5月31日(土)晴れ

 大失恋した20代の頃、朝目が覚めるのが怖かった。夜中に何度も目が覚め、朝が来ることがひたすら怖い。母の余命を知ったときもそうだった。夢であってくれればいい、朝目が覚めた瞬間に現実だと認識する不安と絶望。父のときもそうだった。夢であってくれればいいい。しかし、現実。今回も朝が来るのがこんなにもイヤなものとは。

 気力なく、会社に。笑っていても見かけだけ。

 1400、トップスで壱組印「小林先生来る!」。津軽カフカ浦町を舞台にした文学同好会と小林秀雄のつかの間の「夢の」邂逅。面白いのだが、芝居を見ていても心からは楽しめず。終演後、草野徹氏と立話。「3日に青森県知事の代理が見に来る」のだとか。「まだ青森で芝居やってないから、なんとかできれば……」と。
 順調にことが運んでほしいもの。
1800帰宅。

5月30日(金)雨

 仕事を終えて新宿で映画「ミスト」を観ようと歌舞伎町へ。1630、映画館に入ろうとした瞬間、ケイタイに電話。Sさんから。イヤな予感というのは当たるものだ。いい予感は外れっぱなし。急転直下の展開に言葉もなく、映画を観る気力はとっくに失せてしまい、新宿をさまようだけ。人間、ショックを受けると、ただひたすら歩く。あてもなく。昨日の夢は正夢だったか。


 1900、サザンシアターで文学座「風のつめたき櫻かな」(平田オリザ作・戌井市郎演出)。近未来、関東大地震に見舞われた東京の下町を舞台に、とある喫茶店に集う被災者たちの姿を描いた作品。
 出演者は文学座オールスター。こんな顔ぶれがよく一堂に会したもの。川辺久造、加藤武、坂口芳貞、坂部文昭、清水幹生、田村勝彦 、外山誠二、高瀬哲朗、大滝寛、岸槌隆至、細貝弘二、本山可久子 、八木昌子、新橋耐子、富沢亜古etc
 練り上げられた戯曲の言葉と俳優の演技にただただ感動。



5月29日(木)雨

 明け方、実にリアルな夢を見ていた。マンションの窓から外の景色が見える。その瞬間、ドーンという爆発音。続いて衝撃波とともに熱線。あまりにも大きな爆発音で耳が聞こえなくなる。熱線は体を通過し、イヤな匂いを感じる。外に出ると巨大なビル群が沈んでいる。まるでCG合成映画のように、地平線の果てにビルの瓦礫。「とうとうやってきたのだ。終わりの日が……」。廃墟で佇んでいる自分。目が覚めても地獄のような光景が目に焼きついている。あの衝撃波は……。

 1600、銀座シネカノンで「光州5・18」を観る。青々と広がる田園。のどかな光州の景色が、空挺部隊の投入で地獄絵と化す。軍の暴虐に対する市民・学生の反撃はマスコミによって「北朝鮮スパイの扇動による反乱」と喧伝され、光州市民は孤立、分断される。映画は史実に基づくが、登場人物はもちろんフィクション。早くに親に死なれ、タクシー運転手をしながら弟を大学に通わせている青年。彼の恋やごく普通の市民たちの日常を物語の主軸にしながら、光州事件の真の姿を描いていく。軍に対する憤怒と、最後まで戦った市民たちの行動への哀惜に、涙止まらず。客席のあちらこちらからすすり泣きの声が漏れていた。上映中のほとんどの時間を嗚咽を抑えながら観た映画というのも初めてかも知れない。

 「武器を捨てて投降すれば命は助けてやる。暴徒め」と軍に言われるが、「我々は暴徒ではない」と叫び、死んでいく主人公。ラストシーンの幻の記念写真にまた涙。
5月28日(水)晴れ
 
 1900帰宅。しかし、きょうはパルコ劇場でごとうひろひとの新作を見る予定になっていたのだ。それを失念していた。どうかしている。

5月27日(火)快晴

 夏のような暑さ。
午後、カトケン事務所のSさん来社。その後、A川マキさんから電話。暮れのライブでの尻餅事件などを話題に30分。その後、学生時代の友人で弁護士のO山さんと電話で裁判員制度のことを。PANTAさんから9日のパーティーの案内。青年座Sさんから台本と通信。

 1600退社。御徒町。Kさんとはいくら話しても話し尽きない。楽しい時間がいつまでも続けば……。

1930帰宅。注文した本とDVDが2冊届いている。叔父からはタコやナマコ、海産物が。大きなナマコが5、6パイ。「今年は大きなナマコが捕れる」のだとか。さっそく調理。生きていたナマコが包丁を入れた途端、固くなり、身がキュッとしまる。コリコリしたナマコで夕食を。

 このところ続けているストレッチと腹筋運動が効いたのか、10日で体重1キロ減。体脂肪率21→19。目に見えて効果が現われると嬉しいものだ。

 きょうは、神奈川で上映される渡辺文樹監督「天皇伝説」を見に行く予定で、芝居の予定を変更していたのだが、思った通り上映中止。14日に渡辺文樹氏が旅館の宿泊費を踏み倒したとして詐欺容疑で逮捕された時点で中止は決まったようなもの。「天皇伝説」上映中止を狙った(?)フレームアップ? それにしても、渡辺文樹監督の「暴走」たるや、まるで亡くなった奥崎謙三が乗り移ったかのよう。この国でタブーを描くことは命の保証はないということだが。

5月26日(月)快晴一時お天気雨

 
 95年放送の土曜ワイド劇場「盗まれた情事」を見る。連城三紀彦+荒井晴彦+神代辰己。神代辰己最後のメガホン。三浦友和、余貴美子、高島礼子、火野正平、藤田敏八、大鷹明良、田口トモロヲ、六平直政、前川麻子、柄本明、石橋蓮司、楽天団の石田幸も。なんと豪華な顔ぶれ。不能の夫から依頼された妻との情事が思わぬ破滅を呼び起こすという、アラン・ドロンの映画のような作品。背景に全共闘世代の悲哀がにじみ出る。これも録画したまま押し入れにしまってあったビデオ。

長崎市長射殺犯に死刑。これまでの死刑の量刑常識を覆す判決。それが意味するのは何か。

 夕刊で川田亜子さんの自殺を知る。女子アナにはまったく興味がなかったが川田亜子だけは別格。もっとも好きなアナウンサーだっただけに愕然。29歳。早過ぎる。

5月25日(日)雨のち晴れ

 足のケガ回復せず、躰道稽古休み。15日の埼玉大会も微妙。

 KさんのためにコンピCD作り。この機会に削除した曲をIPodに再入力。1600、完成したCDを聴いているうちにうとうと。気がつくとなんと1930! 一日が終わってしまう。で、夜になってから、部屋掃除をガサゴソと。

