2007年ミンダナオ会 展示会レポート
年も明けた1月半ば、米戦艦オレゴンを仕上げながらそう言えば今年のミンダナオの展示会は「アメリカ海軍特集」だったなとポツンと思い出しました。

で、掲示板に行きたいな〜と書いたところ国親父閣下から熱烈な歓迎コールの書き込み。
ではでは、と言うことで出撃を表明したところなんと30年来の知己シュガー長官も参加の表明をいただき、旅は俄然首都圏模型倶楽部の視察、友好の公的な?内容を帯びて来る物になってきました。

今回、国親父閣下は真珠湾艦隊を正式に展示会に出品されると言うことで、オレゴンも米戦艦の元祖!ちょろっとはじっこにでも置かさせていただこうと思いまして、閣下経由で許可を頂きました。

出撃の一週間前、オレゴンを入れる箱を作製しようと思い、あらためてサイズを計測したのですがこれが思いのほか巨大でビックリ!
全幅は16cm、高さが30cm、全長がなんと53cmも有ります。外寸の全長は前後の余裕も入れるとなんと58cmにもなります。
物が物なので手荷物預けにするのは、ぶちこわしてくれと頼んでいるような物なので、機内持ち込みの規約をネットで確認したところこれがなんと45cmまでしかダメよ!となっています。
ダメもとで航空会社に問い合わせたところ、まぁ規則は有りますが、そこはそれ・・なんというか・・まぁいろいろな場面が有りますので・・・・という返事。
言質は取れませんでしたが、都合の良い方へ解釈して巨大な段ボール箱を作製しました。

2/10、午前5時半起床。不安な気持ちで千歳に向かいます。なにせこの航空会社、安さで有名な某S社。
飛べなかったら勝手によそを探せ!うちは知らんばい!
という会社(約款に書いてあります)なので、この時期かなりの不安が有ったのですが、当日の千歳の天気は曇り、まぁなんとかなるでしょうと楽観的に出発です。
空港に到着してみるとすでにシュガー長官が着いており、こちらも早速搭乗手続きを取りました。長官の席はどの辺ですか?と聞くと、なんと自分の前の席!
東京までのタンデム搭乗となった次第です。

さて、問題は巨大な機内持ち込み荷物・・・・・・
手続きの時に精密模型と言うことで話したところ、対応のお姉さんはあちこちに連絡しまくって出した結論が機内預かり。なんというか・・・凶器ですね。
手荷物検査の映像を見ていると、ちゃんと軍艦のシルエットになっていて笑えました。実際搭乗してみると、上部の荷物入れなんかにはとうてい入る大きさでは有りませんでして、やはり乗務員に預けて出発となったのですが、長官の席も自分の席も隣は空いたままで、こりゃ席に置いていても良かったなと・・・・・。
往き道、本を読みながらたまに下を覗くとさすがの暖冬!本当に今年は雪が少なめですね。
AM 10:25。10分程遅れて羽田に到着。
お迎えいただいた国親父閣下の車は11月に変えたばかりの新車のクラウン。
窓が黒いのは変わりませんね。(こ、怖!)
ちょっと走ってすぐにお台場「船の科学館」羊蹄丸アドミラルホールに到着。
会場に入ると想像通り一面に艦船模型が並びまくっています。
その数550隻!圧倒的じゃないか我が軍は!といった感じ。まずはK会長様にご挨拶。
今晩はなんとゲストと言うことで懇親会にもご招待を頂いております。
とりあえず遠路780kmを飛んできたオレゴンを会場に置かせて頂いたのですが、その場所なんと入り口の正面台!
こ、これは・・・・恥ずかしいぞ!

情報によると先方でも同じキットを作っている方がいるとのことだったので、せめて色違いになれば良いな〜と思っていたのですが、見渡したところ出て無い様なのでオレゴンはこれ一隻。会場は年代別、艦種別、企画別で様々な艦船模型が展示されており、作り込みも仕上げも一隻一隻とても素晴らしく、艦船模型マニアとしてはまさに至福の桃源郷です。
オレゴンを置かせて頂いた台には、大スケールの作品が鎮座しています。
目をひいたのが1/350空母サラトガ。
トリコロールに塗り分けられた派手な複葉艦載機が雰囲気を盛り上げています。
こちらはゲスト出品の 1/350 KGX。
細かい作りが凄〜!
次に目に入ってきたのが19世紀末の装甲艦群。
メイン、オリンピア、ミルウォーキー、シンシナティー等の自分的にストライクゾーンの艦船が黄色と白に塗り分けられて並んでいます。
やっぱりこの時代の艦船は良いですね〜。
米西戦争ではフィリピンでスペイン艦と対決したオリンピア。
現在も記念艦として保存されています。
ダイナマイト巡洋艦のヴェスヴィオス。
空気圧で打ち出すロケット砲?を備えた珍しい艦。
それと時代は上って南北戦争の有名なハンプトンローズの海戦を再現したバージニアVSモニターの装甲艦。
しかし小さい!バージニア(元メリマック)でさえ5cmくらいでしょうか。
引き続き・・・と思ったところで某誌編集長から昼食のお誘いを受けて科学館四階の中華レストランへ。昨年は某艦船模型メーカーのN田社長とご一緒でしたっけ。
タンメンを頂きながら某誌の内幕話やら新製品丸秘情報など、普段は聞けない話をたっぷりとお聞き致しました。会話中なにげに振ってきたとんでもないお仕事を、国親父閣下がさりげなく逃げていたのが笑えましたね。
(スクラッチした方が100倍楽とのキットとは・・・・?)
食後、編集長はなにやら風邪気味とのことで御帰還。

