| 7月31日(日)快晴 6.30起床。9.00、子供と躰道稽古へ。15分ほどのウォーミングアップ。ランニング、ジャンピングなどで、汗が滝のように流れ、息があがり、吐き気さえおぼえる。夏場の稽古はキツイ。子供も「気分が悪い」というので、ロッカルームで休ませ、壮年組の稽古へ。 かく言う自分も、稽古開始早々、ほんの数分、体を動かしただけで汗は噴き出し、疲労でヘトヘト。しかし、来週は城西大会。今日が最後の稽古。倒れそうになりながらも稽古続行。 高段の先生たちが「○○さん、だいぶ上達しましたね。進歩が早いですよ」 誉められると木に登るB型。バテた体をむち打って稽古に励むも、子供の様子を見に行くとぐったりしているので、稽古途中で早引き。10.30家路に。 しかし、家に付く頃には子供もすっかり回復。買い換えの自転車が入荷していたので、途中ダイエーに寄って引き取り。新品の自転車に乗ってうれしそうな息子。18段変速。 ちょうど、自分も小学6年の頃、自転車が欲しくて欲しくて、毎月学習雑誌の変速自転車プレゼントに応募したものだ。あれは丸石自転車だったか。自転車売り場の「○段変速自転車」というラベルを見ると、今でも小学生の時のせつない思いがよみがえる。 1.00帰宅。田舎の従弟Kさんから活ホタテが送られてくる。まだ生きて動いているホタテを見て大喜びの息子。 今日、叔母と一緒に、実家の周りの草取りに行ってくれたそうで、ありがたい。住む人のない家の回りに生い茂る雑草の光景を思い浮かべると胸が痛む。 従弟のAが今朝、父と母の夢を見たという。「お盆が近いから、夢に見せたのかもしれないね」とKさん。 両親の夢を見てくれる親戚がいることが嬉しい。 PM3、疲労のためか頭痛がするので、痛み止めを飲んで仮眠。映画も観たい、本も読みたいと思っていても、日曜は結局、体を休めるだけで終わってしまう。 ま、仕方ないのか。 PM5、親戚に暑中見舞いを。帰れないのだからせめて、挨拶だけでも……。 PM8.30、I間市に研修で来ているという従弟のKに電話。今度から家族と離れての単身赴任になるとか。「やっぱりさびしいよね」とぽつり。 7月30日(土)快晴 仕事を早めに切り上げ、PM2、日比谷で映画「宇宙戦争」。H・G・ウェルズ原作の映画化作品は1953年版があるが、2005年版はスケールがケタ違い。どんな映像の魔術を見せてくれるのだろうと思ったが、もはやSFXに耐性ができたようで、眼前の特撮映像は、まったく感興を呼び起こさない。壮大なゼロ。子役のダコタ・ファニングの演技だけが見所とは。 もっとも、どんな最新兵器でも倒せなかった「侵略者」が、人類と何万年も共存してきた微生物によって倒されるという、原作通りの筋書きは、9・11以降の世界情勢に対する、スピルバーグのメッセージなのかもしれない。 PM5、市ヶ谷。「切手とお札の博物館」で高校同窓会の幹事会。今年の秋の同窓会総会の期日日程などの話し合い。地元市の花火大会なので、一足先に失礼する。 PM8、家に帰り、息子を自転車の後ろに乗せ、花火大会会場の市役所周辺へ。 自転車は民家の空き地に置き、会場へ。 例年のことながら十数万人の人出。手を離したら確実に迷子。浴衣姿の女子高生、甚平姿の男たち、カップル、シートの上に陣取り、花火を見上げる家族。人、人、人。露天通りは芋の子を洗うような人群れ。氷水と綿アメ、クジ引き……。いつものコース。 9.00花火は終了。 9.30帰宅し、疲労感あるのですぐに就寝。我が家の女子高生は明け方4時帰りとか。祭りの高揚感と開放感。今が一番楽しい時期だろう。 太陽系10番目の惑星発見の報。事実なら世紀の大発見だ。「セーラームーン」のキャラクターが1人増えるわけだし(苦笑)。 7月29日(金)快晴 週後半も珍しく芝居の予定なし。久しぶりに上野・癒処に寄ってマッサージ。移転してから初めて。広々とした前の店から、雑居ビルの狭いフロアへ。どこも経営が苦しいのか? これでは地震の時に怖い。 PM6.00帰宅。御徒町の本屋で雫井脩介「虚貌」。電車の中で読み出したら止まらない。やはり雫井脩介は面白い。 「安倍晋三に会った時、こう言った。『貴方と僕とでは全く相容れない問題が有る。靖国参拝がそれだ』と。みんな軍隊の事を知らないからさ。それに、勝つ見込み無しに開戦し、敗戦必至となっても本土決戦を決定し、無数の国民を死に至らしめた軍と政治家の責任は否めない。あの軍というそのもののね、野蛮さ、暴虐さを許せない」 「僕は軍隊に入ってから、毎朝毎晩ぶん殴られ、蹴飛ばされ。理由なんて何も無くて、皮のスリッパでダーン、バーンと頬をひっぱたいた。連隊長が連隊全員を集めて立たせて、そこで、私的制裁は軍は禁止しておる。しかし、公的制裁はいいのだ、どんどん公的制裁をしろ、と演説する。公的制裁の名の下にボコボコやる」 「この間、僕は政治家達に話したけど、NHKラジオで特攻隊の番組をやった。兵士は明日、行くぞと。その前の晩に録音したもので、みんな号泣ですよ。うわーっと泣いて。戦時中、よくこんな録音を放送出来たと思う。勇んでいって、靖国で会いましょうなんか信じられているけれど、殆ほとんどウソです。だから、僕はそういう焦土作戦や玉砕を強制した戦争責任者が祀られている所へ行って頭を下げる義理は全く無いと考えている。犠牲になった兵士は別だ。これは社の会議でも絶えず言ってます。君達は判らんかも知れんが、オレはそういう体験をしたので許せないんだ」 この発言の主は誰あろう、改憲が社是の讀賣新聞社・渡邉恒雄だ。 田原総一朗責任編集の雑誌「オフレコ!」創刊号での発言という。 極右派言論人ではあるが、歴史を実体験した者としての発言は説得力がある。戦争を知らない好戦右翼・安倍晋三は、この発言をどう聞いたか。ただし、この発言と改憲右翼のナベツネとの心情的整合性はよくわからないが。 本屋に山と積まれる国粋主義を煽る右翼本。 「東京裁判は戦勝国の一方的な裁判。平和への罪などはあとから付けた事後法。憲法はアメリカの押し付け」などと主張する輩がバッコするが、それなら、イラクのように、占領を認めず、ゲリラ闘争をすればよかったではないか。 果たして、日本の戦争指導者はきちんと「戦争責任」を取ったか。「国体の護持」と引き換えに戦争責任をウヤムヤにしたのは誰だったか。時流に乗って勢いづくウヨ勢力。「次の戦争責任」は取ってくれるのか、と毒づきたくなる。 夕食はビールと、アメ横で買ったサケトバ。クーラーのあるおかげで今年は寝苦しい夜を過ごさずにすむ。こんなに快適な夏は初めて。 7月28日(木)快晴 PM4.10、K記念病院で鍼。 6.00帰宅。 毎年、この時期は帰省を前に、夏休みの調整やら電車、レンタカーのチケット手配で気ぜわしくも胸高鳴る日々を送っていたのだが、帰りを待つ肉親がいなくなれば、それも空しい。 なによりも、メーカーと違い、全社一斉の夏休みというわけにはいかない。部内で1人か、多くて2人が1週間の休みを交代で取る。そのため、お盆の前後はどうしても集中してしまう。遠隔地、老親の存在、一人っ子ということで、これまでは優先的にお盆休みをもらってきたが、それも帰る家があってのこと。今年は同僚にお盆休みを譲り、夏休みはあって無きが如し。 自分にとって夏休みは帰省するためだけの休暇。明治時代の奉公人が1年に一度帰省する「薮入り」と同じ。1年の仕事は帰省のためだけにあったといっても過言ではないわけで……。 変容しつつあるふるさとはその海や山川の姿さえ変えようとしている。故郷を離れて35年。とうの昔に、故郷で過ごした時間を越えてしまったが、生まれてからわずか10数年過ごした故郷での時間の密度は人生にとってなんと大きなことか。人は十代までに見たことから終生逃れることができないと言ったのは誰だったか。 お盆休みのない夏は、浪人時代を除いて初めて。 ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの よしや うらぶれて異土のかたゐ(乞食)となるとても 帰るところにあるまじや ひとり都のゆうぐれに ふるさと思ひなみだぐむ そのこころもて遠き都にかへらばや 遠き都にかへらばや 「故郷にて」と題された室生犀星の「小景異情」。思えば、十代の頃からこの詩を口にのぼせてはいたが、今になって、ようやくその望郷と悔恨の意味するところを実感しているのかもしれない。 この詩の舞台が、東京なのか故郷・金沢なのかが、試験問題に出るというが、犀星が「故郷にて」と題している以上、解答としては「故郷」が正解なのだろうが、詩はさまざまに解釈されていい。都会からの望郷の詩であってもいいのだ。 