5月24日(土)晴れのち雨

  1500、下北沢。スズナリで離風霊船「IRDX-F」。大橋康彦の作・演出。

 天馬(アトムの生みの親・天馬博士へのオマージュ?)一家にある日、家族構成が天馬一家と同じロボット一家が搬入される。研究者である夫が新開発した家庭用ロボットの実用テストをするために、同居するのだ。一家との交流で次第に感情が芽生えるロボットたち。しかし、研究員の一人が、過去の実験で不具合を生じた際のデータを再入力したため、ロボットたちに異変が……。

 コミカルな前半の家庭劇から一転して後半はホラーテイスト濃厚なサスペンス劇へ。畳み掛けるような後半のスリリングな演出はリブレならでは。が、最後の「オチ」は微妙……。

 主婦役で出ずっぱりの伊東由美子。25年も「センターポイント」に立つのはなかなかできることではない。容姿もあまり変わらないというのも女優魂か。神野美紀と結婚して一時劇団を離れた松戸俊二が復帰して主役を張っているというのもアトホーム劇団のリブレならでは。ヒロインの大矢敦子はほっそりとした美人。どこの劇団でもそうだが、主宰者の好みというのがあって、初期ヒロイン・神野美紀と同じタイプ。落合さんに挨拶して外に出ると雨。タウンホールの前で梁山泊の三浦伸子とバッタリ。これから落合さんとブラジル公演の打ち合わせとか。

 スズナリ下の古書店をのぞいてから「千草」でさんま定食。

1800、新高井戸。「不思議地底窟 青の奇蹟」なるスペースでオルガンヴィトー「幻探偵」。新宿のスペースゼロでの「ハムバット」以来。その間に、オルガンは一時解散。「青の奇蹟」として活動していたらしい。06年にオルガンヴィトーとして再出発。

「不思議地底窟 青の奇蹟」は、普段はバーとして営業している場所で、公演があるときは舞台に変身。そのため、極端にスペースが小さく、客席は23席(今回)のみ。ほとんど至近距離で役者が芝居をするので圧倒的な迫力。一階席は舞台より低いため視線が絶えず上向き。いってみればリング真下のサイド席に座ってボクシングを見ているようなもの。目の前10センチまで役者が迫ってくるし、舞台の奥行きは2b足らず。そこには満々と水をたたえた「プール」。壁からしたたり落ちる水。最前列(といっても2列だけだが)に座ったので、学生時代に状況劇場で水かぶりの洗礼を受けたような記憶があるが、それ以来の水責め。後半はビニールで防御しても、とんでくる水は防げず、外の雨を受けているようなもの。ま、それも楽しいわけだが。

 「虚無への供物」と「ハムレット」を足したような迷宮的作品。土建屋で財を成した神沼家の一族の悲劇。主役の高橋茶太朗が実にいい。状況劇場時代の根津甚八、小林薫を髣髴とさせる、いかにもアングラ貴公子然としたたたずまいに視線は釘付け。こんな役者がいたとは。明日にでもNHKの大河ドラマの主役を張れるような、猥雑さの中の気品。久しぶりに男優を見てときめいた。
 
 お目当ての根本豊さんは「地獄の黙示録」のウイラードのごとく沼からヌッと首を出す衝撃的な登場。亡霊役、それもアングラ然としたストレートな役というのは初めてか。濡れ鼠になりながらの熱演。さらに火吹きまで披露。万有引力の井内俊一は芝居のうまさピカイチ。さすがの横綱芝居。村田弘美もヒロイン役を熱演。腰を痛めているというが、空手シーン(指導は真樹日佐夫)もピタリ決まって、ひらりん絶好調。

 2120終演。2時間10分。お尻が痛くなる時間。1時間半くらいだとちょうどいいのだが。終演後、2000円で打ち上げに参加。2300まで。根本、不二稿京らと歓談。金守珍の1年後輩。唐と李さんが険悪な時期で、状況が一番大変な時に入団、1年で退団したとか。面白エピソード多々あるらしいがそれは別の機会に。
 0時30帰宅。


5月23日(金)晴れ

 1700、吉祥寺。スペースBで稽古中の壱組印を訪問。久しぶりにK野徹さんと立話。まりやちゃんは北千住で公演中。「よかったら見てやってください」と夫らしい気遣い。青森の演劇人が女優と結婚したのは寺山修司以来? さわやかな好青年。これから俳優としてどんどん売れていくことだろう。
 1900、買い物・帰宅。


5月22日(木)晴れ

 やや気がかりな問題発生。今までも何度か危機的な状況があったのだから今回もどうにか乗り切らなければ。しかし、天敵とはいるものだ。憂鬱。

 午後、青年座Sさんから電話で劇団通信の依頼。以前多忙を理由に断ったため今回は承諾。積極的に書きたい舞台ではないのだが……。

1800、下北沢。ヴィレッジヴァンガードで「LOVERS POP」購入。
1930、OFF OFF劇場でモダンスイマーズ「夜光ホテル」。キャパ80強ということもあってソールドアウト状態。隣席の女性からタレント・オーラが漂っていると思ったら女優のYOU。萩原聖人絡み?

 舞台は函館のビジネスホテルの一室。手元の文庫本(パンセ)に目を落とす男(萩原聖人)、ひたすらテレビゲームをやり続ける男(古山憲太郎)、そしてすぐにキレる男(津村知与支)。3人の男の前に現われたのはかつての仲間で、今は更生して青森でりんご園を経営している男(小椋毅)。4人は日暮里周辺で「八鴉」の異名をとった不良グループ。3人と男が再会するのは15年ぶり。なぜ、彼の居場所を突き止め、呼び出したのか。一方で、地元のやくざと取り引きが進行しているらしい。ホテルの雇われ支配人(西條義将)を巻き込んで、息詰まる熱い一夜が始まる。

 キレる男を演じた津村知与支の演技の幅の広さに注目。気の弱い「のびたクン」からアブないジャンキー男まで実に演技の幅が広い。萩原は終止抑えた演技。どこかでガラリと変貌するかと思いきや最後まで。しかし、内に秘めたスゴ味はさすが。密室での5人の男の息詰まる攻防は胸苦しさをおぼえるほどの迫力。ただ、物語のキーとなる15年間の空白は作為的過ぎないか。ま、周囲にも似たような立場の人を知っているからまんざらウソっぽくもないだろうが。
 1時間20分。

