9月30日(土)晴れ

 1200、浅草へ。大間マグロの解体ショー。すでに190キロのマグロが台に据え付けられ、解体を待つばかり。キロ5000円として約100万円。50人ほどの見物客。それが次第に増えて、黒山の人だかり。金澤町長自らTシャツ姿で解説。宮野パン屋の軽妙なトークにドッと湧くお客さん。訥弁、愛想なしのイメージの下北男だが、いつのまにこんなにシャレた話術ができろようになったのか。ま、個体差ではあろうけど。

 解体が終わった後は、見物客の試食。わずか4切れだが、長蛇の列が次々と。「2000人分は大丈夫」という刺身がはけたのは1430。延々と途切れることのない行列。約1500人か。

 孫を連れた会社のSさん、「場所が分からないよ」とSOSメールをくれたSZ、従妹のK雄さん。従姉の娘のSちゃん。地元からのマグロ軍団の中に見知った顔も。帰省のときにも会ったことのない人ばかり。つまり、地元を離れた30数年前に年齢を換算しないと、分からない顔がいっぱい。それでも面影を手繰り寄せれば、ああ、あの人だ、とすぐにわかる。

 青空組、ヤッコ組長はテレビのインタビューにも慣れたもの。
 こんな華やいだ様子を見ていると、母のことを思い出してしまう。
 生きていたら、こんなイベントの輪の中心で楽しげに世話を焼いていただろうに。

 1500、K雄さん、Sちゃん、Mさんの4人で近くの店で食事。田舎の話などで盛り上がり。
 1730、解散。家路に。

 しかし……。手放しで喜べないという葛藤が渦巻き、忸怩たるモノが。マグロの町と、原発の町の整合性がこれからどこに見出せるのか。今日のバックアップも電源開発。そのうち「電気のふるさと自慢市」になるのだろう。侵食……。
9月29日(金)晴れ

 1800、銀座。山野楽器でAirDropsの「改札」、ボッサコンピアルバム「エッセンス・オブ・ライフラヴ」を買う。

 1830、SDK松竹スクエアの「台湾海鮮」でKJさん主催で慰労会。TT、SZ、E本さんの5人。辛い台湾料理を囲みながら談論風発。何十種類もの薬草を煮込んだスープのおいしいこと。話は時代を飛び越えて縦横無尽、最後はやはり寺山さんの話に。
 2230まで話は尽きず。
9月28日(木)晴れ

 朝、ジージャンをひっかけて会社に行き、帰りは暑いのでTシャツ1枚。ジージャンは手に持って家路に……。この時期は毎年、着る物に困る。

 今日もハードデイ。
 1500までかかって、きっちり仕上げ。

 1620、K記念病院で鍼。
 治療が遅れたので新宿での打ち合わせは中止。

 T取さんは1800から新宿のロフトプラスワンへ。団鬼六、東郷健、松田政男というアナーキーな顔ぶれでトークがあるとのこと。二部は昔、天井桟敷が出した「薔薇門」というゲイ・レコードアルバムの特集。三部は渚ようこ、スイートデリシャスらのライブ。これは久しぶりにワクワクするイベント。しかし……。どうにも体がついていかない。疲労感。

 行こうかどうか何度も迷って、ついに断念。こんなイベントは70年代以来ないのに……。残念。

 2030帰宅。

 故郷の小学校から封書。先日、お礼の手紙をしたためたK校長から、丁寧な返信。
 1977年に出版されたO戸小学校100周年記念冊子も同封してある。「Yさんの名前や、半年だけ在校したM先生の名前もありますよ」とK校長の文面。田舎の実家にもあり、読んでいるはずだが、改めて手にとって見ると、感慨深いものがある。

 当時は自分の卒業期周辺しか読まなかったのだが、卒業者名簿をじっくり見ると、明治38年には祖父の名前、昭和15年には父、17年には母の名前もある。当たり前のことなのに、今までなぜ気がつかなかったのか。

 祖父の妹で田名部に嫁いだT大叔母は大正11年に代用教員として名前が載っている。祖父も明治時代、教師の代わりに仲間の生徒に教える役目をしていたというから、その妹が代用教員というのもうなずける。
 穏やかで優しかったT大叔母。もう少し早く自分の家系に興味を持てば、昔の祖父のこととか、いろんなことが聞けただろうに。みんな鬼籍に入ってしまった。残念だ……。

 
9月27日(水)曇り

 休日というのに、同窓会報編集、その他で落ち着かない。魔の10月がそろそろ……。日記をつける気力さえない。

9月26日(火)雨

 安倍改憲・軍拡政権の組閣。終日ハード。こんな日が3日も続けば過労死だ。
1500、K企画のKさんとN村まり子さん来社。喫茶店でお茶。本多さんがまた新しい劇場を作るとか。
1600、臨時会議。Y氏の去就について。

1830、新宿へ。南口でA氏と待ち合わせ。スパイ映画のような受け渡し。
 2030帰宅。
 疲れた……。
 久しぶりにDVD。87年のモモコシリーズ。「サザエロード巡礼」。ソープをやめて堅気の仲居になったものの、客にソープ嬢だったことをばらされ、クビになったモモコ(竹下景子)がたどる房総の旅。ある町で、ソープ追放運動の先頭に立つ女性(根岸季衣)と夫(三浦浩一)の店に雇われることになるが……。暴行、緊縛、今見ても結構ハードな描写。市川森一、堀川とんこうコンビの傑作。当時は気付かなかったが、今見たら、夢の遊眠社の役者が総出演。上杉、羽場、竹下、段田、円城寺、佐戸井、松浦、門間、山下。皆若い。
9月25日(月)晴れ

 昨夜の体調不良は朝になったらなんとか回復。約束をキャンセルしてしまう同じ夢を何度も。
 1700、中野。山形のKちゃん歓迎会。4人で2100まで楽しい時間を。
9月24日(日)晴れ

