ビオトープの生命2011(2)

6月27日 カキラン

今年も散歩コースの池の畔で、カキランが咲きました。 カキランは、日当たりの良い湿地に生えるラン科の多年草で、草丈は30〜70cmになります。 花の色が柿の実に似ているのでカキランと命名されました。 花が鈴なりに咲くので、スズランの別名もありますが、白い花を吊り下げるユリ科のスズランとは全くの別物です。
花は美しく、華やかなようでもありますが、全体の印象はむしろ地味で、渋みが漂います。 茶花としても好まれているようです。



昨年シュンランの節で、ラン科の花は花粉を花粉塊というパックにして受精し、10数万の種子を作ると書きました。 しかし、そのために種子のひとつひとつはもの凄く小さく、胚乳すらありません。 植物は胚乳の栄養分で発芽し、成長するわけですが、ランは自力では発芽することも出来ないのです。
そこで、ランは発芽に必要な栄養をラン菌から貰うという方法を開発しました。 すべてのランは、少なくとも発芽するまではラン菌に依存するわけです。 その後は多くのランは自分で葉を作り、光合成を行って、自立した生活を送ります。 もちろん、このカキランもそうなのですが、中にはツチアケビのように、一生をラン菌に依存する腐生ランの仲間もあります。
ひとくちにラン菌といっても様々な種類があって未解明な部分が多いようです。 我が国の代表的なラン菌は立ち枯れ病菌のリゾクテリアといわれています。 おそらくおいしい餌だと思ってランの種子に侵入したら、逆に食べられてしまったという関係だろうといわれています。
しかし、調べていると、ランが繁殖領域を増やすことにより、ラン菌が繁殖領域を拡大しているというような記述も観られます。 このレベルになると、私のような素人には手に負えません。
共生というと、お互いに助け合って繁栄していくイメージを抱きがちですが、自然界で行われている営みは一筋縄ではいきません。 真実は、大きなところにありそうな気がします。


6月21日 うり坊

イノシシは、おそらくはこの周辺でもっとも評判の悪い哺乳類でしょう。 畑を掘り返して、せっかく育てた作物を掘り返すばかりでなく、道路の斜面やら、あちこちを掘り返す乱暴狼藉を働いています。 農家ではない我々は、少しくらい取られてもいいじゃないかと思っていたのですが、野草園予定地にも出没し、僅か数株しかない野草が台無しになるというようなことが続き、少しばかり考えが変わってきました。 たくさんあれば、少しくらい被害を受けても全滅することもないのでしょうが、数が少ない間は致命傷になります。 そこで野草園の半分近くを電柵で囲い込み、少なくとも当面の間は、イノシシ立ち入り禁止にしています。
近年、里にイノシシの出没が増えているのは間違いのないところです。どこへ行っても、田畑を柵や電柵で囲っている姿を見るようになりました。 イノシシの絶対数が増えたのか、あるいはイノシシが里へ棲息領域を移してきたのかは定かではありませんが、イノシシはツキノワグマに迫る身体の大きな野生動物であり、人間に大怪我をさせる実力を持っています。 人間とイノシシの折り合いの付け方を考える時期になっています。
この周辺でも、最近、罠の設置数を増やしているようです。 どうやら、その結果として、最近、相次いでイノシシの子供のうり坊を観るチャンスに恵まれました。


故たか爺の畑に現れたうり坊。

日本には沖縄の諸島にリュウキュウイノシシという亜種が棲息するようですが、本州や四国に棲息するのはニホンイノシシ一種類です。 イノシシはウシ目(偶蹄目)イノシシ科に属する大型の哺乳類です。 鼻がイヌに匹敵するほど敏感で、神経質な動物です。 身体も大きく力持ちなので、日本のような大型肉食獣が棲息しない、あるいは絶滅している地域では成獣の捕食者は人間や野良犬くらいしかありません。 カラスやキツネが幼獣を捕食する程度です。 食性は雑食性で、草・球根・果実の他、ミミズや動物の死骸なども食べます。
今回調べたWikipediaに依ると、基本的には昼行性ですが、人間活動に対する二次的な習性で、人里付近では夜行性になっているとのことです。
イノシシの幼獣は胴体に縞模様を持ちます。 春の木漏れ日の下ではこれが保護色になります。 授乳期を過ぎた生後4ヶ月ほどで、この縞模様は消えます。