 
5月21日(水)晴れ

 1400、テトルエコーのS川さん来社。6月公演の情宣。制作が人員不足とか、ずいぶん久しぶり。
 1700、狛江。写真館稽古場で「おしるし」稽古中の重田千穂子さんと40分ほどお話。手ずからコーヒーを入れてくれ、気さくな方。有本さん同席であれやこれや。

 1900、駅に着くとちょうど仕事帰りの娘からメール。合流してダイエーで買い物。一緒に帰宅。

 注文した中村翫右衛門著「芸話 おもちゃ箱」が届く。アマゾンの古本で買うと安すぎて、送料のほうが高くつく。

 この頃、暗闇が怖い。きっかけはスペース雑遊での「狂人教育」。地下にいるという不安からか、完全暗転になった途端、息苦しくなり、恐怖に襲われた。このままでは息ができなくなる……。その次もやはり地下劇場での完全暗転。まったく見えない。その暗闇に押つぶされそうになって呼吸困難になりそうな不安感。……不思議。これまで劇場では、どんな暗転でも、そんな不安を感じることはなかったのに。なぜ、この頃、真っ暗闇に敏感になったのか。地震の予感? 真っ暗闇に取り残されたらどうなるのか。


5月20日(火)晴れ

 1600.御徒町。Kさんとの会話の楽しさは消えかけていた「青春」の炎の最後のゆらめきか。

 買い換えたIPodがこんなにも快適とは。PVを見て、音楽を聴く。これだけで電車の中が快適に過ごせる。そのかわり、本を読む機会が少なく……。

 1900、新宿。シアタートップスでウォーキングスタッフ「剃刀」。中川安奈、加納幸和、鈴木省吾、小田豊……。メンツは通好みなのに、なぜ客入りがよくないのか。席をつぶしても3分の2ほどの入り。

 大正期の劇作家、中村吉蔵の原作をベースにしたもの。セリフの言葉遣いなど、ほぼ踏襲したのではないだろうか。地方の床屋が舞台。主人は高等小学校時代は成績優秀で将来を嘱望されたらしいが、結局稼業を継いで田舎の床屋の主人で人生を半ばまできたものの、心の奥底で、将来に不安と不満を感じている。「いっそのこと廃業しようか」。
 妻は美しく、昔は東京で働いていたようだ。
 ある日、主人の同級生で、官僚に出世した友人が田舎に凱旋する。「自分より成績が悪かったのに、家が金持ちだったために、とんとん拍子に出世街道を駆け上がっていったヤツ」

 フラリと店に現われ、久闊を叙し、ひげをそってもらいたいと言う友人。妻はこの友人に取り入り、東京に連れて行ってもらいたいようだ。それは主人の幻聴か幻視か。次第に心の均衡を失っていく主人。その手に持つカミソリが友人のノド元をなでる……。

 日常の中で芽生える殺意と幻想。次第に高まっていく心理描写がスリリング。

 石井久美子さん、馬場順子さんに挨拶。「社長は……まあまあです」と。最後の温泉主義からもう4、5年か。

 テラヤマワールドから「寺山修司 劇場美術館」をいただく。かなり豪華な作りで図版多数。見ごたえあり。


 
5月19日(月)晴れ
 
 0900起床。昨夜録画したTBS「報道の魂」を見る。「追悼・村木良彦 あのときだったかもしれない〜テレビにとって『私』とはなにか〜」。

 テレビマン・ユニオンの是枝監督が師である村木良彦に捧げる入魂の番組。まず、これまでは見ることのできなかったTBSの資料室に眠っていた貴重な映像の数々に驚く。

 田英夫がTBSを去るきっかけになった「田英夫 ハノイからの報告」の生々しい映像、自民党が激怒し、放送に介入した寺山修司構成の「日の丸」など、初公開ではないか。これらの映像を公開させた是枝監督に拍手。テレビ草創期の50年代から60年代の「青春期」へ。しかし、「私性」を武器に権力を撃ち続けてきたテレビは、ある時点から権力の都合のいいように「私性」を剥ぎ取られ、「公正中立」という名の権力擁護機関に成り下がっていく。「私性」とは主観であり、主観なくして権力構造と切り結ぶことなどできない。アメリカの北爆を批判し、ベトナム戦争の不当さをリポートした「ニュースコ−プ」のキャスター、田英夫は、「客観報道」という名の圧力でブラウン管から消えていく。また、TBS取材クルーが三理塚闘争の農民をデモ会場まで便乗させた「事件」をきっかけに、自民党がマスコミ介入。反発した労組を主体にした、世に言う「TBS闘争」が始まるのだ。

 村木、萩元はTBSを去り、テレビマンユニオンを創設する。
 
 興味深いのは、村木がTBS時代に作った旅番組があまりにも番組の「枠」を超えて斬新過ぎたため、放送中止になったという「事件」。後年、佐藤輝がテレビマンユニオンで作った「藤竜也の遠くに行きたい」の斬新な映像をスポンサーに配慮して今野勉が放送中止にしたという「事件」の皮肉に複雑な気分。敵は常に自分の中にある……のか。

 そういえば、大学2年のとき、テレビマンユニオンの試験を受けたのだった。採用は在学中でも不問だった。二次試験で落ちたが、ユニークな試験で、いい想い出になった。

 夜、山内賢、堺正章、西尾三枝子、舟木一夫主演の映画「花咲く乙女たち」を見る。ちんぴらと紡績工の女子工員の恋、いかにも60年代の青春。

5月18日(日)晴れ

 1500、日比谷野外大音楽堂で「JAPAN ROCK FES, 2008 新しい歴史が始まる日!」。「紫」「ブルース・クリエーション」「めんたんぴん」「頭脳警察」。70年代ロックの伝説のバンドが競演。

 1450、日比谷到着。日比谷公園を散策する家族、カップルたち。のどかな日曜の午後。
 
 野音に入ると、オープニングアクトのTHE DUET(松尾真冬、橋本美香)の二人が演奏中。「革命なんて知らない」は耳になじみやすい名曲。会場は頭に白いものが目立つ世代が半分以上か。ステージの前で総立ちにはなっても、そこはオトナ、整然とした会場。

 席について、ふと左横を見ると、見慣れた後姿。いつものように帽子に黒のTシャツ。劇団☆新感線のいのうえひでのり氏。「紫とか頭脳警察とか聴いてましたからね。今日ここでやると聞いたので……」。体を揺らしながらステージに聴き入る、いのうえ氏。終了まで席を立たず。ほんと、好きなんだなぁ。