 躰道稽古休み。
午後から家人と二人、U和美園へ。ショッピングモールで買い物。1605からミニシアターで「もしも昨日が選べたら」

 会社で出世することが、幸せへの近道だと信じるマイケル。わずらわしい電化製品すべてを操作できるリモコンを買いに、夜の町に出かけるが、風変わりな男に渡されたのは、人生を自在に操れるリモコンだった。そのリモコンで、家族との面倒な時間や、出世までの道のりを早送りするマイケル。しかし……。
 品のないシーンがあまりにも多く、家族で見るにはちょっと……。しかし、終盤では涙ぼろぼろ。誰もが結末を予想できる映画ではあるけれど、これはこれでよし。妻役のケイト・ベッキンセールがチャーミング。

 朝からクシャミ、鼻水。花粉症状態。風邪かとも思ったが熱はない。帰宅して早々に就寝。

9月23日(土)晴れ

 休日。N村君から度々の報告。
 正午、浅草に出かけようとしてM田さんに電話。
「マグロ解体ショーは来週ですよ」
 ボケてる。一週間間違えるとは。

 2000、N村くんから最終報告。やはり常連さん。先行き暗い。もう開き直るしかないか。

9月22日(金)晴れ

 そろそろ同窓会報に手をつけなければならないが、会社の業務は昨年から比べて1・5倍の仕事量。毎日仕事に追いまくられて、とても同窓会報にまで手が回らない。朝から夕方までコンをつめて仕事をしていると夕方にはグッタリ。空き時間を使って会報を……という気にはとてもなれない。さりとて、日にちは迫るばかり。今年はプレッシャーがきつい。


1900、笹塚ファクトリーで万有引力「ブラック・イン・ザ・ダーク」。井内俊一の台本をシーザーが演出。
 受付で久しぶりの馬場さん。

 開場を待つ間、蘭さん、稲葉さん、北川さん、楠野さん、松田さん、SIMMIZY、そして福島から上京した根本さんらいつもの顔ぶれ。「毎週金曜日買ってるわよ」と蘭さん。

 帰らぬ父を探すため、冒険の旅に出る子供たち。その先に待っているのは……。光の三原色を重ねると白になるが、色材の三原色を重ねると黒になる。闇の中の黒……。ウーン、難解。
 終演後、白木屋で飲み会。2300まで。
楠野さんから再来年の劇団1980のブラジル公演に関して、初コラボレーションの話を。この顔合わせが実現すると「演劇的事件」になるのだが。
9月21日(木)晴れ

 1620、K記念病院。1730、トップスでTさんと打ち合わせ10分。

1830、下北沢。ヴィレッジヴァンガードで「一十三十一」の「ウエザーリポート」購入。デビュー以来、あまりパッとしなかった一十三十一だが、この楽曲はまあまあ。

1900、本多劇場。星屑の会「星屑の町 東京砂漠篇」。5年ぶりの星屑の会。そんなに時間が過ぎたのかとビックリ。月日のたつのはあまりにも早い。

 今回は戸田恵子がゲスト。やはり、こういった劇場で、こんなメンツで芝居をするのが一番似合う。
 キティ(戸田恵子)が加入し、山田修とハローナイツ改め、ハローナイツ&キティとなったムードコーラスグループ。東京に戻り、北千住で公演を行うことに。池袋のビジネスホテルに宿をとったものの、メンバーそれぞれの事情がぶつかり、波乱含みの再スタート。

 有薗芳記、太平サブローを除いて、ラサール石井、小宮孝泰、渡辺哲、でんでん、菅原大吉、三田村周三、新納敏正、平良政幸、築出静夫、朝倉伸二、江端英久、柏進、星野園美の常連メンバーが総出演。清水宏も加わり、これだけ芸達者が揃ったのは空前絶後。これで面白くないわけがない。徹頭徹尾、キメの細かい演出で笑が絶えず、至福の2時間。新納・朝倉のホームレス人生相談コンビ、築出の三流プロデューサー、清水宏のホテル支配人……にぎやかな人間模様。
 死ぬ前に一本芝居を見るならば、星屑の会だ。

 戸田恵子も水を得た魚のように生き生き。オールラウンド女優・戸田恵子の本領発揮。もっとこいういったコクのある小劇場芝居に出て欲しいものだが。

 終演後、久しぶりに姿を見せた石井社長に挨拶。腰を悪くしてからしばらくは表に出ず、養生していたが、椅子に座ったまま、お客さんを見送っている。「ありがと、ほんまにありがと。また来てや」
 星屑の会公演は石井社長のたっての願いでもあったはず。こんなぜいたくなメンバーは石井社長あってのこと。

 客席にいたK間水希と立話。「今年はお休みで……来年からまた仕事します」とニッコリ。
9月19日(水)晴れ

 休日。夏にお世話になった小学校校長、K山氏、父の友人で九州在住のK藤氏、夕張のK子おばさん、そしてむつ市のK上さんへの弔意など、手紙書きで半日。

9月18日(火)晴れ

 19.00、サザンシアター。文学座「ゆれる車の音」。中島淳彦の書き下ろし作。高水準キープの中島もさすがに多作の疲れか、文学座のブランドプレッシャーか……。いつもの飄々とした作風は変わらないが、予定調和に流された感あり。

 女房に尻をたたかれ、先代親分=実父の願いである昔のショバを取り戻すべく、九州・油津に戻った金丸重蔵(角野卓造)。しかし、かつて対立した特攻隊崩れの愚連隊、上原丈太郎(たかお鷹)は病床に。賑わった神社のお祭りもさびれて人影もまばら……。

 がむしゃらに生きて、気がつけば過去の思い出だけが美しく……。夢も希望もない時代に、自分の居場所を探して旅する中年オヤジ。……団塊世代への、情味あふれるエールか。
 客席からは笑いが絶えないが、表層的なくすぐりがほの見えて心の底からは笑えず。中島淳彦、疲れが出てきたか。

 紀伊國屋で浦澤直樹の「プルートゥ」2〜3巻を。
9月17日(月)雨

 明け方、頭痛で目が覚める。痛み止めを飲んでから二度寝。夢の中にROLLYが出てくる。0830、起きると首の周囲が痛い。リンパが腫れているようだ。風邪か? 初めての体験。

