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短期体験記 ― 3ヶ月間のお稽古を体験された方の体験記です。
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清遊会回顧録 ― 清遊会の歴史のなかから、残っている写真等の一部を紹介するコーナーです。
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利休百首
⇒ 1〜50 ⇒ 51〜100
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お茶のお稽古(三ヶ月間)体験記 ―― 宮原 宏一郎 2003.3.20
↑ 稽古風景
1、はじめた動機
利休流清遊会との最初の出会いは、大学卒業前の12月中旬頃、大学のゼミの先輩による紹介でした。そして即座にインスピレーションに惹かれてやり始めました。実際の動機は、実家が焼物が有名な佐賀県であることで、家にある茶碗なんかを床の間なんかに飾るだけではもったいないと思っており、またお茶の生産地(嬉野茶、八女茶など)にも近く、実家に帰郷することによりお茶に触れ合う環境が恵まれていることで、作法や道具の使い方を覚えておくことが、今後の自分にとってかけがえなのないものになるのでないかということだったと思います。
よって、卒業して帰省するまで、残り少ない学生生活を出来る所までお茶のお稽古の時間に費やそうと決心した次第であり、こうして約三ヶ月短期集中のお茶のお稽古が始まることになりました。
そもそも、「お茶(茶)」とは、飲料として、普段自分達の生活の中に溶け込み過ぎていて、疑問すら抱かなかったのですが、改めて何であろうか?と自分で問いただしても、見当がつきません。最初になるほどと教えてもらったコトは、普段急須にお茶の葉を入れて煎じて飲むのは、煎茶で、お茶のお点前に用いるのは、お茶の葉を全部粉にして飲む抹茶(挽茶・薄茶と濃茶があり、栄養<タンニン、ビタミン、カフェインなど>も満点らしいです)であるという区別を知りました。お茶史的に、お茶の起源は、中国の雲南省あたりで干物として噛んでいたそうですが、(考えただけでも苦そうです)それから日本のお坊様が日本に持ち帰り、当時は薬品として使われていたそうですが、それも政治の手段や、娯楽(文化)として、日本独自に巡り巡って、今の茶道が出来たそうです。(かなり簡略致しました)
まぁ、出だしがこんな予備知識も何も知らないヒヨッコでしたが、今はお稽古場の人達(先輩の方々)の人柄にも恵まれておりまして、時には厳しく、時には楽しくお茶を楽しんでお稽古ができました。
↑ 茶杓 銘「龍雲」
2、お稽古の感想
お稽古場の雰囲気としては、先生がまだ若くて優しいせいか、気軽に質問やお話などが出来、厳格でカシコマッタお稽古と想像していた自分の予想とは逆に、すごく和やかでのびのびとお稽古が出来ました。また、お稽古場が先生のご自宅なので、お稽古以外の所でも家族の一員的な交流もあり、大変お世話になったとともに、大変充実したお稽古でした。
逆に、残念かなぁー思うのが、まだ流派的に知られていないという所がありまして、お稽古が先生と二人きりになる時もあり、寂しいなぁーと感じる時です。いい意味では、先生をお稽古の時間で、多く独占出来ますが、自分的には同世代の若い仲間がもっと欲しく、色々と他のお弟子さんがやるお点前を見たいし、それによっていろいろな交流が増え、お稽古場がさらに栄えていけばいいのになぁーと思いました。
↑ 茶事の掛け軸に飾った色紙
実際のお稽古の内容としては、最初はやはり基礎知識として道具の説明を受け、次に早速お茶を立てていきます。はじめは、先生が手順として教えてくれますが、回数を重ねて覚えていく度に先生は物静かになっていきます。(先生曰くそうすることによって、自分の個性がお手前に反映されていくそうです。)しかし、まだ最初のうちは、個性より、手順を覚えることで頭がイッパイイッパイでした。
また、茶道具としての茶杓を作らせて頂く機会を頂き、一作目は、耳掻きの細さまで削り過ぎて失敗しまして、二作目で、色々と流曲線を作り出し、時には、素材が竹なので、割れてしまったりしましたが、その割れ方が微妙な線を作り出し、これ以上のモノは出来ないという大傑作が生まれました。大先生命名『龍雲』で、由来は、宗の曾鞏が、項羽を漢詩で詠った『虞美人草』の中で、『凄風惨雨狂う夜は疵に悩みて潜みしも 蛟竜 遂に雲を得て 今昇天の時到る』からきており、意味は『チャンスを逃さすモノにする』という意味が込められているそうです。
このように、お茶のお稽古だけでなく、色々な茶道具の製作にも積極的な所があり、飽きっぽい自分がお稽古を続けられた理由の一つだったと思います。
↑ 茶事での点前
3、茶事の体験
そうしてお茶のお稽古を重ねていくうちに、最後のお稽古の月になると、その月は、ちょうど茶事(お茶会)の月であり、その亭主を任されること(薄茶のみ)で、自分の卒業式的なお茶会になることになりました。また、掛け軸も任され、色紙に五・七・五・七・七の和歌で、今までの自分を表現し、印も手作りで作成しました。このように製作することや目標が出来ると、一層お稽古の練習に熱が入りました。
気付いてみると、あっという間に三月のお茶事の日がやってきました。亭主というものは、招く人たちを満足させなくてはならないので、茶事が始める前から、炭手前をする方、懐石料理担当の方、茶室を準備する方などが、準備や掃除で忙しく、始まりの時刻が近くなるにしたがって緊張で上の空の状態になってしまいました。なんせ順番的に最後のお点前なので、待つだけでクタクタに疲れ果ててしまいました。
そして自分のお点前がやってくると、もう後には引けません。今まで頭に叩き込んだモノと、体に染み付いたモノを完全燃焼させ、気付くとあっという間に終わってしまいました。何とか無事に終えましたが、達成感よりも緊張の糸が抜けて放心状態でした。
⇒ 茶事の様子(イベント報告のページへ)
↑ 体験終了時の記念撮影
4、総括
私は三ヶ月間の短いお稽古をした者として、大した事は言えませんが、意外な上達のコツは、人のお点前をよく見ることだと思いました。お稽古が詰まっている場合などに積極的に、人のお点前を見ると作法と作法の間合いや手順が無意識的に頭に入り、お点前のお稽古の糧になると思いました。
これから、大学を卒業して実家に帰郷しますが、この三ヶ月間のお稽古の経験が、これからの自分の人生にどう影響していくか未知ですが、きっとプラスになったと思いますし、家族や親戚の方々にも、自分の点てたお茶を飲んで欲しいし、自分もお茶(抹茶)を飲む習慣を生活の中に入れて行きたいと思いました。
今まで、自分がお稽古をやった中で、色々お世話になった人達に感謝したいと思います。ありがとうございました。