 1500、ほぼ定刻通り開演。
 まずは「めんたんぴん」。北陸出身の元祖ツアーバンド。浅川マキさんと同郷で、マキさんの終生のパートナーだった柴田さんがマネジャー、プロデューサーをしていたバンドであり、今もカセットテープで聞くことはあるが、ナマの「めんたんぴん」を見たのは初めて。厚みのあるブルース・ロックはさすが現役。

 合間に楽屋を訪ねてPANTAさんに挨拶。楽屋は伝説の男たちがひしめき、オーラが充満。

 「紫」の登場で会場はヒートアップ。休憩の後は「頭脳警察」登場。ロードトレーニングするボクサーのように頭にフードをかぶったPANTA。曲の途中でフードを脱ぎ捨て全力全開。TOSHIと「陽炎」をバックに歌う「7月のムスターファ」はやっぱり秀逸。新譜「時代はサーカスの象にのって」など1時間余の劇唱。オーラスは「一日だけの」ブルース・クリエイション。竹田和夫のギターがうねる。

 ロックは50代になってからますます熱くなる。そんな一日。「雨男」PANTAさんのせいか、終わりごろにかすかな雨粒。が、本降りにはならず。快晴の日比谷野音は暗くなっても最後まで熱気に包まれていた。1945終演。楽屋のPANTAさんに挨拶して家路に。



5月17日(土)晴れ後小雨

 0630出社。仕事のシフト変わり、圧迫感。

1400、代々木公園、青年座劇場で「評決」。前回公演、本多劇場版と構成変わらず。ひとりの老人(大家仁志)が、客席に語りかける冒頭シーンから。彼は今から数十年前に行われたひとつの画期的な裁判の陪審員だった。その裁判とは……。

 昭和初期に15年間にわたって続いた陪審員制度の第一回裁判をモチーフにした裁判劇。夫・姑殺しの罪で起訴された女が主張する冤罪を裁く12人の市井の男たち。大正デモクラシーの洗礼を受けて世界に比肩すべく先進的な制度として採用された日本初の陪審員制度。今また、来年5月から裁判員制度が始まるが、国民の内から沸きあがった制度への希求と、国家からの押し付けの違い。パンフを読むと、演出・鈴木完一郎は裁判員制度に懐疑的らしいが、芝居自体にそれが直接反映されたようには見えない。
1610終演。帰社し片付け。

1800、渋谷。HMVでminkが石井竜也とデュエットしている新譜「エンドレス・ラヴ」を。ついでに今話題の谷村奈南のDVD付きCD「ジャングルダンス」を。……なんてミーハーな。

 1900、渋谷クアトロ。 吾妻光良&The Swinging Boppersのライブ。ディレクターの湯川さんにご招待いただいたのでちょっとのぞいてみようかな、と思ったのだが、ソールドアウトもむベなるかな、クアトロが立錐の余地もないほど。ほとんどが20〜30代。こんなに人気があったなんて知らなかった。ジャンプ・ブルース、スイング・バンド。呼称はさまざまだが、その演奏テクニックと歌の粋さは独自のもの。「あれだけ可愛けりゃパンダ1億円でも高くない♪」などと時事ネタも織り込む即興ブルース。二部でR&B、ソウルグループ「ウシャコダ」の藤井康一がゲスト。これがオトナの音楽! 二人の掛け合いが楽しい。

 2040まで。湯川氏に挨拶して退出。


 2130、新宿。紀伊國屋ホールで公演中の新宿梁山泊「リュウの歌」。15分カットしたため、劇場退出が早く、すでに「三平」で打ち上げ中とのこと。武人会の今井さんという新潟出身の女の子と一緒に「三平」へ。今日のメンバーは三枝健起氏ら。パンチョ目黒氏の娘さん、杏里が「先日はありがとうございました」と弔電のお礼。「〇〇さんから弔電が来てるってみんな驚いてたんですよ」と、沖中咲子。ひとしきり沖中とおしゃべり。この前、話題が出たので、ラジオドラマ「コメット・イケヤ」「おはよう、インディア」「紅い鳥ひとり」を彼女に進呈。

 歓談の間に、「参加者から一言」。で、作品をめぐって厳しい意見も。これもコビヤマ洋一の将来を思ってのこと。

 

 帰り際、在日一世のAさん(名前失念)の語った1952年の北海道赤平での前進座公演の騒乱(赤平事件)の回顧が生々しくも面白い。

 GHQのレッドパージで共産党系の前進座が公演中止勧告されたが、中村翫右衛門は公演決行。そのために逮捕状が出され、1週間にわたって翫右衛門は逃亡しながら舞台に立ったという事件。警察が血眼になって探し出そうとしても神出鬼没の翫右衛門は捕まらない。それどころか、いつの間にか舞台に立っている。

 その赤川事件当時、労組の防衛隊として警察と対峙したのがAさん。「ある日、警官隊の間を一人の酔っ払いがフラフラ歩いてきた。北海道弁でブツブツ言いながら。警察もしょうがないから、その男を通してやったら、なんと、後で舞台にその男が立っていた。警察の目をごまかすために酔っ払いのふりをして阻止線を突破したんだね。役者の演技というのがこれほどすごいというのを初めて知ったよ。また、あるときは、一人のおばあさんが同じように警官隊の目をごまかして楽屋入りした。もちろん、それは前進座の男の役者だった」

 1952年といえば、朝鮮戦争、赤狩りの時代。敗戦から7年。芝居を打つために国家と対決しなければならなかったとは。
 赤平事件のことは恥ずかしながら今回初めて知った。さすがに当時の目撃者の証言は生々しい。
 それにしても、テレビでよく見た中村翫右衛門が、警官隊に包囲されながらの公演。警察を相手に「七つの顔を持つ男」のように神出鬼没の逃走劇を演じていたとは。82年没。もう26年経つのか。

 2330解散。終電で家に。



5月16日(金)晴れ

 お昼休みに散歩がてら銀座のABCマートまで。スニーカー購入。春めいてオシャレに心動かされる。
 1600退社。家路に。

 久しぶりに拓郎の歌をIpodで聴いてみる。「ガラスの言葉」「マークU」「青春の詩」……。女ともだちが嫁いでいく日を歌った「花嫁になる君に」。高校生だった自分にとって「女ともだち」というのはテレビや映画の中にしかない、まぶしい存在。