7月27日(水)快晴 9.30起床。思い立って部屋の片付け。 子供はべっこう飴作り。高校生は障害児の施設にボランティア。 夕方までかかって部屋の整理、ようやくひと段落。 アスベスト禍が大きな問題になっているが、アスベスト問題は70年代に新たな環境問題として、市民運動のテーマになっていたのではなかったか。この30年間、放置していた行政の怠慢。今になって、その飛散によって周辺環境への被害が問題になるなんて。自分たちに都合のいい法律は速攻で作るくせに、国民の健康被害がないと、後手後手に回る立法・行政。目に見えない毒物に無頓着な国民にも責任の一端はある。見えない猛毒ーー原発から排出される放射能禍が人類の脅威になるのはあと何十年か。その頃は生きていないかもしれないが。確実に子孫がその禍を被る。 7月26日(火)台風 AM6.45、地下鉄から地上に出ると大粒の雨。台風接近。 仕事の関係で何かと気ぜわしい一日だったが、外で降り続く台風の雨風は大人になってもなぜかそわそわと落ち着かない気分にさせる。まるで子供みたいに。 やり残しの仕事を終えたのが5.30。電車に飛び乗り下北沢へ。駅を降りるといつもの喧騒はなく、人通りが少ない。こんなに静かな下北沢は久しぶり。「道草」でカレイ煮定食。ここもお客が2組だけ。店の人も、「今日はもう、ご飯を炊かなくてもいいね」と諦め顔。 ![]() ![]() ヴィレッジヴァンガ−ドに行くと、あった。そろそろと思っていたら、案の定。日活ニューアクションの世界 無頼・殺せ」と「野良猫ロック」のコンピアルバム2枚同時発売。一度手にとって、ためつすがめつし、すぐには買わずに、いったん、雑貨売り場を逍遙し、時間いっぱいになってからCD売り場に戻り、2枚を持ってレジへ。うれしい買い物は自分でも、もったいをつけたいもの。うーん、いい。ジャケットもカッコイイ。今日の収穫はこれだけで十分満足。 PM7、本多劇場で毛皮族「銭は君」。客席の江森さんに挨拶。田之倉稔さんの顔も。劇評の古豪たちが、どんな感想を持つのか興味津々。 開演前にジュンリーこと江本純子自ら台本オークション、それも7000円からという「いかがわしさ」に微苦笑。駅前劇場だろうが、本多劇場だろうが、いかにも毛皮族らしいあっけらかんとした客扱いに江森さんも大笑い。客席から「脱いだら買う」の要請に、着ていた上着を脱ぐとニップレス姿。場内どよめき。BGMに合わせて歌とダンスのパフォーマンス。開演前からややヒートアップ。「脱いだら買う」の客は、「全部脱いだら」と意地が悪い。どんな客だ。さすがに「じゃあいいです」としょげる江本。このへんは純情? 最後はようやく1人の男が手を挙げ、落札。 開演10分押しでスタート。「世の中お金がすべて」の銭ゲバ(江本)と、笑いで人々を救おうとする柏木(町田マリー)の人生哲学を交錯させながら、歌と踊りのレビューで見せるエログロ・ナンセンス。マリーは初の少年役。女の子たちのニップレス姿が話題になることへの反動が出始める時期……かと思いきや、これまでの毛皮族と同じく、女優陣の裸体全開、客演の澤田育子までもがニップレス姿披露。「祝 初ニップレス」の垂れ幕。 音楽の入れ方はシーザー風? 全編、サイケでアングラなアンチ・モラルのハイスピード独走。 今回は羽鳥名美子に要注目。芝居も歌もいいし、目に力がある。 中だるみはあったが、最後の「すりガラスの20代」(?)の盛り上がりで帳消し。この歌、なかなかいい。 9.25終演。制作のT氏に挨拶。 外は風もやみ、台風一過? 早めに帰宅したと見えて、電車もガラガラ。 11.00帰宅。 7月25日(月)晴れ 英テロ事件で地下鉄に逃げ込み、警官に至近距離から頭に5発の銃弾を受け、なぶり殺し同然に射殺された27歳のブラジル人青年は事件とはまったく無関係。バスが遅れたため、単に出勤を急いでいただけだったとのこと。恐ろしい話だ。 その誤射の根拠となったのがロンドン市内に張り巡らされた50万台の監視カメラ。「危険人物」と目された人の特徴をインプットすれば、情報を絞り込める。このカメラでブラジル人青年は危険人物と誤認されたのだろう。 英国の監視カメラシステムは「中央集権型」で、各地域のカメラの情報を一つに統合、それを係官が集中的に分析するのだという。 日本でも盛り場に設置された監視カメラや駅、デパート、コンビニなどのカメラ情報を一本化する動きが出てくるに違いない。恐怖の総国民監視体制。その結果が「誤射」ではたまらない。自由社会といいながら、どんどん不自由になっていく世界。テロが原因? ではそのテロは何に起因するのか……。 PM6帰宅。空には雲が垂れ込めている。生暖かい風。台風近し。 7月24日(日)快晴 7.30起床。躰道稽古へ。先週、合宿だったためか参加人数は少ない。正午まで汗だくになって稽古。 1.00帰宅。力道山映画「怒れ!力道山」(小沢茂弘監督)を見るも、途中で録画が終わってる。せっかく盛り上がったところで……もどかしい。 力道山と小児麻痺の少年の交流を軸に、汚職代議士、悪徳興行師、善意の障害児施設園長らの複雑な人間関係をハードボイルドタッチで描いた物語。昔の映画だから、単純明快と思いきや、力道山を取り巻く人物配置など、きわめて重層的。続きが見たい! PM4.30、睡魔に襲われベッドに。気がつくと午後8時。頭が重く、疲労感。少しセーブしないと体がもたない。 この前の海焼けで背中の皮がボロボロ。娘が面白がってむいていくれるのでこそばゆい。 11.50就寝。 7月23日(土)快晴 マチネの予定を入れてなかったので夕方まで会社でのんびりと仕事。寝不足がたたって、時々睡魔に襲われる。ちょっと仮眠室で横になって、それからソワレに……と思いベッドに横に。うとうとしたとたんに地震。思わず飛び起きるほどの大きな揺れ。 テレビの速報で震度5。関東近県ではこの震度はかつてない大きさ。テレビ局に「バレーの中継が途中で地震速報に切り替わった。どうしてくれるんだ」と抗議電話した「空気の読めないオヤジ」たちがいたそうだが、バレーどころじゃないだろうに。こんな視聴者に対応しなければならないテレビ局も大変だ。 7時にアートスフィアに行く予定だが、電車はすべてストップ。再開の見通しも不明。ジリジリしてもしょうがないので、コンビニでおにぎり買って腹ごしらえ。 家に電話するも、携帯は通じない。大地震だったら、連絡の取りようがない。7時過ぎまで不通。メールもダメ。地震に有利なケイタイではなかったのか? 6.40、日比谷線が動いたので、銀座へ。有楽町駅周辺は電車待ちの人でごった返している。6.50、ようやく山手線も復旧。ホームに止まっていた電車に乗り込み浜松町へ。モノレールはほとんど人影なし。 7.15天王洲アイル着。。アートスフィアで「姫が愛したダニ小僧」。受付でY田由紀子さんが「開演は40分になる予定です」。 地震にも関わらず、タクシーで来たという人もいて、観客は約3分の1の入り。40分の開演以降に遅れてくる人も多数。前の席に辺見えみり、G2ら。 後藤ひろひと得意のおとぎ話ファンタジーコメディー。 亡くなった祖母の遺品を受け取りに、とある老人ホームを訪れた夫妻(ユースケ・サンタマリア&佐藤康恵)。そこで出会ったのは、身寄りのない老婆(富田靖子)。自らを「すみれ姫」と名乗り、夫婦を手下の「船長」と「洗濯娘」と思い込んでいる。 ひょんなことがきっかけで、夫婦は「すみれ姫」を連れて一緒に老人ホームを抜け出すことになるのだが……。いわば年老いたピーターパンの物語。 廃墟のマンション跡地で自殺しようとやってきた中年サラリーマン(ラサール石井)が出会う不思議なホームレス(後藤ひろひと)の語る物語という設定。 PIPER旗揚げ公演のリメイクということで、骨格はしっかりしている。物語展開もギャグも正当派。 山内圭哉のコメディーセンスは絶好調だし、カムカムの松村武の怪演もあっぱれ、腹筋善之介の使われ方も適度、竹下宏太郎の悪役ぶりもなかなか、大路恵美のすっとんきょうなコメディエンヌぶりは「スリーテナーズ」以来。おかしな人ばかりの中で唯一マトモな演技をしなければならないユースケの芝居の間がいい。役者としてのセンスが抜群。 後藤作品は好き嫌いの波があるが、今回は「好き」な作品。 終演は10.20。カーテンコールはスタンディング。 前方にRUPのH本さんとT田聖子ちゃん。手を振って挨拶。 ロビーに出たところで、偶然、大路恵美のマネジャーH本さんとばったり。楽屋に行って大路に挨拶。「本番前はまだ自分の芝居に迷いがあるようで……」とH本さん。しかし、あの「天然系」は大路にしかできないキャラクター。