 昨日録画した「僕たちの戦争」を見る。「国のために死ぬんじゃない。ミナミさん(恋人)のために死ぬんだ。国なんか知ったこっちゃない」

 森山未来演じる現代青年が人間魚雷として突っ込むときに叫ぶ。いかにも黒テントの山元清多の脚本らしい。

 1100、K條さんと電話。県立美術館の寺山舞台を見るため、U田さん、S目さんらと青森に行く予定とか。ツアー日程の件で相談あり。即、M市のBに電話。あれこれと意見交換。ちょうど恐山は大祭で周辺市町村も宿泊は困難な様子。コースを考えながら、再検討。

 夕方、本家から電話。M市に住むK子おばさんが亡くなったとの知らせ。一週間前、11日だという。「姉妹以外は知らせずに密葬で済ませたい」という遺言のため、どこにも知らせはなく、偶然、ジャガイモを届けに行った時知ったのだという。

 Kおばさんは父の従妹。高校に入学するとき、寮に入らず、おばさんの家に下宿することになっていた。しかし、あれこれ考えた末、親戚の家だと、気詰まりなので、寮に入ることにしたのだった。初めておばさんの家に泊まったとき、書庫に江戸川乱歩全集が置いてあった。つれづれにそれを手にとって読んだら面白さに、ついつい引き込まれた。本格的に乱歩を読んだのはそれが初めてだったか。おばさんは高校の事務局に勤めていたので、卒業までなにかとお世話になった。寮のおばさんとも仲良く、卒業後は、私のことを二人で話すこともあったという。

 寮のおばさんも数年前に鬼籍に入り、今またK子おばさんも……。父の葬儀に来てくれたときにはすでに病魔におかされていたという。知らなかった。あの後、帰省することも少なくなり、入退院を繰り返していたことなど知らなかった。ついこの前の帰省のとき、時間がなくて寄らずに来たことが悔やまれる。あのときに会っていれば。自分の高校時代の思い出がまたひとつ消えていった。突然のことで、いまだ信じられない。Kおばさん、安らかに。合掌。



 「”般若”の歌ってる”僕たちの大和”って知ってる? 戦争を批判してる歌なんだけど。政府を批判している歌詞があって……、ヤバくない? いいのこんなこと歌って」と娘。映画「男たちの大和」のサポートソングとのことだが、

「もしもオレがその時代で 命令されたとしたら気合で 行くとか行かねぇ ましてや怖ぇ」と歌い、続けて、「戦後に生まれたオレ達世代 未だに戦争してる世界 どっかのバカが発明し またどっかのバカが持つ核兵器 お宅の国のお偉いさんと お宅の国のお偉いさんで サシでケンカしてくれませんか?」
 と続ける。

 これが娘の世代にとって、「過激」と映るらしい。たかがこんな歌詞に「政府批判していいの?」と無邪気に心配する今の十代。その根底に「政府を批判するのことは怖い。アカと言われる」という意識があるらしい。笑うなかれ、右傾化はここまで進んでいる。

 

9月16日(日)晴れのち雨

 0900〜1200、躰道稽古。どうしたことか少人数。準備運動で息が上がってしまう。きつい。
 浜崎先生、高橋先生に加え、石川先生。徹底的に命の法形の稽古。終わったら体がガタガタ。
 1300帰宅。疲労困憊。2時間ほど仮眠。
 1600、家人の買い物に付き合い、外出。イモリの水槽用小石など。

 夜、「僕たちの戦争」を見ながらも睡魔に襲われ、2230就寝。
9月16日(土)晴れ

 1400、阿佐ヶ谷。ザムザで劇団鹿殺し オルタナティブ「山犬」。
 「タイムカプセルを掘り出しませんか」という通知。10年ぶりに再会する仲間たち。しかし、タイムカプセルから出てきたのは誰のものとも知れない骨片。差出人の名前にだれも記憶がない……。高橋克彦の「私の骨」を想起させるホラー感覚の舞台。素舞台で繰り広げられるパフォーマンス+物語。演出に力あり。菜月チョビ、丸尾丸一郎、鬼頭真也(動物電気)ら個性派ぞろい。
 丸尾は第二の河原雅彦になる予感。

 約2時間。
 N君が待機するK駅へ。10人前後が捜索中。なかなか発見されず。

1900、新宿。FACEで新宿梁山泊「YEBI(エビ)大王」。

遠い古代のアジア、ある王国の王/エビは世継ぎの王子に恵まれない事で、神を呪い、最後に産まれた7番目の王女を川に捨ててしまう。自らの血脈の存続の為に固執するあまり、国政を顧みず、娘たちは権力争いの果て国は分断され、民は戦と疫病で死んでいく。捨てられた王女は自らの素性を知らずに成長したが。運命のいたずらで、父親であるエビの子供を産む為に後宮へと送られるが……。現世と来世を行き来する死神たち、神に死期を忘れられた為、永遠に生きる老人、人生の本来の価値を見出せず悲劇を招く王、その中で、未来に託した希望とは……。(劇団HPより)


 久々の骨太なロマン=物語。章ごとに物語が進み、一瞬たりとも飽きさせない。アジア版リヤ王ともいうべき強靭な物語の力。
 金守珍の演出も気合いが入っている。客演女優たちも華やか。武人会のアクションなど見せ場もたっぷり。隣席の扇田昭彦さんも「戯曲が抜群に面白いですね」と。「RUP版もよかった」と扇田さん。
 中央のプロレス・リングはそのまま。奥に舞台を作り、架け橋でつなぐ。奥行きのある舞台が映える。
 3時間弱の長丁場だが、物語の面白さに陶然。

 終演後、客席で乾杯。小檜山、三浦、渡会らベテラン勢、見に来ていた近童弐吉らと談笑。広島桂は秋に松田洋治と二人芝居。寺山修司の詩集を宇野亜喜良が構成・台本。金守珍が演出する。「もう台本はあがってますよ」と広島。3歳と1歳半の母に。