「これから君はぼくに気軽に電話をしなくなり、ぼくの退屈さを救ってくれる君はいなくなったのだ お料理を習うのもまんざら捨てたもんじゃないわ♪」

 好きになれば友だちじゃなくなるし、嫌いなら付き合えない。その中間の「女ともだち」。……それが叶うのはもう人生をだいぶ過ぎてから。

 出会うたびに人を好きになっていた昔。人を想うだけでせつなくなった日々。

「恋したら星の降る夜に片寄せながら歩くの 立ち止まり恥ずかしそうに二人は互いをみつめる♪」といった純情無垢な恋愛をもう一度したいと思ってしまうのは罪か罰か。


 1930、友人より思いもよらぬ報せに脳天を一撃。一瞬茫然自失。この世に神も仏もいるものか。なぜ罪もない人に苦しみを与えるのか。


5月15日(木)晴れ

 1330、飯田橋。ホテルグランドパレス4Fで可児市と文学座・新日本フィルの地域拠点契約、並びに12月の新国立劇場ピットでの舞台「向日葵の柩」の記者発表。可児市の市長はじめ、文学座の西川信廣、田中章子代表取締役、衛紀生、新日本フィル関係の幹部、そして金守珍、柳美里、主演の山口馬木也らが出席。

 5分ほど遅れて到着するとすでに会見は始まってる。空いている席に就いて、雛壇に目を転じると、柳美里と目が合う。こちらの顔を認めると一瞬上気したような表情で頭を軽く下げ目礼。そうだよなぁ、彼女が作家に転じてからはほとんど会った記憶がない。時間は10数年前で止まっている。質疑応答で「17年前と現在では家族観がどのように変化したか、を聞いたが、質問の仕方が悪かったためか、答えに窮していた。

 会見後、K滝氏、M紙のT橋さんらと金守珍、柳美里を囲んで立話。91年の初演、上野水上公園での再演を見ている人はそう多くはないはず。青春五月党という名の個人劇団の最後の日々。柳美里22歳、金守珍も私も30代だった。「自分のDNAを残すことなんか死んでもイヤ」と言っていた彼女が小学3年生の息子の母親になろうとは。そして金守珍も子供の父に。二人と子供の話をすることになるとは考えもしなかった。17年の歳月に思いをめぐらせ感慨深い。「新作を書いて演劇界に戻ってきてよ」と言うと、笑顔でうなずく。来年あたり柳美里の新作が見られるかな。

 T橋さんと地下鉄駅まで。
 
 1900、銀座。みゆき館でNLT「ホテルZOO」。ロベール・トマの傑作コメディーを新鋭・小山ゆうなが演出。前回公演の川端槇二版ではなく、賀原夏子が演出した際の台本を元にしたとか。パリのホテルの一室で繰り広げられる6組の男女の物語をオムニバスで。前半、ライトコメディー、後半はちょっぴりサスペンス仕立て。トマらしいウイットとユーモア。物語の狂言回しである、ホテルの従業員と客室係りの女の子の恋愛が縦糸。その女の子を演じた浦本早都美が初々しく、芝居も上手い。休憩10分。2140終演。制作のO澤さんに挨拶して家路に。


5月14日(水)雨

 冬の気候に戻ったような寒さ。5月の陽気ではない。これも異常気象、地球の断末魔か。

 光市・母子殺害事件の夫、木村洋氏に関する批判がネット上で展開されている。その一因である著書「天国からのラブレター」、00年に新潮社から出版され、今は文庫化されている由。その初版の記述を確認すべく、アマゾンで買い求めようとしたが、わざわざ読むまでもないと判断。この書評が言い当てている。これで十分。氏に対して抱いた違和感は間違っていなかった。

 午後、御徒町駅。ネットで調べて最安値の店へIpodを買いに。アマゾンで注文したら在庫切れで日数がかかり過ぎ。キャンセルして直接、安値店へ。160ギガのIpod。今持っているのは第一世代。20ギガで、パンク状態。新しいCDを見つけても、いちいちデータを消して入れなおさなければならない。手間はかかるし、バッテリーが2時間ももたない。数年前と値段は同じで容量が8倍というのは魅力。4万曲。これなら家のCDが全部入る?動画も持ち運べる。物欲はないはずだが、これには心動かされる。休日なのに、わざわざ出かけることもないが、致し方ない。御徒町から徒歩10分の安売り店。ネット販売が主だから、店頭に来る客にはそっけない。帰り、ヨドバシに寄って保護カバーを購入。

1600帰宅。さっそく新しいIPodを使ってみる。動画もきれい、使い勝手もいい。

 プリエールのA本さんから電話。5月から6月にかけてのプロデュース公演の相談。さっそく2つの対案。

 NHKドラマ「トップセールス」が視聴率、内容とも好調とのこと。脚本を書いているのは山本むつみさん。昔からの「芝居観劇仲間」。ラジオドラマでいきなり大賞をとったのにはびっくりしたが、そのうちテレビドラマ時代劇も手がけるようになって、ついに土曜ドラマ! 会社勤めをしながら続けてきた成果。心から拍手を送りたい。それにしても……友が皆我より偉く見ゆる日……かな。


5月13日(火)雨

 中国の大地震で被災死者1万人以上。中国にとっては泣きっ面にハチ。天変地異はどうしようもない。
 仕事負担大きく、体ボロボロ。1600.御徒町・癒処でマッサージ。Kさんの笑顔が無上の癒し。高校生に戻ったような胸のときめき。

 1630、銀座。ル テアトル銀座で「黒蜥蜴」。祖父江氏、國井氏に挨拶。今回で何演目か。高嶋政宏が明智役。黒蜥蜴を慕う雨宮役は美輪さんお気に入りの木村彰吾。劇中で交わす二人の熱い視線。明智探偵は刺身のツマ?
 今回は現在の風俗も脚本に取り入れ、そのため、「たっぷり」の長い芝居が、さらに長くなった。休憩15分を2回挟み2220まで。これは美輪明宏の美の世界と納得するしかない。

5月12日(月)晴れ

 0630出社。0920から人間ドック。花粉症状態がひどい。1230、受診が終わり、常備のアレルギー剤を飲んでも緩和しないので、水なしで飲めるアルガードを服用。とたんに頭痛。バリウム後の下剤も服用していたため薬の副作用か。1400、検査結果の判定。まったく異常なし。去年より体調がいい。ホッと一安心。会社に戻り、仕事再開するも頭痛で、手につかず、仮眠室で1時間半熟睡。1700、起きて仕事。