自信をもってもいいのでは。ちょっとスリムになった大路としばし立話。 帰り際、T田聖子の楽屋見舞いを受けているラサールに挨拶。「Tシャツ、ありがとうございました」 モノレールから降りると浜松町駅は大混雑。地震によるダイヤの乱れがまだ続いている。通勤ラッシュ並の混雑。 0.00帰宅。 7月22日(金)快晴 PM6、三軒茶屋。TSUTAYAで雑誌「BACK BEAT」購入。レノン、ストーンズ、ジャニス・ジョプリン、ディラン……70年代世代のための音楽誌。付録の「おすすめ音楽DVD150」がうれしい。Fayrayの「COVERS」衝動買い。 PM7、パブリックシアターで「夢の浮橋」。静岡から発信された舞台。佐藤信の演出で、結城座の人形と毬谷友子が共演。源氏物語の中で、唯一死から引き戻された女・浮舟を語り手に、源氏物語の世界が展開。夕顔、葵上の巻の六条御息所の妄執が中心。 毬谷友子は声といい、姿といい、「女優」を絵に描いたらこうなるだろうという、まさに全身女優。時に浮舟に、時に六条御息所に……命を吹き込まれた結城座の人形と夢幻的な競演。91歳の肝っ玉おっかあ、竹本素京の20分に及ぶ義太夫がまた素晴らしい。弾き語りの女義太夫はもはや素京一人。張りのある声、太棹の響きーーこれこそ人間国宝だ。 人形意匠は山口小夜子。ふと気付くと、ちょうど後ろの席にその山口小夜子が。この人もまた人形だ。何十年たってもその美しさは変わらない。 休憩15分はさみ、9.25終演。初日乾杯だったが、29分の直通電車に間に合うよう駅にダッシュ。11.00帰宅。 7月21日(木)快晴 PM4.20、お茶の水。K記念病院で鍼。5.30、下北沢。本多劇場で仕込み中の毛皮族を覗き、江本純子から借りたMOを返却。 ヴィレッジヴァンガードで緑魔子のCD「アーリーイヤーズ・シングルコンピレーション」(2500円)購入。 T取氏に電話すると、きょうはオフ日とか。ノンフィクションライター長尾三郎氏の著書「虚構地獄 寺山修司」 について、「あの本で書かれた寺山修司ののぞき事件の会見は寺山さんの主張が圧倒していた。”会見では寺山に不利だった”というのは大ウソです。見てもいないのによく言いいますね。改めて読み直したら、とんでもないことばかり書いてある」と悲憤慷慨。杉山正樹や長尾三郎の著書を鵜呑みにした人が、それを子引き、孫引きして寺山のぞき事件をさも事実であるかのように書く。このへんできっちり、T取さんに、真実を書いておいて欲しいものだ。「彼らの本の宣伝になるからホントは書きたくはないんですけどね」とT取氏。それにしても、T取氏以外に一連の寺山修司に関するトンデモ本を批判する人はいないのか。 7.30。下北沢ザ・スズナリでハートランド「ギラギラの月」。中島淳彦の作品を上演してきた女性劇団による新作上演。44プロデュースでも中島の「戦後三部作最終話」が上演されるが、まるで「月刊中島」状態。どれもが水準以上というのは驚異的。まさに10割バッター。さて、今回は……。 時は1968年12月10日、少女漫画家の集う大泉サロンではいつものように、少女マンガ家のタマゴたちが、自分たちの目指す新しい少女マンガを模索していた。 住人は竹本ケイ、萩野素子、大山弓枝、山西恭子。そして、最近転がり込んできた坂口靖代の5人。このメンバーに加わったのが、編集者のたっての頼みで自分のマンガを一から考え直したいという山本美代子という貸本系のロートル漫画家。作風の違いに、周囲は引くが、彼女のファンという山西だけは、すぐに打ち解ける。 その日、ラジオからは3億円事件の発生を報じるニュース(アナウンサーの声は中島淳彦)が。そして、その夜、ずぶ濡れになった一人の美少女が大泉サロンに逃げ込んでくる。果たして彼女の正体は……。 フィクションではあるが、役名はそれぞれ、竹宮恵子、萩尾望都、大島弓子、山岸涼子のもじり。マネジャー役の増田典子は増山法恵か。後発の坂口は坂田靖子がモデルだろ。 ナゾの美少女は自称・手塚治子。 手塚治虫の「リボンの騎士」が少女漫画の嚆矢といわれ、石森章太郎、ちばてつや、赤塚不二夫、つのだじろうら男の漫画家が道をつけた少女漫画。その少女漫画に女性自身の手で革命を起こそうとしている若き日の萩尾望都たち。70年安保改定前の騒然とした世情。世の中も革命に燃え、その中心は学生運動。大泉サロンのマンガ革命と学生運動が「リボンの騎士」=男装の美少女を媒介にリンク、中島淳彦らしい絶妙なコメディーに仕上がった。 主宰者であり、ケイを演じる高橋亜矢子をはじめ女優陣がチャーミング。 間奏曲のスパイダースの曲もいかにも60年代のノリのよさ。 ただ、61年生まれの中島淳彦にとって、学生運動のイメージは内ゲバとリンチ殺人の凄惨な「負」のイメージなのだろう。 学生運動を毛嫌いする山西恭子の描き方、「恋人に引き込まれ、何もわからないまま運動のヒロインに祭り上げられた男装の美少女」というのも図式的すぎる。当時の女子大生は今とは比べものにならないくらい政治や社会への問題意識が高かった。 68年頃の学生運動はまだ牧歌的な部分が残っていて、一般市民の多くは学生運動を支持し、シンパシーを感じていたものではなかったか。テレビのワイドショー、たとえば小川宏ショーでは連日、三里塚の農民の闘いや学生運動を好意的に取り上げ、学者や文化人はこぞって学生の支持表明していた。まだロマンチシズムが残っていたのだ。 中島淳彦にとっての学生運動はおそらく、68年以降、右翼の振り回す日本刀、機動隊のジュラルミン盾に対抗して、ゲバ棒、火炎瓶で自衛していった学生たちの過激さ、そして浅間山荘事件や連合赤軍のリンチ殺人のイメージなのだろう。 最後の「オチ」も、三億円事件のモンタージュ写真が事件とは無関係で、すでに死亡していた人の顔を使ったという事実を考えると、素直に笑えない。 そういった諸々の不満を差し引いても、青春喜劇としても面白さは十分。高めの球を引っ張ってレフト前に落としたヒット。 全員のサイケなモンキーダンスによるカーテンコールも胸キュンもの。ただし、劇団員の誕生祝いをカーテンコールで行うのはちょっと……。芝居が終わってから内輪でやるべきだろう。 9.40終演。11.00帰宅。 0.00就寝も、睡眠不足なのに、逆に頭がさえてなかなか寝付かれず悶々。クーラーのききすぎか? 7月20日(水)快晴 8時起床。さて、今日こそは部屋の整理を……と思ったが、雑事に追われ、しかも途中で睡魔に襲われ夕方2時間ほど仮眠。 57年の東映作品「純情部隊」を見たのが唯一の収穫。 「力道山主演」にひかれ、録画しておいたもの。 これがめっぽう面白い。 前半は太平洋戦争の終結間近い頃、東京郊外のとある兵営を舞台に、召集ホヤホヤの補充兵たちのおかしくも悲惨な日常が描かれ、後半は一転して、敗戦から5年後に再会した戦友たちが、仲間の元関取・光岡(力道山)をプロレスラーとして再起させようとする友情物語。 ディックミネ、東千代之介、星美智子、堺駿二、進藤英太郎……。懐かしい顔ぶれ。最後は宿敵・上等兵役のレスラー(駿河海)とリングで対決。このシーンは実際に観客を集めて撮影され、真剣勝負かと思うほど、技の応酬がリアル。もちろん、最後は力道山の勝利で大団円。さすが名匠マキノ雅弘。娯楽の王道を行く作品。それにしにても、芸者役の女優陣の綺麗なこと。着物の着こなしが違う。今の女優ではこうはいかない。 兵舎での連帯責任、上等兵のビンタ、いびり……映画が作られたのは戦後12年。まだまだ戦争の記憶が役者たちの肉体に染み付いている頃。営舎の人間関係や新兵イジメなど、生々しい迫真力がある。 営舎で次郎長伝をうなる広沢虎造。動いている虎造を見たのは初めてかも。 点呼に遅れての連帯責任、上等兵と廊下ですれ違うとき、目を合わせてはいけない、上等兵の言うことは絶対厳守……といった軍隊の不文律を久しぶりに映画で見たが、なるほど高校時代の寮生活とそっくり。「まるで軍隊だね」と、寮生活を当時のオトナたちは言ったものだが、確かに運動部の上下関係と同様、形は似ている。 閉鎖的な集団では、えてして、こんな「上下関係」がまかり通る。自衛隊のイジメ問題もそうだろう。「一般人」よりもはるかに高いという自衛隊員の自殺率の原因がイジメに起因するとはよく言われることだ。今後、徴兵が敷かれ、国民皆兵になった場合、必ず同じことが繰り返されるだろう。閉鎖集団の暴力とイジメ。 5月27日に非公開で行われた「政府税調小委員会」での暴言問題の詳細が伝わってきた。 この会合の出席者は大学教授やエコノミストら26人の委員のうち18人。約2時間半にわたって個人所得課税のあり方について話し合われた。 