原田芳雄「愛情砂漠」@ポリドール (1973)
東宝映画「赤い鳥逃げた?」(藤田敏八監督)のオリジナル・サウンド・トラック。A面の同名主題歌はジャズシンガー安田南。透き通るような安田南の歌もいいが、B面の「愛情砂漠」の方が好き。原田芳雄の朴訥とした歌い方が心に訴えかける。「愛情砂漠を歩いてきたの(中略)はじけ散るのは夢ばかり」。バックコーラスは桃井かおりと大門正明。作詞・福田みずほ、作、編曲・樋口康雄。
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石川セリ「八月の濡れた砂」@キャニオン (1972)
無理解なオトナに対するiいらだちをつのらせる若者たちを乗せて、青い海原をどこまでもヨットは漂っていくーー藤田敏八監督の同名日活映画は70年代青春映画の傑作だ。この歌はそのサントラ盤。歌うのは現・井上陽水夫人である石川セリ。日本映画の面白さを語り、石川セリにほれこんで、毎週この曲をかけ続けたのが当時、パックインミュージックDJの林美雄。石川セリと井上陽水との出会いもパックだった。石川セリと荒井由実がゲストの時に、井上陽水と吉田拓郎が乱入。意気投合したのが、そもそもの二人のなれそめ。あれから20年以上が過ぎ、敏八監督、主演の広瀬昌助、そして林美雄も亡くなった。この歌を聴くと10代の自分が思い出され、胸がしめつけられるような痛みをおぼえる。出演はほかに、村野武範、テレサ野田、藤田みどり、渡辺文雄。
吉岡オサム作詞、むつひろし作曲、秋葉洋編曲。
B面は「小さな日曜日」(山川啓介作詞、樋口康雄作・編曲)。
下の画像は林美雄追悼会に展示された「八月の濡れた砂」別バージョン(1枚はプロモーション用)レコード。
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秋田明大「あほう鳥」@キングレコード (1976)
日大全共闘議長秋田明大が吹き込んだ唯一のレコード。「流れ流れてあほう鳥……俺の十年どこ行った」とかすれた声で歌うフォーク歌謡。ジャケット裏は全共闘デモのスナップがピンで止められたデザイン。故郷に帰り、自動車修理工をしていると伝えられる秋田明大。彼もまた時代に翻弄され続けた男であった。岡本おさみ作詞、加藤登紀子作曲、馬飼野康二編曲。B面は「砂の唄」(秋田明大台詞、加藤登紀子作曲、萩田光雄編曲) |