1900、渋谷。パルコ劇場でドラマリーディング。小泉今日子の「チェロを弾く女」(ギイ・フォワシー作、白井晃演出)。溝口肇のチェロの生演奏に陶然。小泉今日子の声で半覚醒の淵に。体調すこぶる悪し。こんな日は舞台に不向き。2100終演。

5月11日(日)晴れ

0900〜1200、躰道稽古。T師範の講義あり。
1300帰宅。ドックの問診票記入やら細かな雑事。
夜、埼玉大会のスローガンと紹介文を書いてK沢さんにメール。

5月10日(土)雨

 1400、下北沢。スズナリで風琴工房「hg」。水俣病に材をとった作品で、タイトルは水俣病の原因となった有機水銀の元素記号Hgから。二部構成で第一部は、1959年の水俣病発生直後のチッソ付属病院内での研究発表会での論議を、第二部は現在の水俣に生きる胎児性患者たちの授産施設を舞台に、未来に向かって希望をつなげる患者たちと支援者、施設職員の姿を描いたもの。

 第一部は水俣病発生原因の特定について、企業の論理と専門家、科学者の良心が衝突するスリリングな会話劇。とはいっても、難解な議論劇ではなく、ユーモアと「息抜き」を交え、緻密さの中にも情感漂う展開。第二部は、東京から水俣を芝居にするために現地の人々を取材しに行った若い女性の目を通して現在の水俣が描かれる。授産施設での明るく笑顔の絶えないシーンが中盤で突然転調するところが胸を打つ。西山水木演じる園の責任者(60年代に水俣の支援に行きそのまま水俣に残ったという女性)がこう叫ぶ。「芝居で水俣が描けるとは思わない。この人たちを役者が演じるんでしょう、そのままマネて。……彼らは自分たちの姿をマネされることに深く傷ついてきたのよ」

 確かに、水俣を芝居にするということは患者たちの姿も舞台に乗せることだ。曲がった体、手足、不明瞭な言葉……それらを写実することを避けては通れない。しかし、このセリフが飛び出す以前に、すでに物語は演じられている。車椅子に乗った患者の一人を演じる佐藤誓は、患者の姿を写実的に演じている。まるで本当の患者であるかのようなリアルな演技。佐藤が登場したとき、客席から笑い声が響き渡った。それは、当日芝居を見に来ていた水俣病患者さんのひとりで、モデルとなった方。不謹慎な笑いではなく、自分を誠実に演じてくれたことへの感謝の笑いだ。そう、佐藤誓の演技はまさに入魂の演技。シニカルなユーモアで、施設の中でも人気者の患者のあたたかさ、ぬくもりを見事に演じきっている。

 驚いた。水俣病をテーマにした芝居が成立するのか、と半信半疑だったが、作・演出の詩森ろばの丹念な取材と誠実な思いがこんなにも素晴らしい舞台に結実するとは。希望を予感させる終幕で不覚の涙。篠塚祥司、西山水木の奥深い演技も印象的。ポストトークがあるのだが、予定が詰まっていて参加できない。満員の客席はほとんど席を立つ人がいない。これほどポストトークに参加したかったことはない。残念無念。雨の中を駅に急行。

 渋谷から東横線で東白楽へ。特急に乗って各駅に乗り換えると40分ほど。友人のI田さんの奥さんのお見舞い。駅から10分ほどの病院。休日用の入口でI田さんが待っていてくれる。奥さんの入院、追い討ちをかけるように娘さんの事故・入院と満身創痍。心なしかやつれた顔。奥さんは思ったよりも回復が早く、元気そうな様子。よかった。15分ほどで辞去。17日から仕事で北海道に行くというI田さん。早く家族が元気になりますよう。

1830、新宿。紀伊國屋の地下のハンバーガー屋でバーガーほおばり、夕食代わり。
1900、紀伊國屋ホールで新宿梁山泊「リュウの歌」。


暗闇の中、原爆じじいと呼ばれる老人があるはずのない地平線を見つめて、つぶやく・・・
 一転、明るくなると少年が上を見上げて叫ぶ。「来るよ〜!」すると、あちこちから人々が現れ、そこへ空からいろんな物が落ちてくる。群がる人々・・・。
 ここは、地底の街、未来なのか、別世界なのかわからないそんな場所。人々は地上と地下に分かれて暮らしていた。地下に住む人々は地上からつながるダストシュートの廻りに集まり、地上から捨てられる物資で生活していた。
 地下の人々は「リョクサイ」という老人によって統括されていた。
 赤ん坊の時にダンボールに入れられて落ちてきたという少女リュウは生きながら身体が腐っていくという奇病に冒され、明日をも知れない命だった。何の為に産まれてきたのか、何の為に死ななくてはならないのか、
リュウは何処から来たのか・・・この地下世界とは・・・。
(HPあらすじより)

  コビヤマ洋一の原作にほれ込んだ韓国の演戯団コリペ代表である李潤澤が演出。猥雑でダイナミックな舞台。沖中咲子がリュウ役。久々の紀伊國屋ホール公演だが、どことなくウソ寒い客席。「アングラ」は今の時代では極少数派なのだと体感。

 終演後、佐伯隆幸氏と話しながら駅方向へ。「最近は腹の立つ芝居ばかり。この前なんか、客席からやめちまえ!って怒鳴ったらその女優泣き出してね……」。ウーム、さすがに筋金入りの演劇人。
 電車に乗った瞬間、M浦伸子さんからケイタイに電話。終演後の飲み会のお誘い。人間ドックがあるのでお酒はNG。今日は引き上げ。


5月9日(金)晴れ

 京都でも女子高生殺人。なぜか事件は連鎖する。

 1600、仕事を終えて上野の癒処でマッサージ。担当のK嶋さんとおしゃべりをしていると60分は瞬く間に過ぎる。久々の癒し系。1800、食品売り場経由で帰宅というパターンが定着。買い物袋の重いこと。
 01年に8ミリに録画した「夢の島少女」の中尾幸世さんのインタビューを久々に見る。佐々木さんの手紙の朗読を聞きながら、嗚咽を懸命に抑える中尾さんの姿が胸を打つ。「まぼろしの市街戦」の話題がハヤシヨシオメモリアルクラブで出たので、久しぶりにDVDを取り出してみる。日本語吹き替えはテレビ放送時のものを収録している。広川太一郎、富山敬、小原乃梨子ほか。日本上映版にはないラストシーンは、当然ながら吹き替えはなし。原語で字幕に。それにしても、DVDが高額で取引されているとは知らなかった。やはり、発売されたらすぐに買うべきか。

5月8日(木)晴れ

 明け方大きな地震。二度目はかなり長く続く揺れ。いよいよ関東大震災近し?