里に住むOさんの話では、母親が罠で捕らえられたが、おそらくその子供だろうとのことです。 たぶんまだ乳離れも終わっていないのでしょう。 確かに写真で観るよりも、ずいぶん痩せています。 フェンスの隙間から姿を消しましたが、果たしてその後、どうなったのでしょう。


6月15日 半寄生植物

ビオトープ周辺で、今年もミヤマママコナが咲き始めました。 ママコナはやや乾いた場所に生えるゴマノハグサ科の一年草です。 ママコナの名は、未熟な種子を米粒に見立てたとも、花冠の下唇の白い膨らみを指すともいわれます。 ミヤマママコナでは、膨らみおよびその奥は、写真のようにやや黄色を帯びます。
通常の植物のように、ちゃんと緑色の葉をつけ、まとも(?)な姿をしているので、これが寄生植物の一種であるというと、驚かれることでしょう。 前節で書いたように、すべてを宿主に依存する寄生植物は「完全寄生植物」といい、葉緑体を持たないので、ギンリョウソウ同様にある種の異様な印象を与えます。 完全寄生植物で比較的よく観られるのは、ナンバンギセルの仲間ですが、まだビオトープ周辺では見つけていません。 見つかれば、また紹介するとして、今回は半寄生植物の例を紹介します。


ビオトープ周辺で、ごく普通に観られるミヤマママコナ。

半寄生植物というのは、ちゃんとした葉を持ち、光合成を行うので、タンパク質などは自分で創り出すことが出来ます。 おそらく水分やミネラルなどを宿主から貰っていると思われます。
一目見て寄生植物と判るのは、ヤドリギなどの樹木に着生する種類です。 これは大きな樹木の枝などに根を張ります。 写真左下は四季庵のマツグミです。 ヤドリギ同様にアカマツから生えているようです。
しかし、多くの半寄生植物は、地面の中で根を伸ばして、他の樹木の根に差し込んでいます。 この為、外観上は寄生しているようには見えません。 ビオトープ周辺でよく見かける低木では、ツクバネが半寄生植物です。 右下の写真はツクバネの雌花です。 すでに萼が大きく開いていますが、中央部分が熟して大きくなると、お正月の羽根突きの羽根そっくりになります。
半寄生植物は、光合成を行うので、宿主が見つからなくても、一応は生きていけると思われています。 大きく育たなかったり、花のつきが悪くなったりするという程度のことだと言われています。 地面を掘って、確認したいような気になりますが、訳が分からなくなるのがオチでしょう。

  
アカマツに寄生するマツグミ。8月に地味な花を咲かせます。 ツクバネの雌花。5月撮影。


6月3日 腐生植物

今年も少し暗い場所で、ギンリョウソウの仄白い花が咲きました。 この花を不気味だと感じる人もいるでしょう。 通常の野草に比べれば、ある種の異様さを感じさせることは間違いないでしょう。 ギンリョウソウは銀竜草と書きます。 その姿を銀の竜に見立てたものです。 別名は幽霊茸。 葉が退化しているので、茸だと思ったのでしょう。 透明感のある白色は、なんとなく幽霊を連想させます。
植物というのは、緑色の葉を持ち、ここで光合成を行って、身体の材料になる有機物とエネルギーを生産し、廃棄物として酸素を吐き出します。 自分の身体の材料を自分自身で作るので、独立栄養生物に分類されます。 これに対して、動物や菌は、植物の作った有機物を摂取することにより身体の材料とエネルギーを獲得するので、従属栄養生物に分類されます。 つまるところ、動物は植物の存在なしでは生きられません。
ところが進化が進むと、例外も出てくるわけです。 ギンリョウソウが白いのは、葉緑素を持たないから、つまり光合成を行わないからということになります。 ではどうやって栄養を得ているのでしょう。 答は簡単で、他の生命から吸い取っているということになります。 こうした植物を表す言葉に寄生植物とか腐生植物という概念があり、ギンリョウソウは代表的な腐生植物として有名です。