 出演者の櫂作真帆。縁があり立話。

2330帰宅。
9月15日(金)晴れ

 竹中平蔵議員辞職。アメリカに日本を売り渡して、後は野となれ山となれ。親分・小泉と同等の戦後最大の無責任男の一人。

1800、東京駅。Kさんと落ち合い、Cさんの出迎えオフ。しかし、東京駅を待ち合わせ場所にするというのは無理があったようで、Tさん夫妻となかなか会えず。携帯で連絡しあっても場所を特定できないのは……。30分後ようやく揃い踏み。
 地下の「ニュートーキョー」で食事。Bさんも駆けつけ、総勢7人の歓迎オフ。ビールのおいしいこと。Cさんとは初めて会うが、ネットでは長いつきあい。初めてという気がしない。
 匿名のネット掲示板ではあるが、きちんとした「つきあい」であれば、人間性も正直に出る。それが巨大掲示板と違うところ。

 2000解散。家路に。
 
 昨日から我が家の一員になったイモリくん。ポトスと同じくらいに飼うのは簡単というが、さて。
9月14日(木)晴れ

 0430起床。0600、会社に到着。さすがに誰もいない。一番乗り。夏休みで二人欠員のため、朝の仕事がきつい。そのための早朝出勤。粛々と進み、0600まで。

 0800、渋谷。センター街にはねぶた囃子が響き渡る。HMV前にはねぶたの仮組み。17日に恒例の渋谷ねぶた祭りがあるのでその準備か。渋谷にねぶた囃子。ミスマッチ?
 HMVでCD物色。

 atom0815、渋谷パルコ・パート1。地下1階のロゴスギャラリーで、手塚治虫のキャラクターを使った新キャラクター「tezuka moderno(テヅカモデルノ)」の企画展があったのでのぞいてみる。アトム、トリトン、ウラン、レオ、ピノコ、チンクなど、手塚作品のキャラクターが、可愛らしいキャラクターに変身。キーホルダーやマグカップに。
 全部が「ユニコ」になったよう。これはこれで面白いのだろうが、手塚原理主義者にとっては「堕落」と映ってしまう。

 革命屋リブロ渋谷で長尾みのるの「革命屋」を購入。60年代に活躍したイラストレーター長尾みのるのイラストーリー(イラストと物語の合体)。1969年の「漫画読本」に連載されたもので、「ゲバラを筆頭にたおれゆく革命家たちへのシンパシーあふれるイラストーリー」(腰巻惹句)。
 懐かしさとともに、その筆致の見事さに驚嘆。まさしく当時も最先端のイラストであり、今なおそのポップなイラストの斬新さは損われていない。こんなにうまいイラストレーターはいない。驚嘆。

0830、パルコ劇場で「美輪明宏音楽会 愛2006」。
 受付で國井氏と祖父江氏に挨拶。

 毎年恒例のコンサートだが、今年は第一部が美輪さんの半生を振り返り、その時代の思い出の曲を。二部は華やかなシャンソン集。

 今年の敗戦の日にNHKの番組に出ていた美輪さん、靖国神社に参拝する人波と右翼集団を見て、頬をひきつらせていたことを思い出す。長崎で被爆し、シスターボーイと呼ばれ、世間からの差別と偏見の中で生きてきた美輪さんの支えになったのは戦後の平和憲法に違いない。それが今風前の灯火になっている。そんな危機感が美輪さんを突き動かすのだろう。

 今年の第1部の歌と歌の間のMCはいつになく長い「講演」に。パンフレットに記載された歌の歌詞も「祖国と女達」(従軍慰安婦の唄)、「ヨイトマケの唄」「僕は負けない」「金色の星」。

「戦に負けて帰れば国の人たちに勲章のかわりに唾をかけられ うしろ指をさされて陰口きかれて 抱いた男たちも今は知らん顔……
 男はなんていいんだろう……勲章を貰えて恩給もつくさ死ねば死んだで名誉の戦死とやらで 立派な社に奉られるんだろ 私も男に生まれていたらきっと勲章だらけ 大日本帝国 バンザイバンザイ」

 「世界広しといえど、戦場に女たちを連れて性の処理をさせたのは日本軍だけですよ」
 その女たちが「なかったもの」として国家から抹消される。従軍慰安婦たちの怒りと悲しみの唄。まさしく鬼気迫る呪詛の歌だ。

「戦地で死んだ何十万もの兵隊、長崎、広島の原爆で死んだ人、東京大空襲で死んだ人……その人たちの犠牲の上に手に入れた平和憲法を今、なくそうとしている人たちがいる。その政治家たちは自分が戦場にいくはずがないと思ってるから戦争ができる国にしたいんです。この次の選挙では甘党でも辛党でもいいから、ジミン党にだけは絶対投票してはだめ。どうしても入れたい人は、条件をつけるべきですよ。憲法を変えた人がまず真っ先に最前線に行くこと、その妻や娘、孫は従軍慰安婦として戦争に行ってもらうこと、彼らは自分たちは高見の見物で、戦争に行くのは下々の庶民だと思っているから、平気で戦争バンザイと言えるんですよ」

 舌鋒鋭く戦争屋たちを斬り捨てる美輪さん。今朝の毎日の世論調査では65%の国民が小泉内閣の5年間を評価しているとの結果。この会場に来ている女性客がこの美輪さんの悲痛な訴えをどう受け止めたか。

 「ヨイトマケの唄」を聴くと、いつも母の顔を思い出す。
 病弱なために本家の嫁としての務めができなかった母。田畑に出て働くことができなかった母が、高校、大学に行った息子のために、土方仕事をして家計を手助けしてくれたっけ。「立身出世主義の唄」と揶揄する向きもあるが、そんなことはない、これは、子を思う母、母を思う子の唄なのだ。

 休憩を挟み、第二部の幕開けは、会場からオーッというため息が漏れる華麗・豪華なセットの中で美輪シャンソンの全面展開。
 全員スタンディングオベーション。カーテンコールはいつものように「老女優は消え行く」。