 1300、6月に行われるI木氏の講演会のスタッフ会議。今回で5、6回目か。いつものように舞台回りを担当。

1900帰宅。夕食、入浴でアッという間に就寝時間。地震騒ぎで睡眠不足。
 
 掲示板で教えてもらったTAIGAの映像を見る。躰道の胴着を身につけてひとりコントするお笑い芸人。躰道の型(法形)をやりながらのシュールさにビックリ。アタマのカタイ年配者は「躰道を愚弄するな」と怒るかもしれないが、これはこれで躰道を広めるきっかけになるかもしれない。要は、馬を湖に連れてくること。飲むか飲まないかは馬次第。

5月7日(水)晴れ

 1330、郵便局に実家の固定資産税の振込み。PANTAさんに電話すると偶然1500から初台ドアーズで上映される「off the wall the spirit of PNK FLOYD」に行くというので現地で合流、一緒に鑑賞。ピンクフロイドを丸ごとコピー(?)したoff the wallバンドが昨年4月にベルリンで行ったライブ映像。確かに上手いが、編集をほとんどせず、ライブをそのまま流しただけなので、2時間集中するのに疲労感。1710、近くの喫茶店でPANTAさん、湯川さんとお茶。先日、WOWOWで放送した頭脳警察の話題などで盛り上がり。1800解散。

1900、紀伊國屋サザンシターで劇団1980「ええじゃないか」。「今村昌平監督追想」と銘打っての再演。今村監督の生と性のダイナミズムが舞台に横溢。薩摩にも幕府にも裏切られ、銃弾を浴びながらも何度となく起き上がり、前進する下層民の姿に窮民革命を幻視する。不覚の涙。2100終演。青年座の水谷内氏と駅まで。

5月6日(火)快晴

 連休最後の日。0900起床。朝食後、近所のガラス工房へ。家人のたっての希望でトンボ玉作り体験。4人で順番に。手作りの面白さに不機嫌な15歳の豚児も珍しく嬉しそう。

トンボ玉 保養所に戻り、後片付けをして出発。途中、ハーブ園に寄り道。東金に入る前にいつも気になっていた「雄蛇ヶ池」の標識に抗し切れず、初めてコースを外れてその「雄蛇ヶ池」を見に。小さな沼を想像していたが、あにはからん、周囲4キロの大きな人工池。ボートに乗ろうと思ったが、1艘4500円と結構な値段。3人しか乗れないので中止。鬱蒼とした竹林の間を縫って、池の周りの遊歩道を散歩。が、ぬかるんだ道なので、家人と二人でリタイア。子供たちは完走。

 昨日の満願寺で、たまたま引いたおみくじが4人中3人とも同じ文言。「交通事故に気をつけよ」。気にするなと言っても、偶然にしてはできすぎ。帰りのクルマはなるべく安全運転を心がけることに。

 おみくじといえば、母が罹病して2年目だったか、正月に上京した際、近所の神社に初詣に出かけ、みんなでおみくじを引いたことがあった。もし悪い見立てだと気にするといけないので、母の引いたおみくじを先に読んだら「病篤し。平癒難しい」とあった。慌ててそれを隠し、もう一枚おみくじをそっと引いた。そして開いたおみくじの「健康」の項には、またしても「病篤し」の文字。このときのイヤな気分は忘れられない。偶然とはいえ、病気に関するおみくじの文言はそれなりに配慮してほしいものだ。


 帰り道は渋滞もなくスイスイ。1時間半で帰宅。親子4人のGWラストデー。

「お前が子供の頃、かまってやれなかったからなぁ……。お前が自分の子供に対して一生懸命相手して、遊んでやるのはその反動なのかもしれないな」
 休みのたびに子供たちを連れてどこかに行く自分を見て、父が少しすまなそうに、言っていた。そんなことはない。昔の田舎の親なんてみんなそうだ。仕事で手一杯で子供と遊んだり、どこかに連れて行くなんて誰もしなかった。父だけじゃない。みんなそうだった。そんなことを気にしていた父。子供たちが成長しても、こうして家族旅行ができるのはもしかしたら、父の思いがそうさせているのかもしれない……。

5月5日(月)晴れ

 0900起床。銚子方面へドライブ。いつものコースを外れて、飯岡で屏風ヶ浦の展望館に立ち寄り。このへん一体はその昔、博徒・飯岡助五郎の縄張り。展望館も助五郎記念館のような展示。空にはモーターパラグライダーが舞っている。気持ちよさそう。

力石 ジョー展望館の外にある石像は見おぼえのある後姿。なんと、2頭身のあしたのジョーと力石徹の石像ではないか。ちばてつや氏がこの地の出身とか。なるほど。2体離れて並ぶジョーと力石と並んで記念写真をパチリ。

 さらに銚子方面へ。ここでまた、初めて訪れる満願寺。本尊は十一面観世音。一丈三尺(約3・9メートル)の石仏像が雄大。西国、坂東、秩父、四国、諸国霊場の五カ所の仏足跡お砂場があり、境内・寺内を回るだけでも結構な時間がかかる。

 次いで、犬吠埼観光ホテルで海を眺めながら温泉に。1900、九十九里に戻り、K寿司へ。ここでの食事が毎年のお楽しみ。新鮮な海の幸で満腹は4人で1万5000円。しかし、ここ数年、イワシが不漁で名物のイワシのつみれ汁がないのが残念。

 2100、保養所に戻り就寝もなまなか寝付かれず夜中過ぎまでみんなでうだうだと。

5月4日(日)晴れ

 今年は家人のケガもあり、どこにも出かけない予定だったが、「気晴らしがしたい」ということで、急遽、宿を探すも腐ってもGW、今時空いてる宿などあるはずもなし。最後の砦、「常宿」の会社保養所へ。ほかの社員とかち合わないように4日夜からの投宿。

 0800、レンタカーをマンション前に駐車。0900出発。コースを外れることもなく順調な滑り出しだが、途中、京葉道路が大混雑。3キロ進むのに1時間。空いているなら1時間半で着く所を、3時間半かけて走破。直接、目的地の一つ、スパ「太陽の里」へ。ここで、温泉、食事、ボディケアと半日過ごして4人で大枚3万5000円。入館料は1900円でも付帯設備の料金で使わせること使わせること……。

 2100、温泉三昧を満喫して、保養所へ。


 
 