専業主婦へのボロクソ発言は、配偶者控除をめぐる議論で飛び出した。 ある委員が「今は働いている女性が子供を産んでまっとうに育てられる環境になっていない」と配偶者控除存続を主張。すると、廃止派の委員が「専業主婦であれば、子供を産むとは限らない。逆に何もしないのが多い」と発言、こう続けた。 「働く女の人は人生に前向きで、子供を産みたい。逆に働かないで家でゴロゴロしている主婦が子供を産まない」 「今、パラサイト・ワイフ(寄生妻)というのが出てきた。変な生命力のない人たちがたくさん生じていて、お金を持ってぶらぶらしている」 さらに別の委員が引き継ぎ、「子供をつくらないのは、男に魅力がないからだ」「働いている女性の方がちゃんとご飯をつくる。専業主婦で時間がいっぱいある人こそ、コンビニで買ってきた発泡スチロール(の器のまま)で食べさせちゃう」と言いたい放題。 まるで飲み屋の酔っ払いオヤジのクダまき。こんな議論で配偶者控除の「見直し」が決まったというのだから何をかいわんや瀬戸わんや。 しかも、専業主婦こき下ろし発言の主はいずれも女性委員だったらしい。 「当日は3人の女性メンバーのうち、日本総研主席研究員の翁百合氏が欠席。ジャーナリストの大宅映子氏とエコノミストの竹内佐和子氏の2人が出席していた」というから、発言の主は明らか。「働く女」は専業主婦がよほど嫌いらしい。 7月19日(火)快晴 連休が終わったと思ったら翌日が休暇。仕事も順調で、実に気が楽。 PM6、新宿。タワーレコード散策。PM7、花園神社。椿組「新宿ブギウギ」。 開場を待つ間、偶然会った笹目、江森さんの3人で立話。毛皮族の話など。中に入って3人並び、開演までおしゃべり。天井桟敷の「時代はサーカスの象にーー」の「募集ポスター」がヤフーオークションで30万以上の値が付けられているという。「最終的には80万近くまでいくんじゃない」と笹目。シルクスクリーンのポスター。稀少ゆえの値段。しかし、ポスターが数十万円とは、さすが寺山修司。先日の佐々木昭一郎氏の授業の話も。寺山修司の「二十歳」を課題に、生徒たちにパフォーマンスを作らせたそうで、立派なスタジオを使い、なかなか見ごたえのある発表会だったとか。見たかったが、惜しい。 さて、舞台は鈴木哲也の脚本を離風霊船の伊東由美子が演出したもの。 山本亨、若杉宏二(流山児★事務所)、恒松敦巳、円城寺あや、鳥居しのぶ、仁藤優子、伴美奈子(扉座)、木下藤次郎、犬飼淳治(扉座)、深貝大輔、沖田乱、、橋本直樹(離風霊船) 江頭一晃(離風霊船)、沢りつお(テアトルエコー)、宮島健、外波山文明ほか38人の役者が出演する一大野外劇。 敗戦直後の新宿・ヤミ市を舞台に、ヤクザ、娼婦、靴磨き、絵描き、一杯飲み屋らさまざまな住民が織り成す人間模様。マーケットを仕切る和田組の若頭(若杉)、特攻崩れ(山本)、元職業野球のピッチャーだった朝鮮人(恒松)ーー3人の若者の生き急ぎの軌跡を中心に据え、戦争で「生き延びた者」「死にぞこなった者」「死ねなかった者」「生きようとした者」の目から戦後60年の現在を照射する。 冒頭の人質立てこもり事件から、やくざ抗争、マーッケット閉鎖まで、畳み掛けるような演出で2時間は瞬く間。38人の登場人物の人生の陰影をキッチリと描き分け、なおかつスピーディーでメリハリのきいた演出。脚本もいいが、伊東由美子の演出に負うところが大きい。椿組野外劇で、これほど細部にまで目の行き届いた舞台は初めて。登場人物の多さと野外の開放感で、どうしても大雑把になりがちだが、今回は大満足。離風霊船得意の屋台崩しも、野外とあって、水を得た魚のよう。二段階の屋台崩しの最後はアッと驚く○○○の出現。 久々に野外劇を心から堪能。 若杉が堂々と主役を張っているのが頼もしい。円城寺あやの任侠映画から抜け出したような艶麗な姐御役、ニヒルが似合う山本亨、そこにいるだけで存在感のある深貝大輔の飲み屋のオヤジ……役者が皆素晴らしい。最後まで顔を出さない「赤神さま」役の小林裕忠や江頭ら離風霊船役者が劇団では絶対に演じることのない役を嬉々として演じているのも見どころ。木下藤次郎の汚職刑事というのはハマリ役。この役者はコメディーリリーフで使われるより、こういった冷徹な官僚タイプの役をやらせると映える。 一番の注目は西口真生(にしぐち・まき)。年の離れた兄(よこやまよしひろ)と一緒に、流しの歌を歌って歩く知恵の遅れた少女を演じているのだが、初登場シーン、箱の上に立って「リンゴの歌」を歌うその姿に目が吸いつけられてしまう。初々しい演技と美貌。この雰囲気は誰かに似ている。銀粉蝶だ。それも10代の銀粉蝶。華やかさと初々しさとアングラの香りを併せ持った女優。こんな人がいたなんて。調べてみるとレースクイーンの経験もあるタレント系。今はたまにライブハウスで歌っているとか。本格的に芝居をやったほうがいい。彼女のような個性は貴重。これを機に、大きく飛躍して欲しい。 PM9終演。大詰めのシーンで、山本亨が高台から空中にジャンプ。それがハンパじゃない高さなので、客席からどよめきが起こるほど。さすが元JAC。しかし、飛び降りた亨の様子がおかしい。立ち上がれずに、その場にうつぶしたまま。セリフがつらそう。この時点で、演出なのかと思ったのだが、そうではなく、足をケガしたらしい。 カーテンコールも、いつもなら、外波山文明の長口上が続くのに、今日はやけに短い。毎日打ち上げの口上もなし。おかしいなと思ったら、楽屋裏にすでに救急車が来ていたのだ。前にも足を骨折して、ボルトを入れていた時期があったが、常に全力投球でケガの絶えない亨。明日から大丈夫か。 塩野谷氏が流山児組と見に来ていたので立話。事故のせいか、テント周辺も盛り上がらず、飲み会はパスして家路に。 7月18日(月)快晴 雨の連休といわれながら、最後までピーカン照り。日ごろの心がけのよさ? 6.30に起きて後片付け。8.30、保養所を後に、犬吠崎へ。小一時間で到着。 観光定番の360度の展望台、犬吠崎灯台、マリンパークで買い物。波はあるが、磯遊びには最適。 とはいえ、帰りの道路混雑が心配なので、昼食後、すぐに出発。3台のクルマは現地解散。それぞれ家路に。今回は初めて潮来インターから東関東道へ。これがすいていて快適。いつもなら東金、京葉道路で渋滞につかまるのに、スイスイ進み、2時間ちょっとで無事到着。 2泊3日のファミリードライブ。海で焼けた肌がひりひりで風呂はパス。こんなに日焼けしたのは何年ぶりか。 ともあれ、家族サービス無事終了でホッと一息。 7月17日(日)快晴 朝からピーカン照り。9時過ぎには海水浴場へ。父親2人と子供たちは3時半過ぎまで波と戯れ、海の中。疲れを知らない子供たち。母親4人はビーチパラソルの陰で海を眺めながら井戸端会議。「女はしゃべることがいっぱいあるから、退屈しないのよ」とMママ。 昼食は海の家。メチャ混み。駐車場もびっしり。 4.00、保養所に帰り、浜で拾った大きなハマグリを味見。なかなかいける。シュリ貝が岩場にびっしり付いて、身も入っていたが、あれは採ってはいけないのか? 味噌汁に入れると美味なのだが。 PM6.30、行きつけの寿司屋「K寿司」へ。今日は常連のみでフリ客はお断り。 寿司や刺身でおなかいっぱいになった後は、定番の花火大会。 その後は、大人は宴会、子供はゲームで夜中まで。 小6で、ちょうど難しい時期なので、子供同士のちょっとした反目もあったり、親同士が気を遣ったり……結構疲れることもままあるが。 7月16日(土)快晴 首相の諮問機関である政府税制調査会の複数の委員が5月に行った非公式会議で次のような発言をしていたことが判明。 「変な生命力のない人たちが、お金を持ってぶらぶらしている」 「専業主婦で時間がいっぱいある人こそ、コンビニで買ってきた発泡スチロール容器で(家族に)食べさせている」 発言者が誰かは公表されていないが、これらの発言は配偶者控除のあり方をめぐっての議論から出てきたもの。 つまり、生命力(仕事の意欲?)がなくてお金を持って、暇をもてあましている主婦が多いのだから「配偶者控除なんて廃止すればいい」と。 しょせん、政府に雇われる評論家や学者の意識とはこんなもの。専業主婦よ、怒れ! PM2、仕事の途中で中野へ。劇場地下の稽古場へ。毛皮族、町田マリーの写真撮影。2.30、江本純子からデータMOを借りて会社へ戻り、仕事再開。PM5帰宅。 PM7、レンタカーで九十九里へ。母親同士が親しくしている近所の家族3組と一緒に保養施設へ。混むかと思ったが、途中、ドライブインに寄っても2時間足らずで到着。 初日は、親同士は1時過ぎまで飲みながらおしゃべり。