑。最後のスタッフロールで流れた曲はGood。お約束の「怨み節」もクリアな音源。広い場内に30人ほどの観客。 サマワから一時帰国したフリージャーナリストの橋田信介氏がこんなリポートを。 「サマワの自衛隊員300人のうち、実際に給水活動を行っているのは10人ほど。一日に約150トンの浄水を行い、そのうち半分の70トンは自衛隊が自ら使用する。しかし、サマワのコンビニには1リットルのペットボトルが30円で売られている。つまり、1日210万円で自衛隊の給水がまかなえるわけだ。337億円の自衛隊派遣費用を考えれば、1日1億円使って210万円分の水を浄水していることになる」。 これを税金の無駄遣いといわず、何を言うのだろう。 5月10日(月)雨 花粉症気味で夜に何度か目が覚める。この時期の鼻炎は何が原因か? 午後、中学時代の同級生Yに電話。彼もまた昨年父親を亡くし、田舎の家は無住の居と化している。ケイタイ番号を同級生Nに聞いていたので、今月に入り、何度かかけていたが、ようやくコンタクトが取れたわけで、話をするのは20年ぶりか。偶然、住まいが同じ沿線なので、今度飲もうよと約束。ずっと会っていなくてもやはり幼なじみ。阿吽の呼吸。 PM5帰宅。途中下車して映画でも見ようかと思ったが、電車の中で眠り込んだため、映画館に行く気力が萎えてしまう。日の高いうちの帰宅はなんとなく「もったいない」と思うのは貧乏性……。 5月9日(日)曇りのち雨 7.00起床。PM9〜12、S木市へ躰道稽古の付き添い。PM1、帰宅しておとといのビデオの編集。花粉症気味なので錠剤服用。一日はまたたくまに過ぎる。 自民党の河野太郎衆院議員が8日、六ケ所再処理工場稼働に反対する市民団体などが青森市文化会館で開いた集会「河野太郎議員と語ろう!再処理のこと」で講演。使用済み核燃料の再処理には膨大な費用が掛かるなど、ウラン試験の延期を求めた上で国民レベルでの議論が必要との認識を示した。核燃料サイクル政策が「党是」の自民党代議士が集会に参加することについて、自民党県連が小泉純一郎首相に抗議文を送るなど、波紋を呼んでいた。同党県連の津島雄二会長は同日、「自民党議員は核燃に反対するには一定の抑制がなければならない」と述べ、不快感を示した。(以上、「東奥日報」抜粋) 河野太郎氏といえば、自民党の中ではかつての宇都宮徳馬代議士のような「良識派」として知られる議員。しかし、ドブ泥の中でガス抜きの役目を果たすより、党を出たほうが……。それにしても、「核燃計画にイチャモンつけるな」と難癖つける津島雄二の醜悪さ。太宰治はこの義理の息子を泉下でどう見てるだろう。 5月8日(土)晴れ PM2、仕事を終えて、ベニサン・ピットへ。 THE・ガジラ「国粋主義者のための戦争寓話」(鐘下辰男作・演出)。「成層圏の鵺」のタイトルで青年座が初演した作品を改訂、タイトル変更したもの。1945年8月、広島に続き長崎、そして東京への原爆投下情報を掴んだ軍部は、密かに進めていたロケット型迎撃機の秘密基地に特務隊を派遣する。しかし、人里はなれた基地には先遣隊の姿はない。そこに奇妙な村人たちが現れ……。 前方に数個の机を並べ、それを場面によって使い分けるシンプルな舞台装置。 敗戦間近という極限下の軍人たちの焦りと懊悩、「日本人」よりはるか以前から日本に住んでいた「先住民族」、「日本人」に同化しようとする「竜の末裔」である軍幹部の兄弟ーーいかにも鐘下辰男らしい「日本人」をめぐる骨太の舞台。いわば鐘下流「地獄の黙示録」。 若松武史、横田栄司、久保酎吉、河野洋一郎、近江谷太朗、寺十吾、栗原茂、加地竜也、神野美紀、占部房子と豪華なキャスティング。行方不明の兄=大尉を演じるのが若松武史。最初のシーンと後半終わり頃に登場するが、圧倒的な存在感。軍服に包まれたしなやかな肉体にエロスが漂う。占部は原住民の娘役。セリフはほとんどなく、凄まじい敵意を全身にみなぎらせる。いわば汚れ役。美人で演技の達者な女優をそんな役で使うとは、鐘下も意地が悪い? 終演後、楽屋に行って若松さんに挨拶。劇中でタバコを吸うシーンがあるが、「あれはネオシーダー。