独特の雰囲気を醸し出すギンリョウソウ。 これでもレッキとした花です。

寄生というのは、他の緑色植物から直接的に栄養分を得る植物で、すべてを宿主に依存する植物を「完全寄生植物」と呼びます。 世界最大の花として知られるラフレシア、日本ではツチトリモチなどが有名で、これも葉緑体を持ちません。
外観上はちゃんとした緑の葉を持ち、自分で光合成を行うけれど、主に水や栄養塩類を他の植物に依存するものを「半寄生植物」と呼びます。 これは意外に多くて、ヤドリギのように樹木に着生しているもの以外に、地中の根で繋がっているものもあります。 野草ではママコナが有名です。
さて本題の腐生植物ですが、これは腐葉土などの植物の死骸から栄養を得ていると考えられていたのでつけられた名前です。 ところが研究が進むと、そういう仕事を行うのは菌類で、菌類を介して栄養を得ていることが分かってきました。 さらに菌類にも色々あり、植物の死骸を分解する菌類以外に寄生している腐生植物もあることが分かってきました。
ギンリョウソウの場合は、ベニタケ属菌類に寄生するのですが、生きている樹木と共生していることが分かってきています。 従ってギンリョウソウはベニタケ属菌類経由で、樹木が光合成で創り出した有機物を得て、生活しているというのが真相というべきでしょう。
人間の道徳観で自然界の生命を観るというのは、厳に慎むべきですが、自然界の複雑さ、巧妙さは、まさに奇々怪々。 ただただ驚き呆れるばかりです。


5月21日 スミレ入門

俗にスミレ・タンポポ・レンゲソウといわれるように、スミレは春の野を代表する野草として、昔から親しまれてきました。 ところがひとくちにスミレといっても非常に種類が多く、変種レベルでは100種類近くに分類されているようです。 おいそれと、このコーナーで取り上げるわけにはいかないということで、これまで敬遠してきました。 スミレが好きで好きで堪らないので、とことん調べたいという方は、俗に「いがり図鑑」と呼ばれる「山渓ハンディ図鑑6・日本のスミレ」などで調べて下さい。 このコーナーは、見分け方の類は、基本的に扱わないつもりです。

スミレの分類の仕方として、一般的には「地上茎のあるスミレ」と「地上茎のないスミレ」に大別しています。 前者は、茎の途中から枝分かれして葉や花が出ています。 後者は、すべての葉も花も単独で土から伸びており、途中で枝分かれしません。
地上茎のあるスミレの内、もっとも一般的で分布も広いのがタチツボスミレです。 都会部ではあまり見かけませんが、海岸近くから亜高山帯まで、ほとんどのところに分布しています。
地上茎のあるスミレというのは、もの凄く判りやすく聞こえますが、ちょいとした落とし穴があります。 スミレの仲間というのは、春の早い時期に花を咲かせるものが多いのですが、その時期にはまだ茎が十分に成長していません。 タチツボスミレの写真はたくさん撮っているのですが、茎が分岐していることが判る写真というと、ほとんど見あたらないのです。 オオタチツボスミレあたりだと、わりと葉と茎が分岐している様子が判るのですが、一応代表とされるタチツボスミレの写真を紹介しておきます。


タチツボスミレ

地上茎のないスミレの代表格といえば、やはりスミレでしょう。 濃い紫色の花に、切れ長の葉を持つ、あのスミレです。 ややこしいことに、「スミレ」というのは、スミレ科のスミレの総称であると同時に、1種類のスミレの名でもあるのです。 この混乱を避けるために、ラテン語のマンジュリカと呼ぶ人もいれば、「ただのスミレ」と呼ぶ人もいるそうですが、私は標準和名をカタカナで書くという主義なので、やっぱりスミレと書くことにします。
生息数からいうと、タチツボスミレが一番ポピュラーなスミレなのですが、生まれも育ちも名古屋の私には、アスファルトの隙間に咲くこのスミレが一番馴染みのあるスミレでした。 少なくとも、花を始めるまでは・・・。