子供たちは施設に置いてある碁盤で回り将棋やら挟み将棋。寝たのが2時近くとか。男の子4人、元気そのもの。 7月15日(金)快晴 気温上昇。外は熱風渦巻く真夏日。 昨夜は9時過ぎに就寝。目覚めはすっきり。7時に起きてゴミ出し。 中国の人民網(英語版)が上海で新たな日本軍蛮行の写真(気の弱い方はパスしてください)が見つかったと報じる。2002年に発見されたもので、地域で展示され、抗日戦争に関する証拠としての価値を認められて、戦勝60周年の記念行事で全国で巡回展示されることになったとのこと(ウニ氏のブログより) 斬首された中国人の首8個の前で記念撮影をする日本軍兵士。映画の残酷描写に慣らされた現代人にはユーモラスなシーンに見えるかもしれない。しかし、これが戦争。南京大虐殺を虚構だとするネット・ウヨはこの写真をも捏造というのだろうか。 7月14日(木)快晴 K條今日子さんが文教大のS々木昭一郎氏の講義に招かれ、寺山修司との思い出などを語るというので、以前から「一緒に行きましょう」と誘われていたのだが、授業は正午で終わりとか。頑張って仕事を終えても行けるのは午後2時過ぎ。「白石さんがいたら一緒にお茶でも飲んでるから」と言われたが、白石氏も不在とのこと。仕方なく、藤沢行きを断念。久しぶりに佐々木さんとも会えると、楽しみにしていたのだが、残念。 ソワレの予定を入れておかなかったので、毛皮族の稽古を見学させてもらい、マリーさんの写真を、と思ったのだが、制作氏のガードの固いこと。まだ本番まで一週間あるのに休憩時間のわずか5分の撮影もNGとか。まるでジャニーズ事務所並のガード。小劇場でこんなにガードが固いのは珍しい。というより、制作担当の固さか。 PM4.20、K記念病院で鍼。PM6帰宅。 英テロの実行犯が特定されたという。当局の発表によれば、の留保がつくが。 それによれば、1人はスポーツ科学専攻の大学院生、シェヘザド・タンウィール容疑者(22)。クリケット好きの快活そうな青年だった。 モハメド・サディク・カーン容疑者(30)は生後八カ月の娘の父親で、小学校の障害児学級で働いた経験がある。 そして、19歳の少年。あと1人は不明。 4人とも、英国籍のパキスタン人という。事実なら、英国内で初めての自爆テロということになる。ごく普通の学生までもが、死を賭してテロに走る。その根底にある矛盾を正さなければテロがなくならないということを示している。 もうひとつ、今回の「実行犯人特定」でわかったのは、ロンドン市内に張り巡らされた監視網の怖さ。 設置された監視カメラを追えば、個人の行動は当局にとって、手に取るようにわかるということだ。 駅、銀行、店、道路……日本でも今や監視カメラがあらゆる場所に設置され、そのカメラの情報を分析すれば、特定の個人の行動は筒抜けになる。銀行に行ってカネを下ろし、コンビニに寄って求人情報誌を買った。繁華街に行って、風俗店に入り、帰りに居酒屋に寄ってビールを飲んだ。駅を降りたのが午後10時…… 監視カメラを使って、権力がライバルのスキャンダルを握ったり、市民運動のリーダーを陥れるのは朝飯前。恐ろしい世の中が着実に進行している。 テロ予防を口実に、ファシズムを推し進めようとする連中が今の国会に上程しているのが「共謀罪」。 今まで、さまざまな法律が上程されたが、これほどトンデモない法律は初めて聞く。 刑法の概念では、予備罪は別にして、「行為なければ処罰なし」が基本理念。当たり前だのクラッカー、「あいつが憎い。殺したい」と頭の中で思っても、それを実行しなければ、当然その人は殺人罪にはならない。 しかし、審議中の「共謀罪」では、犯罪の相談をしただけで罪になり、最長5年の懲役に服さなければならなくなるのだ。 たとえば、労働組合で「社長の譲歩が得られるまで徹夜団交も辞さない、団交には厳しく臨もう」と決めただけで組織的強要の共謀罪に問われる。 あるいは、企業の不正を糾弾するため、市民団体が座り込みを決議しただけで組織的威力業務妨害の共謀罪になる。 つまり、実際に行動に出なければ、心の中で何を考えようと、仲間内で何をしゃべろうと自由だよ、という社会の大前提がこの法律で覆されようとしているのだ。 法務省は「組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪行為の共謀行為に限り処罰する」もので「国民の一般的な社会生活上の行為」を罰することはあり得ず、「漠然とした相談や居酒屋で意気投合した程度では」共謀罪は成立しないとしている。 語るに落ちるとはこのこと。市民団体やいわゆる過激派を狙い撃ちした法律であることは明らか。 しかも、この答弁に大ウソがある。 なぜなら「組織的な犯罪集団に限る」とは法案のどこにも書かれておらず、「団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるもの」とあるからだ。 これでは複数の人間が集まって何かをやると決めただけでその要件を満たしてしまう。 12日の国会審議では、民主党の津川祥吾議員がこう質問した。 「ある集団が殺人の共謀を重ね、でも最後には話し合ってやめた。それでも共謀罪の対象か」 その答えは「イエス」「対象になる」というのだ。オソロシイ。 実行されない事件が裁かれる。思想・信条の自由などあったものではない。心の中で思っただけで処罰されるのであれば、独裁恐怖政治顔負けの思想取締り法ではないか。 それに「重大な犯罪」に限るというのも大ウソだ。 共謀罪が適用される「長期4年以上の刑を定める犯罪」は殺人、強盗、窃盗、傷害、詐欺など実に600近くあり、該当しない犯罪を探すほうが大変なくらいなのだ。 サラリーマンが酒の勢いを借りて「あの野郎、ぶっ殺してやる」とつぶやき、それに同僚が「よし、オレもやるぞ」と応じただけで、「共謀罪」が適用される。もちろん、濫用したら、いくら国民がお人よしでも、目が覚める。 適用は、労組、市民団体、そして、反権力を標榜するマスコミ、ミニコミというところか。拡大解釈で国民を敵に回す前に、邪魔者は片付く。 こんなトンデモ法律が白昼堂々と国会で審議されていること自体が、驚き以外のなにものでもない。 「共謀罪」新設の「組織的犯罪処罰法の改正案」を廃案にしなければ。 こんな法律を「違憲」と判断させる最後の拠りどころは、やはり憲法なのだ。 7月13日(水)晴れ 同僚が休みを交換して欲しいというので出社。 午後、なかなか連絡が取れなかった毛皮族からようやく連絡が。今度の制作は男。劇団の命運は半分は制作担当の巧拙にかかっているんだけど……。 今日はオフ日というので、町田マリーに電話。約30分。いい人だ。 PM5、銀座・木屋で「ほたて丼」1050円。山下書店で松本清張の初期短編「突風」。清張の作品は十代の終わり頃に、主だったものはほとんど読んでいる。あの頃は、清張の新刊文庫本をむさぼるように読んでいたものだ。 この短編に収録された作品は1960年前後に書かれたもの。推理作家として名を成して行く時期。バーのホステスに入れあげたサラリーマンと、その妻の奇妙な「復讐劇」を描いた表題作「突風」をはじめ、ほとんどの作品が推理小説というよりも、市井の男女のドロドロとした人間ドラマ。 10代の頃と、今では同じ作品でもまったく読み方、とらえ方が違う。男と女の「深くて暗い川」など、10代の自分には本当には理解していなかっただろうし、そういう意味では「点と線」「ゼロの焦点」(大好き!)ももう一度読み直してみれば、別な感慨があるのかもしれない。映画も小説も、20年おきに見直し、読み直ししてみるべきだろう。 PM7、新宿。紀伊國屋ホールで燐光群「上演されなかった三人姉妹」。 なぜ坂手洋二がチェーホフを? と疑問に思ったが、フタを開けてみれば、やはり坂手劇。題名に示唆されるように、ただのチェーホフ芝居ではなく、現在の「世界情勢」と連動したアクチュアルな「三人姉妹」だ。 客席に入ると、通路を隔てた前列が空席。その半分には黒い幕が降りて舞台は目隠しされている。観客は後方の座席に座ることになるのだが、その意味は舞台が始まってすぐに了解する。 「三人姉妹」を上演中の某国劇場が舞台。 開幕のベルとともに迷彩服の屈強な男たちがなだれ込んできて、劇場は封鎖、観客は彼らの指揮下に置かれる。機関銃を客席に向けて威嚇する武装グループ。そう、これは、2002年にモスクワで起こったチェチェン武装グループの劇場占拠事件を模しているのだ。 武装グループの要求は、抑圧を受けている彼らの母国から、「この国」の軍隊の撤退させること。それが受け入れられなければ、劇場の観客を全員射殺して自分達も自爆するという。 