タバコやめてもう十数年だから、今吸ったらひっくり返っちゃいますよ」と照れくさそうな笑顔。小松幹生の芝居、大阪で「港町十三番地」と芝居が続くとか。楽屋を辞して、駅へ。 PM7.30、大宮。ショーアップ大宮劇場で「指輪ホテル」の公演。ストリップ劇場とのことで、「浅草ロック座」を想像したが、はるかに小さな、まさに場末の劇場、という雰囲気。ストール席はステージの周りに2列30席ほど。結構空いているので、前から二番目の席に陣取る。演出の羊屋白玉に声をかけられ、しばし立ち話。80人限定とのことだが、半分ほどの入り。芝居ファンにとっては大宮は遠いのか。 今日の日替わりゲストはMASHと「ラ カンパニー アン」。MASHは正統派のストリッパー。彼女にとっては普通の観客サービスも、20代のOL、学生、二人連れが多い客層では、引いてしまった感なきにしもあらず。しかし、20分ほどのショーの終わりにはがっちり客の気持ちをとらえて、万雷の拍手。さすがに百戦錬磨のプロは違う。 続く「アン」は明樹由佳、清木場直子、一倉梨紗の3人が平和への祈りを捧げたエスニック・パフォーマンス。明樹の立ち姿、微笑みの美しさにうっとり。ストリップ劇場の雰囲気にも飲まれない意思の強固さに感嘆。 トリは指輪のメンバー5人がソロのステージを。稲毛礼子、南波圭、石黒曜子、中村小枝、田松絵美。ストリップ劇場を意識してか、全員がまさに体当たりのステージ。レモンを体に振りかける「酸っぱい」シーンから始まり、はいてる靴にワインを注いで飲み干すパフォーマンス、すべて脱ぎ去ると頭までスキンヘッドというメンバーも。通常の公演では見せない「サービスシーン」ばかり。よくぞそこまで思い切ったもの。やはり、ストリップ劇場公演ということで、プレッシャーはあったのだろう。一般客も来るだろうし。 終演8.50。白玉に挨拶して家路に。 駅に着くと、コンコースで若い世代の路上ライブに混じって一人の中年世代がギター抱えて「山谷ブルース」を歌っている。のびやかな声に思わず立ち止まり耳を傾ける。今、山谷ブルースというのもずいぶん時代がかっているとは思うが、すぐ近くで歌っている女子高生グループの明るいオリジナルポップスと比較しても遜色ない。 国民年金未納議員は増えるばかり。堀内光雄総務会長、町村信孝総務局長、野田毅元自治相、斎藤十朗元参院議員、長勢甚遠衆院議員、江田五月民主党副代表、西岡武夫参院議員、西川きよし参院議員……。この分では国会議員の半分以上が「年金未納」ではないのか。頑なに「年金納付状況の公開」を拒む自民党。やましいところがなければすぐに公開できるはず。 それができないのは、国民年金未納問題以上のヤバイ問題があるからにほかならない。 それは「厚生年金納付」問題。企業・会社に在籍した形をとって、議員たちの厚生年金が支払われていたケースがかなりありそうだという。その場合、勤務実体のないことがハッキリすれば秘書給与問題同様の「詐欺事件」に発展する。「国民年金未納問題」は「厚生年金納付問題」という爆弾を抱えている。塀の内側に落ちる議員が相当数出るわけで、これはスネに傷持つ議員にとって触れられたくない最大のアキレス腱。もしかしたら与野党議員すべてが共謀してこの公開問題を素通りさせるおそれがある。「オリエント急行殺人事件」? 午前1.30就寝。 5月7日(金)晴れ PM3、早めに会社を出て、新橋Yホールへ。I木寛之氏の「R楽会」の手伝い。学生時代はこの講演と歌の会、よく見ていたのに、まさかその手伝いをすることになるとは。今回で4回目の裏方。今日は自ら志望してビデオ係を。 場内整理やらゲスト接客におおわらわの同僚を尻目に、開場のPM6までのんびり場内散策。ロビーで今日のゲスト・三上寛さん、山崎ハコさんに挨拶。寛さんは奥さんと一緒。「Yさんは下北の人。津軽とは犬猿の仲だから」と冗談めかして紹介してくれる。キャパ576の会場はほぼ満席。ほとんどが60〜70代の高齢者。I木寛之といえば、全共闘世代にとってのスター文士。それが、いつの間にか「生きるヒント」の人生論者。講演会とえば高齢者ばかりが目立つようになってしまった。