5月3日(土)雨

 憲法記念日。安倍”ファナティック”晋三内閣から福田”暫定”政権に移行したことから憲法改正論議は沈静化しているが油断はできない。9条2項の撤廃を狙った策動はいつ再燃するか。映画「靖国」が右翼勢力によって簡単に上演妨害されるような脆弱な民主主義国・ニッポン。「表現の自由」をうたった憲法があるにも関わらず機能不全を起こすようでは、万が一「改正」となったら、すべての「自由」は国家権益最優先の前に必ずや沈黙を余儀なくされる。「記念日」にも関わらず、年毎に新聞での扱いが小さくなっていく「憲法記念日」。たどり着いたらいつも雨降り。

 夜、布団の中で目を閉じると、なぜか子供の頃、近所に住んでいた人たちの顔が浮かんでくる。

 ずっと独り暮らしで、家の前を通りかかると優しく声をかけてくれたM下のおばあさん、自宅裏の製綿工場で綿ほこりまみれで働いていた綿屋のおじさん、ちょっと口の悪いI谷の大工のおじさん、祖母の話し相手だった下駄屋のおばあさん、二階に幼稚園の先生が下宿していた豆腐屋のおばあさん、出稼ぎが長かったためか、田舎には珍しく品のいい話し方をしていた林のおばあさん……思い出すのはみんなお年寄りばかり。でも、幼稚園児の自分から見たら年寄りでも、当時は60代だろうか。あれから半世紀近く。たぶん、いや間違いなく皆さん鬼籍に入られたはず。しかし、子供の頃の自分の記憶の中に生き続けている。
 半世紀後、私のことを思い出してくれる近所の子供はいるのだろうか。地域のコミュニティが崩壊した現代には無理な夢。

 午後、従姉の息子Kくんと、Sちゃんが来訪。二人を連れて近所の料理店で食事。めったに行くことのないしゃぶしゃぶコースで腹鼓。Kくんのお母さんと電話で話した際に話題に出たN島洋さんに電話。去年の11月に手術を受け、1年間は禁酒とのこと。娘も合流し、楽しい宴。1630、解散。

 石原慎太郎が上野動物園のパンダ、リンリンの死について「ご神体じゃないんだからいてもいなくてもいい」と発言。「見たけりゃ、世界のどこかにいるんだから見に行けばいい」と。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いの類。中国憎けりゃパンダまで大嫌いか。わかりやすい人。そもそも、パンダが日本にいなくなったのは小泉が首相の時代に中国関係が悪化し、新しいパンダが日本に来る機会を逸したから。パンダを「追放」したのは小泉の責任なのだ。リンリンは受胎を求めて世界各地を転戦。疲れ果てての死亡。パンダ死の「犯人」は小泉元首相ともいえる。老人を見捨てる「後期高齢者医療制度」も小泉の産物。この男ほど戦後の日本を破壊し、売り渡した首相はいない。それでも人気があるらしいのは、日本人が総奴隷化している現われか。



5月2日(金)雨

 連休の谷間とあって社内は閑散。休み明けの分まで仕事を片付け、あとはのんびり机周りの整理。

1900、築地本願寺、ブディストホールで、「サルメのトーキョーお座敷レビュー」の新作「つきじ!魚河岸心中 〜フリーズ・フリーズ・ミー!〜」。前の日からウキウキと心が弾んでしまう今お気に入りの劇団。
ブディストホールに来たのはずいぶん久しぶり。東京壱組が「石鹸王国のはなし」などを上演していたのは80年代の終わり頃だったか。時間の経つのは早過ぎる。

 「サルメのトーキョーお座敷レビュー」は着物にスパッツ、ハイヒール、マニキュア、バッチリメイクの美形たちによるレビューショー。今回は、若夫婦が切り盛りする築地の老舗料亭を舞台に、呪いの桜、江戸時代からタイムスリップした心中男女、料亭買収を企むエステサロンオーナーとホスト、商店会のおしゃべりスズメ、そしてナゾのお手伝いさんが繰り広げる、TDLばりのホラーギャグ・ファンタジー。「芝浜」「品川心中」「文七元結」など、古典落語を織り込んだシャレた物語。今回で3度目だが、期待を裏切らないサービス精神満点のダンス、レビュー。女性13人、いずれも華のある女優たち、加えて男性2人もこなれた芝居。休憩10分の間に寿司屋「すしざんまい」のCMコント。最大スポンサーとのことで毎度のシーンだが、今回は築地が舞台、本編でも何度も「すしざんまい」コールがあり、いくらなんでもこれはやり過ぎ。観客には「関係ない」のだから。

 女優陣の中では、久谷”Q”由美子、関根”G”直美がいい。アイドルっぽい面影を残す久谷は癒し系。
カーテンコールが終わって2125、雨の中、家路に。なんとなく名残惜しい気分。連休とあって電車はいつもより空いている。おかげで到着まで座って読書。土屋隆夫の「『罪ふかき死』の構図」。
5月1日(木)晴れ

 1930、三軒茶屋。シアタートラムでTファクトリー「毛皮のマリー」。去年、赤坂での追悼式で偏陸、川村会談から生まれた企画が早々と実現。川村毅の演出による寺山修司芝居。マリー役も川村が演じるというので、大丈夫かなと思ったが、これが予想外のはまり役。真剣勝負の演技は特筆もの。川村と寺山の世界は意外にもぴったり。ギリシャ様式の宇野亜喜良 の衣裳もいい。美少年役の手塚とおる、紋白役の菅野菜保之も水を得た魚のよう。
 ラストシーンの「最後の晩餐」をきちんと演出したのを見たのは初めてかもしれない。水と油に見えた川村と寺山。それがこんなにも相性がいいなんて驚き。2045終演。M紙のT橋さんと一緒に、H井さんに案内され、楽屋へ。初日乾杯。偏陸さんに挨拶。西堂行人、坂手洋二、松井憲太郎らの顔。

 帰り、三茶の居酒屋でT橋さんと軽く一杯……のつもりが盃を重ね、2330。トラムから流れてきた坂手、手塚組、菅野組が別席で。帰宅は終電。

TSUTAYAでイノセンス・ミッションの「ナウ・ザ・デイ・イズ・オーヴァー」とDUFFYの「ROCKFERRY」を購入。 前者は04年にリリースされたアルバム。「子守唄」をコンセプトに、「虹の彼方へ」「素晴らしき世界」「ソナタNo・8」(ベートーベン)、「プレリュードインA」(ショパン)などを収録。心地よいサウンドとボーカル。後者はウェールズ出身のシンガー、ダフィーのデビューアルバム。日本盤は未発売。フレンチポップスのようなボーカルとサウンド。

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