しかし、三人の女優は舞台を降りようとはしない。客席にいたかつての劇団員仲間や劇場関係も舞台の虚構に取り込まれていく。客席を巻き込んだ、「現実」と「虚構」の「三人姉妹」の幕が上がる……。 武装グループの乱入はまったく予期していなかった展開なので、「そうか、こう来たか」と内心快哉を叫んでしまった。観客を巻き込んだ芝居。 開演前に、「身毒丸」はここで上演したんだよなぁ……」と寺山修司のことを思い出していたので、この「観客を巻き込んだ芝居」にふっと微苦笑。 「三人姉妹」が、原作通りに進行し、劇場で平行して進行する武装グループの占拠が、その物語に次第にシンクロしていくのが実にスリリング。 「上演されなかった三人姉妹」の上演が終わると同時に、撤退の約束を反故にした国家警察が突入、観客もまた、特殊ガスの犠牲となって死んで行く。 ロシアとチェチェンの紛争を媒介に、「三人姉妹」がこんな形で上演されるとはチェーホフも本望か。イラク戦争と日本の関係と読み取れなくもないし。 それにしても、燐光群の若手役者たちの面構えのいいこと。俳優たちがここまでイケメンぞろいなのは他にいないのでは。 立石凉子(演劇集団円)、神野三鈴、中山マリの三人姉妹をはじめ、鴨川てんし、川中健次郎、猪熊恒和、大西孝洋、下総源太朗、JOHN OGLEVEE・江口敦子、樋尾麻衣子、宇賀神範子ほかいい役者ばかり。坂手洋二は役者を見る目がいい。 PM9.20終演。11.00帰宅。 7月12日(火)晴れ PM7、新宿。スペース・ゼロでクリオネ・プロデュース「パリアッチ」(作・演出=倉持裕)。 オペラハウスのバルコニーに隣接した豪華なゲストルームに出入りする奇妙な人々。オペラ歌手のヒモ、劇作家、マネージャー、ロビーのウェイトレス、警備員……。さらに、ギャング風の怪しい男、鳩のフンだらけのさえない男、川で外来種のカメを駆除している男が闖入してくる。やがて、一発の銃声が鳴り響き……。 上演中のオペラとゲストルームの人間模様がシンクロして……というのが一つの狙いなのかもしれないが、意味があるようで意味のない会話、それぞれの事情を抱えた登場人物の「意思の齟齬」が延々と続くだけで、見ていて疲れる。こういう、観客の惑乱を狙う「不条理文学」はまるでカラダが受け付けない。出演者はみんな素晴らしい俳優たち。小林高鹿、瀬戸カトリーヌ、片桐仁、細見大輔、つまみ枝豆。特にラーメンズの片桐仁の演技、存在感は群を抜いている。今回の収穫は彼だけ。 PM9.00終演。11.00帰宅。 7月11日(月)晴れのち雨 ピーカン照りの一日。午前10時、「今、クーラーの取り付けが始まったところ」と家人からメール。午後からはもう一台の工事。これで、今年は灼熱地獄に苦しまずに済む。 PM5帰宅。8時過ぎまで外で子供たちとスーパーボールでキャッチボール遊び。そのうち、ボールをなくして懐中電灯で植え込みを探索。小雨が降り出した中を、3人で自転車散歩。なんて平和な夜……。 7月10日(日)晴れ 7・00起床。 9.30、S木市体育館で躰道稽古。30分遅刻。 基本の運足から活命の法形まで。瞬く間に汗びっしょり。帰りのバッグが肩に食い込むのは汗を吸った道着がずしりと重いせい。汗の重さはハンパじゃない。 0.00終了。2.00帰宅。昼食をとって、ベッドに横になる。疲労と頭痛。仮眠を取ろうと思ったが、なかなか寝付かれず。 高橋哲哉の著作「靖国問題」は靖国神社参拝問題を考える上で、目からウロコの好著。これほどわかりやすく靖国問題を分析・研究した本はほかにない。 「A級戦犯合祀問題は靖国問題を矮小化するだけ」の論にも切れがある。政治決着で手を打とうとしている中国側の意図を理解せず、頑なに参拝にこだわるコイズミもこの本を読めば自分たちの勘違いぶりに気がつくだろうに。もっとも、「それ」に気がつけば、靖国問題は国民にとってさらにやっかいな問題になるのだが。 それはさておき、「靖国問題」って何? どこが問題なのと思ってる人はちくま新書756円を。買っても損しない。 7月9日(土)曇り後雨 PM2。新馬場。六行会ホールで文化座「笑う招き猫」。第16回すばる新人賞を受賞した山本幸久の原作を座員の鳥海二郎が脚色、原田一樹が演出。ベテランは数人だけ、ほとんどが新人俳優たちの舞台。制作のN山さんは動員を心配していたが、初日とあってか、立ち見も出る盛況。客席の平均年齢が高いのはいつも通りだが……。 元引きこもり少女が路上ライブで知り合った相方と漫才コンビを組む。アカコとヒトミ。初舞台は惨憺たるものに終わったが、その後、徐々に人気が出始め、漫才オーディションでもとんとん拍子に勝ち進んでいく。が、テレビのバラエティーの出演が増えるにつれ、それぞれの漫才に対する考え方にズレが出て微妙な亀裂が……。 金儲けしか頭にない事務所の社長、どこか人生を投げた感のある子連れの先輩芸人、親身になって引き立ててくれるマネジャー、彼の心に影を落とす元アイドルタレント……彼女たちを取り巻く、さまざまな人間模様。 古色蒼然の、ぬるい喜劇かと、あまり期待していなかったのだが、これが思わぬ拾い物。漫才業界が舞台だけに、本当に漫才をやらなければ意味がない。それもオリジナルで。設定で「面白い漫才」とあっても、実際に役者たちが演じる芸が面白くなくてはシラけてしまう。これは難しい。 しかし、若手役者たちはこのハードルに果敢に挑戦している。それぞれが考えたネタを毎日持ち寄って稽古したのだとか。これが実に面白い。 主演の2人もフレッシュ。「新人賞」が人生で2度もらえないように、主演の2人も今回の舞台の演技は2度とできないだろう。まさに、新人だけができる初々しい演技。ベテランがどんなにうまくても、舞台の2人のような演技はできない。今この瞬間だけ可能な演技。 若者の心地よい笑いと、オトナの濃密な人生の陰影が交差する青春喜劇。初日は高橋美沙と小谷佳加のコンビだったが、長束直子・小林悠記子のダブルキャスト別バージョンも見てみたいと思ったほど。時間がなくてムリだが。 4.25終演。休憩10分をはさみ2時間25分。 客席にいた七字氏に挨拶。三好氏は目黒の自宅から自転車。30分くらいとか。 いったん会社に戻り、後片付け。5.00、ソワレの予定は入れていなかったのでそのまま家路に。 G駅で途中下車して同級生のSの店に。忙しさにかまけてここ数カ月顔を出していなかった。 ところが、店はノレンもなくひっそりとしている。「あれ? この時間はもう開いているはずなのに」 携帯に電話すると、Sが出て「実は6月いっぱいで店をやめたの。色々あって……」 色々……の理由は薄々承知。 PM6.30、Sと落ち合う約束をし、中学の同級生Kに電話。Kのマンションはここから30分。 3人で近くの居酒屋で急遽臨時同窓会。 3人で飲むのは1年ぶり。「そのうちSの店で飲もうよ」と言ってたのに、それもできなくなったわけで……。 同じ時代をすごしてきた幼馴染。田舎の思い出や子供の頃の話で大盛り上がり。 「タコの風船って覚えてない?」「あったねぇー。タコの胃袋を膨らませたヤツでしょう」 「富山の薬売りが持ってくる紙ヒコーキや風船を楽しみにしていたよね」 「防空壕で遊んだよね。子供でも頭がつかえて、なかなか入れなかったけど」 同じ時間を共有してきた仲間たち。世代が違えば、言葉も記憶も違うが、同級生は、共通の想い出がある。気心の知れた会話にお酒のピッチもあがる。 「小学校のときに兄貴から借りたカメラで撮った写真、ずっとネガを保存していたんだけど、この前、引っ越しのときに失くしてしまったんだ。遠足のときや学校での同級生のスナップがあったのになぁ」とK。 40年近く前のネガを保存していたとは驚きだが、それを引っ越しで失くしたとは残念。昔はカメラを持ってる人なんてほとんどいなかったから、子供時代の写真は少ない。その写真にどんな自分が写っていたんだろう。 小学5年のときに隣町の小中学生との間で起こった「白砂海岸の決闘」。自分では十数人が集まったのだとばかり思っていたが、それは思い違いだということが判明した。 「お前は来なくていいから」と言われたKが、それでも気になって決闘の様子を見に行ったら「100人近い小中学生がにらみあっていた」という。 その後、マンガの”男一匹ガキ大将”の決闘シーンを見たKが、あんな感じだったと思ったそうな。 100人とは知らなかった。それじゃ、警察に通報されるわけだ。 ……てな話をしているうちに時間は流れて11時。再会を約して解散。 7月8日(金)晴れ PM7、下北沢。本多劇場で加藤健一事務所「ヒーロー」。アラン・エイクボーンの作品を加藤健一が演出。 