本意ではないのかもしれないが……。 開場と同時に我先に席確保に走る老齢者パワー。ウーン、すごい。PM6.30ぴったりの開演。一部はI木先生の講演。「柳に雪折れなし」ーーつっぱって生きるよりくよくよ考えながら、女々しく生きるほうが長生きする、というお説法。昔から弁舌は巧みで、何時間でもしゃべっていられる方。時々時計を見ながら間合いを計り、予定通り1時間でまとめる。さすが。 10分間の休憩を挟んで二部はゲストの歌やパフォーマンス。 まずは、米良美一。「急に売れたもんだから、ちょっと自分でおいたしちゃって、人生踏み外した時期がありましてね」と、「出張ホスト」事件で芸能スキャンダルに見舞われたことをネタに笑いを取る。「センセイと同じ九州だからサービス精神旺盛なんです」と喋りがうまいこと。彼に持っていた暗いイメージが吹き飛ぶ。なんて明るい人なんだろう。 「そのどん底の時期にセンセイの著書を拝見して生きる勇気をいただきました」と、持ち上げるのもウマイ。カウンター・テナーの魅力全開でキリスト受難曲など2曲披露。 次いで、「ファド」の月田秀子、元ロシア国営ラジオ局アナウンサーの山之内重美、元「ロイヤルナイツ」の山下健二のロシア歌曲。現代の「イサドラ・ダンカン」メアリー佐野が欧州から飛び入り。軽やかなダンス・パフォーマンス。ユパンキの継承者ソンコ・マージュと弟子の「チャンコ・マージュ」のギター&独唱。 そして、最後は山崎ハコ。そのサポートとして、三上寛が「夢は夜ひらく」を歌いながら登場。二人のインプロビゼーションで「サマータイム」を。4年前は震えがくるほど感激したが、今回はノリがやや低調気味。ハコは「望郷」そして「グッバイ」。ファーストアルバムの曲。「あの家はもうないのに〜」という「望郷」は上京したての頃、よく聴いた歌。聴きながら感傷に浸っていたものだが、今聴くとまったく受け止め方が違う。故郷とはやはり父母が生きている土地を言うもの。今「あの家はもうないのに」と歌うのを聴くのは辛すぎる。終演後、打ち上げでハコさんにそう言うと「さっきも誰かが同じようなことを言ってましたよ。”歌はその人生の時期によって受け止め方がずいぶん変わるものだ”って」 11.00まで、寛さんらと歓談。警察学校の同期が田舎でコンサートを開いてくれた、とか。「今となっては恩讐の彼方だね」と寛さん。 タクシーに乗り込んだハコさんを見送ってから家路に。0.20帰宅。 イラクの捕虜虐待。女兵士が、イラク人男性に「犬の首輪」をつけて引き回す写真がワシントンポストに掲載。この兵士、タバコ吸いながら、裸のイラク人捕虜を指差してニヤニヤ笑っている写真と同一人物。米陸軍第372憲兵中隊のリンディー・イングランド二等兵。21歳。ウェストバージニア州フォートアシュビーの出身で、トレーラーハウスで育ち、高校を優等で卒業。大学の学費を稼ぐために陸軍に志願。同じ中隊のチャールズ・グレイナーと婚約し、妊娠。ノースカロライナ州フォートブラッグの基地に転属されたが、そこで今回の虐待が発覚、逮捕されたという。ごく普通の事務作業員が憲兵隊に配属され、おぞましい虐待事件の主役になる。これも戦争の狂気。 福田官房長官が突然の辞任。 週刊文春で8年間の国民年金未納問題を暴かれたため、あわてて辞任したのが真相だろう。これで「年金未納問題」に幕を引くことができればコイズミに恩が売ったことになり、再登場の目はある。年金未納の菅直人・民主党代表の機先を制して辞任することによって世間は「福田は潔い。それに比べて菅の往生際の悪さ」と単純に福田を持ち上げる。 早晩、菅も辞任しなくてはならない。となれば後任は小沢一郎。小沢に難を示す民主党内左派が動けば民主党はごたごた・分裂。前原誠司あたりでは求心力が弱まり、選挙が戦えない。どっちに転んでも民主党はガタガタ。相対的に自民・コイズミの人気が浮上・維持されるというわけだ。もちろん小沢一郎が党首になれば、憲法改悪で民主と自民党は共同歩調が取れる。うーん、福田の電光石火の辞任を演出した黒幕がいるとすれば、相当悪賢い。 5月6日(木)晴れ 明け方の夢ーー。