 21.15終演。
 楽屋に行って挨拶。メイク落しが終わるまで、10分ほど待機。今日は高嶋政弘、シルビア・グラブ夫妻と3組だけ。

「ほんとにひどい世の中になってしまったわよ。小泉首相を65%が評価?みんなバカですよ。私が毎日全国講演してるのは、そんな世の中に異議申し立てをしたいからなんです」
 政治の話になったら、笑顔から一転、険しい表情になる美輪さん。まさしく美と反骨の麗人。

 2200、地下鉄で家路に。

9月13日(水)雨

 ネット注文した「あんこうの肝あえ」が底をつき、伯母からもらったスグリ煮もあと少し。食べ物にはこだわらないが、これと「煮しめ」があれば何にもいらない。最後の晩餐は以上の3点で十分。ユリ根を入れた母手作りの茶碗蒸しも加えたいが、もはやかなわぬこと。
 昔はどこの家でも畑の垣根代わりにスグリの木をつけていたが、今は熊被害を誘引するので、取り払ってしまった家がほとんど。これでは将来、スグリ煮が食べられなくなるのでは。以前、スグリのジャムと書いたが、正確には「ジャムの一歩手前の状態」。これがメチャクチャおいしいのだ。

 午後、家人と買い物に。
 タワーレコードでバグダッドカフェ・ザ・トレンチタウンの新譜「グッドタイムス」を買う。帰宅して家人の持っているLECCAの「URBAN PIRATES」もiPodに取り込み。

9月12日(火)雨

 1530、委員会。来月からの体制変更。

 1800、三鷹へ。南口からバス通りを歩くも蕎麦屋、定食屋ゼロ。あるのは古書店としゃれた喫茶店。さすがは三鷹? ようやく見つけたラーメン屋で焼肉定食840円。
1930、三鷹市芸術文化センター「星のホール」で東京タンバリン「立待月」。同時二本立て公演の一本。劇場を二つに仕切り、二本の作品を同時に上演するという奇抜な試み。しかも、一瞬だが、隣りの公演に出演中の役者がこちら側に現われる。二本の芝居がシンクロする。隣の部屋のセリフも聞こえてくるが、それは隣の部屋の「雑音」。なるほど、面白い試み。
 今回は一本しか見られないと思っていたが、これではもう一つの芝居を見たくなる。

「立待月」は、姉と妹の物語。無愛想で「ブス」な姉と、人当たりのいい、きれいな妹。引っ越してきたマンションで妹は姉の手作り石鹸をマネして自然石鹸のネット販売を始める。順調なスタートだったが、妹の心に巣食う邪悪な影が次第に姿を現し……。日常に潜む人間の悪意を描いてスリリング。目に見えない異界の少女を登場させるのは、高井浩子の得意とする設定。
「三人姉妹」のセリフを効果的に援用して、見事な人間ドラマに。前々回、女子高生役だった島野温枝が今回は若いアルバイト役。ミギタ明日香はさすがの主演女優の貫禄。
 時々隣りから聞こえてくるザ・バンドの「ラスト・ワルツ」。やはりもう一本も見ようか。

 2110終演。
雨の中、西国分寺経由で帰宅。


9月11日(月)曇り時々雨

 朝、雨の音。
 0625出社。「雷がすごかった」らしいが当方気付かず。

 1500、Nさん来社、前の公園で写真撮影。
 
平沼赳夫元経済産業相が、10日、岡山で行われた講演会で次のような発言を。
「戦争の最大の抑止力は核だ。核兵器の保有を視野に入れるぐらいはやっておかねばならない。安倍官房長官がそういう政治をやるなら協力したい」

 郵政国会で反対票を投じ、自民党を追われた平沼。最近復党を噂されているが、「憲法改正に熱心な」安倍にラブコール。所詮は自民党の政治家はこんなもの。

1830帰宅。
9月10日(日)晴れ

 0600起床。東京武道館で躰道社会人大会。

級位の部は出場者少なく、午後いきなり決勝戦。相手は20代。勢いがある。そこは、大人の貫禄で……などと鷹揚に構えていたら、稽古不足がもろにたたって、最後に大ポカ。軌道線上に戻れず。が、相手も「飛ばし」があり、双方痛みわけ。で、結局、当方に旗3本上がって勝ち。ウーン、手放しでは喜べない勝ち方。

 1730〜1930、大会後の懇親会。終わった後の解放感がいい。高段者も初心者も、皆同じテーブルで笑い、語る自由さがいい。躰道の理念は愛と自由。かた苦しいしゃちほこばった武道とは一線を画すその姿勢がいい。
 最後は金守珍似の沖縄大・田中先生の音頭で、恒例のチェーン握手大会で解散。
 帰りの電車で山梨のY先生、大会会長、K審判と同席。K審判、「今日は運がよかったですね」と笑顔。
「形はきれいだから、一つひとつの動きの意味を考えてやるともっとよくなります」とアドバイス。
2100帰宅。

 乙武氏のブログがネット右翼の総攻撃で「炎上」。この国はすでに戦前に回帰している。本来、自由な言論の場であるネットが異論を許さない不自由な言論の場に変質している。物言えば唇寒し……が日常化するニッポンの尖兵。なんのことはない、「北朝鮮嫌い」の人たちが目指すのはその「言論の自由のない絶対王朝」とは。笑止。

9月9日(土)晴れ

 1400、ラピュタの喫茶店。
 久しぶりの長崎萌。
 1430、ザムザ阿佐谷で月蝕歌劇団「静かなるドン 魔界天翔篇」。新田たつお原作マンガの舞台版第二弾。
 原作は読んだことがないが、何巻もの長編をコンパクトにまとめた高取英の手腕はさすが。いつにもまして出演者が多く、目移りするくらいの女優陣。「近藤静也」役は笹生愛美。ハマリ役。東西の抗争に中国、台湾、アメリカン・マフィアが絡み、大抗争に。
 半澤、スギウラのヤクザコンビの掛け合いに大笑い。いつもとは趣が違い、役者のびのび、終始笑いの絶えない舞台。
 白蓮役の有村深羽が結構カワイイ。