色々とお話をしながら再度じっくりと見学です。
奥の方にはK会長がスクラッチした幕末黒船艦隊4隻がありました。
どれも手堅くきっちりと作られており、まるでどこかから発売されているキットの様な感じです。
二次大戦からこっち、米海軍と言えば「空母」!!
この米空母の模型ががこれでもかこれでもかと並びます。

原子力空母を筆頭に戦時型、護衛空母、ヘり空母等々。
出品作品が多岐の年代に渡っているので、一時の隻数ではありませんが、それでもさすがアメリカの工業力むべなるかなと言った感じです。
なにやらこの空母模型に積載されている艦載機の模型だけで1000機を越えるとの主催者側の発表です。

ちなみに国親父閣下の話で、某紙模型ライターのA氏はとにかく先にこの飛行機を全部やっつけるとの事。
あちこち手を入れながら本体を作った後、小さく同じ形の艦載機を何十機も作るのは、精神衛生上とてもよろしくない状況になるらしいです。

戦艦群もダダーッと並んでいます。
主に二次大戦期の艦ですが、アイオワやニュージャージー、ミズーリが隙間無く並んでいるのはまさに観艦式ですね。

で・・・・
なかになにやら怪しげなフォルムの艦が一隻・・・・・
砲塔、艦橋等はミズーリ風なのですが、船体があの独特
のアリゲーター(ワニ)的なスマートさではなく、なん
かクロコダイル(ワニ)風な太さ・・・・・

良く見ると大和型の船体に上が乗っかっていました。
なかなかの遊び心でニヤッとしてしまいましたが、なん
となく見ている分にはどうして気がつきませんね!
(こういうさりげなさは好きですね)

奥の方に国親父閣下の出品作「真珠湾戦艦部隊」が展示されていました。
アリゾナ、テネシー、メリーランド、オクラホマ、ネヴァダ等の米太平洋艦隊の戦艦群(レジン製)に、フルスクラッチの油送艦ネオショー(だったかな?)。
6年ぶりの御開帳ですが、いつ見ても素晴らしい出来ですね。

ただ・・・・やはりレジンゆえの変形で塗装にクラックが入ってきた作品もあるそうです。やっぱりレジンは経年変化が怖いですね。

その隣のテーブルには輸送船、作業船等の特務艦がこれまたズラリと並びます。
面白かったのは浮きドックの作品。
中に駆逐艦が入っており、思わず唸ってしまいました。
これは販売されているキットなのでしょうか?それともフルスクラッチ?
ミンダナオ会さんの作品は、その辺が全くわからないほど作りこまれているためなかなか油断が出来ませんね。
輸送艦も新旧取り混ぜてびっしりと展示!
アメリカと言えば物量作戦ですよね。

さて会場は次々に押し寄せる見学者で大賑わい。
後で聞いたところによると、三日間合計で1700人の来場だったそうです。
さすが東京とは言いつつ、艦船だけの模型展にこれだけの動員ができるミンダナオ会の底力に驚嘆しますね。


さて・・・・
会場のアドミラルホールは非常に良い雰囲気ではあるのですが、照明が写真撮影にはちょっと厳しいものがあります。
模型の場合小さい作品にフラッシュを使うと、ハイライトと影がはっきり出過ぎるため、ベタで質感に乏しい仕上がりになってしまいます。
なので普通に撮影するのですが、さすがに暗くて露出を5.6くらいにするとシャッター速度が1/30以下のスローシャッターになってしまいます。
本来なら三脚必須の撮影ですが、今回は持参しなかったのでカメラ本体を台に押し付けての無理やり撮影となりました。(それでも暗いグレーはよう出ませんね。)PCに取り込んだ後、要加工かな・・・・・・・・
ミンダナオ会の皆様、今年も本当に有り難うございました。
kudopapa@副長でした。