会社に行こうと電車に乗るが、どこをどう間違ったか、会社とははるか離れた地方の駅に着く。引き返そうと駅を降りると、そこは雪の積もった海岸。遠くに富士山モドキが見える(富士山の山頂が半分削れている)。見晴るかす海と山。駅舎に戻ると、会社のY氏がいたので、同道することに。なんとか会社に連絡を取ろうとケイタイを取り出すもバッテリー切れ(現実)。いつまでたっても会社にたどりつけない夢ーー。休み明けはいつもこんな夢ばかり。 PM3.00、会社の近くでT取氏とN崎萌、Iノ瀬ちゃんとお茶。これから衣裳合わせとか。 PM4.30、K記念病院。PM7.00帰宅。 寺山修司「不良少女入門」(大和書房)読了。初出誌や出典が明示されていないのはなぜだろう……。 それにしても米軍のイラク人捕虜虐待のおぞましさ。これも「ブッシュの戦争」の実態の一角に過ぎない。公開された写真はまだマシなほうで、裸にした女性拘束者に犬の首輪をつけて鎖で引きずったり、米軍兵士による陵辱シーンを撮ったビデオも存在するという。 加害米兵の友人という男がテレビのインタビューで「戦争なんだから仕方ない」と語っていたが、戦争であっても捕虜虐待を禁じたジュネーブ条約がある。しかも、CIAや軍の情報機関が組織的に関与した疑いが濃厚という。昨年秋からの虐待事実を今年1月になって把握し、3月に内部調査報告書をまとめておきながら、内部告発があるまで何の手も打たなかったブッシュ。今ごろになって「嫌悪する」などと、とってつけたような言い訳。謝罪もなし。どこが自由と民主主義なのか。 そのブッシュの汚い戦争にシッポを振ってついていったコイズミ・ニッポンはイラクの人々から見ればアメリカと同罪だろう。 4日に行われたオーストリアの世論調査では「イラク侵攻は間違いだった」が50パーセントに達し、「正しかった」は40パーセント。翻って、ニッポンは「自衛隊は撤退すべきじゃない」が50パーセント。どこでそんな違いが出てくるかといえば、マスコミの世論誘導にある。相変わらずイケイケドンドンの「Y売新聞」。「アフガンにも自衛隊派遣を」と政府のアドバルーンを一面で報道。この新聞は題字の横に「政府広報紙」と打った方がいい。 自衛隊が現地で何をしているか。「サマワで給水活動をして地元民に喜ばれている」というが果たしてそうか。 NGO活動家・渡辺修孝氏が現地で自衛隊員に給水状況を聞いたら、「ほとんど自分たちの宿営地で使い切ってしまうくらいの水量しかない」と答えたとのこと。 もともとサマワ市内には立派な浄水場があって、その水がタンクローリーで運ばれ、市民に配られている。そのタンクローリーは日本から提供されたもので、「日の丸」がついているから、市民は自衛隊の給水と勘違いして感謝しているのだという。 日本人人質に196万円の費用を請求し、その一方で、引きこもり自衛隊に337億円もの税金を使う政府。日本人人質に救出費用カンパ22万円を送ってきた米国人市民にその金を付き返した外務省もゴキブリ以下。「どうしてもカンパしたいなら直接本人に届けなさい」だと。この傲慢。 傲慢といえばこの人。安倍幹事長は今回の訪米の際、記者団に向かって「保険料を払っていない人は、その分もらえない。年金財政上もその人には出さないからロスにはならない。報道のやり方がおかしい。犯罪、脱税ではない」と言い放ったという。 年金制度というのは、リタイア世代を現役世代が支えるという基本的な構造の上に成り立っている。「自分が払った分を後で貰う」という「保険」とはまったく別の哲学によって営まれているのだ。 「払わない人はもらえない」のではなく、そのツケは国民全体に及ぶ。現に、国民年金の不足分(グリーンピアなどの壮大な無駄遣いの埋め合わせ)を厚生年金や共済年金で補うという図式がまかり通っているではないか。 国民年金を払わない人が増えれば、サラリーマンの厚生年金や公務員の共済年金アップにはね返ってくるのだ。それを、「払わなければ、もらえないだけの話」という安倍の年金意識はド素人以下。これでよく国会議員をやってるもんだ。