 客席に大山倍達二女の恵喜さんの顔。娘の桃加林ちゃんが出演しているのだ。「〇〇さん、3年ぶりですね」と恵喜さん。「3年ぶり」とスッと出るところがすごい。「ネオファウスト」からもう3年か。あのとき、桃加林ちゃんは小さくて……。「まだ〇才なんです」と恵喜さん。エッ、女優陣の中でもひときわ背の高い桃加林ちゃんが! さすがはゴッドハンドの血脈……。

 終演後、喫茶店「プチ」へ。吉田光彦さん、平凡出版のYさん、団鬼六氏ほか。
 1730解散。
「プチ」はおばさん一人が切り盛り、マスターの姿がないので気になって聞いたら、「4月に亡くなりました」と。そうか……。学生時代、阿佐谷教会の仲間たちと、喫茶店の上の部屋を使わせてもらったものだ。
 月日は流れ……。

 2000、帰宅。明日は大会。早めに就寝。
9月8日(金)晴れ

 1600、電車に飛び乗り、有明方面へ。1630、予想外の展開。とりあえず、タクシーで帰社。1800、N村君と駅で別れて銀座へ。

 ル テアトル銀座で「スウィート・チャリティ」。

 ボブ・フォッシーが振付・演出、ニール・サイモンが脚本を手がけたブロードウェイミュージカルの傑作を川崎悦子が振付・演出。

 ニューヨークののダンスホールで働くホステス、チャリティ・ホープ・ヴァレインタインが主人公。幸運そうな名前と裏腹に、好きになった男には湖に突き落とされは、映画スターと夢見心地のひと時を味わったと思ったら、本命の恋人の登場で一転、クローゼット送りに。やっと見つけた会計士との幸せも、腕からスルリと抜け落ちてしまう。それでも、前向きに生きようとするチャリティ。

 主演は現役女子高生シンガーの玉置成実。舞台は60年代ポップアートを意識したカラフルな美術。
 初風緑、樹里咲穂、石井一孝、赤坂泰彦と実力ある共演者。さぞや華やかで楽しい舞台になるだろう……と思ったのだが、なぜか客席は盛り上がらない。拍手もぱらぱら。入りは4分の3。川崎悦子の振付はやや芸術性を意識したのか、難易度は高いものの、視覚的にハデではない。玉置の若さもネック。人生のウラもオモテも知っていながらそれでもポジティブで明るい主人公という「オリジナル」の設定にはやはり無理がある。

 ちょっと見は前田美波里、ちょっとタレた目元は演出家の松本祐子似の玉置。コケティッシュでキャラクター自体に文句はないが、あと5年後に同じ役で見たい。

2130終演。

 薔薇座時代に戸田恵子が主演した「スウィート・チャリティ」はよかったなぁ。
9月7日(木)晴れ

 一週間で一番忙しい曜日になってしまった。息つく暇もなく、次々と仕事をこなし、夕方まで。K記念病院は昨日のうちにキャンセル。

1630、阿佐ヶ谷。ザムザでコンサート稽古中のT取さんからデジカメとケイタイを。近所のauショップで期限切れプリペイド携帯の更新。

1730、新宿。トップスでN村君と待ち合わせ。大きな荷物。「さっき、帰省先のH戸市から帰って来たんです」とのこと。打ち合わせをして解散。

1900、新国立劇場小ホールで木山事務所「赤い鳥の居る風景」。別役実が1967年に発表し、「マッチ売りの少女」と合わせて第13回岸田戯曲章受賞した作品。
 初演は04年の韓国公演。演出はK・KIYAMA。つまり制作者の木山潔氏。
制作費節約のためか? 素人の演出では小一時間の小品か……?などという事前の不埒な詮索は開演5分でものの見事に粉砕された。これは思わぬ大収穫。今年のベストプレイではないか。

 物語はーー。
 盲目の姉とその弟の両親の葬儀が行われているところに、両親にお金を貸していたという「旅行者の男」が現われ、男は両親の死因を調べている「委員会の男」に喚問される。
 姉と弟はカーニバルが行われている委員会のある町へ出かける。そこに死刑囚が通りかかる。
 捕らえられた旅行者は自らの孤独な過去を語り、人と交際するために高利貸しをするようになったいきさつを語る。そして姉に結婚を申し込む。しかし、姉はそれを断り、弟とともに借金を返していくことを決意する。
 しかし、会社勤めをすることになった弟が陽気に会社のことを話すが、彼がもう10日も会社に行ってないことを姉は知っていた。そこに若い女が現われ、弟に遠くに逃げてくれと頼まれたと言う……。

 姉と弟、旅行者、委員会の男、若い女、そして町の人たち。彼らが織り成す不条理な不安に満ちた物語。
 いまはやりの「合目的的な不条理劇」、つまるところ、不条理であるための不条理芝居とは一線を画す、まさに別役実ならではの「明るく絶望的な不条理劇」。しかもきちんと起承転結があり、観客は難解さの海に放り出されることがない。

 戯曲も素晴らしいが、演出がもっと素晴らしい。
 とても初演出とは思えないスタイリッシュでシャープ、そしてサスペンスフル、スリリング、「S」がいくつも続く演出。美術、照明、音楽の寸分の狂いもない完ぺきさ。加えて俳優陣が素晴らしい。

 中でも姉役の広瀬彩の演技と発声に魅了されてしまう。弟役の長谷川敦央、町長・内山森彦、叔父・本田次布、父・森源次郎、母・田中雅子、旅行者・吉野悠我、叔母・橋本千佳子もそれぞれ持ち味を生かしている。「若い女」の田中貴子も木山事務所っぽくなくていい。

 そう、今回の舞台はいつもの「木山事務所」の匂いがしない、実にスリリングな舞台。別役作品といえば今までは「プロ」の末木利文が演出してきたが、今ひとつしっくりこない予定調和の舞台ばかり。それが、「素人」のはずの木山氏が演出したら、見違えるように生き生きとした別役作品が立ち上がる。これこそ不条理か。