かつて、銀行強盗の前に立ちはだかり、一躍国民的ヒーローとなった男ダグラス(加藤健一)と、元強盗で、今はテレビで活躍するカリスマ的人気スター・ヴィック(上杉祥三)。二人の17年ぶりの「感動の再会」を演出すべく、テレビレポーター・ジル(加藤忍)が、ヴィックの別荘(地中海に面したプール付き豪邸!)に陣取り、リハーサルを繰り返している。そこに現れたダブラスは、気弱で覇気のないダメ男。対照的に、かつての強盗男は人生を存分に謳歌しているように見える。この再会が思わぬ事件を呼び込み……。 前半の二人の「静かな対決」から浮かび上がる、もうひとつの過去。ダグラスがかばったために、顔に銃弾が当たり、人生を狂わされた女性の存在が、二人の背後に見え隠れする。憧れだった彼女と結婚することになったダグラスの葛藤……。 しかし、後半は一転して、唐突とも思える展開でヴィックが奇禍に巻き込まれ、その処置をめぐって右往左往のドタバタ劇。 ウーン、正直言って、この戯曲はよくわからない。二人の対照的な男の人生の交差を主眼にしたものなのか、テレビというメディアを皮肉ったものなのか……。 舞台にプールを作った「大仕掛け」は見ものだが、上杉の朗々たるセリフ術とカトケンのコメディー・センス、大西多摩恵のリアリズム演技、 有馬自由の飄々とした演技、そして研究生たちの演技のレベルがちぐはぐで、全体に統一感がない。加藤忍は珍しくアグレッシブな演技で新境地だが。 しかし……。後半の「転調」には首を傾げてしまう。笑いのキーウーマンとなる「潜水女」は平田敦子あたりだったらもっと違った役作りをしただろうに、新人にはちょっと荷が重い。マジメな女優なのだろう。笑いよりも悲惨さの方が先にたってしまう。 カトケン・コメディーとしては、珍しく、今回はやや低調。 終演後、楽屋に行き加藤忍に挨拶。帰りしな、N島さんに俳優の草野徹さんを紹介され立話。深浦出身だとか。「種の起源」の桜博士役、南部弁に聞こえたが、そうか津軽弁だったか。一緒にいたのがY田まりや。そばで草野さんとの話が終わるのをじっと待っていて、それから自己紹介。なるほど、業界人でY田まりやのことを悪く言う人がいないのは当然か。タレントずれせず、礼儀正しく控えめ。映像で見るよりもずっと可愛い。8月の水谷龍二作品の稽古中で、今日は稽古オフとか。扉座の「いちご畑よ永遠に」は大好きな作品。もういちどまりあ主演で見てみたいもの。 9.30、ごった返すロビーを抜けて家路に。 ロンドンで同時多発爆破事件。犯人はイスラム原理主義者と目されるが、はっきりしたことはわからない。英グレンイーグルズで開催中の主要国首脳会議(サミット)サミットでは貧困問題、地球温暖化問題が討議される予定だったが、急遽、「テロ対策に関するG8首脳声明」を盛り込み、地球温暖化問題は脇に追いやられた格好。スペイン列車爆破事件で、スペイン政権を崩壊させ、イラク撤退の道を開いたテロが、今度はブッシュの盟友・イギリスに。イギリスのイラク撤退も早まりそう。その次は……。ブッシュの僕(しもべ)であるジャパン? そうでないことを祈るのみ。 ただ、グローバリズムという名のアメリカ帝国主義的世界支配戦略が引き起こす、貧困格差拡大、イスラム世界破壊が続く限りテロはなくならないだろう。 「♪おまわりさん、前からあんたに言いたかった事があるのさ 世の中を良くしたいんだと命掛けた真面目なあんた だけど だけどあんたのやってる事はまるで 汲み取り式の便所の仕組みは、ほったらかしにしておいて 出てきた蝿を一生懸命追ってるようなものさ おえらい方は蝿が出たって知らん顔さ、そりゃそうだろう 甘い、甘い汁を吸うには世の中変わっちゃ都合が悪い だからあんたを使って蝿を追わしてる おまわりさん、あんたが真面目に働けば働いただけ 世の中悪くなる、どんどん悪くなる気がする 昔岡林信康が歌った「おまわりさんに捧げる歌」だが、その意味することは180度違う。 違うにも関わらず、テロがなぜ起きるのか、その土壌を考えずに、テロ撲滅と言ったところで、テロはなくならないということにおいてはこの歌は有効。 テロ根絶を口実に、イシハラ某のように、憲法を無視した強権政治をしようが、テロはなくなるはずがない。テロの根底にあるのはルサンチマンだから。最後の一人になっても闘いは終わらない。 7月7日(木)雨 郵政民営化反対グループの結束力の影に、「血判状」の存在があったという。綿貫、亀井ほか20人の幹部が署名したもので、「誓紙」に使われたのは、和歌山・熊野本宮大社の護符「牛王宝印(ごおうほういん)」。この誓紙に背くと、護符の八咫烏(やたがらす)が死に、破った本人も血を吐いて死ぬ……とか。血判状とは、なんとも時代がかったやり方だが、逆に言えば、それくらいの演出がないと結束も難しかったということか。 仕事をしていても、HPが気になる。ふと、思いついてネット検索してみると、あった。同じ症状が。特に何もしないのに、ある日突然HPのアップ、それもトップページが転送できなくなる例が。どうやらウインドウズXPのサービスパック2の自動更新が原因らしい。サービスパック2はいろいろ問題があるというので、導入を控えていたのだが……。 帰宅して、試してみるがダメ。転送不能になった時点でパッシブモードでアップロードすればよかったに違いないが、すでに、別のサイトを作ってしまい、以前のサイトはリンク関係も壊してしまった部分がある。 仕方なしに、IBMのサポートセンターに電話。ホームページビルダーのサポートがあったのだ。ラッキー。 で、電話すると、「FTPのファイルを全部削除してから、再送するとうまくいく場合もあります」 というわけで、試してみると、これが大成功。なんなくアップロード完了。 暫定的に作ったトップページは破棄。 ウーン、しかし、パソコン関係はほんのちょっとしたことで大きなトラブルになる。やはり、自分でいじらず、サポートセンターに任せるのが一番みたい。 二日間もHPのことで気をもんでヘトヘト。今日は早めの就寝。 今日から部屋に窓用クーラーを設置。涼しい風が頬をなでる。自分の部屋にクーラーがある生活。夢のよう。 7月6日(水)雨 朝、HPを見たら、更新したはずのトップページが以前の表示のまま。「おかしいなぁ、たしかに更新したはずなのに」と思ってアップロードすると、なぜか転送できない。アレ? なぜだ。日記ページは転送されているのに。試しに、インデックスページ(トップ)のみを転送した瞬間、モニターのHP画面が真っ白に。おそるおそるHPを開くと、英文で「Forbidden」の表示。これはもしかしたら大ごとに? それからビルダーをいじること半日。トップページにヘンなソースが紛れ込んだのか、ウイルスか。あれこれソースをいじってるうちに、ついに転送自体ができなくなり、お手上げ。思い切って、新しくサイトを構築するも、それも転送不能。これだからパソコンの気まぐれはイヤ。 11.30、悶々としたまま、就寝。 7月5日(火)晴れ 衆院で郵政民営化法案審議・採決。久しぶりにスリリングな国会中継。 自民造反組がどれだけ出るか、記名投票なので一目瞭然。テレビカメラの前で、青票(反対)が投じられるたびに野党席から大きな拍手と「ヨーシ」という掛け声。投票が進むにつれ、青票が増えていくのが手に取るようにわかる。テレビカメラの威力。反対を表明しながらも土壇場で寝返った「裏切り組」もテレビに映し出される。小早川秀秋の例を見るまでもなく、可決・否決どっちに転んでも「裏切り者」の烙印が押された者の末路は哀れ。 結果、5票差で可決。否決されたら即解散・総選挙に持ち込む腹積もりだったコイズミ。ニンマリした顔の裏には伝家の宝刀がちらついていた。食えない男。 国民の汗と涙の結晶である郵貯を、ブッシュの言いなりになって、米国債に差し出そうとする売国奴・コイズミ&竹中。 公共性よりも効率化が優先され、過疎地の郵便局など即刻消滅。リストラの嵐が吹き荒れ、全逓などの労組は国労と同じく消失への道をたどる。 全国一律の料金体系も変わるだろう。根底にあるのは弱者切捨ての米流グローバリズム。 PM5。銀座・旭屋書店で高橋哲哉著「靖国問題」(ちくま新書)、日垣隆著「世間のウソ」(新潮新書)。 PM6。新宿。紀伊國屋書店で「ユリイカ」。小劇場特集が効を奏しているのか、銀座の書店では山下、旭屋ともに売り切れ。さすがに紀伊國屋は平積みに。 タワーレコードでhumbert humbertの「焚火」、広島のジャズバンド「アコーディオン」の「プライベート・ノート」購入。 PM7.30。シアタートップスでクラクラ・プロデュース「相談にのってる場合か!?」