野草の森から2013(3)

3月2日 カエルの歌が

このところ暖かな日が続いたので、ひょっとしたら、春が一気に進んでいるのではないかという淡い期待を抱いたが、見事に打ち砕かれた。まあ、3月中に咲く花の種類は限られている。一歩ずつ確実に進んで欲しい。


新たな役者は、四季庵のセツブンソウのみ。それも一株だけである。
  
それでもセリバオウレンは、ずいぶん賑やかになった。
  
マンサクも華やかになってきている。
  
フクジュソウも増えた。久しぶりにツチグリに出遭ったので、無理矢理胞子を吐いて貰った。

こちらも今年は遅れていたが、ビオトープでカエルの合唱が響き渡っている。ヤマアカガエルの産卵がはじまった。

  
そっと池に近づいて、水面の波紋に目を凝らすと、声の主の姿が見え始める。
  
産卵が進み、水中に卵が現れる。

ヤマアカガエルを狙って、この時期になると、ビオトープに大型の野鳥が姿を現す。

  
サギの仲間のダイサギとアオサギ。ダイサギは早速カエルを捕らえたようだ。
  
猛禽類のノスリも、毎年この時期になるとやってくる。

冬鳥の季節も、終盤にさしかかったが、まだまだ頑張っているようだ。

  
やっとアトリを、よい条件で捉えることが出来た。ミヤマホオジロは遠すぎる。
  
今年は比較的撮れたベニマシコ。四季庵の隣の山荘の前に、ウソが現れた。こちらでこの鳥を観るのははじめてだ。今年はウソにも縁がある。出来ればもう少しよい条件で撮らせて欲しい。

ブログ 春を告げる花


2月24日 寒さの中でも

猛烈な寒波が居座り、冬に逆戻りしたかのような天気が続いている。さすがに今週はお休みにしようかと考えたが、何もなければ、春に向けての作業をすればよいと思い直す。中央道の内津峠あたりからは、峠付近ごとに雪景色が広がる。ビオトープ付近も日陰では雪が積もっている。これではフクジュソウもセリバオウレンも咲いていそうもない・・・と思ったのだが。


雪の帽子を被って、セリバオウレンが咲いている。「野草の森」の一番花だ。
  
小さな花が、山里に春の訪れを告げる。
  
陽だまりの庭のフクジュソウも咲いた。開ききる頃には、雪は溶けてしまった。
  
近くのマンサクはまだ蕾が堅いが、付知川沿いでは咲いていた。開いたものの、寒さに震えて、縮こまっているように見える。

今回は、野鳥も珍しいものが、登場してくれた。

  
久しぶりのベニマシコ(メス)
  
平地部では、野鳥マニアの憧れになっているコガラ。この周辺でも、あまり見かけない野鳥だが、今年は山に雪が多いので、出張してきたらしい。今回は群れで登場した。
  
混群の中にはシジュウカラもいた。コガラは苔を食べ、シジュウカラはカマキリの卵に執着していた。ビオトープには、ノスリが戻ってきた。ヤマアカガエルが産卵を始めたのかと探してみると、待望の青い鳥が登場した。
  
この冬、なかなか出会えなかった成熟したオスのルリビタキ。尾の部分だけ青いルリビタキ(メスあるいは未成熟なオス)は、最近よく観るが、真っ青なオスは少ない。この姿でいられる期間は短いのだろうか?

なにはともあれ、今年の春もはじまったようだ。早く軌道に乗って、華やかな季節になって欲しいものだ。


2月16日 春を待つ心

俗に「三寒四温」と言われるように、冬から春に向かうこの時期は、天候も気温も、めまぐるしく変化する。ここ数年は、寒い三月が続き、春の訪れが遅れ気味である。秘かに心配していたのだが、昨日は長時間、雪が降ったようだ。予想通りに、「野草の森」の林床には、再び雪が積もっている。早い段階で、この雪が溶けないと、ただでさえ遅いビオトープの春の訪れは、より遅れることになりそうだ。
咲いていることを期待していたフクジュソウも、まだ蕾のままである。フキノトウの姿も見当たらない。


それでもシキザクラの蕾が膨らんできた。
  
先週、落ち葉を払いのけたセリバオウレン群生地も、冬に逆戻りだ。
  
ミノムシの幼虫も、寒さに震えているだろう・・・。おやっ、シキザクラが咲き始めそうだ。
  
ネコヤナギも、ずいぶん冬芽を脱ぎ捨てて、蕾が膨らんできた。春がそこまでやって来ているのは、間違いなさそうだ。

今回も、花は諦めて、野鳥を追ってみよう。といっても、寒くて風も予想よりも強い。出は悪い。

  
それでもコガラが現れた。コガラは比較的標高の高い場所を生息地にするので、この付近では珍しい。
  
カワラヒワ・ツグミの姿が目立ってきた。
  
この時期、もっとも目立つ野鳥の一つ、ジョウビタキ。オスだけでなく、メスも現れた。
  
トビの姿も、この時期にはよく目にする。

朝の寒さは半端ではない。といって、この辺りでは、一夜にして氷瀑が出来上がるという程の寒さでもない。雪が積もっていては、春の準備をすることも出来ない。今回も、辛い訪問になった。次回の訪問では、春の始まりを感じたいものだ。


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