 2時間弱、私流最大級の誉め言葉、「まさに間然とするところのない舞台」そのもの。戯曲に酔い、演出に酔った心地よい時間。しかし、木山氏にこのような才能があったとは。木山美学は絵画的。どこのシーンを切り取っても流麗な一幅の絵を見ているかのよう。
 今年のベスト作品だ。

 終演後、興奮さめやらにまま木山氏に挨拶。いつもながら飄々と、「あんなものでしょう」とテレる木山氏。真摯なプロデューサーを才能ある演出家に……演劇の神様も味なことをする。

9月7日(水)晴れ

 休日。
 朝からテレビは横並びで午後まで出産速報。アホらしい。こんな日はビデオ、雑誌に限る。

1964年の少年マガジン、マーガレット創刊号(1963年)、このマンガが好きだった、「すきすきビッキ先生」(1965年)、大人のためのエロチカルマンガ「土曜漫画」(1958年)、佐々木愛と内田吐夢監督、篠田正浩監督と加賀まりこの”熱愛”、そして、高城丈二(今は九州地方に隠遁しているとか)27歳の頃。1950年代の少女の理想の部屋。ピアノ、ステレオ、ぬいぐるみ……。モデルは榊原ルミ。最後は千田是也氏と岸輝子夫妻(1959年、週刊現代)。当然のことながら、みんな若い。


 1500、歯医者へ。定期的な歯科ケア。歯石取りなどの歯科医療予防。今までは3カ月に一回受診すれば保険が効き、2000円で済んだものを、小泉首相の医療改悪で、なんと実費7350円に。

 1600〜1750、床屋へ。

 M井氏から山子に関する詳しい記述のある「山子(杣夫)習俗」の資料をいただく。下北地方の山子の習俗を詳しく取材したもので、冬の丸太運びに使うソリ「バジ」の図、丸太を放流する時の仕掛け図もある。父から聞いた丸太放流ダムの仕掛けが初めてわかった。父が生きていれば、もっと詳しい山の生活や道具の使い方などが聞けただろうに。遅すぎた。悔しく、情けない。

9月6日(火)晴れ

 仕事を終えて1700、阿佐ヶ谷へ。ザムザで場当たり中の月蝕歌劇団。本番と違って稽古の「空気の匂い」は格別。陶然としてしまう。携帯とカメラを取りに行ったのだが、Iノ瀬さんが自宅に置いたままなので、あさって受け取ることに。ラピュタでお茶。

 1900、シアタートラムで「ダム・ショー」。受付でひまわりの吉田さんに挨拶。

ダムショー イギリスの劇作家ジョー・ペンホール2004年の作品を鈴木勝秀が演出。いわゆる「タブロイドジャーナリズム」をモチーフに、コメディアンと2人の「ジャーナリスト」の、スキャンダルをめぐる応酬を描いたもの。簡単に言えば、巧妙な罠を仕掛けて、薬物疑惑のコメディアンを陥れ、スクープを狙うタブロイド記者たちとコメディアンの攻防を描いたもので、イエロージャーナリズムへの批判と、それを受け入れる下地となっている大衆への皮肉、そして、「それでギャラは?」が決めゼリフのタレントへの批判も含まれている。

 ここで言うタブロイドジャーナリズムとはイギリスに特有のゴシップジャーナリズムで、罠、おとり、仕掛けなんでもありで、「世紀のスクープ」をものにするタブロイド紙のこと。そのえげつなさは日本の写真週刊誌でさえ遠く及ばない。

 だからなのか、日本人から見る3人の応酬はパロディーにしか見えない。浅野温子・鈴木浩介の記者コンビもそうだが、浅野和之のコメディアンもそう。
 真剣にやればやるほど、浮世離れした設定、会話に見えてくる。彼我の差というべきか。言い方を変えれば、日本の「イエロージャーナリズム」には徹底性がないということ。もちろん、国民性の違いだろう。

 もっとも、プリンセスさえスキャンダル報道の対象にしてしまうイギリスに比べ、全局横並びで皇室報道に血道をあげるテレビワイドショーに代表される日本の「ジャーナリズム」が健全とは決して思わないが。

 ホームグロウン2045終演。
ジャマイカンチルドレン
 TSUTAYAで、カルカヤマコト、TINAらによるボブ・マーレーへのリスペクト・カヴァーアルバム「ジャマイカン・チルドレン」、湘南乃風、上戸彩からMINMI、EMYLIまで網羅した「ホームグロウン」購入。共にレゲエのコンピアルバム。
9月4日(月)晴れ

 堀江初公判で朝からかまびすしいこと。

 朝から、みぞおちの辺りに不快感。

「日本の次期首相と目される安倍晋三氏は、歴史の修正を志向する点で、ナチスによるユダヤ人迫害を否定したイランのアマハディネジャド大統領にそっくり」

 4日発売の独誌「シュピーゲル」がこう書いたという。

 さらに続けて、「彼は中国や韓国への侵略を断罪することや、身を滅ぼした将軍らに戦犯の烙印を押すことを拒否している」と安倍の思想を指摘。東京裁判についても再考察が必要とする姿勢は「ナチスのホロコーストについて再研究が必要とするイラン大統領と酷似している」と。
 安倍の右翼タカ派的な言動の背景に、祖父の岸信介元首相の存在を指摘。A級戦犯容疑者だった岸信介については戦時経済を担った経歴に触れ、「ナチスの軍需相だったシュペアーの日本版」と紹介した。

 すでに「安倍新首相」で日本のマスコミは翼賛報道。まともな報道は海外誌とは。
 午後、ロト6を買いに銀行へ。

 帰りの電車で昨日、古書店で買った1959年発行の「週刊現代」を読む。大相撲の力士評価記事を見ると、若乃花、栃錦全盛時代。柏戸が小結でまだ大鵬は登場しない。モノクログラビアには佐藤春夫、堀口大学、吉川英治、大岡昇平、宇野千代、正宗白鳥、石川達三、そして若き日の三島由紀夫ら錚々たる顔ぶれ。