というか、こんな議員たちが推進する「年金改革」が明日にも衆院を通過するんだから、この国はマンガとしか言いようがない。 5月5日(水)晴れ 8.30起床。HPの音楽関係の更新。部屋の整理。そんなことをしているうちにいつの間にか夕方に。PM6.30、下北沢・スズナリで非戦を選ぶ演劇人の会のイベント「おやすみ世界の子供たち」があるのだが、遠すぎて行かれず。戸田恵子さんも初めて参加するというので駆けつけたかったのだが。 5月4日(火)晴れ 今日も朝までぐっすり。 1階でテレビ朝日のワイドショーを見るともなしに見る。年金問題を扱っているが、正直言って年金問題はわかりにくい。それをうまくまとめ、何が問題なのかを提示したこの番組は偉い。テレビという媒体をうまく活用すれば、政治問題でも、社会問題でも視聴者にはわかりやすく届けることができるはず。それは活字にはマネができない。それをやらない映像メディアは怠慢。このワイドショーはそこをキッチリとまとめていて、好感が持てる。60〜70年代のワイドショーはこのような硬派な番組ばかりだったのに……。 掃除・片付け。帰り支度をして11.00出発。東金から京葉道路の分岐点で混雑したが、その後はスムーズ。2時間で帰着。いつもの連休の混雑なら5〜6時間はかかるだろうと覚悟していたので、ホッと一息。せっかく借りた車なので、貸し納戸にストーブを運び込んだり、最後まで活用。今回からガソリンの買い切り制が始まったため、満タンで返却する手間が省ける。その代わり、ガス欠におびえる率が高まるわけで、痛し痒し。 さて、のんびり……といきたいが、部屋の片付けやCDの整理など、やることがまだ山ほど。落ち着く暇なし。 5月3日(月)晴れ いつもなら何度も目が覚めるのに、朝までぐっすり。お昼、犬吠崎へ。銚子に入る地点から、ダラダラ長い車列。銚子の有料道路。料金が撤廃されたのか、徴収なし。3時までマリンパークの水族館&イルカショー。いつものように海岸に下りて磯遊びでもしようかと思うも、あまりの寒さに早々に引き上げ。1時間でK町に到着。帰りはスイスイ。 PM6.30、行きつけの寿司屋で夕食。4人で1万5000円。 憲法記念日の毎日新聞アンケートで国会議員の78パーセントが「憲法改正に賛成」の答え。その狙いは第9条・戦争放棄であることは間違いない。彼らは憲法改悪を公約として当選したのか。国会議員には憲法遵守という義務がある。どうしても憲法を変えたいなら下野して訴えるべきだろう。 5月2日(日)晴れ AM8、レンタカーで房総方面へ。久しぶりに、九十九里にある会社の保養所へ。途中、K市の義母のところに寄り道。四十九日が終わらないうちは義父のお墓参りができないので、仏壇にお参り。 PM2、出発。1時間ちょっとでK町着。風が強く肌寒い。広い保養所に4人だけ。「一戸建て」の生活にはしゃぐ子供。夕方、近くの漁港の岸壁で釣り。アジやイサキが釣れるというが、数人の釣り人のビクは空っぽ。ゴカイをエサに挑戦してみるも、寒風に耐えられず、早々に退散。まるで冬の寒さ。 近くの料理屋で夕食の後、部屋でのんびり。久しぶりに「笑点」を見たら、円楽はじめ、レギュラー落語家がすっかり老人になっていたのでびっくりする。まるで、「あの世テレビ」にチャンネルを合わせたかのよう。そういえば、「笑点」見るのは30数年ぶり。こん平なんて自分のイメージでは20代の若者だ。それが、いきなり60のいかつい顔。ウーン……。 夜、子供にせがまれ、「かくれんぼ」。広いので隠れがいがある。 5月1日(土)晴れ 午後、仕事を早めに終えて阿佐ヶ谷へ。H市から上京中の従妹に会うため。吉祥寺で買い物中というので、S村さんのアパートへ。洗濯物は干してあるが、相変わらず不在。馬橋公園のベンチで時間潰し。PM4.30、駅前の喫茶店で従妹、娘のSちゃんとお茶。今年から社会人。30年前に自分が上京した頃を思い出す。希望と不安の東京生活。初めての一人暮らし、くじけずにがんばってほしい。 PM5.30、阿佐ヶ谷から家路に。PM6からお台場で青年座映放部の記念パーティー予定だったが、途中から入るのも気が引けるのでパス。 帰宅して明日の支度。 |