。中島淳彦の書き下ろし新作。 中島淳彦にハズレなし。まさに驚異の十割バッター。今回は初めて(?)のロマンチック・ラブコメディー。しかし、どんな球でも打ち返すのだからすごい。ホームランではないが、高めの球をライト前に流し打ち。こんなに底が見えない脚本家は初めて。 結婚相談所を舞台に、所長(あめくみちこ)と、相談者たちが繰り広げるおかしくもせつない物語。元夫(近江谷太朗)、実父(すまけい)、気の弱い兄(田子裕史)思いのAV男優(蒲田哲)、茨城の農家の長男坊(井之上隆志)、ゲームオタク(山口森広)、結婚相手にすぐ死なれてしまう未亡人(かんのひとみ)、女子高生(加藤麻奈)にストーカーされる高校教師(東海林寿剛)、カツラ疑惑の理容院店主(海堂亙)そしてナゾの受付嬢(那須佐代子)……。 バラエティーに富んだ登場人物をきっちり描き分け、それぞれ一人ひとりに愛情を持って見せ場を作る。ウーン、なかなかいない。こんなハートフルな脚本家。 すまけい氏も不自由な体ながら、飄々とした演技。ラストの「あの素晴らしい愛をもう一度」の合唱にホロリ。 帰り、隣席の江森さんと駅まで。 7月4日(月)雨 都議選結果確定。自民減少、民主大幅増。共産衰退、社民ゼロ、公明全員当選。 投票率43・99%。前回よりも6・09ポイント減。投票率が落ちれば無党派票が見込めないわけで、組織の公明は戦わずして勝ったも同然。しかも、今回は都議選で初めて自民・公明の選挙協力が成立。自民候補者の苦戦を公明が救うという構図は国政と同じ。もはや、公明=創価学会の協力なくして自民党は成立しない。さらに、自民が議席を減らしても、根っこが同じ民主がその補完を果たせば何も変わらない。自民・公明・民主のファシズムトリオが国政同様、都政でも幅をきかす。「賢い都民」はどこに行ったのか。 かつては「革新区」だった杉並もH元都議の獲得票7000票余。最下位との差1万票。「革命」やら「革新」という言葉は、ネオ・ファシズムの嵐の前では死語と化している。しかし、その無関心のツケは必ず払わされることになる。 小泉増税がサラリーマン層を狙ったことは石弘光政府税制調査会会長の「この国を支えるには、就業者の8割、4000万の納税者がいるサラリーマンに頑張ってもらうしかない」発言に、はしなくも現れている。 所得税控除の縮小、扶養控除と配偶者控除の撤廃、退職金の優遇税制見直し、個人住民税の「均等割り」引き上げなど大増税が実施されれば、年収900万のサラリーマン(専業主婦と子供2人=18歳と14歳=を抱える45歳と試算)の家庭でなんと86万円の増税になるという。給与の1・5カ月分が丸々吹っ飛ぶ。 今日の注目はジャーナリスト魚住昭氏の新聞連載記事。 郵政民営化PRを請け負った広告代理店の政府に対するプレゼン資料をすっぱ抜いている。 以下抜粋。 「ターゲット戦略〜現状認識〜」と銘打った表がある。これは、縦軸がIQ(知能指数)の高低、横軸が小泉政権の構造改革への評価の度合い(肯定的か否定的か)を示し、国民を4タイプに分類している。 まずIQが高くて構造改革に肯定的な「A」層。この層は「財界勝ち組企業・大学教授・マスメディア(TV)・都市部ホワイトカラー」から成るとされる。 それとは正反対にIQが低くて構造改革に否定的な人々は「既に(失業等の痛みにより)構造改革に恐怖を覚えている層」だと注釈され、IQは高いが構造改革に否定的な「C」層は「構造改革抵抗守旧派」の一言で片づけられている。 なんとも差別的な表現ではないか。 しかし、問題は「IQが低くて、大半が構造改革に肯定的とされる『B』層」についての記述だ。 「この層は『主婦層&子供を中心』と『シルバー層』から成る。彼らは郵政民営化や構造改革の意味について『具体的なことはわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層』すなわち『小泉内閣の支持基盤』とされ、この『B層にフォーカスした、徹底したラーニングプロモーションが必要』だと結論づけられている。 これでは小泉政権に「あんたの支持基盤は頭の悪い主婦や老人」と言ってるようなものだ。政府はこの提言を採用して「郵政民営化ってそうだったんだ通信」というチラシ(竹中氏とテリー伊藤氏の対談などを掲載)を作り、地方を中心に千五百万部配った。つまり政府と広告業者の考えは一致したのである。 自分の支持者を小バカにし、なおかつ操作しようとする。そしてそんな首相を支持する有権者。あさましい地獄絵のよう。 7月2日(日)晴れのち雨 7.00起床。睡眠不足でふらふら。寝坊の息子を起こして仕度。 9.30、S木市へ。30分遅刻で躰道稽古に参加。軽く準備体操して、I内先生に稽古を見てもらう。運足八法から入ったら、ものの5分で汗が噴き出し、息が上がってしまう。 躰道協会のT先生が来訪し、30分ほど講義。還暦を過ぎた年齢ではあるが、その痩身の体からにじみ出る気力・体力は迫力十分。昔は真剣を持った相手と向き合って稽古したものとか。「40歳までは武術、武道は40歳から」の言葉。 正午、稽古終了。 PM1.30帰宅。かっぱ寿司で昼食。家人の買い物に付き合い、その後A葉電化へ。夕方、クーラーの見積もり。自転車のカギを紛失したというので、仕方なしに子供の自転車のカギを壊し、取り外し。頑丈にできているため、これが容易ではない。 そのうち雨がぽつりぽつり。 マンションの入り口ホールにいつも寝そべって、人が通るとごろごろとノドを鳴らしてじゃれるネコがいる。そのネコが飼い主に捨てられた野良だということが判明。 あまりにもかわいく、なつくので、ホールにしゃがみこみ、ネコ相手に遊ぶ。通りかかったおばさんが「そのネコ、人さみしいのよ。かわいそうにね。うちにはもう2匹いるから」 新任の管理人も「妻も大好きなんです。でも、ここは管理人はネコを飼っちゃいけないという規則があるみたいで。なんとか飼い主見つけてあげたいなぁ」 みんなこのネコが好きみたい。 あまりネコかわいがりしたからか、普段はホールを離れないのに、エレベーターに乗ると後を追いかけてきて、部屋の前までついてくる。ウーン、飼いたいけどなぁ。 PM7.30、今日、ネット通販で届いたサケトバでビール。今回のトバはいまいち味が落ちる。 結局、稽古から帰ってから一日中雑事に追われて落ち着いたのがこの時間。HPを更新する時間も気力もない。 PM10就寝。11.00、「猫の鳴き声がしない? 雨で震えてるんじゃないの。なんとかしてあげて」と家人。おいおい、眠っているとこを起こすか普通。仕方なしに起きて、周囲を見るも猫の影なし。ベッドに戻って再度眠りに。 7月1日(土)晴れ PM2。北千住。シアター1010で「おんなの落語」(作・演出=鈴木聡)。木の実ナナが粋な江戸前の女に扮し、歌い、踊る音楽劇。 ところは品川の女郎屋。昔売れっ子、今は年とともに落ちぶれてお茶挽きのお染。我が身の不運をはかなんで、うだつの上がらない貸し本屋の金蔵を心中相手に選び、海に飛びこもうとするが……。「品川心中」「文違い」「お直し」「駒長」「風呂敷」「芝浜」ーー名作落語6編をネタに、一つのストーリーが展開。品川の女郎を振り出しに、紆余曲折の末、ついには魚屋の女房となって幸せをつかむ女の半生記。 墨東生まれの木の実ナナの生粋の江戸前言葉が小気味いい。「コーヒールンバ」「サマータイム」「ヘイ・ポーラ」など60〜70年代ポップスの替え歌もなかなか。粋に着物を着こなし、あでやに歌い踊れるのは木の実ナナならでは。陰山泰、植本潤、内田滋が1人で数役を早代わり。女形・植本の大げさな演技に客席は笑いの渦。間男を逃がすために算段する「風呂敷」ではフィリップ・ジャンティばりの巨大人形が登場。間男された夫の哀愁が漂う不思議な場。 隣の席に上々颱風の紅龍。その隣が土居裕子。鈴を転がすような土居裕子の笑い声。この前、こまつ座「国語元年」で植本と共演していたから、その関係か。 おばさんたちでごった返すロビーにさとう珠緒の姿。珍しい。 PM5。上野のジンギスカン料理店で定例会。Dさん、Oさん、Tくん、Mさん、T楽さんの6人。青森・北海道では焼肉といえばジンギスカン。牛肉を食べたのは上京してからのこと。子供の頃は安いマトンを食べたものだが、今はラムが主流とか。味覚とは不思議なもので、ジンギスカンの肉を食べた瞬間、子供の頃の田舎の光景が目に浮かんで来る。父と母。あたたかい家族の団欒……。 二次会からSさんも駆けつけ、11時まで。0.00帰宅。 |
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