ビオトープでも多いスミレ

スミレの多くは、春先に花をつけて実を結びます。 しかしスミレのほとんどは、夏や秋にも盛んに実を結びます。 ただし春先のような目だった花はつけません。 閉鎖花という開かない花をつけ、自分の花粉で受精して、実を結ぶのです。 外見上、実や種子は同じように見えますが、春先の種子は、両親とは異なる遺伝子になり、閉鎖花は親のコピーになります。 要するに有性生殖と無性生殖を使い分けているのです。
現在、そこで繁殖に成功している親の遺伝子を持った株の数を増やし、その一方で、多様な遺伝子の確保も行っているということです。 こう書くと、スミレの繁殖力は無敵で、一人勝ちしそうな勢いに思われますが、背が高くないので、太陽光を独り占めできない為でしょうか? 他の植物との競争には、あまり強くないようです。

そろそろスミレが実を結んできたので、その写真を撮ってきました。

  

スミレの実は、最初は頭を垂れていますが、種子が熟してくると、上を向いて立ち上がります。 実の形は、開放花も閉鎖花も違いはないように見えます。この写真は、有性生殖のものです。
やがて実は3つに割れます。 内側には種子がびっしりと詰まっています。

  

鞘(?)は、乾燥すると、種子を締め付けてきます。 そして種子は順番にはじき飛ばされます。 数m飛ばされるようです。

スミレは自力でも、種子を遠くへ運びますが、それ以外にも工夫を凝らしています。 種子についている白いものは、エライオソームです。 アリを使って、種子をより遠くへ運んでもらうためです。 エライオソームについては、前回のニリンソウの項を参照して下さい。


5月17日 アリ散布植物

ニリンソウはキンポウゲ科の多年草で、しばしば大群落を形成することで知られています。 上高地のニリンソウ群落は全国的に知られていますし、この付近では伊吹山頂のニリンソウ群落も見事です。 私が野草園をやりたいと考えたのも、これらの見事さが忘れられず、なんとか自分の手で再現してみたいという想いが大きな要素になっています。 野草園のイメージを、たった一つ言うとしたら、躊躇なく、林床を真っ白に埋めるニリンソウ群落ということになるでしょう。 さすがに上高地や伊吹山頂の再現というのは気恥ずかしいので、伊吹山でも少しマイナーな場所のニリンソウ群落の様子を示しておきます。 これがビオトープ野草園の、私が夢見る姿です。



以前にも書きましたが、ニリンソウは早春の短い期間だけ地上に現れるスプリングエフェメラル(春の妖精)の一つです。 夏には地上から姿を消し、地中で根が休眠状態で来年の春を待ちます。 スプリングエフェメラルの多くは、太陽光が地上にふんだんに降り注ぐ新緑前の期間に、子孫を残す仕事と、来年に備えてのエネルギーの貯蓄をやり終えなければなりません。 従って、早春の季節は、とても慌ただしく変化します。
たとえば、左下の写真は上の写真と同じ日に撮ったものですが、すでに種子が出来はじめています。 それくらいのことは当時から気づいていましたが、もっと大きくなって黒っぽくなって熟すのだろうと、なんとなく思い込んでいました。
野草園を始めて、種子を集めたいと思い、調べてみると、それほど大きくもならないし、色も黒っぽくならないことを知りました。 右下の写真程度で、摘めばボロボロ落ちてくる程度で十分なのです。 ニリンソウの種子は不完全種子と呼ばれるもので、内部の胚の発達が完了しないままの状態で落ち、その後に胚が完成して発芽可能な状態になるのです。
ついでながら、植物は子孫を残す手法として、有性生殖と無性生殖を併用するものが多いのです。 ニリンソウも地下茎を伸ばして株を大きくする一方で、花を咲かせて種子を作ります。 人間が有性生殖専門で子孫を残すので、なんとなく有性生殖の方が優れた方法だと信じ込んでいる人が多いと思いますが、環境変化やアクシデントがなければ、親とまったく同じ遺伝子を持った方が、その場所では有利なことが多いのです。 しかし自然界では何が起こるのか分かりません。 病気の流行によって、そこにあるすべてのものが死に絶えてしまうかも知れません。 親とは異なる多様な遺伝子を持ったものが存在すれば、生き残るものも現れる可能性があります。 そのような意味で有性生殖という方法が発明され、多くの生命、とりわけ動物は、有性生殖という方法を採用していると考えられます。