 広告を見ると、ナガオカのダイヤモンドレコード針が2600円。レオタックスカメラ「エリート」なる機種は2万3400円。週刊誌の価格が30円、サラリーマンの給料が1万円の時代だから、今の貨幣価値に換算すると、カメラ1台は50〜60万円か。まさに高嶺の花。今簡単にデジカメで撮影できるから写真1枚の重さが希薄。もう少し大事に写真を撮らないと。先ごろ建て替えになった原宿のセントラルアパートの完成、入居者募集も。40年のタイムスリップ。不思議な感覚。

 
 18.30帰宅。

9月3日(日)晴れ

 0900〜1200、久しぶりの躰道稽古。帰省した際に川で痛めた右ひざが痛むが、社会人大会まであと1週間。なんとしてでも稽古しないと間に合わない。
「ケガが悪化しないように、徐々にやったほうがいいですよ。大会に出られなくなると困りますからね」とI内先生。

 しかし、熱血のH崎先生は「もう一回」「じゃあ、もう一回いきましょう」と「法形稽古」を休ませてはくれない。3時間びっしり。心地よい汗。
 しかし、これで悪化しなければいいが。

 今日は従妹の娘・Sちゃんの引っ越し。手伝いに行こうと思っていたが稽古が終わると体がボロボロ。そうこうするうち、正午過ぎに「今終わりました」とメール。

 帰宅して、躰道大会で背中につけるゼッケン作り。アイロンプリントでデザインしたものを不要のTシャツに貼り付け、それを切り取って、ゼッケンに。

 1600、家人の買い物に付き合い外出。途中、近所の古本屋に立ち寄る。この店はいつも表にマンガ本を店ざらしにしていて、どうせたいしたことのない古書店だろうと思っていたのだが、中に入ってみてびっくり。結構な数の古書が揃っている。ガラスケースの中には啄木日記3巻も。

 古い週刊誌が何点かあったので購入。「婦人朝日」1951年6月号、週刊現代1959年11月22日号、「土曜漫画」1958年10月3日号。週刊朝日69年1月31日号(東大・安田講堂攻防戦特集)各500円。そして、サイボーグ009の「時空間漂流民編」700円、近藤ようこ「美しの首」300円。計3000円。

 週刊誌は世相を反映しているし、単行本に収録される記事もそんなにないため、貴重な証言が多々ある。読みごたえ十分。

 夜、寝しなにそれらをパラパラ。「土曜漫画」には読みものとして「花柳界から生まれたロカビリー歌手」のタイトルで坂本九の記事。まだ新人の頃。九には(ヒサシ)とよみがなをふってある。キューちゃんになるはるか以前の記事だ。「婦人朝日」には、47歳の千田是也と45歳の岸輝子の朝食グラビア。同じグラビアには林芙美子と令息の朝食シーン。竹林の庭を背景に、丸いちゃぶ台で、和服姿の林芙美子と詰襟学生服、丸坊主の少年。
 今となっては貴重なショットだろう。

 昔の雑誌は飽きない。

9月2日(土)晴れ

 サクリと仕事を片付け、1150、I袋へ。駅前に駐車中のクルマの中にSザーとK太。クルマの中でメイクしたK太が路上パフォーマンスよろしく、周囲を旋廻。駆け寄る参加者。様子を見て約15分で打ち切り、スタート。T氏のところの女優・M乃里さんと4人で立話。
3人はクルマで新宿方面へ。

 1230、山手線で渋谷へ。車中で元梁山泊のT永廣美とバッタリ。自宅に帰る途中とか。悠々自適の若奥様。「秋には舞台に出ます」。20年も前から知ってると、クラスメートに出会ったかのような懐かしさ。

 渋谷駅に着いた時点で、小島Kさんから電話。早い。早過ぎる。一瞬、不審の念を抱いたが、後で、発見者が親子連れだったと知って愁眉を開く。理想的な展開。

 1400、世田谷パブリックシアターで野村萬斎の「敦 山月記 名人伝」。初演を見逃したので期待。
 中島敦の名作をモチーフに、現代劇と狂言両分野で融合させた舞台。野村萬斎の語り&芝居、増殖する中島敦、狂言的作法によるパフォーマンス。満席の観客から惜しみない拍手。

 思えば、山月記の「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」に強く心を動かされたのは中学1年の時か。振り返れば、人一倍自意識過剰な中学生にとって、この言葉は魔法のような言葉。虎になった李徴は自分なのだと、劣等感と優越感の狭間で苦悶する13歳の自分は感慨を抱いていたのだった。笑止千万。しかし、あの頃の自分がなぜかいとおしくなるのも事実。

 1600終演。腹痛に襲われ、脂汗をかきながら芝居を見たのも生まれて初めて。

 帰社し、後片付け。

 H市に住む従妹から電話。こればかりは頼まれても無理。

 この時点ですっかり同窓会幹事会のことがすっぽりと頭から抜け落ちてた。後で考えたら、信じられないようなポカ。1700から幹事会があるというのは知っていたのに……。こんなことは初めて。頭の中の消しゴムがいたずらをしたとしか思えない。

 1900帰宅。

9月1日(金)晴れ

 スポーツ紙で「下北サンデーズ」打ち切りの報。危なかった。1週遅れていればピンボケの企画になるところだった。強運?

 1700、池袋。富山のNさん、Rさんと待ち合わせ。居酒屋で飲み会。じきにHさんも駆けつけ、むくつけき男4人のオフ会。山を乗り切った気の緩みからか、杯を重ねるごとに酔いが回る。開始4時間で、これ以上は危険水域を知覚。翌日が休みならそれでもいいが、明日は明日で大事な日。懸命に自己セーブ。
 途中で、K條さんから電話。欧州旅行から帰ってきたらみんなで慰労会やりましょうとのお言葉。ありがたい。
 男どもの話題は福祉から政治、精神世界、果ては色恋にまで及び、果てしがない。2230解散。家路に。



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