  

右上の写真は、ほぼ熟した種子のマクロ写真ですが、先っぽに白っぽいものが付いているのがお判りいただけるでしょう。 これはエライオソーム(種枕)と呼ばれているものです。 正体はアリの大好物です。 アリはエライオソームに誘われて種子を巣に運び、エライオソームだけを食べて、種子を捨てます。 アリの種類によって、巣の内部に廃棄するものもあれば、巣の外に捨てるものもあるようです。 植物の方からすれば、種子を食べられては元も子もありませんが、種子が無事な姿で残るわけですから、エライオソームはアリへの報酬ということになります。 こうして種子は遠くへ運ばれ、植物は繁殖範囲を広げることが出来るのです。
エライオソームによって、アリを種子の運送業者に雇う植物をアリ散布植物と呼びます。 ニリンソウ以外にもフクジュソウ・カタクリ・スミレの仲間・ムラサキケマンやエンゴサクなどが知られ、意外なところでは地味なカンアオイ、雑草のホトケノザなどもアリ散布植物です。
進化の世界では原始的といわれ、目立った特徴もない普通の花にも見えるニリンソウ。 しかし知れば知るほど、したたかで戦略に溢れています。 このしたたかさが私の頼りとするところです。 いつか私の夢が、現実の姿になることを信じたいと思います。 でも、時間がかかるので、実際に観ることは無理かも知れません。 それはそれでも良いと思います。 本気になれば実現できるのが夢。 でも時間の制約の中で、見果てぬ夢もまた夢です。


5月15日 名前の判らない花

ワチガイソウは、湿り気のある場所に生える、いかにもか弱げなハコベの仲間です。 葉も細くて、間隔が開いているので繊細な印象を与えますが、紫色のおしべが目立ち、愛嬌のある、しかしキリッとした顔つきをしています。 当然のことながら、はじめて観た時には名前も判らず、図鑑を調べて、やっとワチガイソウの名前に辿り着きました。 ワチガイソウ??? どういう意味だろう?
幸いにも、愛用の図鑑には命名の由来も書かれています。 それによると、江戸時代に展示会が行われた時に、名前が判らなかったので、輪違いの印を付けて目印をしたのが、そのまま草の名前になってしまったということです。
その時は一応は納得して、そのまま忘れていたのですが、久しぶりにこの花に出会って、輪違いって「?マーク」だったのかな? という疑問が湧いてきました。 輪違いというのは○を二つ重ねて横に並べる印で、家紋などに使われるものです。 調べた限りでは、この紋を不明という意味と結びつける記述は見つかりません。 どうして、名前が判らなかったこの花に輪違いマークを付けたのでしょう? 特にこの花と直接関係することでもないし、家紋に特別の興味があるわけでもないのですが、変なところに引っかかっています。



  

私がこの花を観たのは2カ所だけで、両方とも渓流沿いの水滴がかかるような場所でした。 湿地に近い場所に自生するのかなと思っていたのですが、落葉樹林下と書いてあるのがほとんどです。 特別に湿った場所である必要はなさそうです。 調べている間に、茎の下部に閉鎖花をつけることが判りました。 今度はじっくりと観察することにしましょう。
名前が判らないという意味が名前になった植物といえば、「なんじゃもんじゃの木」があります。 もうすぐこの花も満開になるでしょう。